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「山雅昇格の軌跡」記念グラフ発売 信濃毎日新聞社  (2009年12月29日号より)
信濃毎日新聞社は29日、記念グラフ「松本山雅JFL昇格の軌跡」を発売する。サッカーの北信越リーグから日本フットボールリーグ(JFL)へ昇格を決め、来季から県勢として初めて全国リーグに挑む松本山雅FC(フットボールクラブ、松本市)の今季の戦いぶりを、迫力ある写真や戦記、データで振り返った。
山雅FCがプロサッカーのJリーグ入りを目標に掲げた04年から、独自に報道を続ける松本平タウン情報が編集に協力した。
地元の1万人余の観客の前で昇格を決めた全国地域リーグ決勝大会決勝ラウンド(4−6日・同市アルウィン)の感動や、地域リーグのチームとして初めてJリーグ1部勢を破った天皇杯全日本選手権2回戦・浦和レッズ戦(10月)の驚きがよみがえる内容だ。
A4判、オールカラー40ページ、定価630円。松本平タウン情報編集広告室(松本市宮田2)のほか、県内書店や信毎販売店、中信地区と諏訪地方のセブン・イレブン各店で販売する。
三本菅ら7選手退団  (2009年12月15日号より)
サッカー北信越リーグ1部から来季JFL(日本フットボールリーグ)に昇格する松本山雅FCは13日、DF三本菅崇選手(31)ら6選手と来季の所属契約を結ばないと発表した。
三本菅選手は山雅が北信越2部だった05年のリーグ終盤に加入。守備の要のセンターバックとして、同年の2部優勝や07年の1部制覇に貢献した。
今季の後半戦は出場機会が減ったが、JFL昇格を決めた全国地域リーグ決勝大会決勝ラウンドの2試合に出場し、出場停止の主力に代わり手堅い働きを見せた。現役続行を希望し、移籍先を探すという。
ほかに山雅で3季プレーしたDF金沢慶一(25)とDF石川航平(25)、今季加入のDF寄井憲(25)、今季途中に加入したFW栗山裕貴(21)とGK信藤健太(24)の各選手が退団する。
また、Jリーグ2部岡山から期限付き移籍していたFW新中剛史選手(23)も、契約期間満了で岡山に復帰する。
JFL昇格決定 地域リーグ決勝大会V  (2009年12月8日号より)
サッカー北信越リーグ1部の松本山雅FC(フットボールクラブ)は6日、松本市神林の総合球技場アルウィンで開いた第33回全国地域リーグ決勝大会の決勝ラウンド最終日で優勝し、来季のJFL(日本フットボールリーグ)昇格を決めた。県内のクラブが全国リーグのJFLで戦うのは初めて。
加盟は9日のJFL評議員会で承認され、正式に決まる。同大会の上位2チームが昇格する。
山雅は04年、プロサッカーのJリーグを目指すと表明。その一段階下のJFL入りを争う同大会に3年連続で挑戦し、ようやく壁を乗り越えた。
来年初めにもJリーグに申請する準加盟が認められ、かつ来季JFL(18チーム)で4位以上になると、目標のJリーグに到達する。

終了の笛が鳴り響いた瞬間、サポーターは「ついにやったよ!」と目を潤ませて抱き合い、「ありがとう」とピッチの選手に何度も言葉を送った。松本山雅FCが6日、1位でJFL昇格を決めた松本市のアルウィン。祝福の紙テープが飛び、チームの応援歌がこだました。
この日スタンドに詰め掛けた観客は1万965人。チームのレプリカユニホームを着たサポーターのほか、チームカラーの緑色の服やタオルを身に着けたり、緑のプラカードを掲げたりして応援する人が目立ち、お年寄りや赤ちゃんを連れた家族も見られた。
ユニホーム姿で観戦していた安曇野市豊科の北野勝巳さん(29)は「1位という結果を持って堂々とJFLにいける」。山雅のホーム試合の運営ボランティア「チームバモス」に4年前から参加する松本市中山台の木村公次さん(55)は「この日が来ると信じていた。今日ほど皆がいい笑顔でアルウィンを後にしてくれた日はない」と喜びをかみしめた。
(取材班)
さあ開いたJへの道  (2009年12月8日号より)
3試合すべて勝ち点

全国地域リーグ決勝大会決勝ラウンド(4−6日・松本市アルウィン)は、関東リーグの2強、横浜スポーツ&カルチャークラブ(YSCC、関東1位)と日立栃木ウーヴァ(同2位)、全国社会人大会(全社、10月・千葉)優勝の山雅と2位ツエーゲン金沢が総当たりし、JFL昇格を争った。
山雅は最終日に日立栃木に2−1で逆転勝ちし、2日目まで首位だった日立栃木を勝ち点で上回り、優勝でJFL昇格を決めた。3位の金沢は、JFL17位のFC刈谷(愛知)との入れ替え戦に回り、4位YSCCは関東リーグ残留が決まった。
▽金沢0−0(PK5−4)山雅(4日、観客4293人)
【評】山雅は金沢の堅い守りに手を焼き、前半は決定機をつくれなかった。後半16分にMF今井昌太を投入して徐々に押し込んだが、MF木村勝太と今井の連続シュートは相手GKに阻まれ、FW小林陽介のヘディングもポストに当たるなど好機を生かせなかった。
PK戦は、山雅5人目のDF坂本史生が相手GKに止められ、金沢は5人全員が決めた。
▽山雅1−0YSCC(5日、観客4888人)
【評】山雅は両サイドを中心に攻めたが前半は無得点。
後半2分、左サイドでボールを受けたDF鉄戸裕史が、ドリブルで相手2人を交わして中央に切れ込み、低い弾道のミドルシュートをゴール左隅に決めて先制。
その後は何度かあった決定機を外し、終盤はボールを支配されたが、相手シュートの精度の低さにも助けられて零封した。
▽山雅2−1日立栃木(6日、観客1万965人)
【評】山雅は立ち上がりから攻勢で、何度かチャンスをつくったが逆に前半14分、CK後の相手カウンターを防げず先制を許した。
しかし、22分に木村の右クロスに走り込んだMF大西康平がシュートを決めて同点とすると、43分にはFW柿本倫明の右からの折り返しを小林がけり込み逆転。
後半は互いに攻めが手詰まりになったが、山雅がそのまま押し切った。

雑感
「勝ち点ゼロ(=90分間負け)の試合をしない」。決勝ラウンド前に、山雅の吉沢英生監督が挙げた昇格圏内入りの条件だった。4チームの中で唯一、90分間負けがなかった山雅は狙い通りに勝ち点を積み上げ、1位でJFL昇格を決めた。
最終日の日立栃木戦の前の試合で金沢がPK負けし、山雅の2位以上と昇格が確定した。しかし、選手は目の前の相手に勝つことに集中し、アルウィンに詰めかけた1万人超の観客の期待に応えた。
初戦の開始早々、1次ラウンド2試合でエース柿本の先制弾をアシストしたDF阿部琢久哉が負傷退場し、警告の累積で2戦目はMF北村隆二とDF山崎透が、3戦目はMF斎藤智閣が出場停止に。
しかし、阿部に代わって急きょ出場したDF金沢慶一も、山崎と斎藤の代役を務めたベテラン三本菅崇も「準備をして(出番を)待っていた」と口をそろえた。
二人とも3度目の決勝大会で、昨年と一昨年の敗退の悔しさを知る。「誰が出てもチームの力は変わらない」。多くの選手が語る今季の山雅の層の厚さと、積み重ねてきた経験が無駄ではなかったことを証明して見せた。
リーグ4位に終わった後の天皇杯県予選、全社北信越予選。ぎりぎりまで追い詰められた試合をものにする中で「いろいろ言わなくても意識できる選手が増えた」(吉沢監督)。堅守速攻への戦術転換も、Jリーグ1部の浦和を破ったことで揺るぎない自信を得た。
来季はいよいよ全国リーグが舞台。「せっかく(JFLに)上げたチーム。要請があれば引き受けたい」と、吉沢監督は続投に前向きだ。「松本から、信州からJへ」の夢に一歩近づいた山雅が、どんな戦いを見せてくれるか楽しみだ。
(山岡史明)
JFL昇格を決めた選手コメント  (2009年12月8日号より)
GK(1)原裕晃「最後まで一丸となって戦い続ける気持ちの強さがあった。今季を通じて悔しい失点もあり、自分としては50点くらいの出来だったが、昇格という結果が出せてうれしい。」

DF(2)金沢慶一「一人一人が自分の役割を自覚し、ベストを尽くした。自分はモチベーションの維持に苦労したが、最後はアクシデント(=阿部のけが)とはいえ、チームのためにプレーできてうれしかった。」

DF(3)山崎透「リーグのころと比べて守備陣の約束事が増え、まとまってきた。「相手を0点に抑える」という気持ちで後ろを守ってきた。」

MF(5)斎藤智閣「前半戦はあまり出場機会がなかったが、出番が来ると信じていた。カウンターサッカーが、チームが持つ力を最も出せる。劇的だった山雅が、落ち着いたチームになった。」

MF(6)今井昌太「昇格まで3年は長く、サポーターに申し訳ない気持ちだった。今季は途中出場が多かったが、求めに応えるのも仕事。ゴールやアシストなど数字で実績を表す選手になりたい。」

MF(7)北村隆二「リーグ4位という挫折を味わい、さまざまな経歴やサッカー観を持つ選手たちが同じ方向を向けた。今日の勝利につながる敗北だったと今は感じている。」

MF(8)小沢修一(チーム最長の在籍5季目)「以前はレギュラーと控えに力の差があったが、今季は誰がレギュラーでも不思議はなく、総合力の高さを感じる。レベルが高い環境の中で、自分は途中出場が多かったが、成長もできた。リーグ4位に終わってから、柿本主将の提案で選手全員で3時間にも及ぶ話し合いを6回ほど持ち、チームの気持ちを一つにした。」

FW(9)木村勝太「リーグはふがいない結果だったが、全員で立て直せた。自分もやりたいプレーができず苦しかったが、徐々にチームになじみ、切り替えて戦えた。」

FW(10)柿本倫明「やろうとするサッカーがはっきりし、みんな粘り強く足を動かして守った。(決勝ラウンドは無得点だったが)昇格だけが目標。裏方でも何でもよかった。今季は主将としてリーグで結果を残せず葛藤(かっとう)もあったが、みんながよく立ち直った。このチームで選手としてもJに上がりたい。(過酷な)地域決勝大会と出場までの過程を体験したら、どこでもやっていける。」

FW(11)小林陽介「選手が一丸となり、日々練習してきた結果。サポーターの後押しも大きかった。一人一人が自信を持ってプレーすれば、JFLでも簡単には負けないはず。ステップアップできるよう頑張りたい。」

MF(13)三本菅崇(小沢と同じ5季目)「このチームで昇格できると思っていたし、長い道のりだったが実現できた。(今季は出番が少なかったが)昇格が決まる最後の2戦でグラウンドに立ち、チームの力になれてよかった。」

MF(15)高沢尚利「チームが一つになっていたから、JFLに昇格できた。自分は途中出場が多かったが、しっかり準備をし続けたことで結果がついてきた。」

DF(16)鉄戸裕史「リーグ戦は苦労したが、全社、地域決勝と試合を重ねる中で、チームの方向性や戦略が固まった。(リーグ優勝がベストだったが)遠回りも悪いことばかりではない。1年でJ2に上がれるように頑張る。」

DF(19)阿部琢久哉「4月に左ひざを痛めてチームに長く貢献できなかった分、「やってやる」という気持ちが強く、いい時期に復帰できた。決勝ラウンド(=初戦で骨盤を陥没骨折)は気合が入り過ぎた。」

