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試合日程・結果
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| J2第14節 守りきり岐阜に1−0 (2012年5月15日号より) |
| J2は12、13日、第14節を行った。勝ち点15で14位の松本山雅FCは13日、22位のFC岐阜と岐阜メモリアルセンター長良川競技場で対戦し、1−0で競り勝った。山雅は4試合ぶりの白星。勝ち点3を加え、順位は1つ上げて13位になった。 今季開幕戦からフル出場を続けてきたDF飯田が警告の累積で出場停止の山雅は、3バックの右に渡辺を起用。 前半は運動量が少なく、相手に主導権を握られたが決定機をしのぐと40分、玉林の右クロスに合わせた弦巻が、コースを変えるうまいシュートで先制。 相手の両サイドバックが積極的に攻撃参加した後半は、相手ボランチの運動量が落ちたこともあり逆にチャンスを多くつくったが、シュートが決まらず無得点。それでも守備は最後までほころびを見せず、3試合ぶりの無失点で切り抜けた。 反町監督は「立ち上がりが悪く、スピードもなく不満が残る内容」としたが、得点については「練習している形が出せた」。リーグは今節で全42戦の3分の1を消化し、「試合数(14)を上回る勝ち点が取れたことは評価できる」と話した。 次節(20日)、山雅は15位の横浜FCと松本市のアルウィンで対戦する。 |
| 終盤で痛い失点 湘南と1−1 (2012年5月8日号より) |
| J2は6日、第13節を行った。勝ち点14で14位の松本山雅FCは、同26で首位の湘南ベルマーレ(神奈川)と松本市のアルウィンで対戦し、後半40分にFW船山のゴールで先制したが3分後に失点し、1−1で引き分けた。山雅は勝ち点1を加え、順位は変わらなかった。 山雅は風上の前半、ミドルを主体に相手を上回るシュートを放ったが無得点。後半は逆に湘南がミドルシュートでゴールを脅かしたが、山雅はGK野澤の好守で防いだ。 山雅は後半途中から出場の弦巻が相手のパスを奪い、後半から出場した船山に送って決めたが、その後に相手ゴールキックからのカウンターで失点した。 山雅は次節の13日、22位のFC岐阜と岐阜メモリアルセンター長良川競技場で対戦する。 ◇ 大型連休中の中2日での4連戦で、山雅の最後の相手は今季4連勝が2度の首位湘南。連戦で2連敗後に引き分けと勢いに陰りが出たが、12試合で計25得点は山雅の3・5倍。そのJ2随一の攻撃を封じ、残り5分で先制した山雅だが、続いた攻勢が裏目に出て惜しい引き分けに。 「勝てたと言えるのか、引き分けでよかったと言えるのか…」。土壇場での得点と失点に複雑な表情を浮かべた反町監督だが、「ほぼ同じメンバーで戦った連戦の最後としては、走力とかゲームのクオリティーも高く、うれしく思う」と、選手を評価した。 攻守に負担が大きいFWの疲れを考慮し、開幕戦から先発を続けていた弦巻と、8戦連続だった船山はベンチスタート。が、後半開始から船山、12分には弦巻を早々に投入。塩沢を含め、結果的にはこの3人が前線で相手にプレッシャーを掛け続けたことが、相手のミスを誘い得点につながった。 「僕らが圧力を掛けることで前でボールが奪える。すぐに攻撃に移れる」と塩沢。弦巻も「守備陣から『(FWは)もう一つ前に出ろ』という声も掛かるようになった。全員守備でチームが一つになっている」と強調。 「よそとの力関係で、うちは1人でもさぼれば絶対にやられる。どうしても譲れない」と、指揮官が徹底して求める運動量は、攻守やポジションを問わず浸透している。 元J1の2チームとの対戦を含む4連戦を、1勝2分け1敗の五分で乗り切った。「下を向く必要はない。精神的に強くなれば、もっといける」。25歳のバースデーゴールは祝砲とはならなかったが、船山は確信した表情で言い切った。 (山岡史明、倉科美春) |
| 決定機決められず5試合ぶり黒星 (2012年5月5日号より) |
| J2は3日、第12節を行った。勝ち点14で14位の松本山雅FCは、20位徳島ヴォルティスと徳島県鳴門市の鳴門・大塚スポーツパークポカリスエットスタジアムで対戦し、後半26分にCKから失点。得点できず0−1で敗れた。山雅は5試合ぶりの黒星。順位は変わらなかった。 90分間を通じてのシュート数は徳島7に対し山雅13。後半は相手の4倍の8本を放った山雅だが、決定的なチャンスを決め切ることができない中、相手に数少ない好機をものにされた。 山雅はサイドからのクロス、相手守備陣の裏を取る動き、セットプレーと攻撃パターンが増え、決定機も多かっただけに惜しい敗戦。 8節の熊本戦以降、相手の攻撃を抑えるとともに、上位にも臆することなくボールを支配し、ゲームを組み立ててシュートに結び付けている。課題は相手のゴールネットを何度揺らすことができるかだ。 反町監督は「開幕時に比べ、Jリーグのチームらしくなってきた」と話す。次節6日は現在首位の湘南ベルマーレと松本市のアルウィンで対戦。昨季まで湘南を指揮した反町監督が、強敵の古巣相手にどのような策を用いるかにも注目だ。 |
| 強豪京都を零封 攻めて引き分け (2012年5月3日号より) |
| J2は4月30日、第11節を行った。ここまで4勝1分け5敗で勝ち点13、14位の松本山雅FCは、7位京都サンガと松本市のアルウィンで対戦。前後半を通して相手を上回る決定機をつくったがものにできず、0―0で引き分けた。山雅は勝ち点1を加え、順位は変わらず14位。 前節(27日)、町田ゼルビアに1―0で勝って連勝を3に伸ばした山雅は、前半はGK野澤のキックなどを起点にゴールに迫り、相手の2倍のシュート8本を放つなど攻勢。 後半も攻撃的な選手を投入して得点を狙ったが、シュートが決まらず、4試合ぶりの無得点。守備は、2連敗中と元気がない京都を運動量の多さで零封した。 山雅は次節(3日)、20位徳島ヴォルティスと鳴門・大塚スポーツパークポカリスエットスタジアムで対戦。 ◇ サッカーに判定があれば、前半は山雅の完勝だった。相手ボールを奪ったり、パスカットして攻撃に転じたのは15回以上と、相手のほぼ3倍。ボールへの執着心が攻守に表れ、戦力・経験とも上回るJ1昇格候補を押し込んだ。 相手が積極性を取り戻し、ボールを奪い合った後半も決定機の数で上回り、守備もよく足が出て開幕から10戦続けて得点中の相手をゼロに抑えた。 敵地での前節から中2日。「『連戦の疲れを理由にごまかすな』と選手に伝えた。決してごまかさず、適正なポジショニングと対応をした結果」と反町監督。短いパスを多用する京都は左右どちらかに人数が片寄るのを事前に把握し、手薄な逆サイドを突くなど戦術面の工夫も光った。 4連勝は逃したが、これで4試合連続の無失点。ボールを追い続けた小松、喜山の両ボランチは終了直後、放心したようにピッチに膝をついた。小松は「FW3人がよくボールを追ってくれる。全員がハードワークしているのが要因」。 前半にシュート3本をGKに止められ、後半は右目上を7針縫うけがを負いながらピッチに立った塩沢、2度の決定機をものにできなかった弦巻らを責める声はなく、「ゴールが決まるまで、何度でもチャンスをつくればいいだけ」と喜山。 DF飯田は「(無失点は)前線が我慢して守備をしてくれるおかげだが、人数が足りている場面でもFWが下がっていては(監督が目指す)攻撃的なサッカーにならない」と、先を見る。堅守で深めた自信がチームに一段階上を見させるなら、「前向きにとらえれば貴重な勝ち点1」(反町監督)だったと言えよう。 (山岡史明、倉科美春) |
| J入り後初の2連勝 千葉に1−0 (2012年4月24日号より) |
