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退団 小沢選手と斎藤選手から山雅とサポーターへ  (2010年12月23日号より)
山雅に今季所属した28選手のうち、これまでに13人(21日現在)の退団が発表された。中でも在籍最長6年の小沢修一選手(31)と5年の斎藤智閣選手(27)は、山雅がJリーグを目指し始めたころからチームを支えてきた。今の思いやサポーターへのメッセージを語ってもらった。
小沢選手入団した05年は、家電製品の荷降ろしの仕事が終わった後、松本市内の中学校のグラウンドで練習した。
夜間にサッカーをするような設備は整っておらず、以前からいた選手との温度差もあり、「次のチームへのステップ」としか考えられなかった。しかし、徐々に観客が増え始め、北信越2部から1部に昇格を決めた最終戦は1500人。
緑色の紙テープがスタンドからピッチに投げ込まれる光景にサポーターの温かさを感じ、「ここでやろう」と決意した。テープは今も大切に持っている。
今季限りの退団についてはどこかで覚悟していた。来季は契約更新をしないとアルウィンの会議室で告げられ部屋を出ると、ピッチが目に飛び込んできた。
ここで戦う自分たちがいて、応援するサポーターがいる。その光景が見られないと思うと涙が出た。僕にとっての居場所、温かな「家」だった。
斎藤選手入団した06年は、松本市内の中学校で教員をし、夜練習。濃い1年だった。
がむしゃらにボールを奪いにいくプレーは地味だったと思う。チームメートに上のカテゴリーから来る選手が増え、強い相手と対戦し経験が積めた。
僕は照れ屋で、声援に応えられないので感謝の思いはプレーで返そうとした。でも今は、多くの人に応援されることがどんなに幸せで、ありがたかったかをかみしめている。一人一人にお礼を言いたい。

二人とも今後の進路は未定だが、「現役を引退するなら松本に残る気持ちが強い」という。
(聞き手倉科美春)
退団選手の送別会  (2010年12月23日号より)
今季限りで山雅を退団する選手の送別会が19日、ホームスタジアムのアルウィンで開かれた。6選手が来場し、集まった約500人のサポーターの前で応援への感謝と別れを告げた。
送別会はサポーターグループのウルトラス・マツモトと、ホーム試合の運営ボランティア・チームバモスなどが主催。小沢修一、斎藤智閣、竹内優、高沢尚利、大西康平、小林陽介の各選手が参加した。
09年に入団し、北信越リーグとJFLの通算2季で計13得点した小林選手は「一緒にJに行く夢はかなわなかったけど、2年間、みんなと戦えたのは財産であり誇り。みんなの魂は僕の心に残り続ける」とあいさつ。
サポーターからは惜しみない拍手と「ありがとう」「これからも頑張れよ」との声援が送られ、最後は全員で凱歌(がいか)「勝利の街」を歌った。
この日のために東京都練馬区から来たという藤阪章彦さん(45)は「寂しい。本当に残念だが、Jに行くための痛み」と選手を見送った。
12月から新エンブレム  (2010年12月23日号より)
山雅のクラブエンブレムが12月から、新デザインに変わった。常念岳を中心とした北アルプスや松本城を図案化し、英語の「ターミガンズ」がクラブの愛称になっているライチョウをあしらった。今後、販売する公式グッズなどに使用する。
中央の緑の3本線は飛騨、木曽、赤石の各山脈を、深緑の4本線は県歌「信濃の国」で歌われる松本、伊那、佐久、善光寺の各平を表したという。
松本市出身のグラフィックデザイナー相河俊介さん(30、茨城県守谷市)が制作した。以前にクラブのマスコットキャラクター「ガンズ君」や、公式ホームページのデザインも手掛けた相河さんは「試合の感動や選手との一体感など、サポーターがそれぞれの思いを込めてエンブレムを完成してほしい」。
従来のエンブレムは、いつごろ作られたか分からないというが、クラブ発足時(1965年)からの伝統ではなく、Jリーグ入りに向けて一新する準備を進めてきた。
緑の友たちへ 12  (2010年12月23日号より)