DF(22)坂本史生「目標に向かい、みんなが一つにまとまった。チームのために、自分ができることをやるだけだった。今季はミスもあったが、みんなに救われた。」

MF(25)大西康平「リーグは厳しい結果だったが、そこで下を向くことなく、気持ちを切り替えて前向きに戦い続けることができた。最後(の数試合)は負ける気がしなかった。」
共に戦い6年夢さらに続く─サポーターら  (2009年12月8日号より)
Jリーグ入りを目指してから6年目で、その一段階下のJFL昇格を決めた山雅。共に戦ってきたサポーターや、試合運営を支えるボランティアも喜びを分かち合った。
03年に応援団「ウルトラスマツモト」を結成し、ゴール裏でチームを鼓舞し続けてきた疋田幸也さん(34、波田町)は「知り合いに声を掛け、観客を集めるところから始めた。客が2人だけの時も『いつか山雅を愛する人でアルウィンがいっぱいになるだろう』と信じてやってきた」。
山雅のホーム試合を運営するボランティア「チームバモス」は05年に発足。
代表の田中恵介さん(35、松本市開智)は「Jリーグのチームの運営を勉強しながら、皆が気持ちよく安心して観戦できるよう、手探りでノウハウを身に付けてきた。決勝ラウンド最終日は、今年の観客動員目標の1万人を山雅の力だけで達成した。次の夢はアルウィンが満員になる2万人」と話す。
決勝ラウンド初日 金沢にPK負け  (2009年12月5日号より)
サッカー北信越リーグ1部の松本山雅FC(フットボールクラブ)が、来季のJFL(日本フットボールリーグ)昇格を懸ける第33回全国地域リーグ決勝大会の決勝ラウンドは12月4日、松本市神林の総合球技場アルウィンで3日間の日程で開幕した。山雅はツエーゲン金沢(石川)と0−0で引き分け、PK戦(4−5)で敗れた。
決勝ラウンドは、1次ラウンドを勝ち上がった山雅と金沢、横浜スポーツ&カルチャークラブ(YSCC、神奈川)、日立栃木ウーヴァスポーツクラブ(栃木)の4チームが総当たり。
初日のもう1試合は日立栃木がYSCCを2−1で下した。初日は勝ち点1にとどまった山雅も、5、6日の成績や他チームの対戦結果により、JFLに昇格できる2位以上の可能性を十分残している。
3位は、来週末と再来週末に予定されるJFL17位のFC刈谷(愛知)との入れ替え戦(ホーム&アウェー2回戦)に回り、勝てばJFLに昇格。4位は来季も地域リーグに残留。山雅は5日午前11時からYSCC、6日午後1時15分から日立栃木と対戦する。
(山岡史明)
菅谷市長が選手激励  (2009年12月3日号より)
松本市の菅谷昭市長は1日、松本山雅FCの練習会場となっている同市のアルウィン芝生グラウンドを訪れ、第33回全国地域リーグ決勝大会(4−6日、アルウィン)に向けて選手を激励した。
菅谷市長は「今季の目覚ましい活躍で、これまでサッカーに興味がなかった人たちの関心も集めている。力を出し切り、最高のプレーを見せてほしい」とあいさつ。選手を代表し、柿本倫明主将が「市民に夢と希望を与えられるような試合をし、JFL(日本フットボールリーグ)昇格を果たしたい」と決意を伝えた。菅谷市長は山雅の練習も見学した。
市体育課によると、激励のために市長自身がスポーツ選手や団体の練習場所を訪れるのは異例で、市長自身の希望で実現したという。
さあJFL昇格へ 4−6日アルウィン  (2009年12月1日号より)
サッカーの第33回全国地域リーグ決勝大会は4−6日、松本市のアルウィンで決勝ラウンドをする。松本山雅FCなど1次ラウンド(11月21−23日)を勝ち上がった4チームが総当たりし、来季のJFL(日本フットボールリーグ)昇格を決める正念場。大会に3年連続で出場し、初めて1次ラウンドを突破した山雅は、サポーターや地元の観客の声援を背に昇格に挑む。
決勝ラウンド1、2位が来季JFLに昇格。JFLは来季Jリーグ2部に加盟するのがニューウェーブ北九州(来季からギラヴァンツ北九州に改称)だけと決まり、脱退する三菱自動車水島(岡山)と合わせて2チーム減のため、3位はJFL17位のFC刈谷(愛知)との入れ替え戦に勝てば昇格する。
大会は全国9地域リーグの上位と全国社会人選手権(全社、10月・千葉)1、2位の計16チームが出場。1次ラウンドは4チームずつ4組に分かれて総当たりし、全社1位の山雅は鳥取市で開いたC組で3戦3勝。すべて引き分け・PK戦なしの90分以内の勝利で勝ち上がった。
エースのFW柿本倫明は、初戦と1次ラウンド突破を懸けた3戦目で先制点を挙げ、ここ一番の仕事ぶりは随一。2戦目で先制したMF木村勝太、1、3戦で試合の流れを決める2点目を奪ったFW小林陽介らも役割をきっちり果たし、守備も再三の好守を見せたGK原裕晃を中心に安定している。

決勝ラウンドに進出した4チームの力は甲乙付けがたく、「勝ち点ゼロ」が1試合でもあると、自動昇格の2位以上は難しそうだ。各チームとも守備的になることが予想され、山雅の吉沢英生監督は「どちらが先に我慢できず、ミスするか」が、試合の流れを左右すると見る。
先制すればぐっと勝利に近づくが、逆の展開も十分に考えられる。その場合も吉沢監督は「焦ってカウンターを食わないよう、きっちりボールをつないでサイドからの攻めを繰り返し、まずは同点に」と、90分間で負けない(=勝ち点1以上)ことが、昇格圏内入りの条件とする。
決勝ラウンド前の松商学園高との練習試合(11月29日)は、主力組では柿本と小林、木村、DF阿部琢久哉だけが出場。主に控え組の試合感覚の維持を図り、主力のけがや出場停止に備えた。

【大会方式】前後半45分ずつ。延長はなく、PK戦で勝敗を決める。勝ち点は、90分間勝ち3、PK戦勝ち2、PK戦負け1。各チーム3試合の勝ち点の合計で順位を決め、勝ち点が同じ場合は得失点差で決める。

◆決勝ラウンド対戦相手
◇ツエーゲン金沢全社2位で決勝大会に初出場し、1次ラウンドD組は徳島ヴォルティス・セカンド(四国1位)を3−1、ヴォルカ鹿児島(九州2位)を2−1で下し、三洋電機洲本(関西1位)と0−0で引き分けてPK勝ち(8−7)。
北信越リーグ1部14試合は10勝1分け3敗(49得点、9失点)の3位で、失点はリーグ最少。山雅と今季計4度対戦し、2勝2敗。
◇NPO横浜スポーツ&カルチャークラブ(YSCC)関東リーグ1部14試合を10勝1分け3敗(34得点、15失点)の1位。決勝大会は3年ぶり2度目の出場。
1次ラウンドA組はNTN岡山(中国3位)を6−0、札大GP(北海道1位)を4−0、グルージャ盛岡(東北1位)を2−0で下し、山雅と同じ引き分け・PK戦なしの3勝。計12得点も山雅と並んで1次ラウンド最多。
◇日立栃木ウーヴァスポーツクラブ関東リーグ1部はYSCCと勝ち、分け、負け数とも並び、得失点差(30得点、16失点)で2位。決勝大会は昨年に続き2度目。
1次ラウンドB組はJAPANサッカーカレッジ(北信越1位)を3−1で破り、ラランジャ京都(関西2位)と1−1で引き分けてPK負け(4−5)したが、矢崎バレンテ(東海1位)に5−0で完勝した。山雅とは全社準決勝で対戦し、延長の末1−1で引き分け、PK戦(3−5)に持ち込むまで苦しめた。

地元でのJFL昇格に向け、山雅サポーターも応援に力が入る。11月29日は有志の約30人が松本市今井の今井農村環境改善センターに集まり、決勝ラウンドでアルウィンに張り出す横断幕2枚を新たに作った=写真。
白地に緑色の文字で「必昇!」(縦2・2メートル、横5メートル)と書いた1枚は、「必勝」と「昇格」をかけた。緑色の生地に白い文字の「地産地昇」(縦1・1メートル、横5メートル)は、「この地で生まれた山雅の活躍で、地域が活性化する」との意味だ。
どちらも50枚以上ある横断幕とともに、スタンドからチームの戦いを後押しし、ホームの雰囲気で相手を圧倒する。サポーター有志は2日夜、アルウィンの客席などを清掃し、観客を迎える準備をして決勝ラウンド開幕を待つ。
(山岡史明)
決勝大会1次ラウンド突破  (2009年11月24日号より)
サッカー全国9地域リーグの上位など16チームが来季のJFL(日本フットボールリーグ)昇格を懸けて争う第33回全国地域リーグ決勝大会は11月21−23日、4チームずつ4組に分かれて総当たりする1次ラウンドを全国4会場でした。C組(鳥取市コカ・コーラウエストスポーツパーク)の松本山雅FCは3戦3勝の勝ち点合計9で同組1位になり、決勝ラウンド(12月4−6日・松本市アルウィン)に進んだ。
決勝ラウンドは各組1位の4チームが総当たりし、1、2位が来季JFLに昇格。3位はJFLから2チームが来季Jリーグ2部に加盟すれば昇格。1チーム以下の場合はJFL17位のFC刈谷(愛知)と入れ替え戦をし、勝てば昇格する。
C組は23日、勝ち点6(2勝)で首位の山雅と、同5(1勝1PK勝ち)の2位レノファ山口(中国2位)が同組1位を懸けて対戦。山雅は3−0で勝った。
全国社会人選手権(全社、10月)1位で決勝大会に出場した山雅は、21日の初戦で浜松大FC(東海2位)に6−0で圧勝。22日は沖縄かりゆしFC(九州1位)と対戦し、前半にMF木村勝太、DF山崎透、FW柿本倫明が得点。後半の相手の反撃を1点に抑えて3−1で快勝した。

「頭で考えたことに体が反応できている。天皇杯や全社の厳しい戦いでもまれ、選手はたくましくなった」と、吉沢英生・山雅監督。C組で1位を争うと見られた九州リーグ覇者の沖縄に、前半の3得点で快勝した2戦目。立ち上がりの相手の決定機を防ぐと、チーム最初のシュートで先制し、CKから追加点、直後にダメ押しと理想的な展開だった。
JFL昇格を懸ける地域決勝大会は昨年、一昨年とも1、2戦を勝ちながら、最終戦で敗れて1次ラウンド敗退。今年も3日目に決勝ラウンド進出を懸ける展開になったが、「たいていの相手には走り負けない」(MF木村)との言葉通り、豊富な運動量で試合の主導権を握り続けた。
相手の力量や戦術に左右されず勝ち切れているのは、山雅のサッカーの次元が一つ上がった証しだ。加えて沖縄戦で3点目を決めた主将の柿本は「(今井)昌太がいいボールを上げてくれた。皆の気持ちがこもっていた」。主力が3連戦を戦い抜き、控え選手も起用に応えて結果を出した。
「アルウィンでの決勝ラウンドは、県サッカー界の歴史に残る。昨季からいる選手には、ここに来るまでの(悔しい)過程があり、今季加入した自分たちも、しっかり結果を出す」とMF北村隆二。主力と控え、昨季までを知る選手と新戦力が一丸になったチームは、サポーターや市民の目の前で3度目の正直を実現するため、松本での昇格決定に挑む。
(山岡史明)
地決21日開幕 JFLに全力で挑む 1次突破しアルウィンへ─  (2009年11月17日号より)
サッカー全国9地域リーグの上位などが来季のJFL(日本フットボールリーグ)昇格を懸けて争う全国地域リーグ決勝大会が21日、開幕する。北信越リーグ1部の松本山雅FCは3年連続の出場。決勝ラウンドの会場は松本市のアルウィン。サポーターや市民の目の前で昇格を決めるため、まずは1次ラウンド突破に挑む。
JFLは、山雅が目標にするJリーグの1段階下の全国リーグ。山雅は昇格を懸けて07、08年と続けて地域決勝大会に挑んだが、ともに1次ラウンドで敗退。Jリーグに近づくため、3度目の挑戦となる今回はぜひとも昇格を果たしたい。
大会は1次ラウンド(21−23日)で4チームずつ4組に分かれて総当たりし、山雅は鳥取市のコカ・コーラウエストスポーツパークで浜松大FC、沖縄かりゆしFC、レノファ山口FCの順に対戦する。
1次ラウンドの各組1位が決勝ラウンド(12月4−6日)に進み、4チームが総当たりして1、2位が来季JFLに昇格する。
JFL(18チーム)はガイナーレ鳥取、ニューウェーブ北九州の2チームが来季Jリーグ2部に加盟する可能性があり、三菱自動車水島(岡山)が今季限りで脱退するため、来季3チーム減の場合は決勝ラウンド3位も昇格。2チーム減だと3位はJFL最下位と入れ替え戦をし、勝てば昇格する。