| J2は22日、第9節を行った。勝ち点7で17位の松本山雅FCは6位ジェフユナイテッド千葉と松本市のアルウィンで対戦し、後半39分にDF多々良が決勝点を挙げて1−0で競り勝った。山雅はJ入り後初の2連勝で勝ち点10とし、順位は2つ上げて15位とした。 山雅は前半、連続CKなどで押し込まれる時間が続き、後半も立ち上がりの得点機を逃すと相手に主導権を握られたが、ともに守備陣が粘り強く守り無失点。 得点はCK後に生まれ、前線に残っていた多々良がうまく抜け出し、相手DFとGKをかわしてシュートを決めた。 山雅は次節(27日)、18位町田ゼルビア(東京)と町田市陸上競技場で対戦する。 ◇ 最後まで諦めずに走り、体を張って守る―。反町監督が選手に徹底してきたボールへの執念が実り、山雅はJ2屈指の戦力を持つ千葉を破り2連勝。 リーグ首位のパス回数が示す通り、主導権を握ったのは千葉だった。今春までイタリア・セリエAでプレーしたMFレジナルドらが再三ゴールに迫り、山雅は前半だけで11本のシュートを浴びた。 「サッカーに判定があれば、完全に負け」と反町監督。が、3バックや喜山、小松の両ボランチ、GK野澤が体を投げ出し、ゴールを割らせなかったことが最大の勝因だ。 反町監督は「相手にあれだけボールを動かされたら、足がつってもおかしくない。ゲーム体力が付いてきた」とし、終盤の得点にも課題克服の手応えをつかんだ様子。 2節から先発出場を続ける喜山は「攻め込まれた時間帯にどう動けばいいか、声に出さなくてもお互い分かるようになってきた」と、選手間の意思疎通の深まりを口にする。 「チームが良い方向に向かったのは、0―3で完敗した5戦前の愛媛戦がきっかけ」と語るのはゲーム主将の飯尾。「失点したが、ピンチに足を出すなど皆が細かいことを最後まで諦めずにやっていた。続ければ、いつか勝てると信じていた」 試合終了後、抱き合って喜ぶ選手の表情には、これまで積み重ねてきたものが連勝という形で表れた安堵(あんど)と自信が浮かんだ。 次節は同じく今季からJ2入りし、上位に4連敗するなど現在18位と振るわない町田が相手。今季の初勝利後や、好調な相手と引き分けた後に頭をもたげた精神的な緩みが払拭(ふっしょく)できるかも、試されそうだ。 ◇ 多々良が前節の熊本戦に続き2試合連続のゴール。船山の左CKを遠いサイドで中央へ折り返し、このボールはクリアされたが、拾った鉄戸からのフィードを右前で受けてシュート。値千金の決勝弾に「頭の中が真っ白になった」。 得点より喜んだのが、これも2戦続けての無失点。「常に立ち返るのは運動量と守備。相手より走り、守りでリズムをつくって攻撃につなげる」意識がチーム全体に浸透したとし、「今季はやることが明確」と、反町監督の求めに忠実に応えようとしている。 不動の3バックの一角として、開幕からフル出場を続けるJ初年。大卒で入団したばかりだった2年前のJFL開幕戦で、相手にPK2つを与えて肩を落とした無名の新人は、Jを目指す戦いの中で着実に成長し、今やチームに欠かせない存在になった。 (山岡史明、倉科美春) |
| 塩尻市が500万円出資 ホームタウン申請へ (2012年4月24日号より) |
| 塩尻市は17日、サッカーJリーグ2部(J2)松本山雅FCの運営会社に500万円の出資を申し込んだ。山雅とタイアップした特産物の販売や開発、全国から試合観戦に訪れる相手チームサポーターの観光誘客、イベントへの選手参加による集客増など、市の地域づくりや経済活性化につなげるのが目的だ。 市は同社の株(1株5万円)100株を取得する。自治体の山雅への出資は松本市(2000万円)に次いで2番目。山雅は、現在は松本市だけのホームタウンに塩尻市を加えるよう、Jリーグに申請する。 市役所で行った申し込み式で小口市長は「山雅は地域づくりの大きなサポーター。市は松本平の一員として応援する」。市農業公社が特産化を目指す緑色(山雅のチームカラー)大豆「あやみどり」を使った商品開発などに期待を寄せた。 山雅運営会社の大月弘士社長は「自治体の出資は税金。市民のために何ができるかを追求する」とし、具体的には「塩尻市デー」と題した試合を催すことや、サッカー教室の開催などを挙げた。 大月社長によると、同社がほかに出資を要望している安曇野市と山形村も前向きな姿勢といい、今後もホームタウンの広域化が進みそうだ。 (山岡史明) |
| 初の3ゴールで熊本に快勝 (2012年4月17日号より) |
| J2は4月15日、第8節を行った。勝ち点4で20位の松本山雅FCは、15位ロアッソ熊本と熊本市水前寺競技場で対戦し、3−0で快勝した。山雅は5試合ぶりの白星で、1試合で2点以上挙げたのはJ入り後初めて。勝ち点7とし、順位は3つ上げて17位とした。 前半は一進一退の攻防が続く中、山雅は39分にセンターライン付近で塩沢が倒され、喜山のFKを多々良が中央へ折り返し、塩沢が得意の頭でゴールにたたき込んで先制。5試合ぶりに待望の得点を挙げた。 後半は、今季初出場のためか調子が上がらない須藤を小松に代え、ペースを握って27分に鉄戸、4分後に多々良が立て続けに得点。アウェー初勝利を挙げた反町監督、飯尾、多々良は口をそろえて「先制点」を勝因に挙げた。 山雅は後半、焦る相手に前線から激しくプレッシャーを掛けて自由にプレーさせず、前半以上にチャンスをつくり出すなど、攻撃面でこれまで以上にいい形が生まれた。 この日の3得点のうち2点はセットプレーからだが、試合を重ねるたびに流れの中からの好機も増えている。強豪の千葉をホームに迎える次節(22日)も、どこまでやれるか楽しみだ。 |
| シュート数上回るも岡山に0ー1 (2012年4月10日号より) |
| J2は8日、7節を行った。勝ち点4で20位の松本山雅FCは、勝ち点8で12位のファジアーノ岡山と岡山市のカンコースタジアムで対戦し、0−1で敗れた。山雅は引き分けを挟み3連敗で、7戦して1勝1分け5敗。21位の横浜FCと22位の岐阜も敗れたため順位は変わらなかった。 山雅は立ち上がり中盤を支配したが前半24分、自陣右サイドからのクロスを相手FW川又に合わせられ失点。 後半は木島良や木島徹など攻撃的な選手を投入して攻め、前後半合わせたシュート数は相手を1本上回ったが、強固な守りを崩せず無得点で終わった。山雅は4試合連続無得点。決定力不足は深刻で、7試合で計2得点はリーグ最少。 山雅は次節の15日、2勝1分け4敗で15位のロアッソ熊本と、熊本市水前寺競技場で対戦する。 |
| 富山に完敗0−3 続く無得点苦悩の20位後退 (2012年4月3日号より) |
| J2は1日、6節を行った。勝ち点4で18位の松本山雅FCは、勝ち点2で20位のカターレ富山と松本市のアルウィンで対戦し、0−3で敗れた。山雅は6戦して1勝1分け4敗。順位を20位に落とした。 山雅は前半20分にミドルシュートで先制されると、43分にはFKから失点。後半17分にもFKから失点した。攻撃は再三、ゴールに迫ったがシュートが決まらず、富山の体を張った守備にも阻まれた。 山雅は次節(8日)、12位ファジアーノ岡山と岡山市のkankoスタジアムで対戦する。 ◇ 山雅は、昨季J2(20チーム)16位で今季まだ白星がない富山に完敗。「トップ・オブ・北アルプス」と銘打ち、FC岐阜を加えた近県3クラブの対戦を盛り上げる企画を発表したばかりだったが、その初戦はアウェーの富山サポーターを喜ばせ、山雅サポーターからは試合後、珍しく罵声が飛んだ。 強風のせいか互いにパスがつながらず、序盤は相手ボールを奪ってカウンターを仕掛け合うばたばたした展開。前半17分に山雅が決定機を外すとその3分後、富山MF徐がボールを奪ってから間髪を入れない見事なミドルシュートで先制。 続く2、3点目はFKから失点。反町監督は、前日の練習でもセットプレー時の守備がまずく、回数を増やしたりミーティングで注意したと明かし、修正できないまま試合に臨んだことを悔やんだ。 