「夢があるから強くなる」。皆さん、聞いたことがありますよね。Jリーグを地域に根付かせて日本中にサッカーを広め、悲願のワールドカップ(W杯)開催を果たして出場常連国になるまでに育てた、川淵三郎・前日本サッカー協会会長の言葉です。
夢を持ち続け、実現に向けてあきらめない気持ちと、さらに次の高い目標に向かって進む、強い意志が込められています。
私たちはスポーツを通じて▽地域社会の発展▽文化の向上▽人々の心を豊かにすること−を願い、Jリーグ入りの喜びを皆さんと分かち合うのを夢見て今、来シーズンの準備をしています。
JFL4位以内の成績を収め、さらにJに入っても戦えるチーム編成。ホームゲーム平均入場者数7000人以上を達成するため、アルウィンに足を運んでもらえる企画。スポンサーの期待に応える地域貢献活動−など、いっそう皆さんに愛され、必要とされるクラブになるよう努め続けます。
そうした中、去る12日に柿本倫明選手が現役引退を表明しました。彼はJFL昇格に苦戦していた山雅のために08年、いったん決めた引退を翻して松本にやって来ました。
大事な試合で決定的なゴールを決めるストライカーであると同時に、若手のよき相談相手、兄貴分として3年間、チームを引っ張った精神的支柱です。
ピッチ上で活躍する柿本選手の姿を見られなくなるのは、皆さんも寂しいでしょう。しかし、彼の選手としての仕事は終わりますが、今後も山雅の中心的な人物であることに変わりありません。立場と役割が変わるだけです。
山雅のJリーグ入りのため、これからも共に戦っていきましょう。ありがとう、柿さん。お疲れさまでした。君の笑顔と勇姿を一生忘れません。
(加藤善之GM)
柿本会見「山雅の顔」に涙  (2010年12月14日号より)
現役引退を12日に表明したサッカーJFL松本山雅FC(松本市)のFW柿本倫明選手(33)は、山雅の「顔」ともいえる存在。今後はスタッフとしてJリーグを目指す一方で、「このチームで皆と一緒にJに行けなかったのが心残り」と言葉を詰まらせ、悔しさもにじませた。柿本選手の記者会見での発言と、その後の取材での受け答えは次の通り。
−引退を決めた要因は。
「勝負の年になる来年や、Jリーグ2部入りする数年後を見据えた。いつまでも自分がチームを引っ張るより、若い才能が伸びてJに入った時のけん引役になってほしい。年齢的な限界を感じたことはなく、致命的なけがもない」
−今後は。
「下部組織の指導やクラブの宣伝、営業などのほか、選手とフロントとのパイプ役になり、悩みを聞いて助言したい」
−山雅での3年間は。
「当初は練習環境も悪かったが、新鮮な気持ちで、純粋にサッカーを楽しめた。クラブの未来に光を差すことができたのでは。山雅はサポーターの力が大きい。支えられ、応援してもらい、ここまでやってこれた。こんなに愛されているチームは見たことがない」
−現役への未練は。
「悔いがないと言えばうそになるが、無理に固執しない。移籍して他のチームで頑張ることは考えられないが、来季、自分がアルウィンのピッチにいないのも、今は想像できない」
柿本選手 引退 来年以降スタッフとして  (2010年12月14日号より)
サッカーJFLの松本山雅FC(松本市)は12日、FW柿本倫明選手(33)の現役引退を発表した。Jリーグで活躍した経験を見込まれ、J入りを目指す山雅FCで08年からプレー。主将として昨季はJFL昇格へチームを引っ張り、今季もチーム最多の10得点を挙げた「大黒柱」。来年以降は山雅FCのスタッフとして活動する。
Jリーグ入り後も見据えて若手中心のチームにする一方、抜群の人気と知名度を持つ柿本選手に、現役を退いて宣伝活動や下部組織の選手育成を担ってほしい−というクラブの要請に応えた。
ホームスタジアムのアルウィン(同市神林)で記者会見した柿本選手は「クラブの考えを聞き、ここで退くのが一番いいタイミングだと判断した。来年以降もクラブの力になれる仕事を続けていきたい」と話した。
山雅FCはこれまでに、今季在籍した選手28人のうち引退する柿本選手や期限付き移籍選手を含め、13人と来季は契約しないと発表。JFL2年目の来季は、戦力を大幅に入れ替えて臨む。
緑の友たちへ 11  (2010年12月2日号より)
11月21日のガイナーレ鳥取戦。後半ロスタイムの得点で1ー0で勝利したものの、4位HondaFCがFC琉球と引き分け、来季Jリーグ入りの夢は消えました。