山雅は今季、決勝大会の出場権を得る北信越リーグ優勝を逃したが、別枠で上位2チームに出場権が与えられる全国社会人選手権(全社、10月17−21日・千葉)で優勝。出場辞退チームが出て繰り上がりで出場した前回と違い、「自力で権利を勝ち取った分、懸ける気持ちは強い」(FW柿本倫明主将)。
1次、決勝ラウンドとも3日連続で試合をするが、吉沢英生監督は「(1次ラウンドを)勝ち抜かないと次はない。初戦からベストで臨む」と、相手にかかわらず先発メンバーを固定する考えだ。
天皇杯全日本選手権2回戦(10月11日)でJリーグ1部の浦和にほぼベストメンバーで挑んで金星を挙げ、疲労が心配された直後の全社を勝ち抜いたことが大きな自信に。9月を中心に走り込みや午前、午後の2部練習をし、体力を培った成果が表れた。
戦術面も、ボールを支配して試合を優位に進めようという意識が強く、相手のカウンターで失点する場面があったリーグ時に比べ、浦和戦以降は堅い守りからの速攻で得点する形が身に付いた。
昨季は1次ラウンド最終の3戦目でPK負けを喫して決勝進出を逃すなど「ここ一番」に弱かったが、「今季は打たれ強くなった。強さの裏付けもある。出場チームの中でも総合力は上位」と吉沢監督。アルウィンで昇格の喜びをサポーターや市民と分かち合うためにも、1次ラウンドでは負けられない。

◆1次ラウンド対戦相手
◇浜松大FC
東海リーグ1部14試合を9勝1分け4敗(33得点、13失点)で2位。決勝大会初出場。東海大学リーグ1部・浜松大の下部チームで2年生が主体。
◇沖縄かりゆしFC
九州リーグ16試合を15勝(うちPK勝ち3)1敗(54得点、16失点)で1位。決勝大会は2年連続4度目。6度目の出場だった今季の天皇杯全日本選手権は2回戦進出。
◇レノファ山口FC
中国リーグ18試合を13勝1分け4敗(53得点、21失点)で2位。決勝大会は2度目で、昨年は1次ラウンドで山雅にPK勝ちして決勝ラウンドに進んだが、4位でJFL昇格を逃した。今季の天皇杯は2回戦進出。

【大会方式】前後半45分ずつ。延長はなく、PK戦で勝敗を決める。90分間で勝つと3、PK戦で勝つと2、PK戦で負けると1の勝ち点を獲得し、各チーム3試合の勝ち点の合計で順位を決める(勝ち点が同じ場合は得失点差)。
(山岡史明)
天皇杯 再度の金星ならず  (2009年11月3日号より)
サッカーの第89回天皇杯全日本選手権は10月31日と1日、3回戦14試合を各地でした。2回戦でJリーグ1部(J1)の浦和レッズを破った県代表の松本山雅FCは31日、Jリーグ2部のFC岐阜と秋田市八橋運動公園陸上競技場で対戦し、1−4で敗れた。
前半21分、相手の右CKを頭で合わせられて先制を許した山雅は、風上に立った後半の10分にもゴール前で細かくパスをつながれ、2点目を奪われた。
反撃開始は同15分。こぼれ球を拾った左MF大西康平からパスを受けたFW小林陽介が、ゴール前に持ち込んで1点を返すと勢いづき、MF今井昌太らを投入して押し込んだ。しかし、何度かあった得点機を逃すと、同36分にPKで3点目を失い万事休す。同40分にも失点した。
Jリーグ勢に挑んだ山雅など社会人と大学の6チームは、明治大(東京)がJ1のモンテディオ山形を破り、唯一4回戦(16強)に進んだ。3回戦の残り2試合は11日、4回戦は14、15日にする。
「(上位リーグの)攻守の切り替えの素早さ、プレーの精度の高さを思い知らされた。今日は完敗」と、試合後の吉沢英生・山雅監督。3週前に地域リーグのチームで初めて、天皇杯でJ1を破った山雅だが、先制、追加点と相手に試合の主導権を握られ、後半中盤に流れが傾いたものの1得点にとどまり、最後は突き放された。
10日前に全国社会人選手権で優勝。21日から始まる、来季のJFL(日本フットボールリーグ)昇格を争う全国地域リーグ決勝大会の出場権を手にした。クラブの目標のJFL昇格に前進したが、天皇杯は昇格と無関係。浦和戦のような地元の大観衆もなく、戦う動機づけが難しかった。
加えて前日に約10時間のバス移動。選手の動きに切れがなく、相手を止めるためにファウルを重ね、与えた直接FK22は浦和戦の2倍以上。パスのミスも目立った。吉沢監督は「言い訳はしない」としたが、影響を問われて否定する選手はいなかった。
サポーターの一人は「飛行機か、せめて新幹線で現地入りできなかったか」と憤ったが、財政面を含め、遠征してJに勝てるだけの体力は、クラブにまだ備わっていなかった。
「堅守速攻など、勝つための試合運びが身についた。浦和戦はまぐれじゃない」と、主将の柿本。天皇杯で得た自信と、ほろ苦い遠征の経験は、JFL昇格を懸ける今季最後の戦いに生きるはずだ。
(山岡史明)
全社初優勝 決勝大会へ  (2009年10月22日号より)
サッカーの第45回全国社会人選手権大会は17─21日、全国9地域の代表32チームが出場して千葉県市原市で開いた。この大会にJFL(日本フットボールリーグ)昇格を争う全国地域リーグ決勝大会の出場権を懸けた松本山雅FC(フットボールクラブ)は、20日の準決勝でAC長野パルセイロを3─1で下し、地域決勝大会出場を決めた。
山雅は21日の決勝もツエーゲン金沢(石川)を2─1で破り、全国大会制覇で地域決勝大会に向けて弾みをつけた。
上位2チームに与えられる地域決勝大会の出場権を懸けた準決勝で、山雅は県内でJリーグ入りを競う長野と対戦。山雅は前半開始直後、主将のFW柿本倫明選手が相手ボールを奪い、ドリブルで駆け上がりシュートを決めて先制。
23分にも相手選手がGKに戻そうとしたボールがこぼれ、ゴール前に詰めていたFW小林陽介選手が2点目。
前半ロスタイムに1点を返されたが、後半11分にMF木村勝太選手が3点目を挙げ、その後の長野の反撃を粘り強い守りで封じた。
大会は「負けたら終わり」のトーナメントで、決勝まで5日間続けて試合をした。
今季の北信越リーグ1部で4位に終わり、優勝チームが得る地域決勝大会の出場権を逃した山雅は、「敗者復活」を期して今大会に臨み、3回戦は延長でも決着がつかずPK戦の末に勝つなど、苦しみながら出場権を手にした。
吉沢英生監督(37)は「内容は顔を上げられないが、悪いなりに勝ち抜いた。リーグ戦の時と比べ、心身の『スイッチ』を入れて戦いに臨める選手が増えている」と手応えを口にした。
山雅は3年連続の地域決勝大会出場。昨年と一昨年は決勝ラウンド進出まであと1勝に迫りながら惜敗し、1次ラウンドで敗退したが、今季は天皇杯全日本サッカー選手権大会2回戦(11日)でJリーグ1部の浦和レッズを破る金星も挙げ、チームの力と勢いはこれまで以上だ。

会場では連日、熱心な山雅サポーターが声を枯らして応援し、準決勝は100人余が観戦した。
松本市の女性(50)は「試合前から涙が出そうだった。(昇格への)思いの強さが上回ったのでは」。
同市出身で東京都在住の相河俊介さん(29)は「前日までの様子を聞いて駆けつけた。地域決勝大会も簡単には勝ち抜けないと思うが頑張って」とエールを送った。

選手コメント
○…FW柿本倫明選手「格下と思われる相手にも苦戦したが、結果が出せて本当にほっとしている。(準決勝は)早い時間に点が取れ、気持ちに余裕ができた」
○…FW小林陽介選手(途中からを含め4試合に出場)「連戦で体力的に厳しかった。初めのうちは緊張やプレッシャーで動きが硬かったが、試合をこなすうちに取れてきた」
○…DF山崎透選手(3回戦で起死回生の同点ゴール)「2、3回戦はふがいない試合。疲労もたまり厳しい道のりだった。(守備の)『最後のとりで』として、自分が破られたら終わりという気持ちでやり切った」
○…GK原裕晃選手(3回戦のPK戦など再三の好守)「(前日に右足のすねをけられ、痛み止めを飲んで出た)準決勝は自分としてはよくない出来だった。好不調の波が大きいチーム。安定して力を発揮しないと地域決勝大会は勝ち抜けない」

【全国地域サッカーリーグ決勝大会】全国9地域リーグの優勝チームや全国社会人大会の1、2位など計16チームが出場。1次ラウンド(11月21─23日)は全国4会場(福島県いわき市、富山県高岡市、鳥取市、高知市)で4チームずつ4組に分かれて総当り。
各組1位の4チームが総当りの決勝ラウンド(12月4─6日・松本市アルウィン)に進み、1、2位チームが来季からJリーグの1段階下のJFLに昇格。3位は今季JFLの下位チームとの入れ替え戦に勝てば昇格する。
(山岡史明・長岩将弘)
全社準決勝へ進出  (2009年10月20日号より)
サッカーの第45回全国社会人選手権(全社)は17−21日、全国9地域の代表など32チームが出場して千葉県市原市で開いている。この大会で、JFL(日本フットボールリーグ)昇格を争う全国地域リーグ決勝大会(11、12月)の出場権獲得を目指す松本山雅FCは、19日の準々決勝で日立栃木ウーヴァに前後半1−1。延長でも決着がつかず、PK戦(5−3)で勝った。
山雅は20日の準決勝でAC長野パルセイロと対戦し、勝つと地域決勝大会出場が決まる。
大会はトーナメントで前後半40分ずつ。山雅は1回戦(17日)は控え主体で臨み、2得点・2アシストしたMF栗山裕貴の活躍などで小山田FC(開催地代表)を4−0で下した。
2回戦(18日)はFC岐阜セカンド(岐阜)と対戦。前日から先発6人を入れ替え、ほぼベストメンバーで臨んだ山雅は前半19分、FW小林陽介が頭で決めて先制したが、後半開始直後にCKから失点して同点に。
試合は延長(前後半10分ずつ)にもつれ込み、山雅は前半5分、右CKにMF木村勝太が頭で合わせて決勝点を挙げ、苦しみながらも2−1で競り勝って8強入り。
準々決勝(19日)は前半、FW柿本倫明、小林、MF北村隆二を温存。前半31分に先制されると、後半開始早々に柿本、北村を、21分に小林を投入。38分、小林のクロスをDF山崎透が頭で合わせて同点とし、2試合連続で延長戦へ。
延長でも決着がつかず、PK戦で下した。
地域決勝大会の出場権は4強のうち、各地域リーグ優勝などですでに出場権を得ているチームを除く上位2チームに与えられる。準決勝のもう1試合はツエーゲン金沢−tonan(図南)前橋になり、4強すべてが出場権を持っていないため、準決勝の勝者2チームが得ることになった。