「(徐がボールを持つとすぐにシュートを打ってくる)ビデオは夢に出るほど見させられたし、セットプレーも注意されていた。要は相手の頑張りに負けた」とDF飯田。 それにしても山雅の決定力不足は深刻だ。これで3戦連続ゴールなし、6試合で計2得点は横浜FCと並びリーグ最少。反町監督は「(好機でも)シュートを打とうとしない」と繰り返し嘆き、途中出場のFW木島良は「先発陣は体力の8、9割を守備に費やし、前線でボールを持っても絡んでくる味方がいない」とぼやく。 「同じ0−3だった(2戦前の)愛媛戦に比べ、試合の内容や選手の気持ちの入り方などは今日のほうが上」と反町監督。確かにチャンスも何度かつくり、シュート数もほぼ互角だったが、初年とはいえ結果が求められるのがプロの世界。「あきらめず、投げ出さず、やり続けるしかない」。指揮官はそう絞り出した。 ◇ 前節に続き先発した山雅MF鉄戸は自身のホーム初戦を終え、「Jはあと1メートル、あと一歩の差が勝敗を分ける厳しい世界」と、唇をかんだ。 豊富な運動量と精度の高いクロスで、昨季までサイドバックとしてほぼ不動のレギュラーだった。しかし、今季は4節までベンチ入りすらなかった。 「自分には何が足りないのか」。同じ左ウイングバックの位置を争うMF楠瀬をスタンドから見るうちに気付いた。 「自分は前に仕掛けようとしていない。誰かにパスをしてから出方を考えるのではなく、まずドリブルで前に運ぼう」 それが体現できたという前半は、ゴール前に上げたクロスにFW弦巻がヘディングで飛び込んだり、自らシュートを放ったり。得点チャンスを何回かつくった。 「サポーターのためにも、これ以上ふがいない試合をしたくない」。あと一歩を踏み出すため、手探りで自分を変えようとしている。 ○…山雅MF大橋(後半途中から今季初出場)「2点リードされた場面で投入されたので、パスを前につなぐことを意識したが、周りとうまく連携が取れない。お互いがやりたいことを分かり切っていないのかも。FW片山をもっと意識して使いたい」。 ○…富山FW木村(昨季まで山雅でプレー。後半途中から出場)「個人的に山雅には絶対に負けたくなかった。チームの今季初白星という形で勝ててうれしい。アルウィンの雰囲気とサポーターは、敵として見てもやはりすごい」。 (山岡史明、倉科美春) |
| J2北ア3クラブが合同企画 (2012年3月31日号より) |
| サッカーJリーグ2部(J2)の松本山雅FC、カターレ富山、FC岐阜は今季、3クラブによる合同企画「TOPOF北アルプス」に取り組む。4月1日に松本市のアルウィンで行う山雅−富山戦を皮切りに、3チーム間のJ2リーグ戦計6試合に際して、特産品の販売やスタンプラリーなどを実施。地域間の交流や盛り上がりを図る。 現時点で決まっている内容は、▽3チーム間の対戦成績で順位を決め、表彰などをする▽ブースを設け、アウェーチームの県の特産品を販売▽6試合中4試合を観戦すると、オリジナルグッズなどがもらえるスタンプラリー(専用台紙は1日以降、試合会場で配布)▽恒例のホーム抽選会の賞品は、アウェーチームと試合のないチームの県の特産品に−の4点。今後も検討し、企画を増やしてきたい考えだ。 3県の中心にある北アルプスを連携の象徴とし、頂点を目指して競いながら地域交流を進めよう、との趣旨。岐阜と富山は、富山がJ2に参入した2009年から「東海北陸ダービー」と銘打ち、試合のPRイベントや物品販売などで交流してきた。 27日は山雅の大月弘士社長、富山の清原邦彦社長、岐阜の今西和男社長が出席し、アルウィンで企画発表の記者会見をした。大月社長は「縁の深い2県との合同企画はうれしい。勝敗も大事だが、それぞれの地域が大いにアピールし合い、互いの発展につながればいい」とあいさつ。清原社長は「山雅の集客力にも注目している。ファンやサポーターはもちろん、クラブ同士も交流を深め、集客の秘訣(ひけつ)などを学べれば」と期待した。 (長岩将弘) |
| 上位水戸に山雅0−0 守備に手応え (2012年3月27日号より) |
| J2は24、25日、5節を各地で行った。18位の松本山雅FCは24日、2位水戸ホーリーホックと水戸市のケーズデンキスタジアム水戸で対戦し、0−0で引き分けた。山雅は5戦して1勝3敗1分。勝ち点1を加え、順位は18位と変わらなかった。 好調な水戸に対し、ボールを支配される苦戦が予想された山雅だが、前半は相手と並ぶシュート5本を放ち、CKは相手の1本を大きく上回る4本と、上位相手に見劣りしない内容。後半は主導権を握られたが、堅守は最後まで崩れなかった。 山雅は前節、愛媛に完敗後、選手だけでミーティングを行い、試合に臨む気持ちや入り方を確認。一つ一つのプレーに対する気持ちは大きく変わり、ファン・サポーターに伝わった。 水戸の柱谷監督は「相手の試合運びは想定内。が、前節3失点の反省を生かした守備を崩せなかった」。山雅は初勝利を挙げた北九州戦のように、気持ちを引き締めれば、守備には手応えを感じる。 一方、流れの中からの得点はまだなく、山雅の反町監督は「日々のトレーニングを積み上げ、今やれる方法で、全力で戦う」と話した。 山雅は次節(4月1日)、20位カターレ富山と松本市のアルウィンで対戦する。 |
| 完敗 愛媛に0−3 (2012年3月22日号より) |
| Jリーグ2部(J2)は20日、4節を各地で行った。前節にJリーグでの初勝利を挙げた松本山雅FCは、愛媛FCと松山市のニンジニアスタジアムで対戦し、0−3で完敗した。山雅は4戦して1勝3敗となり、22チーム中、順位を15位から18位に下げた。 前節から中2日で敵地と厳しい条件の一戦に前戦と同じ先発メンバーで臨んだ山雅は、相手に中盤を支配されて前半14分、ミドルシュートのこぼれ球を決められて先制を許した。 後半はボールを持つ時間が増えたがゴールに迫ることができず、35、41分に追加点を奪われた。山雅は攻撃時の判断の早さやセカンドボールへの反応で相手に遅れを取り、決定機は前半の1度と後半の2度だけ。相手のGKの好守もあり、得点できなかった。 山雅は次節の24日、ここまで3勝1敗の2位と好調な水戸ホーリーホック(茨城)と、水戸市のケーズデンキスタジアム水戸で対戦する。 |
| 初白星 Jで響いた「勝利の街」 (2012年3月20日号より) |
| ホームで歓喜のJ初勝利−。サッカーJリーグ2部(J2)松本山雅FCは17日、ギラヴァンツ北九州(福岡)と松本市のアルウィンで対戦し、前半19分にコーナーキックからDF飯田真輝選手が頭で決めた1点を守り切り、1−0で勝ってJ入り3戦目で初白星を挙げた。開幕2連敗で先行きを心配していたサポーターや観客は喜びに沸き、山雅の勝利時に歌う凱歌(がいか)「勝利の街」が初めてJの舞台で鳴り響いた。 11日のホーム初戦は1万3000人以上の観客が詰めかけた。雨天のこの日は約4500人と、ほぼ3分の1。それでも歴史的な1勝を期待するサポーターはかっぱを着たり、びしょぬれになって声援を送った。 相手の北九州は昨年8位に躍進したが、J2入りした一昨年はわずか1勝しかできず、J初年の厳しさを肌で知る「先輩」。 北九州市や関東地方から駆け付けたサポーターは30人ほど。千葉市在住の松岡洸さん(27)は「成績を上げるよりサポーターを増やす方が難しい。松本のパワーを感じる」と、緑に染まった山雅の応援席を見て感心した。 試合は先制した前半と一転、後半は北九州の猛攻に山雅は防戦一方に。相手のシュートを防ぐたびにスタンドがどよめき、「耐えろ」と選手を鼓舞する叫び声が響いた。 初勝利の瞬間が近づくと、客席全体がチームスローガン「ワン・ソウル」の大合唱で後押し。終了後は出場した選手全員の名前を連呼したり、サポーター同士で肩を組んでラインダンスをするなど余韻に浸った。山雅の反町康治監督は「サポーターがずっと声を出し続けてくれたのが力になった。皆で取った勝ち点3」と感謝した。 サポーター集団「ウルトラスマツモト」代表の疋田幸也さん(36)は「雨の中、見届けるだけの価値があった。負けた2試合も手も足もでない感じではなかったが、(初勝利は)思ったより早かった」。 応援の横断幕作りなどをしてきた上原直樹さん(37、松本市和田)は「JFL昇格やJ入りを決めた試合より報われた気がする。これから結果が出ない時も支えたい」と、サポーターにとっても夢の舞台だったJでの1勝を喜んだ。 (山岡史明) |