試合終了と同時に他会場の結果を知らされ、悔しい気持ちでいっぱいでした。Jリーグ入り要件の一つである4位以内を目標に選手、スタッフとも努力を積み重ねてきましたが、力及ばず7位で今季を終えました。
11月28日の最終戦の翌日、クラブ関係者が一堂に集まり、納会を開きました。慰労を兼ねた、今季を締めくくる焼肉パーティーです。わたしたちにとっては今年が終わる日であると同時に、来年に向けてスタートする日でもあります。
しかし、無礼講で飲める状況ではありません。なぜなら選手たちは、翌日から来季の契約の話し合いを控えているからです。
契約を更新しない選手には「ご苦労さま、そしてありがとう。今後の進路は…」。北信越リーグ時代から山雅の苦しい時期を支えてきた彼らに、どう切り出してよいか言葉に詰まります。
毎試合、アルウィンを埋め尽くすサポーターや、運営に力を貸してくれるボランティア、クラブの経営を支援してくれるスポンサー…。山雅が多くの人々を引きつけることができたのは、彼らの活躍があったからです。
山雅の長い歴史の中で一時代を築き、Jリーグを目指す礎になったことに誇りを持ち、今後の人生を歩んでほしいと思います。
(加藤善之GM)
アウェーを見る 仙台  (2010年12月2日号より)
午後2時49分に試合終了の笛が鳴り、山雅のJFL初年が終わった。「ミス絡みの失点など、今季を象徴する試合」と、吉沢監督は振り返った。
後半開始早々、FW木島のループシュートで同点に追い付いただけに、白星でシーズンを終えたかった。それでも残り4分で投入されたMF竹内のゴールと、その前後に勢いのある攻撃を見ることができたのが救い。終了後はサポーターから温かい拍手が送られた。
1年を通して見ると、最終的に下位だったチームに分が悪く、13−18位の6チームとの12戦は4勝にとどまった。下位相手に苦戦する傾向は北信越リーグ時代と同じ。シーズン初めの不調も以前と変わらず、来季は大幅な改善を期待したい。
最終戦、松本から500キロ以上離れた仙台に約1000人が駆け付けた。松島や青葉城跡のような名所や、名物の牛タン店などがある駅前を歩くと、山雅サポーターがあいさつを交わす場面が多く見られた。
アウェーを訪れるサポーターは、シーズン当初は100人ほどだったが、チームの成績が上向くに連れて数百−1000人規模に増え、応援とともに食や観光を楽しんだ。
高速道路のサービスエリアでは、緑のユニホームやタオルマフラーを身に着けた人たちが、初対面でも会話を弾ませた。ファンやサポーターの増加と、山雅による人々の結び付きの広がりを、強く感じる後半戦だった。
来季の開幕まで3カ月半。万全の準備をして今度こそ、Jリーグ入りに向けてチームもサポーターも開幕ダッシュをかけたい。
(加藤健一)
前期の不振覆せず JFL昇格初年  (2010年11月30日号より)
山雅のJFL初年は18チーム中7位。5連勝を含め11戦続けて負けなしと調子を上げた後期は上位と肩を並べる成績で、来季Jリーグ入り条件の4位(以内)の可能性もあったが、前期の不振を覆すまでには至らなかった。
シーズン当初は守備ラインを高く保って前線で相手に圧力を掛け、ボールを支配しようとする戦術が裏目に出て失点を重ねた。
6失点と大敗した町田戦後に守備重視に転換し、ボランチの須藤がセンターバックに転向して以降は最終戦を除き3失点以上はなし。しかし、得点力不足だった前期はその後も下位相手に取りこぼして12位。加藤ゼネラルマネジャーは「JFL昇格の達成感で満足し、開幕前後の緊張感が持続しなかった」。
選手は自信を失い、プレーから覇気が消え、チームはまとまりを欠いた。その状況が変わった転機は「後期初戦の琉球戦」と吉沢監督。ホームでの黒星は、「これ以上負けられない」という強い危機感を生み、チームが一つになった。
前線の選手が決定機をものにする攻撃のリズムが徐々に整い、無得点に終わったのは前期の6戦に比べて後期は3戦だけ。
後期途中の補強も奏功し、特にDF飯田の加入で守備はさらに安定。一時は5位まで順位を上げた。しかし、佐川印刷戦の負けで流れが止まると上位の町田、下位の栃木ウーヴァ戦でも白星を挙げられず、最後は息切れ。