Jリーグ1部(J1)の浦和を破り、全国を驚かせた天皇杯2回戦から1週間。山雅は心配された浦和戦のダメージもなく勝ち進み、あと1勝で地域決勝大会の出場権を得るところまで来た。
少なくても4日連続で勝ち続けなければ出場権は手にできず、「負ければ終わり」のトーナメント。その緊張感が選手を硬くし、控え主体だった1回戦、ほぼベストメンバーだった2回戦とも先制しながら突き放せず、格下の相手に苦戦を強いられた。
「そういう試合があることは覚悟していた。が、結果がすべて」と吉沢英生監督。腰を痛めて浦和戦を欠場、満を持して今大会2回戦から復帰した北村も「(トーナメントは)内容より勝敗。硬さもあったが、勝てた」と前向きだ。
負ける「気配」がないのが、逆転続きの薄氷を踏み、最後に砕けた昨季の全社と違う点だ。J1も倒した自信の表れだろう。
「簡単な試合はない。先は考えず、目の前の一戦をものにするだけ」とMF大西康平。そして次の一戦の相手は県内でJリーグ入りを競うAC長野。くしくも全国の舞台で激突する「信州ダービー」に勝った方が、JFLとその先のJに近づく。
(山岡史明・長岩将弘)
天皇杯 J1浦和に大金星  (2009年10月15日号より)
サッカーの第89回天皇杯全日本選手権は10−12日、2回戦32試合を各地でした。県代表の松本山雅FC(フットボールクラブ)は11日、Jリーグ1部(J1)の浦和レッズと松本市のアルウィンで対戦し、2−0で勝った。
地域リーグのチームがJ1を破ったのは大会史上初。山雅FCは2年続けてJリーグ勢から金星を挙げた。
国内屈指の人気チームとの対戦とあって、山雅FCの試合で過去最高の観客1万4494人を集め、客席は両チームのカラーの緑と赤に染まった。
市内の少年チームでプレーする中村光希君(10)は今季、山雅FCがアルウィンで戦ったホーム試合をすべて観戦。J1相手の勝利に「絶対にサッカー選手になりたくなった」と目を輝かせ、友達の青木寛大君(10)が「おれも」と続いた。
山雅FCのサポーター「ウルトラスマツモト」応援リーダーの小松洋平さん(23)は「10年後も心に残る、誇れる試合だった。浦和を負かしたのだから、勝てない相手はいない」と、17日からJFL(日本フットボールリーグ)昇格につながる全国社会人選手権(千葉県市原市)に臨むチームを鼓舞した。
山雅FCは3回戦に進み、31日に秋田市八橋陸上競技場で、Jリーグ2部のFC岐阜と対戦する。
全社に向けいい流れ  (2009年10月15日号より)
天皇杯2回戦でJリーグ1部(J1)浦和レッズと対戦した松本山雅FCは、何度もゴールに迫られながらDF、MF陣の粘り強い守りとGK原裕晃の好セーブで得点を許さず、カウンターでつくった決定機を着実に決めた。
山雅は前半12分、DF阿部琢久哉のロングパスに抜け出したFW柿本倫明が、相手GKの頭上を越す鮮やかなループシュートを決め先制。
後半27分にも、途中出場したMF今井昌太の左クロスがゴール前でこぼれ、MF大西康平がつないで最後は阿部がけり込み、2点目を加えた。

ジャイアント・キリング(巨人殺し)−。サッカー界で下位リーグのチームが上位リーグのチームを破る「番狂わせ」を表す言葉だ。アジアクラブ王者の経験もあるJ1浦和はまさに「巨人」。3段階下の北信越リーグに所属する山雅は見事な戦いぶりで浦和を破り、Jリーグ入りした将来を想像させるアルウィンの大観衆に応えた。
「(ゴール前に)まるで生きた壁があるようだった。結果を出すには『幸運』も必要だが、彼らの戦う姿勢やピッチ上での仕事が『幸運』を引き寄せた」
よもやの敗戦後、浦和のフィンケ監督は山雅をそうたたえた。日本代表2人を欠いた浦和だが、J1で得点王を争うFWエジミウソンや5人の元代表ら個々の技量の差は歴然。しかし、山雅の粘り強い守りは最後まで崩れず、焦る相手はシュートミスを連発した。
「誘い込む守備が、格上とやるのにベストだった。(山雅の)新しい戦い方ができた」と、2得点に絡んだ殊勲のDF阿部。
JFL昇格を争う全国地域リーグ決勝大会(11、12月)の出場権を得るため、5連戦になる全国社会人選手権(全社、出場32チーム)の初戦を6日後に控えた一戦。
昨季も天皇杯でJ2湘南を破りながら、延長、PK戦までもつれた痛手が全社で尾を引いた。山雅は当初、「主力数人は温存」の方針だったが、「責任や期待がある。選手が望む形が一番いい」(吉沢英生監督)と、ベストメンバーに踏み切った。
自信の裏付けはあった。加藤善之ゼネラルマネジャーは「(全社北信越予選後の)1カ月半、かなり厳しい練習を重ね、精神も肉体もタフになっている」と、昨季との違いを強調する。
浦和のラストパスをはね返し続けたのはDF山崎透、坂本史生の両センターバック。山崎は「J1の速さを体感できた。(全社に向けて)メリットしかない」と言い切った。
「格上とやって力を試したい気持ちは、誰もが持っていた」と、主将の柿本。「ダメージも、勝利の余韻に浸る間もない。慢心せず、切り替えて全社に臨む」と続けた。

○…GK原裕晃(浦和のシュート20本に体を張った好セーブ)「もっと厳しい試合になるかと思ったが、DFやボランチが頑張り、決定機をつくらせなかったのが勝因」
○…DF鉄戸裕史(素早い攻守の切り替えで2点目の起点に)「カウンターで得点を奪う形がうまく決まった。勝ったのはうれしいが、第一の目標は全社。いい流れができた」
いよいよ浦和迎え撃つ  (2009年10月10日号より)
サッカーの第89回天皇杯全日本選手権2回戦、松本山雅フットボールクラブ(FC、県代表)−浦和レッズは11日、松本市神林の総合球技場アルウィンで開く。Jリーグ入りを目指す山雅FCが、初めて地元でJリーグのチームと対戦する。
浦和は現・元の日本代表計9選手が在籍する国内屈指の人気チーム。
前日に日本代表の国際親善試合があるため、DF田中マルクス闘莉王、阿部勇樹の両選手は出場しない見込みだが、元代表のFW高原直泰、田中達也の両選手や、今季リーグで12得点のFWエジミウソン選手らがメンバー入りしそうだ。
実力差は大きいが、山雅がどんな頑張りを見せるか、ファンの期待は大きい。開場午前10時、試合開始は午後1時。
前売り券(一般1500−3500円)は10日までコンビニエンスストアの端末などで買える。当日券(同2000−4000円)700枚余も午前9時から会場で発売する。
駐車場の混雑緩和のため、松本駅前−会場間のシャトルバスを運行する。午前8時から、駅お城口(東口)のホテル東急イン前を20−30分間隔で出発し、試合終了後も駅前まで運行する。料金は片道中学生以上500円、小学生250円。県サッカー協会電話39・2655

山雅FCは浦和との対戦を記念したタオルマフラー(1500円、1000枚)とTシャツ(3000円、100枚)を当日、会場で販売する。
天皇杯初戦突破、次はJ1浦和と  (2009年9月22日号より)
サッカーの第89回天皇杯全日本選手権は19−21日、1回戦24試合を各地でした。県代表の松本山雅FCは19日、愛知県代表のFC刈谷と松本市のアルウィンで対戦し、1−0で勝った。山雅は10月11日にアルウィンでする2回戦で、Jリーグ1部(J1)の浦和に挑む。
山雅は両サイドを使う攻撃が有効だった。左右からクロスを入れる形を序盤から続け、前半28分、MF大西康平が左サイドの深い位置から上げたクロスに、FW柿本倫明が頭で合わせて先制。
後半もカウンターなどで何度か決定機をつくり、追加点は奪えなかったが、迫力を欠く相手を危なげなく零封した。Jリーグ2部横浜FCから期限付き移籍で獲得したMF中田健太郎は後半途中から出場。積極的にボールに絡み、FKをバーに当てるなどした。
刈谷は前半に2度あった決定機をシュートミスで逸し、後半からJ1のFC東京などで活躍したFWアマラオを投入したが無得点。遠めから放つシュートも威力がなかった。

山雅は、来季昇格を目指しているJFL(日本フットボールリーグ)所属の刈谷を、的確な戦術と個々の動きで上回った。相手はJFL18チーム中、現在17位に低迷しているとはいえ、「球際の強さ、運動量とも点差以上の開きがあった」(浮気哲郎・刈谷監督)と言わせる内容だった。
相手の両サイドバックが弱点と見ると、左DF鉄戸裕史、右DF阿部琢久哉が縦に突破して好機をつくった。相手の位置取りを見越したサイドチェンジも効果的で、決勝点も右の阿部からDF坂本史生を経由し、左の大西にボールが渡って生まれた。
JFL昇格につながる全国社会人選手権(全社、10月17−21日・千葉県市原市)に向け、午前中だけだった練習を午後もしたり、Jリーグや大学勢を相手に練習試合を重ねたりし、「サッカーの質を上げてきた」(吉沢英生・山雅監督)中での格上相手の勝利は、自信になるだろう。
次戦の相手は浦和。Jリーグ屈指の人気チームを松本に迎える一戦は市民の注目度も高く、J入りを目指す山雅をアピールするまたとない機会だが、4強の顔ぶれ次第では5日連続で負けられない試合になる全社の初戦が、6日後に控える。
「全社が大事」と、選手は口をそろえる。が、自身やチームがどこまでJに通用するか試したい思いはあるだろう。観客も「番狂わせ」を期待するのが天皇杯だ。
浦和に全力でぶつかった後で全社を戦い抜くほどの強靱(きょうじん)さや、けがや体力の消耗を避けながらの善戦を求めるのは酷だ。しかし、その意気込みは持って臨んでほしい。浦和戦への準備は、全社やその後の戦いに生きるはずだ。
(長岩将弘・山岡史明)
MF中田健太郎が加入  (2009年9月15日号より)
サッカー北信越リーグ1部の松本山雅FCに、Jリーグ2部横浜FCのMF中田健太郎(20)が今年末までの期限付き(レンタル)移籍で加入した。中田はU−19(19歳以下)まで各年代のユース日本代表を経験。攻撃に厚みを加える守備的MF(ボランチ)として活躍が期待される。
全国社会人選手権(全社、10月17−21日・千葉県市原市)で2位以上になり、来季のJFL昇格を争う全国地域リーグ決勝大会(11、12月)の出場権を獲得するための補強。
地域決勝大会には、中田は登録期間の規定を満たしていないため出場できないが、山雅はJFL昇格後のチームづくりも見据え、期限付きながらレベルの高い若手を獲得した。
中田はJリーグ1部名古屋のユース時代、U−18代表のDFとしてアジアユース選手権予選(07年11月・タイ)の4戦にフル出場した実績も。
吉沢英生監督は「守備で相手の攻撃の芽を摘み、同時に攻めの起点に」と、好守の切り替え役を求め、中田は「“助っ人”の重圧もあるが、軽い気持ちで来ていない。山雅での経験を自分の成長につなげる」と、力を込める。
全社組み合わせ決まる  (2009年9月8日号より)
第45回全国社会人サッカー選手権(全社、10月17−21日・千葉県市原市)の組み合わせが5日決まり、JFL(日本フットボールリーグ)昇格を争う全国地域リーグ決勝大会の出場権を懸けて臨む松本山雅FCは、初戦で開催地代表の小山田FC(千葉)と対戦する。
小山田FCは県リーグに所属。山雅は初戦に勝つと、2回戦はアイン食品(大阪)とFC岐阜セカンドの勝者と対戦。準々決勝の相手になるブロックには、すでに地域決勝大会出場を決めている関東リーグ2位の日立栃木ウーヴァ、関西リーグ1位の三洋電機洲本(兵庫)などがいる。
山雅と同様に、全社で地域決勝大会出場を目指すAC長野パルセイロとは、両チームが勝ち上がると出場権を懸ける準決勝でぶつかる。
大会は32チームがトーナメントで争い、1、2位が地域決勝大会(1次ラウンド=11月21−23日・富山県高岡市など全国4会場、決勝ラウンド=12月4−6日・松本市アルウィン)の出場権を得る。1、2位チームが地域リーグ優勝などですでに出場権を得ている場合は、4位までが繰り上がる。
(山岡史明)
2年連続天皇杯へ AC長野に1−0 延長戦制す  (2009年9月1日号より)
サッカーの第89回天皇杯全日本選手権県予選を兼ねた、第14回県選手権の決勝は8月30日、松本市のアルウィンでした。松本山雅FCが延長戦の末、AC長野パルセイロを1−0で破り優勝。2年連続4度目(97年当時は山雅サッカークラブ)の天皇杯出場を決めた。
前後半(45分ずつ)は両チーム無得点。迎えた延長(前後半10分ずつ)前半4分すぎ、山雅はGK原裕晃が相手を倒して与えたPKを自ら止めると、途中出場のMF今井昌太がこぼれ球を相手ペナルティーエリア近くまで運び、倒されてFKを獲得。これをDF鉄戸裕史が直接ゴールして競り勝った。
決勝の観客は4263人だった。
天皇杯は、都道府県代表やJリーグ、大学王者など計88チームが出場し、今回からJリーグ1部(J1)と2部(J2)の全36チームが2回戦から登場。決勝は来年元日。
県代表の山雅は19日の1回戦で愛知県代表のFC刈谷(JFL=日本フットボールリーグ)と対戦し、勝者は2回戦(10月11日)でJ1浦和との対戦が決まっている。会場はともにアルウィン。