| 堅守光りJ初勝利 北九州に1−0 (2012年3月20日号より) |
| 山雅のJ初勝利の相手は、攻撃的なパスサッカーを掲げて昨季はJ1昇格争いにも絡んだ北九州。後半は一方的にボールを支配されたが守備陣が踏ん張り、無失点に抑えたのが最大の勝因だ。前半はパスをつなぐ攻撃の形も見えたが、まだ得点にはいたらない。まずは失点を抑え、セットプレーなど少ないチャンスをものにすることが、現時点で山雅がJ2で勝つ方法と教えた一戦だった。 山雅の得点は前節に続きセットプレーから。「相手のメンバーが高さを欠いたので、そこを突こうと話していた。狙い通り」と反町監督。その3分前にはMF小松を起点に5本のパスをつなぎ、シュートまで流れるような攻撃も見せ、選手のアイデアが同調し始めたことを感じさせた。 しかし、後半は「疲れでボールを持った時には視界ゼロ」(反町監督)。ミスからボールを失うようになり、セカンドボールも拾えず、パスをつなぐ相手の攻撃を断ち切れない。前半に10本放ったシュートは、後半は逆に10本を浴びた。 光ったのは飯尾、飯田、多々良の3バックとGK野沢の好守だ。最終ラインが左右にスライドして両サイドまで守り、ボランチやウイングバックがその穴を埋めるなど、守備の連携は確実に向上。 相手の攻撃にさらされ続けた後半は、ボランチの小松、喜山らと共に体を張ってゴールを死守。野沢も接触を恐れない飛び出しで決定機を防ぎ、「後半は目指すサッカーができたが、松本の勝ちたい気持ちがまさったと思うしかない」と、北九州の三浦監督を悔しがらせた。 「ボールの奪い合いで相手が足を出しているところに頭を投げ出すなど、勝利を求める気持ちも見えた。チームの積み重ねになる」と反町監督。後半の運動量低下などまだ課題は多い―としながらも、開幕2連敗で得た糧を無駄にしない白星。チームは徐々に、指揮官が示す方向に歩み出しているようだ。 ◇ 昨季チーム2位の8点を挙げたヘディングはJでも健在だった。チームをJ初勝利へ導く虎の子の1点を挙げたDF飯田は試合後、鳴りやまないサポーターのコールに、何度も手を挙げて応えた。 得点は相手守備の観察から生まれた。15分のFKで自分をマークする北九州DFキローランが、中へ走り込んだDF多々良の動きにつられることを確認。得点シーンでは外へ動いた多々良をキローランが注視している間にマークを外してフリーになり、「アツ(多々良)との打ち合わせ通り」。 本職の守備でも後半の相手の攻勢をしのぎ切り、「相手シュートが体に当たる回数が増えている。寄せが早くなった証し」と、無失点に納得の表情だった。 東京VがJ1だった2008年に大卒新人で獲得した逸材。ヘディングの高さや相手をつぶす強さはJでも引けをとらないが、1対1への対応や、マークする相手との駆け引きに不安を残す。「攻めに入るタイミングは独特。守備の課題も頭の“中身”を使えば克服できる」と柴田コーチ。その可能性を、まずは攻撃面で示した。 |
| J2ホーム初戦 1万3000人が大声援 (2012年3月13日号より) |
| サッカーJリーグ2部の松本山雅FCは11日、モンテディオ山形と松本市のアルウィンで対戦した。ファンやサポーターが待ちわびたJでのホーム初戦。1−2で敗れ、前週に続き初勝利は逃したが、観客1万3098人は山雅のホーム試合で過去最多。山雅側席は1万2285人を占め声援を送った。 午前10時半に開場し、ファンらが続々と入場。同市沢村の飯村美智子さん(36)ら母子4人は2月に茨城県つくば市から避難し、「山雅はJ昇格前から知っていた。生の試合観戦も久しぶりで楽しみ」。 山雅は先制されたが前半37分に追い付き、観客は総立ちに。応援は熱を帯びたが、後半に再び勝ち越された。 祖母と共に、山雅を北信越リーグ時代から応援している安曇野市堀金の一志瑠衣斗君(10)は「初勝利はホームで見たい」。祖母の千恵子さん(59)は「そう簡単には勝てないのがJ。まだまだこれから」と話した。 この日は東日本大震災からちょうど1年で、選手の直筆メッセージが入ったTシャツが当たるチャリティー抽選会など、復興支援の催しもあった。 |
| あと一歩出ず2連敗 山形に1−2 (2012年3月13日号より) |
| 山雅のホーム開幕戦の相手は、昨季J1最下位でJ2に降格した山形。Jのレベルを知るのに格好の相手に先制されたが追い付き、後半は何度かゴールに迫ったが得点できず、相手の思い切りのよいロングシュートに屈した。2連敗に反町監督は「試合に出ただけで満足しているから、最後の一歩で前に入れない。メンタリティーの差」と、勝利にこだわる強い気持ちを選手に求めた。 山雅は守備的MFの渡辺に代わり喜山が入ったほかは、1週前の東京V戦と同じ先発。 前半は開始直後から山形の猛攻に遭い、両サイドを使った攻めで揺さぶられた。28分にはゴール前にロングボールを放り込まれ、GK野澤のパンチングのこぼれ球を拾われて失点。 37分、FKの相手クリアを拾ったMF久木田がゴール前へ浮き球のパス。これを右足で受けた弦巻がもう一度右足でボールを浮かせ、左足ボレーの技ありシュート。チーム、自身ともJ初となるゴールで同点に。 相手の運動量が落ちた後半はボールを保持する時間が増え、後半から出場したMF玉林のクロスなどでチャンスをつくったが得点できず、27分、山形MF秋葉にこの日2得点となる約30メートルのシュートを決められた。 ◇ 山雅の試合は開幕の前節に続き、今節もJ2最多の観客を動員した。「(ファンやサポーターに)温かく応援されるから『負けてもいいや』でなく、プロである以上は勝たなくては。その気持ちが足りない」と反町監督。 劣勢の前半をしのぎ、後半は互角の展開に持ち込んだが、放ったシュートは相手の10に対して4。山形の攻撃陣は常にシュートを狙う意識が際立ったのに比べ、山雅はボールを持ってもシュートまで行けず、ゴールを脅かす場面が少なかった。 相手DFに高さで競り負け、シュートもゼロに終わったFWエイジソンは「まだ日本流の相手マークに慣れず、味方との連携も不十分。シュートを打つスペースがつくれない」と、うつむいた。 「前半は『安全に』という意識が働き、消極的になった。後半のような攻撃が最初からできれば、結果は違った」と、得点した弦巻。途中出場で攻撃のリズムをつくった玉林は「相手の寄せが早いので、ワンテンポ早いパスやクロスを心掛けた」。その意識は「判断が遅く、余計なプレーが多い」と嘆く指揮官の求めと一致する。 「勝てないのは余裕がないから。自信を持ってやれば、もっとできるはず」と、3年ぶりにJの舞台に戻ったFW木島良。足りないのは勝利への気迫か、Jで通用するスピードか、それとも自信か…。 連敗した東京V、山形とも力はJ2上位。悲観することはないが、選手個々のレベル向上には時間が掛かり、自信は結果が伴わなければ生まれない。初勝利のために、まずはどのチームよりも強い執念を見せることが必要だろう。 ◇ 結果は開幕戦に続き2失点。GK野澤は「3バックに不安は全くない。敗因は『このくらいやれば大丈夫』という油断が皆にあるから。判断も悪い」と、惜敗を振り返った。 象徴的だったのが後半27分の失点。それまで攻勢だったが、山形MF秋葉をフリーにした一瞬の隙を突かれ、ロングシュートを決められた。反町監督は「ああいう時間帯が一番危ない。野澤にも隙があった」。 J1、J2合わせ、昨季まで出場257試合のベテラン。そのうち8年間は反町監督の下でプレーし、Jの厳しさや監督の考えを誰よりも知る。自身に求められるものも、チームメートに求める基準も高い。 「JFLから上がってきたチームなので、ハングリー精神を秘めている。自分もリーダーシップを発揮し、それをもっと引き出したい」。次戦での初勝利に向け、チーム最年長は気を引き締めた。 (取材班) |