山雅は毎年、多くの選手を入れ替え、能力の高い個人がチームとして機能するまで時間を費やすが、開幕時から安定した成績を残さないと、上位入りは難しいことを思い知らされた初年だった。
(倉科美春、山岡史明)
下位に敗れ最終7位 ソニーに2−3  (2010年11月30日号より)
JFLは28日、今季最終の後期17節を各地でした。6位の松本山雅FCは、14位のソニー仙台FC(宮城)とユアテックスタジアム仙台で対戦し、2─3で敗れてJFL初年を7位で終えた。
山雅は前半29分に先制され、後半3分にFW木島のゴールで追い付いたが、21分と37分に立て続けに失点。ロスタイムに途中出場のMF竹内が得点したが遅かった。
5位V・ファーレン長崎が敗れ、山雅は勝てば5位になるチャンスを逃し、佐川印刷SCに勝ち点で抜かれた。山雅はJリーグ準加盟4クラブ(ほかにガイナーレ鳥取、町田ゼルビア、長崎)の中で最下位。
上位は勝ち点で並んでいたSAGAWASHIGAFC(佐川)が引き分け、町田が敗れたため勝ち点1差で佐川が2位、町田が3位だった。
次節展望(後期17節)対ソニー仙台  (2010年11月25日号より)
JFLは28日が今季最終の後期17節。6位の松本山雅FCは14位のソニー仙台FC(宮城)と仙台市ユアテックスタジアム仙台で対戦する。既に来季のJリーグ入りはなくなった山雅だが、一つでも上位に入り、来季の糧にしたい。
山雅が勝ち、勝ち点差1で追うV・ファーレン長崎が引き分けるか敗れると、山雅は5位に。引き分けや負けだと3チームに上回られ、9位まで順位を落とす可能性がある。
ソニーは昨季、過去最高の3位と健闘したが、今季は得点力不足で競り合いを落とす試合が目立ち、下位に低迷。しかし、天皇杯は2回戦(9月5日)でJ1ベガルタ仙台を破る金星を挙げた。山雅は開幕2戦目(3月21日)に0−2で敗れた雪辱を果たしたい。
◆後期16節最終日(23日)ジェフ0−0びわこ、秋田1−0高崎、金沢2−1武蔵野
来季J入りならず ホーム最終戦は白星  (2010年11月23日号より)
サッカーのJリーグ入りを目指すJFLの松本山雅FCは21日、すでに今季のJFL優勝を決めているガイナーレ鳥取と松本市のアルウィンで対戦し、ホーム最終戦を白星で飾った。しかし、他チームの結果により来季Jリーグ入会条件の4位以内がなくなった。山雅を支援する関係者らは、JFL2年目となる来季の戦いに期待をかける。
4位の可能性をわずかに残していた山雅は、今季最多の観客8243人が見守る中、来季J入りが確実な鳥取とほぼ互角の戦いを展開。途中出場のFW小林陽介選手が後半ロスタイムに劇的な決勝点を挙げた。
スタンドからは「ワン・ソウル(魂は一つ)」の大声援。試合後、観客にも来季のJ入りがなくなったことが知らされたが、グラウンドを1周して今季の応援に感謝する選手らに、励ましの拍手がやまなかった。
松本市芳川の島村公子さん(65)は「ゴールの瞬間は涙が出そうになるほどうれしかった。Jにはあと一歩だったが、レベルが高いJFLで1年間よく戦った」。
安曇野市穂高の池田千紘さん(8)は、山雅が好きでサッカー教室に入ったといい、母親の理絵さん(40)は「(チームカラーの)緑の物を買ったりと、家族にとって山雅が大切なものになってきた。来季も応援する」と、笑顔を見せた。
(山岡史明、倉科美春)
劇的ゴールJへの渇望  (2010年11月23日号より)
JFLは20、21日、後期16節9試合のうち6試合を各地でした。6位の松本山雅FCは21日、首位ガイナーレ鳥取と松本市のアルウィンで対戦し、後半ロスタイムの得点で1─0で勝った。
山雅は前半、寄せが早い相手にボールを奪われて攻めの形をつくれず、12分にはMF本田が相手を倒して一発退場。しかし、MF北村がボランチに変わり攻守に奮闘するなど、無失点でしのいだ。
後半も12分に、左サイドの攻撃の起点だったDF鉄戸が右脚を痛めて退いたが、それでも一人多い相手と対等に渡り合った。シュートは相手GKの好守に阻まれ続けたが、最後は北村のFKに、終了間際に投入されたFW小林が頭で合わせた。