延長で与えた絶体絶命のPK。原が足に当ててはじいたボールは、自陣で奪われてPKの原因をつくった今井の元へ。挽回(ばんかい)を期した今井が独走してゴール正面右で倒され、ピンチは一転してチャンスに。鉄戸が右足を振り抜くとボールはゴール左に吸い込まれ、山雅サポーターの悲鳴は大歓声に変わった。
今季4度目の「信州ダービー」は、前半に攻勢を仕掛ける長野、後半に巻き返す山雅というこれまでの展開とは一変。前半のシュート数は長野1に対し山雅が8と圧倒したが、2度バーをたたくなど決定機を逃し、後半は布陣を変えた長野が逆襲。今回も紙一重の勝利だった。
天皇杯で山雅は昨季、J2湘南を破る金星を挙げたが、選手の疲労とけがが重なり、JFL昇格につながる全国社会人選手権(全社)にいい状態で臨めなかった苦い経験がある。
初戦の相手の刈谷は今季、JFL下位に低迷し、「入れ替え戦で対戦する可能性も。昇格への試金石の一つ」(加藤善之ゼネラルマネジャー)と歓迎するが、勝てば浦和と対戦した6日後に、最低でも3日連続で勝ち続けなければならない全社が始まる。
「Jと対戦するのもクラブの目標。ベストメンバーで臨む」(吉沢英生監督)のはもっともだが、昨季の轍(てつ)を踏まないためにどうするか。選手の意欲は高く、「Jに挑む山雅」を夢見るサポーターも多いだけに、難しいところだ。
(山岡史明)
全社から昇格目指す 長野に競り勝ち 北信越予選2位通過  (2009年8月20日号より)
サッカー全国社会人選手権(全社)予選の北信越大会は14ー16日、新潟県新発田市の五十公野公園陸上競技場などで開いた。県代表の松本山雅FCは2位になり、全社本大会に出場を決めた。山雅は全社で、JFL(日本フットボールリーグ)昇格を争う全国地域リーグ決勝大会の出場権(2位以上)獲得を目指す。
北信越予選は、5県の代表に前回優勝のAC長野パルセイロを加えた計6チームが出場。上位3チームが得る全社(10月17ー21日・千葉県市原市)の出場権を争った。
前後半40分ずつ。山雅は1回戦(14日)はヴァリエンテ富山に5ー0で快勝。勝てば全社出場が決まる準決勝(15日)は長野と対戦し、前半2、18分にゴールを奪われ0ー2で折り返す苦しい展開。
しかし、後半は足が止まった相手にボールの奪い合いで競り勝ち、3分にMF大西康平、28分には途中出場のMF今井昌太が得点して追い付くと、終了間際にFW柿本倫明がゴールし、3ー2で劇的な逆転勝ちを収めた。
決勝(16日)は、山雅とツエーゲン金沢(石川)が対戦。山雅は前後半の開始直後に1点ずつ失い、反撃の糸口を見いだせないまま0ー2で敗れた。
長野とジャパンサッカーカレッジ(JSC、新潟)が対戦した3位決定戦は、0ー0のまま延長、PK戦の末に長野が勝ち、金沢、山雅、長野の3チームが全社の出場権を手にした。
【そのほかの結果】▽1回戦 金沢5ー0サウルコス福井▽準決勝 金沢2ー0JSC

北信越リーグ優勝ですでに全国地域リーグ決勝大会(1次ラウンド=11月21ー23日・富山県高岡市など全国4会場、決勝ラウンド=12月4ー6日・松本市アルウィン)出場を決めているJSCと、全社に地域決勝大会出場を懸ける山雅と長野、金沢が争った北信越予選。山雅は長野に競り勝ち、JFL昇格の道をつないだ。
前半は長野の早く鋭い出足に圧倒されて受けに回り、自陣でボールを奪われて速攻を許すなど、一方的にやられ続けて目を覆うばかりの苦戦だった。
大西ら攻撃的MFが相手3バックのスペースを突き、ボランチやサイドバックが押し上げてボールを拾う攻めを再確認して臨んだ後半は、長野の運動量が極端に落ちたこともあり、こぼれ球をことごとく支配。
早い時間帯に1点返したことで選手の気持ちが前向きになり、動きが維持できたのも同点、逆転のゴールを生む要因になった。
しかし、先発4人を入れ替えた決勝・金沢戦は、準決勝に続いて開始早々にあっさりと失点し、見せ場もなく敗れた。途中出場した新加入のFW新中剛史が、相手守備の裏を取る動きで目立ったのが唯一の収穫だった。
4位に終わったリーグ終了後、クラブが開いたサポーターとの話し合いで具体的な改善策を問う声が多く上がり、加藤善之ゼネラルマネジャーが試合でベンチ入りし、練習にも携わるなど吉沢英生監督と共にチームを見ることに。
長野戦の思い切った選手交代などに、その効果は現れたようにも見えた。が、リーグから続く「先制されて苦戦」という悪い流れは今回も断ち切れず、全社に向けて課題が残る。
2戦とも開始直後に失点した理由を、GK原裕晃は「集中力の欠如」、DF山崎透は「気の緩み」と指摘した。長野戦の後半に現れた「このままでは終われない」(柿本)という追い込まれた意識やプレーを常に保てるかが、地域決勝大会出場やJFL昇格の鍵を握るだろう。
(山岡史明)
4年連続決勝へ 天皇杯予選準決勝 残り10分逆転 アンテに辛勝  (2009年8月11日号より)
サッカーの天皇杯全日本選手権予選を兼ねた第14回県選手権は8日、松本市のアルウィンなどで準決勝をした。松本山雅FCとアンテロープ塩尻の中信勢同士の対戦は山雅が2−1で競り勝ち、決勝(30日・アルウィン)進出を決めた。
試合中に雨が強くなり、両チームとも滑りやすいピッチに苦しんだが、前半はアンテロープが試合を優位に進め、44分にFW森田卓のゴールで先制。
後半は山雅が徐々に攻勢に出て、36分にGKがはじいたボールをFW木村勝太が押し込んで追い付き、3分後に木村からパスを受けたDF鉄戸裕史が決めて逆転した。
山雅は4年連続の決勝進出。準決勝もう1試合は、AC長野パルセイロが上田ジェンシャンを5ー1で下し、決勝は昨年と同じ顔合わせになった。

山雅は格下のアンテロープに互角以上の戦いを許し、残り10分間でようやく追い付き、逆転。加藤善之ゼネラルマネジャーは「全社(全国社会人選手権=前後半計80分)だったら負けていた」と吐き捨てた。
守りのミスから失点する、前週の北信越リーグ最終戦と同じ展開。先発6人を入れ替えて心機一転を図ったが、3戦続けて先制を許し、決定機にシュートを外し続けるなど、悪い流れを断ち切れなかった。
14日からJFL(日本フットボールリーグ)昇格につながる全社の北信越予選(新潟県新発田市)が始まるが、けがで戦列を離れていたDF阿部琢久哉、FW竹内優が一定の動きを見せたほかに、明るい材料は見当たらない。
吉沢英生監督は「(観客は)内容に不満だろうが、選手に『気持ち』はあった。足りない部分は(練習を)積み重ねていくしかない」と繰り返した。
(山岡史明)
個々の能力高いが、組織的な戦術なく 北信越リーグ総括  (2009年8月4日号より)
山雅は残り2試合まで自力優勝の可能性がありながら、2連敗で昨季と同じ4位に終わった。今季はJリーグとJFL(日本フットボールリーグ)経験者6人が加入し、シーズン途中にも現元のJリーガーらを補強。ライバルを上回る戦力を擁し、吉沢英生監督も2季目でチームの熟成が期待されたが、寂しい結果だった。
下位相手の取りこぼしはなかったが、上位3チームとの対戦は金沢に1勝しただけの3敗2分け。直接対決の得点合計は4強のうち最少で、JSCには2戦とも同じ形で決勝点を奪われて敗れるなど、選手たちが持てる能力や経験を発揮したとは言い難かった。
選手個々のレベルは高い。が、それが結び付かないのが敗因だろう。吉沢監督は「『全員でボールを奪い、全員で攻める』攻守の切り替えが素早いサッカー」を求めているというが、選手の能力に頼り過ぎ、個人で打開できない場合の組織的な戦い方を指し示せていないように見える。
JFL昇格を争う全国地域リーグ決勝大会(11、12月・アルウィンほか)出場に残された道は、全国社会人選手権(全社、10月・千葉県市原市)で2位以上(1、2位がリーグ優勝などですでに出場権を得ている場合は4位まで繰り上げ)になるしかない。
目標を失ったリーグ最終戦は、「気持ちがこもっていないプレーばかりの、ふがいない試合」(主将のFW柿本倫明)だったが、全社の出場権が懸かる北信越予選まで2週間足らず。
監督、選手ともまじめで闘志が空回りしがちだが、重圧を楽しむくらいの気持ちで「これが山雅」というサッカーを見せてほしい。選手には、それができる実力と経験があるはずだ。
(山岡史明)
最終戦完敗で4位 北信越リーグ最終節 目標なくし3失点  (2009年8月4日号より)
サッカー北信越リーグは2日、1、2部とも最終第14節の4試合ずつを各地でした。1部で2位の松本山雅FCは4位ツエーゲン金沢(石川)と松本市のアルウィンで対戦し、0ー3で完敗。すでに優勝を決めているジャパンサッカーカレッジ(JSC、新潟)に勝ったAC長野パルセイロと金沢に勝ち点で抜かれ、4位でリーグ戦を終えた。長野と金沢は得失点差で長野が2位。
山雅は前半、金沢のしつこい守りにボールを奪われ、カウンターで攻め込まれる展開が続き、34分に先制された。
後半はFW3人を投入してゴールを狙ったが、攻撃の芽をことごとく摘まれ、ボールを奪い返すことに終始。15分に2点目を許すと運動量が落ち、終了間際にも失点した。観客は2334人。
2部で3位のアンテロープ塩尻は、6位の新潟医療福祉大とアルウィン芝生グラウンドで対戦し、5ー0で大勝。この日敗れた2位テイヘンズ(石川)と順位が入れ替わり、来季の1部昇格を決めた。2部優勝はJSC下部チームのCUPS(カップス)聖籠(新潟)。
(山岡史明)
1試合残し終戦 北信越リーグ13節 JSCに1−2  (2009年7月28日号より)
サッカー北信越リーグは26日、1、2部とも第13節の4試合を各地でした。1部で2位の松本山雅FCは、勝ち点差3で追う首位ジャパンサッカーカレッジ(JSC、新潟)とJSCグラウンド(同県聖籠町)で対戦して1ー2で敗れ、最終節を残してJSCの3年ぶり3度目の優勝が決まった。
JSCがJFL(日本フットボールリーグ)昇格を争う全国地域リーグ決勝大会(11、12月・松本市アルウィンほか)の出場権を得た。リーグ制覇を逃した山雅は昨季と同様、全国社会人選手権(全社、10月・千葉県)の上位枠(2チーム)で地域決勝大会出場を目指す。全社には北信越大会(8月14ー16日・新潟県)の上位3チームが出場する。

JSCを破って首位に立ち、最終戦に優勝を懸けたかった山雅。前半から積極的に攻めたものの決め手を欠き、逆に終了間際にカウンターから左サイドを破られ先制を許した。
後半19分、ゴール前で倒されたFW柿本倫明がPKを決めて追い付いたが、攻勢のさなかに吉沢英生監督が退席処分を受け、DF金沢慶一も退場になって1人少なくなり、30分に2点目を奪われると、その後は相手の堅い守りを崩せなかった。
JSCー山雅の結果次第で優勝の可能性を残していた3位のAC長野パルセイロも、4位ツエーゲン金沢(石川)に敗れた。長野もJFL昇格を目指し、山雅と同じ道のりで地域決勝大会出場を狙う。8位ヴァリエンテ富山は来季の2部降格が決まった。
2部で3位につけ、残り2連勝なら来季1部に昇格する2位以上が確実だったアンテロープ塩尻は、2位CUPS(カップス)聖籠(新潟)と同グラウンドで対戦し、0ー3で敗れた。
2部はCUPSが首位に。アンテロープは最終戦に勝ち、2位テイヘンズ(石川)が敗れるか引き分けると、逆転で2位になる可能性を残した。
リーグ最終節は8月2日。山雅は金沢とアルウィンで、アンテロープは6位の新潟医療福祉大とアルウィン芝生グラウンドで、それぞれ対戦する。