| 山雅J初戦は黒星 東京Vに0−2 7000人が敵地で大声援 (2012年3月6日号より) |
| サッカーJリーグ2部(J2)は4日に開幕し、1節の11試合を各地で行った。今季からJ2に参入した松本山雅FCは、昨季5位の東京ヴェルディと東京・味の素スタジアム(調布市)で対戦。観客1万2432人のうち、半数以上の7000人近くが山雅側の席に陣取り声援を送ったが、チームは0−2で敗れてJデビュー戦を飾れなかった。 試合前、インターネットなどで広まっていた「敵地にサポーター5000人が乗り込む」という目標を上回り、山雅側のスタンドは通常は開放されない2階席の一部も緑に染まった。 この日が初観戦という松本市県の会社員片桐直利さん(64)は「応援が良い雰囲気でこちらも熱くなる。はまりそう」と、買ったばかりのタオルマフラーを首に巻いた。 注目の先発メンバーには塩尻市出身の小松憲太選手(24)も。小松選手と同学年で、小学生のころ同じチームでプレーした同市の崇原裕一朗さん、蟻川諒さん、岩附真さんは「子どものころから『Jリーガーになりたい』と言っていた憲太の夢が本当にかない、うれしくて仕方ない」と、晴れ姿を見守った。 前半は互いに譲らぬ展開で0―0。しかし、後半6分に先制されると一瞬静まり返り、13分に追加点を許したまま無得点で試合を終えると、スタンドからため息がもれた。 松本市梓川の会社員上兼裕さん(39)は「Jの実力を思い知らされたが、アルウィンにはもっと多くの人が来て、試合が盛り上がると思うとわくわくする」と、次節(11日)のホームゲームでの初勝利を期待する。 塩尻市桔梗小3年の吉村葵さん(9)も「JFLの時より全然良いプレー。次は勝ってほしい」と笑顔を見せた。 ◇ 山雅のJ初戦に先立ち、松本市は観光パンフレットと同市産のエノキをセットにして東京ヴェルディサポーターらに配り、市のPRをした。 午前11時のスタジアム開場に合わせ、市や全農長野の職員8人が、東京側の入場ゲート付近で2000セットを配布。受け取った東京サポーターの中には「Jへようこそ」「いい試合にしましょう」などと声をかける人も。市のマスコットキャラクター「アルプちゃん」の着ぐるみも登場し、子どもと触れ合ったり、写真撮影に応じたりした。 受け取った東京都東久留米市の藤巻祐哉さん(22)は「松本には行ったことがなく、興味が湧いた」、埼玉県所沢市の田中雅章さん(26)は「サッカーに限らず、地方から元気を発信し、盛り上げてほしい」と話した。 山雅の試合に伴う敵地でのPRは、今後も何カ所かで行いたい考え。市農政課マーケティング担当の伊藤和宏係長は「相手サポーターにあらかじめ松本に関心を持ってもらい、観戦に訪れた際の滞在時間を少しでも延ばしたい」と話した。 |
| Jの洗礼浴びるも、今後に光明 (2012年3月6日号より) |
| 松本山雅FCの記念すべきJリーグ初戦の相手は、J発足時からの人気チームで、1リーグ時代には年間優勝2度の東京V。J1復帰を目指す優勝候補に挑んだ山雅は後半に2失点し、J初得点もならなかった。しかし、ほぼ互角の展開だった前半は、あと一歩でゴールの場面もつくり、守備も相手の強力攻撃陣を粘り強く封じた。Jの洗礼は浴びたが、今季J2で戦える可能性を感じさせた。 山雅は中盤の上下動で攻守とも人数をかける3バック、3トップの布陣。FW陣は2日前に加入したブラジル人エイジソンと、昨季チーム最多得点の木島徹が相手DFラインの裏を狙い、下がり目の弦巻やMF小松が飛び出して前半のシュート数は5対7。16分には木島徹とエイジソンが立て続けに決定的なシュートを放ったが、GKの好守に阻まれた。 後半、相手のミドルシュートがDF飯田に当たり、コースが変わる不運で先制されると、7分後には相手ツートップの連携でDF陣が中央に引き付けられ、自陣右からフリーで決められた。 その後は運動量が落ちて相手にボールを支配され、終了間際には右CKに合わせた飯田のヘディングがバーに当たる場面もあったが、これはファウル。後半は結局シュート1本に終わった。 ゲーム主将のDF飯尾は「J初戦でもあり、先制されるとチームが動揺するのは分かっていた。もっと冷静に対応できたはず」と、試合が決まった2失点目を悔やんだ。 ◇ 「公式戦のゲーム体力ができていない。90分をしっかり戦い抜く必要を選手も肌で感じたはず」。山雅での初戦が黒星になった反町監督は敗因として、Jの経験がなかったり、Jからの移籍組でも実戦から遠ざかっていた選手が多い自チームと、昨季J2を戦い抜いた相手との試合感覚の差を挙げた。 特に2失点した後半は運動量が落ち、一つ一つのプレーも相手よりワンテンポ遅れて「後手を踏んだ」。 昨季J2最多得点の相手に、2失点目を除いて決定的な仕事をさせなかった守備には「3バックはしっかり対応した。リズムはできている」と及第点を与える一方、無得点に終わった攻撃は「偶然のチャンスが多い。ボールを前線へ運んだり前で動かしたり、いいところへ入れるスピードを上げて必然にしなければ」と強調。 「パンチを食らい、目が覚める選手がいるかも。もう一度、足元を見つめてやっていく契機に」と、敗戦を前向きにとらえた。 ◇ 山雅の県内出身3選手のうち、チームと共にJ初舞台を踏んだのはMF小松。入団3年目で初の開幕先発のチャンスに「黒星は悔しいが、守備は結構やれる」と、プロとしての手応えをつかんだ。 反町監督が求めるのは長い距離を走り、広い範囲をカバーする守り。この日も東京Vの攻撃のキーマンMF小林やFWジョジマールを追い回し、課題とされる攻撃面も「シンプルにやる」ことを心掛け、木島徹と並ぶシュート2本を放ってサポーターを沸かせた。 後半23分には味方と接触して右膝を強打し、たんかでピッチ外に担ぎ出されたが、直後に復帰。「走り続けるのが自分の持ち味。できなくなったら(選手を)やめる」。その言葉や表情に、昨季までと違う自信が漂った。 ◇ GK(21)野澤「もっとやれるはず。粘り強い守備はできたので、それをどう攻撃につなげるか」 DF(4)飯田「先制され、浮き足だったところをすかさず決められ、相手の狙い通りにやられた。次節はなんとしても勝つ」 DF(23)多々良「自分たちでアクションを起こしている間はうまくいったが、相手カウンターなどリアクションになった時の対応が課題」 MF(8)弦巻「(攻守の)約束事はできていたが、それを上回る動きを相手にされることも。やることをやった上で応用を加えないと通用しない」 FW(9)エイジソン「ポストプレーやワンツーなどは出せたが、シュートが足りなかった。サッカーの質や仲間とのコミュニケーションなど、日本になじめばもっとやれる」 MF(13)木島徹「相手は個々の力もチーム力もJFLとは全く違い、決めるべきところで決めないとこうなる。細かくて早い連携を築かなくては」 |
| 新たな挑戦 4日J2開幕 (2012年3月1日号より) |