4位HondaFC(ホンダ)がこの日、引き分けて勝ち点を56に伸ばし、山雅は残り1試合に勝っても同55でホンダを上回ることができず、来季のJリーグ入りは消滅。勝ち点61で並んだSAGAWASHIGAFC(佐川)と町田ゼルビアの今季2位または3位が確定した。

ほぼ80分間を10人で耐え、終了間際の鮮やかなゴールで今季独走の相手を破った瞬間、選手は笑顔で手を合わせ、サポーターは凱(がい)歌「勝利の街」をアルウィンに響かせた。が、かすかにつながっていた来季Jリーグ入りの糸は、遠く沖縄でホンダが引き分けたことにより、無情にもちぎれた。
今季開幕戦は0−3で敗れ、JFLの洗礼を受けた相手に、31試合を経て成長の跡を見せることはできた。11戦負けなしの5連勝後に2連敗したのは手痛かったが、成績は後期だけなら2−4位を上回り鳥取に次ぐ。
「1年を見通した戦いができなかった」と、何人かの選手が口にするように、やはり前期の不振がJ入りを逃した要因だが、それも実力だろう。「全試合を同じ気持ちで戦えたかといえば、そうではない。自分たちの物差しで相手の力を測ってしまった」(吉沢監督)と、心のどこかにすきもあった。
「一つずつ勝ちを拾ってきた。判断や技術、選手間の意思統一など、不足や無駄が多いのはわれわれも同じ」と、鳥取の松田監督は言う。ならば、文句なしの成績でJFLを卒業するチームとの差はどこにあるのか。
鳥取は一昨季、昨季とも5位と、あと一歩でJを逃してきた。「その苦労を知る選手が中心になっている。山雅にもそういう選手や指導者がいるべきでは」。足りないのは経験と、勝っても涙を流すようなJを渇望する気持ち−。吉沢監督はそう言いたげだった。
(山岡史明)
アウェーを見る 栃木  (2010年11月18日号より)
試合終了の笛と同時にピッチに倒れ込んだのは、青いユニホームの栃木ウーヴァの選手たちだった。
Jリーグ入りのために勝利以外を求めないチームと、一方でJFL残留のために踏みとどまらなければならないチームの争いは、文字通りの痛み分けに。
昨年12月、アルウィンで全国地域リーグ決勝大会を戦ったJFL昇格同期組。シーズン終盤を迎え、成績には差がついた。しかし、この一戦に限って言えば、Jを目指す山雅と、JFLで戦い続けることを選んだ栃木ウの違いが、結果を含む内容に表れているとは思えなかった。
今回のアウェー、足利市は人口15万人ほど。その街を歩いてみたが、松本と比べて駐車場の案内表示が少ないなど、外から訪れる人に対するホスピタリティー(もてなしの心)が行き届いているとは言いにくい感じだ。
中世に関東地方の最高学府だったと聞く足利学校にも立ち寄ると、展示物の中に「宥坐(ゆうざ)の器」という品が。少し傾いた器に水をたっぷり注ぐとひっくり返るが、水を7、8分目までにとどめると安定する。中庸の重要性を説いているのだという。
ここ数年、見聞きするJを目指すクラブの不安定な状況は、早急に結果を求めて「水」を注ぎ過ぎた反動なのだろう。愛する山雅には今までと同じように、これからも一歩ずつ着実に前進してほしいと願っている。
(義田武朋)
次節展望(後期16節)対鳥取  (2010年11月18日号より)
JFLは20、21、23日の後期16節を含めて各チーム残り2試合。6位の山雅は21日、すでに優勝を決めて来季Jリーグ入りが確実なガイナーレ鳥取と松本市のアルウィンで対戦。山雅は開幕戦で完敗(0−3)した相手に意地を見せたい。
山雅が来季Jリーグ入り条件の4位(以内)になるのは残り2勝し、4位HondaFC(ホンダ)が2敗して得失点差の争いになる場合だけ。5位V・ファーレン長崎が2勝しても山雅の4位はなくなる。厳しい状況だが、来季をにらむ上でも連勝で一つでも上の順位を得たい。
鳥取は前期から独走して早々に4位以内が確定。後期12節に初優勝を決めた後は、気の緩みか下位に2連敗したが、前節は後半ロスタイムに2得点して劇的な逆転勝ち。強さを印象づけるためにも、山雅を相手に手を抜くことはないだろう。
緑の友たちへ 10  (2010年11月18日号より)
今月6日、全国高校サッカー選手権の県大会決勝、松商学園−岡谷東を見ました。山雅のホームゲーム平均入場者数を上回るサッカーファンが来場したようですので、アルウィンに足を運んだ人も多かったのではないでしょうか。結果は前評判通り松商が勝ち、全国大会の出場権を得ました。