「ここぞというところで、足が一歩前に出るか。わずかな差だが、その差がずっと同じなら勝敗も変わらない」
山雅の吉沢監督は、JSCに勝てない理由をそう説明した。今季は2戦2敗。4強がしのぎを削る展開で、同じ相手に2度負けて優勝はあり得なかった。
相手に有利と見える判定に選手はいら立ち、松本から駆けつけた約350人のサポーターからも不満の声が上がった。しかし、審判への抗議や侮辱で、監督や選手が退場になっているようでは、優勝を争う一戦に勝てるはずもない。
「苦しいゲームを続け、精神的に強くなったのが最後に生きた」(辛島啓珠・JSCコーチ)と、相手が胸を張ったのと対照的だった。
「もう終わったこと。気持ちを切り替えて頑張る」と主将の柿本。連戦の全社を経てJFL昇格を目指す道のりの険しさは昨季、身をもって知った。さらに今年は予選で長野や金沢、JSCとの代表争いが避けられず、全社にたどり着くのも容易ではない。
「(山雅は)上位リーグの経験者がいて、サポーターも熱いから勘違いするが、プロじゃないから負けた。変なプロ意識を捨て、挑戦者の姿勢で臨まないと」
敗戦後、選手の1人はそう話した。これから始まる戦いにどう挑むべきかを、自分に言い聞かせるように。
(山岡史明)
再びドロー 北信越リーグ12節 信州ダービー  (2009年7月14日号より)
サッカー北信越リーグは11、12日、1、2部とも第12節の4試合を各地でした。1部で2位の松本山雅FCは12日、勝ち点差1で続く3位AC長野パルセイロと松本市のアルウィンで対戦し、1−1で引き分けた。
首位ジャパンサッカーカレッジ(JSC、新潟)は4位ツエーゲン金沢(石川)を下し、JSCと山雅の勝ち点差は3に開いた。3位長野まで優勝の可能性があり、金沢の優勝はなくなった。リーグは各チームとも残り2試合。
山雅は前半、長野に試合の主導権を握られたが、長野もパスをつなぎながら得点できず、0−0のまま後半へ。
山雅は攻めに転じた後半22分、試合途中に左DFから守備的MFに代わった鉄戸裕史がゴール正面左からFKを直接決めて先制。しかし、37分、PKを与えて同点とされ、その後も積極的に攻めて好機をつくったが得点に結び付けられず、前回の対戦と同様に引き分けた。
山雅は次節のJSC戦(26日・JSCグラウンド=新潟県聖籠町)と、最終節の金沢戦(8月2日・アルウィン)に連勝すると優勝が濃厚に。次節、山雅がJSCに敗れると、最終節を待たずにJSCの優勝が決まる。
2部で3位のアンテロープ塩尻も12日、8位ゴールズFC(石川)とアルウィン芝生グラウンドで対戦し、後半39分にFW森田卓が決勝点を挙げ、1−0で競り勝った。
2部の優勝争いは上位3チームに絞られた。アンテロープは次節、勝ち点で並ぶ2位CUPS(カップス)聖籠とJSCグラウンドで対戦。来季の1部昇格圏内の2位以上を目指す。

試合終了まで残り約10分。前線の選手を次々と投入した長野の必死の追撃に、耐え切れなくなった山雅が相手を押してPKに。吉沢英生監督と主将のFW柿本倫明は「勝てる試合だったのに…」と声をそろえた。
が、この日引き分けても残り2試合に連勝すれば、優勝の可能性がきわめて高い山雅に対し、自力優勝が消えた長野の方が痛手は大きかった。「まだ(JFL=日本フットボールリーグ昇格につながる)全国社会人選手権がある」と繰り返した長野のバドゥ・ビエイラ監督の落胆ぶりからも、それは明らかだ。
山雅は後半、何度も決定機を逃し、得点は新加入の鉄戸が挙げた1点だけ。しかし、MF北村隆二は再三倒されながらも厳しい当たりで相手ボールを奪い、FW小林陽介もしつこく相手DFを追って速攻の芽を摘むなど、選手の意気込みはプレーに表れた。
次は、首位JSCとの決戦。勝てば得失点差で相手を上回り、首位で最終戦を迎えるが、負ければ目の前で相手の優勝が決まり、引き分けでも優勝は大きく遠のく。「重圧はあるが、仲間を信じてやるだけ」と柿本。今季、唯一負けている相手を敵地で倒さない限り、2年ぶりのリーグ制覇はない。
(山岡史明)
福井に快勝6−0 北信越リーグ11節 新戦力3人出場  (2009年7月7日号より)
サッカー北信越リーグは5日、1、2部とも第11節の4試合を各地でした。1部で2位の松本山雅FCは、5位サウルコス福井と松本市のアルウィンで対戦し、6ー0で快勝した。1部は上位4チームが順当に勝ち、順位は変わらないまま。リーグは各チームとも残り3試合。次節(11、12日)からの4強の直接対決で優勝が決まる。
山雅は6月末に新加入した4選手のうち、DF鉄戸裕史が左サイドバックでフル出場。FW栗山裕貴が後半19分から、FW新中剛史も同36分からそれぞれ途中出場し、栗山が4点目を挙げた。
前半は引いて守る福井を攻めあぐねたが、22分にFW小林陽介のミドルシュートで先制し、31分にもFW柿本倫明が倒れ込みながらシュートを決めて前半は2ー0。
後半も一方的に攻め、16分にGKがこぼした球をMF大西康平がけり込んだのを皮切りに、途中出場のFW木村勝太や小林らのゴールで4点を加えた。観客は2504人だった。
2部で3位のアンテロープ塩尻は、7位丸岡フェニックス(福井)とアルウィン芝生グラウンドで対戦。前半15分にMF福田宏幸が先制し、後半立ち上がりに同点とされたが30、31分にDF古田智之、DF中村明博が連続得点し、3ー1で勝った。2部も順位の変動はなかった。
次節、山雅は3位のAC長野パルセイロをアルウィンで迎え撃つ「信州ダービー」。前回の対戦(5月17日)は引き分けたが、今回は優勝の行方を左右する負けられない一戦。アンテロープもアルウィンで8位ゴールズFC(石川)と対戦する。試合はともに12日。

「公式戦は昨季の天皇杯以来、7カ月ぶり」というDF鉄戸裕史(26)。チームに合流して間もないが、自ら「持ち味」という運動量は最後まで落ちず、「ボールに絡まなくても、自分の動きに相手がつられてゴールが生まれれば」との言葉通り、労を惜しまずサイドを駆け上がった。
Jリーグ2部(J2)の鳥栖で3季プレー。昨季終了後に解雇され、母校の佐賀大で練習していた。JFLのクラブからも誘いを受けていたが、「もう一度Jでプレーするために」と、上を目指すチームにこだわり、山雅を選んだ。
大卒後にアマチュアチームでプレーしながらJクラブの練習に参加し、テストを受け続けてプロの座をつかんだ実力派。
「どうやってボールをつなぎ、どこから攻めの『スイッチ』を入れるかなど、意志の疎通と連携が必要」と、デビュー戦を振り返った。

後半31分に左脚を振り抜くと、ボールはGKの頭上を越えて約40メートル先のゴールに吸い込まれた。「前半を見てGKが前に出ていたので。いちかばちかだったが、イメージ通り」と、FW栗山裕貴(20)。
本職はサイドのMF。山雅でただ1人の左利きだが、自身のプレースタイルを「左なら縦に突破してクロス、右なら中に切れ込んでシュート」と説明する通り、ポジションの左右は問わない。
高校3年時に鳥栖の特別指定選手(サッカー部所属のままJリーグ出場が可能)になり、卒業後に入団。2年目の昨季、J初出場の試合でゴールも決めた。
「選手は試合に出て成長し、評価を得る。地域リーグで経験を積み、再びJへ」。若きエース候補が、初戦でその才能の片りんを見せた。

FW新中剛史(22)は、関西学生リーグ1部の大学時代は途中出場が多く“スーパーサブ”的な存在だったが、自身は「もっとやれる」と、今季Jリーグ2部に昇格した岡山のテストに受かり入団。
1月に右脚を痛め、岡山の育成チーム(県リーグ)の登録に。「Jのスタートラインに立てなかった」と、悔しさを隠さないが、山雅へのレンタル移籍(来年1月末まで)で活躍の場を得た。
前線で攻守ともよく動き、相手守備の裏へ抜け出すスピードや、強引なシュートが持ち味だ。

GK信藤健太(24)は、関東大学リーグ1部の筑波大でプレー。卒業して今春、Jリーグ1部新潟の育成チームに入団し、シンガポールへ渡ったが、コーチ兼任の契約で出場機会に恵まれず、選手にこだわり帰国。山雅の練習に参加し、入団が決まった。
高さはないが、大きな声での指示や果敢な飛び出し、的確な位置取りで補う。「3人目のGK」からの出発だが、「試合出場という自身の目標を、『昇格』というチームの目標に同調させ、勝利に貢献したい」と、静かに闘志を燃やす。
(山岡史明)
粘る上田に競り勝つ 北信越リーグ10節 2部アンテは3位後退  (2009年6月30日号より)
サッカー北信越リーグは27、28日、1、2部とも第10節の4試合を各地でした。1部で2位の松本山雅FCは、7位上田ジェンシャンと松本市のアルウィンで対戦し、3ー1で競り勝った。1部は上位4チームが順当に下位に勝ち、順位は変わらないまま。
山雅は前半33分、MF小沢修一がゴールほぼ正面からFKを直接決めて先制し、前半は1ー0。
後半14分にパスで崩されて同点とされ、FW小林陽介とMF大西康平を投入。直後に退場者を出して1人少なくなったが、同28分に小林が頭で決めて勝ち越し、2分後に大西がミドルシュートを決め、粘る上田を突き放した。観客は2914人だった。
2部で2位のアンテロープ塩尻は、首位テイヘンズFC(石川)と石川県営根上サッカー場(能美市)で対戦。
前半6分に先制され、2分後にFW西沢暁のゴールで追い付いたが、後半6分に勝ち越しを許し、1ー2で競り負けた。アンテロープは勝ち点で並ばれたCUPS(カップス)聖籠(新潟)に得失点差で抜かれ、3位に後退した。
次節は7月5日。山雅はサウルコス福井とアルウィンで、アンテロープは丸岡フェニックス(福井)とアルウィン芝生グラウンドで、それぞれ対戦する。

山雅は前半、シュート9本を放ちながらポストを2度たたくなど再三の決定機を逸し、得点はFKの1点だけ。後半に追い付かれ、DF石川航平が二度目の警告で退場になるなど、下位相手の取りこぼしが頭をよぎる嫌な流れだったが、途中出場の2人が断ち切った。
まずは小林。8ー0で大勝した前節の富山戦は、先発しながら無得点で後半早々にベンチへ。「監督に『結果を出してくれ』と言われている」というFWは、「同点にされた直後(の出場)で、自分の『仕事』は明確だった」と、求められた役目を果たした。
そして大西。けがで3試合ぶりにピッチに戻った切り込み役は「下位相手にふがいないゲーム」としたが、自身は追加点で存在感を見せた。警告の累積で出場停止のボランチ2人に代わり、出番が訪れたMF高沢尚利と斎藤智閣も、高沢が決勝点をアシストするなど攻守で貢献した。
山雅はこの試合に先立ち、Jリーグ2部の鳥栖でプレーしたDF鉄戸裕史ら4選手の加入を発表。吉沢英生監督は「新たな競争が始まり、選手の刺激になる」と期待する。勝負強い今季のチームに、補強という「特効薬」がどう効くか。上位との対戦が楽しみだ。
(山岡史明)
8得点 ホームで大勝 北信越リーグ9節 上位は安泰 順位変動なし  (2009年6月23日号より)
サッカー北信越リーグは20、21日、1、2部とも第9節の4試合を各地でした。1部で2位の松本山雅FCは20日夜、8位ヴァリエンテ富山と松本市のアルウィンで対戦し、8ー0で大勝した。1部は上位4チームが順当に勝ち、順位の変動はなかった。
山雅は前半12分にMF小沢修一が頭で決めて先制し、24分にも小沢がFKを直接決め、42分にMF北村隆二がミドルシュートを決めて前半に3得点。
後半もほぼ一方的に攻め、FW柿本倫明のハットトリックとDF寄井憲の今季初ゴール、FW木村勝太の得点で5点を加えた。
山雅のホーム初のナイター試合は3742人が来場した。
2部で3位のアンテロープ塩尻は、4位大原学園(上田市)とアルウィン芝生グラウンドで対戦。前半17分にMF千国啓太のゴールで先制し、2点を奪われたが前半終了間際にPKで追いつくと、後半9分にFW森田卓が決勝点を挙げて3ー2で競り勝ち、首位テイヘンズFC(石川)と勝ち点差1の2位に再浮上した。
次節、山雅は28日にFC上田ジェンシャンとアルウィンで対戦。アンテロープも同日、敵地でテイヘンズとの首位攻防戦に臨む。