| 今季のプロサッカーJリーグは4日に2部(J2)、10、11日に1部(J1)が開幕する。今季からJ2に参入する松本山雅FCは、開幕戦で昨季5位の東京ヴェルディと東京・味の素スタジアム(調布市)で対戦する。 Jリーグ元年の山雅は、過去に新潟、湘南をJ2からJ1に昇格させ、五輪代表も率いた反町康治監督(47)が指揮を執る。経験、実績とも申し分ない指導者の下、新加入9人を含む選手31人でシーズンを迎える。 反町監督がまず着手したのが、90分間を戦い抜く体力づくりだ。静岡と宮崎で行った計17日間に及ぶ合宿でも、スピードや持久力などの強化に多くの時間を充てた。 また、「攻撃は個々のイマジネーション(想像力)による部分があるが、守備は経験して判断材料を増やすことが必要。時間が掛かる」と、守りの練習に優先して取り組み、徐々に攻めの練習量を増やすなど、論理的かつ目的を明確に示す指導で、選手のやる気を引き出している。 開幕戦を想定したJ1名古屋との練習試合(2月25日)は、代表クラスも多い相手の主力組に対して無失点。「全員がカバーの意識が高く、昨季と全く違う安心感がある」(DF飯尾)、「相手に縦を割らせなかった。守りで取り組んできたことができた」(GK野澤)と、守備には選手も手応えを得ている。 とはいえ、見せ場が少なかった攻撃陣を含め、戦力的にはJFLで4位だった昨季がベース。新戦力も、昨季Jで完全にレギュラーだったといえる選手はおらず、「正直、どの程度できるか分からない」という指揮官の言葉は本音だろう。 「試合をやりながら鍛えていく」という、土台づくりのシーズンで、どこまで次の段階への可能性を見せることができるか。山雅の新たな挑戦が始まる。 ◇ 【J2リーグ戦】 22チームによるホーム&アウェー方式の総当たり2回戦(各チーム42試合)。順位は各試合の勝ち点(勝ち=3、引き分け=1、負け=0)の合計で決め、勝ち点が並んだ場合は得失点差、総得点数の順。賞金は優勝2000万円、2位1000万円、3位500万円。 1、2位は来季J1に自動昇格。3番目の昇格クラブは、今季から新たに実施する昇格プレーオフで決める。リーグ戦の3−6位がトーナメント(準決勝11月18日、決勝同25日)で争い、優勝者がJ1昇格の権利を得る。 ただし、今年からJリーグが導入するクラブライセンス制度で、施設や組織、財務などがJ1の基準を満たしていないクラブは昇格できず、プレーオフにも出場できない。 【山雅のホーム試合】 総合球技場アルウィン(松本市神林)で21試合。前売り券はS席2500円(高校生以下1500円)、A席2000円(同1000円)、ホーム・アウェー自由席1200円(同500円)など。コンビニエンスストアの端末などで購入できる。 当日券は各500円増し(高校生以下は前売りと同額)。未就学児は大人1人につき1人まで無料。松本市と周辺の小中学生には学校を通じ、ホーム自由席の招待券を配る予定。 ホーム全試合を観戦できるシーズンパスはSS席(指定、限定300席)6万円、S席3万5000円(高校生以下1万6000円)、A席2万8000円(同1万2000円)、ホーム自由席1万8000円(同6000円)など。問い合わせ松本山雅事務局電話88・5490 (山岡史明) |
| 開幕直前 守備に手応え J1名古屋などと練習試合 (2012年2月28日号より) |
| J2開幕を3月4日に控える松本山雅FCは25日にJ1名古屋と、26日は北信越リーグ1部のアンテロープ塩尻、北信越大学リーグ1部の松本大と練習試合をした。トヨタスポーツセンター(愛知県豊田市)で行った名古屋戦は開幕戦を想定したメンバーで臨み、45分×3回で計1−1だった。 山雅は名古屋戦の1、2回目を途中交代1人にとどめ、名古屋も元日本代表のGK楢崎やDF闘莉王、田中隼、五輪代表のFW永井ら主力組が2回目の途中までプレーした。 山雅はほとんどの時間帯で相手にボールを支配され、3バックの両サイドを突かれてのクロスに防戦一方の展開だったが、GK野澤やDF飯尾らが中央で粘り強くはね返し、2回を無失点で終えた。 攻撃はカウンターから2列目のMF弦巻や木島徹がゴール前に持ち込んだが単発。中盤の押し上げや、サイドを使う攻めはあまり見られず、1回目の終了間際に弦巻が放ったシュートを、楢崎に足で防がれたのがほぼ唯一の決定機だった。 3回目は両チームともメンバーを入れ替え、山雅は4分にCKから失点したが、2回目の途中から出場したMF木島良が14分、CKのこぼれ球を遠目から決めて追い付いた。 反町監督は「危なかったのは、自分たちの尺度でサッカーをしてしまった開始直後の10分間だけ。実りが多いゲームだった」と1、2回目の無失点を評価した。 ◇ 松本大、塩尻とは松本大グラウンド(松本市)で、それぞれ45分ずつ対戦。前日の3回目のメンバーや、遠征から漏れた選手が出場し、松本大と6−0、塩尻とは7−0だった。 1トップのFWは片山が松本大から、塩沢が塩尻からそれぞれ3得点し、開幕先発をアピールした。 (山岡史明・倉科美春) |
| 開幕戦へ意気込み語る 山形で「キックオフイベント」 (2012年2月28日号より) |
| サッカーJリーグ2部の松本山雅FCは26日、山形村のアイシティ21で、「キックオフイベント」を開いた。反町康治監督と全31選手が、約1000人のファン・サポーターの前で、3月4日の開幕戦に向けた意気込みなどを語った。 選手一人一人が自己紹介も兼ね、ステージ上であいさつ。質問のコーナーで、今季の反町監督の印象を聞かれた野澤洋輔選手は「新潟、湘南と8年間監督の下でプレーしたが、年々厳しさが増している。今回のキャンプでも走るトレーニングを重点的にした。きつかった分、皆の体ができているのではないか」と答えた。 反町監督は、Jでの戦い方について「選手が自分の力を100%出せる環境を整え、攻撃的なサッカーをする」と話した。 参加した松本市両島の会社員唐沢伸仁さん(41)は「テンションが上がった。このチームならやってくれそう」と、開幕を待ち遠しそうだった。 |
| 今季初の練習試合 甲府と2−2 守備に手応え (2012年2月7日号より) |
| J2松本山雅FCは静岡キャンプ5日目の2月4日、今季初の練習試合を同県御殿場市の時之栖(すみか)スポーツセンターで行った。J2甲府を相手に45分×3回で行い、合計2−2で引き分けた。 山雅は31選手中、けがのGK石川、白井らを除く28人が出場。 1、2回目は主に昨季リーグの主力とJからの移籍選手で戦い、新加入のFW久木田、MF喜山、DF吉田らが出た1回目は0−0。2回目は43分に自陣右を突かれて失点したが、直後にMF弦巻のマイナスのクロスをFW塩沢が右足で決めて1−1。 主に昨季の控えと新加入の高・大卒選手に練習生3人を加えた3回目は、23分に相手の連続CKから失点。ロスタイムに練習生が得点して追い付いた。 1、2回目の間にも守備の連携を練習させた反町監督は「守りは60−70点。今まで(の練習)は基本問題。今後は応用問題が解けるようにする」。 攻撃については「ボールに絡もうとする動きが少なく、チャンスはほとんどが偶然」とし、宮崎県での2次キャンプ(10−20日)で取り組むとした。 静岡キャンプは5日に終了。チームは2日間休んで8、9日は松本で練習し、9日夜に宮崎入りする。 (山岡史明) |
| 静岡キャンプで戦う体力づくり (2012年2月4日号より) |
| 今季からJリーグ2部(J2)に参戦する松本山雅FCは5日まで、静岡県で1次キャンプを行っている。3月4日のリーグ開幕から約8カ月間に、42試合を戦うための体力づくりが中心。反町康治監督(47)の下、選手は午前・午後の2部練習で朝から暗くなるまで体を動かし、共同生活でコミュニケーションを深めている。 キャンプは1月31日にスタート。チームは御殿場市の宿泊施設に滞在し、施設に付属する2カ所のグラウンドを使っている。積雪はないが、日が陰ると富士山から吹き下ろす風が刺すように冷たい。 新任のエルシオ・フィジカルコーチ(55)の指導で、けがを防ぐ入念なストレッチや、体幹を鍛える体操などを取り入れている。ボールを使った練習も、体力強化を目的にしたものがメーンだ。 20メートルの往復ランニングで持久力を測定したり、新たに購入した機器を使い運動時の心拍数を図るなど、数値で個人の課題を把握する取り組みも。「走れない選手が多い。もっと強い体をつくらなければ」(反町監督)と、毎日の練習メニューは監督とコーチ陣が深夜まで話し合って決めている。 より実戦的な内容の2次キャンプは10−20日、宮崎県で行う。 (山岡史明) |