「どうしてもこのチームで(上位リーグに)昇格したい」。在籍最長5季目の小沢が、切れのあるプレーで大量点の引き金となる2ゴール。2部時代から山雅でプレーするベテランは「自身の環境を変えるには、ここで頑張るしかない」と、心を決めている。
攻撃的な選手だが、今季は人繰りが厳しいサイドバックもこなした。「DFは初めてだが相手の考えが分かり、プレーの幅が広がる」。試合に出られるならポジションは問わないーと、貪欲(どんよく)な姿勢でチームを支える。
上位4チームが勝ち点差4の中にひしめく状況は変わらず、山雅が大量得点しても長野、金沢との得失点差は縮まらない。首位ジャパンサッカーカレッジ(新潟)は得点こそ少ないが、苦戦しても負けない。決着は直接対決でつけるしかなさそうだ。
今季二度目のハットトリックを演じた柿本も「(下位相手でも)攻めている時にボールを奪われたらどうするかを考え、ケアしなければ」と、上位との対戦を想定したプレーを説く。
「やり切って、力の差が出る」と吉沢英生監督。下位相手に得点を重ね、無失点で終える貪欲さが、ライバルたちとの対戦に生きるはずだ。
(山岡史明)
新潟に快勝 4強順当 北信越リーグ8節 アンテは連敗3位に  (2009年6月16日号より)
サッカー北信越リーグは14日、1、2部とも後半初戦の第8節を各地でした。1部で2位の松本山雅FCは、6位グランセナ新潟と敵地で対戦し、FW小林陽介のハットトリックなどで5ー2で快勝。1部は上位4チームが順当に勝ち、順位に変動はなかった。
エースのFW柿本倫明を出場停止で欠いた山雅は前半10分、MF今井昌太のゴールで先制。24分にシュートの跳ね返りを小林が押し込み、33分にはCK後の混戦からMF三本菅崇が決めて前半は3ー0。
後11分に失点したが、直後にMF小沢修一のクロスに小林が合わせ、さらに20分にはシュートのこぼれ球に小林が詰めて加点。30分に2点目を失ったが、そのまま押し切った。
2部で2位のアンテロープ塩尻は、09経大FC(新潟経営大)と敵地で対戦。後半27分から失点を重ねて0ー3で敗れた。2連敗のアンテロープは、勝ち点で並んだ経大に得失点差で抜かれ、3位に後退した。
山雅は次節、20日にヴァリエンテ富山と松本市のアルウィンで対戦。午後6時開始のナイター試合で、当日に限り高校生以上の生徒・学生が生徒手帳や学生証を提示すると入場無料(通常600円)に。アンテロープは21日、アルウィン芝生グラウンドで大原学園と対戦する。
(山岡史明)
全社サッカー県決勝 山雅V北信越へ 上田に快勝4−0  (2009年6月9日号より)
サッカー第45回全国社会人選手権(全社)の県大会決勝は7日、長野市南長野運動公園で開き、松本山雅FCが4ー0でFC上田ジェンシャンに快勝した。優勝した山雅が、全国大会予選の北信越大会(8月14ー16日・新潟県)に進む。
前後半40分ずつ。山雅は前半28分、右CKにFW柿本倫明が頭で合わせて先制し、4分後にも左ショートCKからMF三本菅崇が頭でゴール。
後半は何度か決定機を逃したが、31分にMF小沢修一が倒されて得たPKを柿本が決め、ロスタイムにもMF今井昌太のクロスに柿本がダイビングヘッドで合わせて加点。上田を危なげなく零封した。
北信越大会は5県の代表と、前回優勝で県予選免除のAC長野パルセイロの計6チームがトーナメントで争い、上位3チームが全国大会(10月・千葉県)へ。
北信越で山雅は、1回戦でヴァリエンテ富山(富山)に勝つと、準決勝は長野と当たる組み合わせ。この試合に勝つか、敗れた場合も3位決定戦に勝つと、全国大会に出場できる。

北信越リーグから、JFL(日本フットボールリーグ)昇格を争う全国地域リーグ決勝大会(11、12月)に進めるのは、今季も優勝チームだけ。
別枠で上位に決勝大会の出場権が与えられる全社は、山雅などJFLを目指すチームにとって、リーグ優勝を逃した場合の「ライフライン」(吉沢英生・山雅監督)になる大会。山雅も昨季、リーグ4位ながら全社で地域決勝大会の出場権を得ている。
リーグ優勝を逃したチームは、北信越大会で3位以上にならないと、来季のJFL昇格がなくなる。山雅は、ライバルの長野が不在の県大会をまずは順当に制した。
(山岡史明)
優勝 十分狙える 2トップなじみ後半戦へ 北信越リーグ前半戦総括  (2009年6月9日号より)
サッカー北信越リーグは今季の全14節のうち、7節(5月31日)で前半戦を終え、各チームの対戦が一回りした。Jリーグの一歩手前のJFL(日本フットボールリーグ)昇格に向け、2年ぶりのリーグ制覇を目指す松本山雅FCは、5勝1敗1分けの勝ち点16で首位ジャパンサッカーカレッジ(JSC、新潟)と勝ち点差1の2位。優勝が十分に狙える位置だ(文中の数字は7節終了時)。
山雅は下位相手に開幕から4連勝と好スタート。同じJFLを目指す上位3チームとの対戦は、ツエーゲン金沢(石川)に勝ったがJSCに敗れ、AC長野パルセイロと引き分けた。
昨季の前半戦は2勝2敗3分けと不振にあえぎ、5節ですでに自力優勝の可能性が消えていただけに、一定の仕上がりで開幕に臨んだ今季は、昨季の反省を生かしたといえる。
総得点16は長野の29、金沢の22に次ぐ。FW陣はエース柿本倫明の6得点(ランク2位タイ)をはじめ、新加入の小林陽介が4、木村勝太が2得点し、元Jリーガーの3トップで計12得点。
MF大西康平の精度の高いボールに、長身の柿本やDF陣が合わせるセットプレーは、決定力でライバルを上回る。気がかりはミドルシュートの少なさか。
一方の守備は計5失点とまずまず。大卒2年目のDF坂本史生と、新加入の山崎透か寄井憲が組んだセンターバックは、上位相手でも破たんはなかった。サイドバックは阿部琢久哉を故障で欠き、人繰りに苦労したが、出遅れていた石川航平が復調。阿部も復帰のめどが立った。
当初敷いた3トップの布陣は下位には通用したが、中盤の左右が手薄になり、両サイドにスピードがある選手を置く長野やJSCとは分が悪かった。
2トップにして中盤を厚くした金沢戦は、MF北村隆二と三本菅崇の両ボランチが相手ボールをよく奪い、攻撃の起点に。「長短あるが、選手もやり慣れた4ー4ー2がしっくりくる」(吉沢英生監督)と、後半戦はシステムを変えそうだ。
上位4チームと下位4チームは力の差があり、優勝は上位の直接対決の結果で決まりそうだ。来季はJFLでプレーするか、それとも北信越リーグにとどまるか。山雅は、選手個々の能力は高いだけに、彼らの意志や意識が勝敗の行方を左右しそうだ。
※暴風で延期された3節のツエーゲン金沢ーサウルコス福井は7日に試合し、金沢が5ー0で勝った。金沢は勝ち点13の4位。
(山岡史明)
2位で後半戦へ 北信越リーグ7節 金沢に1−0  (2009年6月2日号より)
サッカー北信越リーグは5月31日、1、2部とも7節の4試合をした。1部で暫定3位の松本山雅FCは、同4位のツエーゲン金沢と金沢市民サッカー場で対戦し、1ー0で競り勝った。山雅は、首位ジャパンサッカーカレッジ(JSC、新潟)と引き分けたAC長野パルセイロを抜き、首位と勝ち点差1の2位に浮上してリーグ前半戦を折り返した。
立ち上がりからボールを支配した山雅は前半21分、左サイドのパス交換からDF石川航平がゴール前にボールを入れ、MF今井昌太がつないで最後はMF三本菅崇が左足ボレーで先制ゴール。
その後は、前後半を通じて決定機をものにできなかったが、後半終盤の金沢の反撃をしのいで逃げ切った。前半戦の山雅は5勝1敗1分け。
2部で首位のアンテロープ塩尻は、新潟医療福祉大とグランセナ新潟サッカースタジアム(新潟市)で対戦。後半にPKで失点して0ー1で敗れ、リーグ前半戦は5勝2敗の2位。
リーグは次節(13、14日)から各チーム2度目の対戦となる後半戦へ。山雅はグランセナ新潟と、アンテロープは09経大FC(新潟経営大)と、それぞれ敵地で対戦する。

4強のうち金沢は、暴風雨で延期になった福井戦(7日に開催)に勝っていたと仮定すると、山雅とは勝ち点で並ぶ3位同士。敗れた方が自力優勝の可能性をなくす一戦で、山雅は前節の負けを引きずらず、力に変えて見せた。
前線の3トップを2トップに変え、間延びしていた中盤を修正。MF北村隆二と三本菅の両ボランチがよく押し上げて相手ボールを奪い、攻撃の起点となるMF大西康平を、石川ら後方の選手が追い越す動きも目立った。
決勝点を挙げた三本菅は「2トップだと(これまで)3トップ下のMFがいたスペースが空き、上がりやすい。チームとしても『はまった』」。
得点はこの1点だけだったが、シュート数は金沢の3に対し13と、ボールの支配率をほぼ反映した。金沢は主力のブラジル人2選手を出場停止で欠いた上、致命的なシュートミスもあったが、この日の山雅は守りの意識が高く、全員がしっかりボールを奪いに行った。
選手が燃えた理由は二つ。連敗すれば優勝争いから脱落する危機感に加え、「JSCに敗れた責任は、監督が1人で背負った。次は自分たちがやらないと」と北村。
手痛い負けは、モチベーションを高める起爆剤になった。再び上位と対戦して決着をつけるために、後半戦もまずは下位4チームに取りこぼさないことが絶対条件だ。
(山岡史明)
初黒星 3位後退 終了間際に失点 北信越リーグ6節 JSCに0−1  (2009年5月26日号より)
サッカー北信越リーグは24日、1、2部とも6節の4試合をした。1部で暫定首位の松本山雅FCは、ジャパンサッカーカレッジ(JSC、新潟)と松本市のアルウィンで対戦し、0ー1で競り負けて今季初黒星。JSCが勝ち点16で首位に立ち、AC長野パルセイロがツエーゲン金沢を破り2位に。山雅は暫定3位に後退した。
山雅は前半、出足の鋭いJSCにボールを奪われ守勢に回ったが、相手のシュートミスやGK原裕晃の好守もあり、無失点でしのいだ。
後半はMF大西康平を起点に何度かゴールに迫ったが得点できず、終了間際に相手のカウンターで速攻を許して失点した。観客は2851人だった。
2部のアンテロープ塩尻は、CUPS(カップス)聖籠(新潟)とアルウィン芝生グラウンドで対戦し、後半13分にDF中村嘉和のゴールで先制。3分後にFW北沢祐也がPKを決めて2ー0で勝ち、勝ち点で並んでいたテイヘンズ(石川)が引き分けたため、単独首位に立った。
次節(31日)で各チームの対戦が一巡し、リーグは前半戦が終了。山雅は、1試合が延期になっている暫定4位の金沢と、アンテロープは新潟医療福祉大と、それぞれ敵地で対戦する。

両チーム無得点のまま引き分けかと思われた後半44分、山雅に落とし穴が待っていた。
その直前、高さがあるDF山崎透を前線に入れ、最終ラインの人数を減らして得点を狙うパワープレーに出た。が、相手の逆襲で手薄になったサイドを突かれ、クロス、シュートともフリーで放たれ痛恨の失点を喫した。
が、敗因は別にある。この日の山雅の前半の出来は、今季最悪と言っていいほど。こぼれ球をことごとく相手に拾われ、攻撃の意図もかみ合わず、得点機はCKだけ。パスを出す先を探してプレーが止まる光景は、下位相手の取りこぼしが続いた昨季の開幕直後を見るようだった。
山雅が今季リーグ6試合で挙げた計15得点のうち、前半のゴールは5。このうち4点は4節のサウルコス福井戦で、無得点が4試合。この日も後半は流れの中で何度か決定機をつくっただけに、前半のちぐはぐさが際立った。
「2戦続けて勝ち点3を逃したが、昨季のような絶望的な状況ではない」と吉沢英生監督。確かにまだ挽回(ばんかい)の余地はある。ただ、それには、追い詰められてから発揮する底力を、前半から見せつけるような試合運びが必要だろう。

07年まで3シーズン山雅を率いた辛島啓珠前監督が、JSCの指導者として古巣と対戦。肩書きはコーチだが実質的な監督としてチームを指揮し、リーグ前半の1試合を残して単独首位に立ったが、「全然、順調ではない。課題を修正しながらやっている」と、硬い表情を崩さなかった。
昨季はJリーグ2部FC岐阜のコーチを務めたが、地元開催の国体(9、10月)に向けて強化を目指すJSCの誘いを受け、北信越リーグに戻った。
この日は後半途中から投入した選手が決勝点を挙げ、采配(さいはい)も当たったが、「この1勝がどういう意味を持つかは、最後に結果が出るまで分からない」と、混戦リーグを知る指揮官らしく、気を緩めなかった。
(山岡史明)
信州ダービー 初戦ドロー 北信越リーグ5節 長野と2−2  (2009年5月19日号より)
サッカー北信越リーグは17日、1、2部とも5節の4試合をした。1部で暫定首位の松本山雅FCは、AC長野パルセイロと長野市南長野運動公園で対戦し、2ー2で引き分けた。山雅と勝ち点で並ぶジャパンサッカーカレッジ(JSC、新潟)もツエーゲン金沢(石川)と引き分け、上位の順位は変わらなかった。
山雅は前半41分に右サイドを破られ、ファウルでPKを与えて失点し、前半は0ー1。
後半はFW木村勝太、小林陽介を投入して退場者を出した長野を攻め、30分にゴール前の混戦からFW柿本倫明が決めて同点としたが、34分に相手FKから失点。3分後にMF大西康平の左CKに小林が頭で合わせて再び追い付いた。
2部のアンテロープ塩尻は、ゴールズFC(石川)と石川県営根上サッカー場(能美市)で対戦し、後半26分にMF上原雄次が得点して1ー0で競り勝った。アンテロープは勝ち点で並ぶテイヘンズを得失点差1で追う2位。
次節(24日)、山雅はJSCと松本市のアルウィンで、アンテロープはCUPS(カップス)聖籠(新潟)とアルウィン芝生グラウンドで、それぞれ対戦する。

1部は昨季の上位4チームの対戦が始まり、山雅は長野との「信州ダービー」今季初戦。チャンスを確実に決める長野に先手を奪われ苦しい展開だったが、辛くも引き分けに持ち込んだ。
勝ち点差2で追う長野の攻勢を見越し、「しっかり受けてカウンターを狙う」(吉沢英生監督)と、開幕4連勝の要因だった3トップを柿本の1トップに変え、あえて守備的な布陣で臨んだ前半。しかし、柿本が孤立して決定機がないまま先制された。
3トップにした後半は、相手が1人少なくなったこともあり、攻撃の選択肢が増えて2得点。「アウェーで勝ち点1は最低線だが、プラン通り」と強がった吉沢監督も、「最初から(3トップ)だったら、どうだったか。選手に謝ろうかなと…」と、後悔をにじませた。
県内でJリーグ入りを競う相手だけに、勝負にこだわるのは当然だ。が、同点としてなおも続いた攻勢の中で、不意を突かれたように失った2点目など、選手の動きはいつもより硬かった。山雅の加藤善之ゼネラルマネジャーは「互いに意識し過ぎ。共に上を目指すチームとして、内容で競わないと」と、渋い表情だ。
前半はともかく、後半は今季の実力を見せた山雅。JSC、金沢との対戦が続くが、上位相手でも受け身にならず戦えるかが、勝敗を左右しそうだ。
(山岡史明)
福井に5−1で快勝 北信越リーグ4節 アンテは逆転勝ち  (2009年5月12日号より)
サッカー北信越リーグは10日、1、2部とも4節の4試合をした。1部で暫定首位に立つ松本山雅FCは、サウルコス福井とテクノポート福井スタジアム(坂井市)で対戦し、5ー1で快勝した。
山雅は前半11分にFW木村勝太が先制。16分に同点とされたが、24分にFW小林陽介、32分にFW柿本倫明、34分に再び小林と立て続けに得点して前半は4ー1。後半36分にもFKにDF山崎透が頭で合わせて加点した。
2部のアンテロープ塩尻は、丸岡フェニックスと丸岡スポーツランド(同市)で対戦し、後半にFW森田卓が2得点して2ー1で逆転勝ち。テイヘンズ(石川)と勝ち点、得失点差とも並んで首位に。
次節(17日)、山雅はAC長野パルセイロと長野市南長野運動公園で対戦する、今季初の「信州ダービー」。アンテロープはゴールズFC(旧フェルヴォローザ石川・白山FC)と敵地で対戦する。
(山岡史明)
開幕3連勝 首位に 北信越リーグ3節  (2009年4月28日号より)
サッカー北信越リーグは26日、1、2部とも3節の各試合をした。1部の松本山雅FCは、FC上田ジェンシャンと長野市南長野運動公園で対戦し、前半に1点を先制されたが後半に3点を挙げて逆転勝ち。首位ツエーゲン金沢の試合が荒天で延期されたため、山雅とジャパンサッカーカレッジ(JSC、新潟)が勝ち点9で並び、得失点差で山雅が暫定首位に立った。
山雅は序盤、CKなどでチャンスをつくったが得点できず、逆に前半28分、上田MF小倉大昌にゴール前を破られて失点し、前半は0ー1。
後半は足が止まった上田を攻め、20分に途中出場のMF大西康平の右クロスをFW柿本倫明が頭で決めて同点。2分後にFW小林陽介のゴールで逆転し、29分にも大西の右CKにFW木村勝太が頭で合わせて突き放した。
2部のアンテロープ塩尻は、テイヘンズFC(石川)と松本市のアルウ?ン芝生グラウンドで対戦し、FW北沢祐也のハットトリックで3ー1で逆転勝ち。2部は4チームが勝ち点6で並ぶ混戦。
次節は5月10日。山雅はサウルコス福井と、アンテロープは丸岡フェニックス(福井)と、それぞれ敵地で対戦する。

開幕戦で長野パルセイロと引き分け、JSCに敗れた前節も先制するなど、昨季の上位を相手に善戦している1部復帰の上田。その闘志あふれるプレーに、山雅も今季初失点を喫するなど前半は苦戦したが、後半は3トップが1点ずつ挙げるなど地力で勝った。
「流れを変えるのが、途中から出る選手の役目」と、けがから復帰した大西が、引いて守る相手に精度の高いクロスを連発。柿本の同点弾を導くと、その後は一気に逆転した。
1、2戦目も数多くシュートを放ちながら、得点できずにいた小林は、相手のクリアミスに詰めて豪快なシュートを決め、「これで自分もスタートが切れた」。
左脚のけがが治り、初先発した木村も「前半に決めるべき場面があった。これから」と、ともに今季初ゴールを喜びながらも、先を見据えた。
けがでDF阿部琢久哉を欠き、本来は攻撃的MFの小沢修一を左サイドバ?クで起用した。「11人いればサッカーはできる。そのくらい、たくましくないと」と吉沢英生監督。19人で戦う今季、上位との対戦を前に、次の福井戦も踏ん張りどころだ。
(山岡史明)
2連続無失点勝利 北信越リーグ2節 富山に1−0 北村ー今井で決勝点  (2009年4月21日号より)
サッカー北信越リーグは19日、1、2部とも第2節の4試合をした。1部の松本山雅FCはヴァリエンテ富山と富山市岩瀬スポーツ公園で対戦し、1−0で競り勝った。山雅は開幕2連勝。
山雅は、12日の開幕戦で左脚を痛めたMF大西康平に代わり、MF小沢修一が先発。序盤からFW小林陽介らが相手ゴールを脅かしたが、シュートが決まらず前半は0ー0。
後半に入り、前線の選手2人を代えた山雅は17分、MF北村隆二からのパスを途中出場のMF今井昌太が決めて先制。得点はこの1点にとどまったが、2戦連続の無失点勝ちを収めた。
2部のFCアンテロープ塩尻は、大原学園JaSRAと上田市の大原学園グラウンドで対戦。前半20分にFW森田卓が先制したが、後半開始直後に3連続失点。その後にMF千国啓太が加点したが、3ー2で敗れた。

シュート数は山雅の前半9、後半6に対し、富山は前半の2だけ。が、山雅は再三の得点機も相手DF陣の体を張った守りに手を焼き、GKの好守にも阻まれてゴールが奪えない。歯がゆい時間が過ぎる中、今季Jリーグ2部のFC岐阜から加入した北村の、プロらしい「したたか」なプレーが決勝点をもたらした。
右サイドでFKを得ると、瞬時にリスタートしてゴール前でフリーになっていた今井へ。これを今井が落ち着いて決め、虎の子の1点をもぎ取った。「主審が止めたら、やり直せばいい。切り替えが鍵を握る試合で、うちが一歩早か?た」と北村。
今季のアウェー初戦。緊張からか開幕戦に比べて雑なプレーが目立ち、相手のカウンターを食う場面も多かったが、無失点で乗り切った。吉沢英生監督も「内容は伴わなかったが、選手は強い気持ちを持っている」と、思惑通りに運ばなかった試合での、白星の価値を強調した。
昨季は下位相手に引き分け、結果的に命取りになった開幕2戦で連勝。JFLやJリーグ昇格を経験した新戦力が若手をリードし、チームはたくましさを増している。
(山岡史明)
快勝ー最高のスタート 北信越リーグ開幕 グランセナ新潟に4−0  (2009年4月14日号より)
今季のサッカー北信越リーグは11、12日に開幕し、1、2部とも第1節の4試合を各地でした。1部の松本山雅FCと2部のアンテロープ塩尻は、それぞれ松本市のアルウィンで初戦を迎え、山雅はグランセナ新潟FCに4ー0で快勝。アンテロープも09経大FC(新潟経営大)に2ー1で競り勝ち、ともに白星発進した。
山雅は前半3分、ゴール前に詰めたMF三本菅崇が先制。その後はほぼ一方的にボールを支配しながら追加点が奪えず、前半は1ー0。
後半も山雅が攻め、14分にDF金沢慶一のクロスをFW柿本倫明が頭で決めると、柿本は21分にMF今井昌太のクロスを、23分にもMF北村隆二のスルーパスを受けてゴールし、ハットトリックを達成した。
山雅のホーム開幕戦の観客は4014人(昨季は2405人)だった。
アンテロープは前半44分、FW中村嘉和の折り返しをFW高橋淳司が決めて先制。後半開始直後に同点とされたが、16分にFW北沢祐也のパスを再び高橋が決め、GK高田諭の好守などで相手の反撃をしのぎ切った。
次節(19日)、山雅はヴァリエンテ富山と、アンテロープは大原学園(上田市)と、それぞれ敵地で対戦する。

開始早々に先制した山雅だが、その後は面白いようにパスをつないで攻めながら立て続けにシュートを外し、一発のカウンターで追い付かれる時間帯が続く。その不安を打ち消したのは、昨季は直前のけがで開幕戦を欠場した柿本だった。
ヘディングで2点目を押し込むと、せきを切ったように10分間で3得点。「どんな形でも、とにかく勝ちたかった」という主将がゴールをこじ開け、ボールを回しても決め切れない試合の流れを変えた。
その伏線は、前線の守備にある。柿本やFW小林陽介らが相手をしつこく追い、後ろから押し上げる味方がボールを奪うのを容易にし、相手にタッチラインも割らせた。選手が孤立し、パスの出しどころを探していた昨季の開幕戦とは、まったく違う光景だった。
昨季1分け1敗と苦しんだ相手に、力の差を見せつける上々の滑り出し。シュートの精度を課題に挙げた吉沢英生監督も、昨季は取りこぼした開幕戦の「勝ち点3」を素直に喜んだ。
一方の守備陣は、目立ったほころびもなく無失点だったが、ラインを統率したDF山崎透は、後半終了間際に集中力が途切れ、退場者を出した相手に攻め込まれた場面を振り返り、「あれではやられる。(自分たちは)もっとやれる」と、自戒を忘れなかった。
エースが試合を決め、快勝にも慢心しない。リーグ制覇とJFL昇格に向け、山雅は最上のスタートを切った。
(山岡史明)


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