| 新体制発表会 J2初年の意気込み語る (2012年1月31日号より) |
| サッカーJリーグ2部(J2)の松本山雅FCは29日、今季の体制発表会を松本市まつもと市民芸術館で開いた。チームを指揮する反町新監督やコーチ陣、これまでに決まった新加入9人を含む全31選手がファン・サポーター約1500人と顔を合わせ、熱い声援を受けてJ2初年の意気込みなどを語った。 入場する選手へのコールや応援歌が客席から湧き上がり、反町監督は「非常にまとまりがある応援で驚いた。選手・スタッフが一つになり、いい成績とパフォーマンスで期待に応えたい」。 例年公表される主将は未定。「全員がキャプテンシーを持って臨んでほしい。主将を通じてでなく選手個々と話をするので、決める必要はない」と“反町流”を説明した。 今季のチームスローガン「ワン・ソウル−プロフェッショナルへの変革」や、新ユニホームの披露もあった。今季のクラブ予算は現時点で6億2000万円。 ファン・サポーターの発表会への参加は今年から申し込み制に。ホームページで受け付けた無料席は定員1300人に約4800通(1通で2人まで)の応募があり、抽選に。新加入選手のサインがもらえる200席は事前に販売した。 (山岡史明) |
| J2初の実戦沸く 横浜で松田さん追悼試合 (2012年1月24日号より) |
| 松本山雅FCに昨季在籍し、昨年8月に急死した元日本代表DF松田直樹さんの追悼試合が22日、横浜市の日産スタジアムで開かれた。J2参入後、初の実戦となった山雅は、松田さんが16年間在籍したJ1横浜MのOBチームと30分1本で対戦し、FW片山が得点して会場を沸かせた。 山雅は今季の新加入選手は参加せず、昨季メンバーのうち23人が出場。途中で全選手を入れ替え、全員が短時間プレーした。 試合中盤にDF玉林の右クロスを頭で決めた片山は「(チーム練習開始から4日目だが)今季は昨季より早く体を動かしていたので反応できた」。 初めて試合での選手の動きを直接見た反町監督は「攻守ともスピードが足りず、判断も遅い。絶対にやらなければいけないこと、やってはいけないことを開幕までに徹底する」と話した。 追悼試合は松田さんと親交があった元選手らが企画し、日韓ワールドカップを松田さんと共に戦った中田英寿さんら元日本代表も多数参加。横浜Mの現役・OBと対戦し、約4万人が観戦した。松田さんと横浜M入団が同期の安永聡太郎・大会実行委員長は「直樹が倒れた松本でも今後、同様のイベントを開きたい」と話した。 |
| 「J2山雅」練習開始 (2012年1月21日号より) |
| 今年からプロサッカーJリーグ2部(J2)に参戦する松本山雅FCは19日、今季のチーム練習を開始した。反町康治新監督(47)の下、昨季から残る22選手と、新加入9選手のうち大学生1人を除く計30人が松本市サッカー場で約1時間半、ランニングやパス回しなどに汗をかいた。 反町監督はボールを追う選手に「前を見ろ」「頭を使え」などと声を張り上げて指示した。初のミーティングでは選手に自立とプロの自覚を持つよう促したといい、「今日が一番、新鮮な気持ちのはず。シーズンを通じて忘れずにやってほしい」と求めた。 サポーターやファン約200人が見守る中、Jリーガー初練習に臨んだ塩尻市出身のMF小松憲太選手(24)は「昨季までは新加入の元Jリーガーの間で気後れしたが、今年はそれがない。自信を持ってプレーできそう」と、つかみ取ったプロの座を実感していた。 チームは22日、昨年8月に急死した故松田直樹さんの追悼試合(横浜市・日産スタジアム)に出場。25日から本格的なトレーニングに入る。3月4日のJ2開幕戦は東京ヴェルディと東京・味の素スタジアム(調布市)で対戦。松本市のアルウィンで行うホーム初戦は同11日、モンテディオ山形と戦う。 |
| 反町山雅始動へ 松本で新監督就任会見 (2012年1月10日号より) |
| 今季からJ2に参入する松本山雅FCは、新監督に2008年北京五輪男子代表監督で昨季までJ2湘南ベルマーレの監督を務めた反町康治氏(47)の就任を発表し、7日、反町監督らが松本市内で会見した。同監督の契約期間は2年。 昨季からチームを指導する柴田峡コーチ(46)、本間康貴GKコーチ(28)は留任。反町監督の要請で、昨季まで湘南に在籍したブラジル人のエルシオ・フィジカルコーチ(55)の入団とベテランGK野沢洋輔(32)の獲得が内定し、新たに情報収集・分析担当のスタッフが加わる。加藤善之・前監督(47)はゼネラルマネジャーに復職した。 チームは19日に練習を開始。22日に横浜・日産スタジアムで行う故松田直樹さんの追悼試合が反町監督の初采配に。29日に今季の体制発表会を松本市内で行い、1次(31日−2月5日・静岡県)、2次(2月10−20日・宮崎県)のキャンプを経て、3月4日のリーグ開幕に備える。 ◇ 山雅を率いることになった反町新監督は、理論と情熱を兼ね備えた指導者として知られる。過去に新潟、湘南をJ2からJ1に昇格させた実績もあり、Jに船出するチームの指揮官として最適任だ。 会見では「チャレンジ」という言葉を繰り返し、名実共にアマチュアからプロになる山雅の指揮が、自身にとっても新たな挑戦であることを強調した。 五輪代表監督の経歴は、日本人指導者の中では群を抜く。「(山雅の監督について)周囲には『やめたほうがいい』という声が多かったが、僕は“あまのじゃく”。そう言われると、やりたくなる」と笑わせた。が、その気骨が、Jではまだ弱小に過ぎないクラブにふさわしい。 チームはこれまでに新戦力6人の獲得を発表したが、昨季Jで完全なレギュラーだった選手は一人もおらず、昨季から残る戦力の底上げは不可欠だ。 「山雅はJで活躍できなかった選手の集合体。彼らをどうやって一人前のフットボーラーにするかを常に考えていく」。新たなやりがいを見いだした反町監督が、どう手腕を振るうかに期待が懸かる。 ◇ −監督を引き受けた理由は。 山雅はJを目指してからの歴史が浅く、やらなければならないことが多い。が、今後湧き上がってくる、たくさんのポテンシャルを持っている。ゼロからスタートする自分にとっても、やりやすい環境。もう一度トライしたい気持ちが強かった。 選手には常に「前からチャレンジしろ」と言っている。現場を離れてサッカーを客観的に見るのも大事だが、私自身が迷ってチャレンジしないのは、選手に言っていることと相反する。 −山雅の印象は。どんなスタイルのサッカーを目指すか。 昨年の天皇杯の映像を何試合か見た。非常に勢いがあるが、それだけでは勝てない。勢いをうまく利用しながら、細部にわたりチームを構築しなければ。最後の20分くらいは足が止まっている。肉体的に一つ、二つ上をいかないと長いシーズンは戦えない。 現代のサッカーは、どんなに守備を重んじても90分間で1失点はするため、より攻撃を重視したチームづくりをする。積極的にゴールに向かいチャレンジする選手が多そうなので、チームの武器として継承したい。 −今季は昨季の選手がベース。どの程度戦えるか。目標は。 戦術的に足りない部分があり、個々もJ2上位とは差がある。それぞれ向上させ、昨年まで半分アマチュアだった彼らがプロとして自立できるよう、見直していかなければ。 これは私にとっても新しいチャレンジ。今いる選手を鍛え上げることに力点を置く。選手が持つ力を生かすと同時に、まとまりがあるチームをつくらなければならない。 今季はまず土台を築き、最終的にひと桁の順位、もしくは上位を争えるような準備をしていく。 −新潟や湘南ではファンサービスや総合型スポーツクラブ創設にも携わった。 最も大切なのはクラブが地元の人たちに愛されること。総合型クラブは多様な種目を通じて地域の住民に愛されるが、山雅はまだそこまで整備されていない。サッカーがスポーツ文化の一つの中心になるように、J2の中から発信したい。 どのチームもお客が来るか来ないかが論点だが、山雅はその部分はかなりクリアしている。より集客するのが私の仕事。選手が躍動感ある攻撃的なサッカーをしなければ、客は離れてしまう。そこは譲らずにチームをつくり、魅力あるサッカーをしていきたい。 ◇ 【そりまち・やすはる】1964年、埼玉県生まれ。静岡・清水東高−慶大−全日空サッカークラブ−横浜フリューゲルス−ベルマーレ平塚(現湘南)。現役時代は攻撃的MFで、日本代表は4試合出場。97年に引退後、スペインのFCバルセロナなどにコーチ留学。2001年、当時J2のアルビレックス新潟監督に就任し、04年にJ1昇格、05年退団。06年7月−08年8月、U−23日本代表監督(北京五輪出場)。09−11年は古巣の湘南を指揮し、2年目に11年ぶりのJ1復帰を果たしたが、昨季は再びJ2に降格し20チーム中14位。 (山岡史明) |
| 仕事始め 監督に反町康治氏 (2012年1月7日号より) |
| 今年からプロサッカーのJリーグ2部(J2)に参入する松本山雅FCの新監督が6日までに、08年北京五輪男子日本代表監督で昨季までJ2湘南ベルマーレを率いた反町康治氏(47)に決まった。 6日は山雅の運営会社が松本市芳野の事務所で仕事始め式を行い、大月弘士社長(46)がスタッフに「われわれのJリーグ元年が始まる。地域の多くの人たちの期待が懸かっており、それを誇りに頑張ってほしい」と呼び掛けた。 クラブは今季、ホーム1試合の平均観客数1万人以上を目標に掲げ、昨季1億9000万円だったスポンサー収入を3億円に増やし、計6億円の運営費を見込む。チームは今季6位以内を目標に、3年後をめどにJリーグ1部(J1)昇格を目指すとした。 山雅はこれまでに新加入6選手を発表。あと数人を加え、昨季から残留した選手と合わせて30人余で今季に臨む。反町監督の下で17日に始動し、キャンプなどを経て3月4日のJ2リーグ開幕に備える。 (山岡史明) |
| 信州Jリーグ元年 (2012年1月3日号より) |
| 信州Jリーグ元年−。昨季JFL(日本フットボールリーグ)で4位の成績を残し、県勢で初めてプロサッカーのJリーグ入りを果たした松本山雅FC(松本市)は今年、全国の22チームが争う2部(J2)に参戦する。 山雅は新監督の下、昨季在籍した選手約20人に新戦力10人程度を加え、1月17日に始動を予定。2月にキャンプを行い、開幕に備える。地元出身ではMF今井昌太(上松町)、MF小松憲太(塩尻市)の両選手が初めてJリーガーになり、夢の舞台に立つ。 J2は、ほかの21チームと本拠地と敵地で1試合ずつ戦うホーム&アウェー方式の総当たり2回戦。3月4日に開幕(1部=J1は3月10日)し、11月11日の最終節(J1は12月1日)まで各チーム42試合を戦う長丁場だ。 J2は今季から原則日曜の開催に。各チームの開幕カードが1月中旬、全ての対戦カードは2月初めにも発表される。新加入チームの通例で、山雅は敵地で開幕戦を迎える。 |
| Jをみる〜ベガルタ仙台・ガイナーレ鳥取から (2012年1月3日号より) |
| 松本山雅FCが今年参入するJリーグは地域密着の理念を掲げ、各クラブはスポーツ振興やまちづくりにも取り組む。ホームタウンの熱心な支援を受ける1部(J1)ベガルタ仙台を訪ね、Jクラブが地域にもたらすメリットなどを聞いた。 また、山雅に先駆けて昨季2部(J2)入りしたガイナーレ鳥取は、苦闘の初シーズンを送った。JFL時代の2008年からチームを取材する日本海新聞(鳥取市)の輔野沙織記者に昨季を振り返り、山雅がいかに戦うべきか、寄稿してもらった。 ◇ 東日本大震災の被災地がホームタウンのベガルタ仙台。昨季は終盤まで優勝争いに加わる奮闘でJ1でクラブ過去最高の4位という成績を収め、復興へ歩む市民を勇気づけた。 そんな中、昨季はJ2京都からDF角田誠選手を獲得したことが、地域との思いがけないつながりを生んだ。サポーターの呼び掛けを機に、県南部の角田市で同選手の後援会が発足したのだ。 クラブは角田選手を避難所に連れて行ったり、同市の夏祭りにマスコットやチアリーダーを出演さたりして盛り上げ、同市から仙台に応援ツアーが訪れるようにもなった。 クラブ運営会社の貝田真ホームタウン課長(36)は「選手やベガルタを材料に地域を盛り上げようという動きに呼応し、いいキャッチボールができている」と話す。 仙台市や商工会議所、市民後援会、地元マスコミなどでつくる支援組織「ホームタウン協議会」は、地下鉄の駅や車内にポスターを掲示したり、クラブからチケットを購入してお年寄りや障害者、福祉施設に配布したり。ベガルタが行うサッカー教室などでコーチの旅費も支給するなど、さまざまな支援を行っている。 経費は市が負担し、昨年度まで年約6000万円を計上。本年度は震災で1000万円を執行停止にしたが、行政の財政支援としては他のJクラブにない多さという。 同市にはベガルタのほか、プロ野球の東北楽天ゴールデンイーグルス、プロバスケットボールbjリーグの仙台89ERSも拠点を置く。それぞれの支援組織の事務局は全て市が担い、3チームの看板を並べたり、同じ日の昼と夜にあるそれぞれの試合を共同で宣伝するなど連携している。 協議会事務局を務める市スポーツ課の西本憲次さん(49)は「プロスポーツが地元にあることで『やってみたい』という子どもが増え、学校の部活動が盛んになり、市民のスポーツ熱が高まる。対戦相手のサポーターの滞在、マスメディアへの露出など経済効果も大きい」と、手厚い支援の理由を説明する。 (山岡史明) ◇ 昨季、山陰初のJクラブとして誕生したガイナーレ鳥取。前年JFL覇者の“J2元年”は38戦して8勝7分け23敗で、20チーム中19位。主力のほとんどがJ参入を勝ち取った現有戦力で、2010年に参入した北九州が36戦1勝、09年の岡山と栃木はどちらも51戦8勝だったのを考えれば、奮闘したと言える。 前線からの連動した守備でボールを奪い、攻撃に展開するアグレッシブサッカーで2戦目に初勝利。J1から降格してきた京都や湘南にも、挑戦者らしく走り勝った。5億6000万円というJ2下位の経営規模で2、3倍の予算を持つクラブを破った。 しかし、疲労が蓄積する夏場に足が止まりだし、苦戦が始まる。生命線の運動量を欠けば個々の差は歴然。パスのスピードや質はもちろん、トラップなどJFLでは見逃されていた細かなミスが、Jでは失点に直結した。1対1で競り負ける場面も多く、セットプレーでの失点は全体の約3割を占めた。 攻撃はポゼッションできても、ゴール前を崩す最後のアイデアと精度が足りなかった。得点、失点ともワースト2位。1点差の惜敗は13試合あったが、点差以上にレベルの違いは大きかった。経営規模が最終順位に比例したのも現実だ。 Jは甘くない−。そう痛感させられた1年目だったが、何よりチーム、そしてプロとして「戦う集団」になり切れなかった未熟さが、下位に甘んじた最大の要因だろう。 得点できず、勝てず、連敗が続く中、選手の方向性が「勝利」だけに向かわなくなった。個で劣るチームが一体感でつながる組織力を失えば、結果は見えている。いわば、自分たちに負けた。 JFLの時は「J昇格」という絶対的な目標があったが、J2の新参者がいきなりJ1昇格を争うのは難しい。苦しい状況に陥った時、目の前の1勝を挙げるために、どれだけ“チーム”として戦えるか。今季の松本山雅もきっと、同じことを問われるだろう。 (日本海新聞・輔野沙織記者) |