夏の高校野球や冬の高校サッカーが、これほど人気があるのはなぜでしょう?それは「ひたむきさ」「闘志」「向上心」などと言い表される、最後まで全力で戦う姿勢や、プレーに高校生活のすべてを懸ける思いを、見る人が感じ取れるからでしょう。
「ライバルがいる」「競技者が美しい(うまい、カッコいいなど)」「それにふさわしい舞台が用意されている」−。オリンピックやワールドカップに代表されるように、持てる力を競い合って世界一を争い、見る人を魅了する大会もあります。プロ、アマを問わず、多くの人々の注目を集めるのには理由があるのです。
わたしたち松本山雅は、ユニホームや練習着、バナー、サポートショップなど多くのスポンサーの協賛金と、ホームゲーム1戦当たり4882人のファンやサポーターの入場料収入、そして試合運営を支えてくれるボランティアの力で成り立っています。
リーグ戦は終盤。山雅はこれからも皆さんの期待に応えるよう、自身を磨き、感動と笑顔を提供できるよう活動していきたいと思っています。
(加藤善之GM)
JFL15節 下位と痛恨ドロー  (2010年11月16日号より)
JFLは13、14日、後期15節の9試合を各地でした。6位の松本山雅FCは14日、17位の栃木ウーヴァFCと栃木県足利市総合運動公園陸上競技場で対戦し、2−2で引き分けた。山雅の順位は変わらず6位。4位HondaFC(ホンダ)が敗れたため、Jリーグ入り条件の4位(以内)の可能性が辛うじて残った。
山雅は前半開始直後に失点するまずい立ち上がり。17分にMF木村の2試合連続ゴールで同点としたが、後半13分に再び失点。直後にFW木島が得点して再度追い付いたが、ここ19戦白星がない下位相手に勝ち越せなかった。
上位は2位SAGAWASHIGAFC(佐川)と3位町田ゼルビアが勝ち点を60に伸ばし、山雅は両チームを上回る可能性がなくなった。
残り2試合。山雅が4位になるのは2勝し、ホンダが2敗した場合だけ。両者が勝ち点55で並び、得失点差の争いになる。ただし、5位V・ファーレン長崎が2勝すると山雅は勝ち点で上回れず、4位はなくなる。
次節展望(後期15節)対栃木ウーヴァ  (2010年11月11日号より)
JFLは13、14日の後期15節を含めて各チーム残り3試合。直前の2連敗で来季Jリーグ入り条件の4位以内の可能性がほぼ消えた6位の松本山雅FCは14日、17位の栃木ウーヴァFCと栃木県足利市総合運動公園陸上競技場で対戦する。
次節2、3位が引き分け以上で4位HondaFC(ホンダ)が勝つか、上位の結果にかかわらず山雅が敗れると、4位以内が完全になくなる。山雅が引き分けだと、ホンダが引き分け以上で可能性が消える。
山雅と同時に今季JFLに昇格した栃木ウは、18チーム中最多の失点72(山雅は36)と守備が崩れ、残留争いの最中。前期6節(=4月18日)の対戦は、山雅が前半2点先行しながら後半3失点で逆転負けし、今季前半のもたつきを象徴する一戦だった。今回は死に物狂いで挑んでくる相手をどうかわすか。
JFL14節 J絶望の2連敗  (2010年11月9日号より)
JFLは6、7日、後期14節の9試合を各地でした。来季Jリーグ入り条件の4位以内に向けて後がない6位の松本山雅FCは6日、2位の町田ゼルビア(東京)と松本市のアルウィンで対戦し、1−2で敗れた。上位との直接対決に敗れた山雅は2連敗。来季のJ入りがほぼ絶望的になった。
前半は個々のキープ力で上回る町田がボールを支配し、17分にFW勝又が抜け出して先制。
後半7分、町田DFが手でシュートを防ぐ反則で一発退場し、山雅はPKを相手GKに止められたが、そのこぼれ球をつないで9分、DF鉄戸の左クロスをMF木村が頭で決めて同点に。
しかし、その後の好機で得点できず、逆に30分、カウンターで左から中央に切れ込んだ勝又に再び決められ、数的優位を生かせなかった。
6位山雅と2位町田、3位SAGAWASHIGAFC(佐川)の勝ち点差は9に広がり、残り3試合で山雅が3勝、町田と佐川が3敗して勝ち点で並んでも得失点差で逆転はほぼ不可能に。4位HondaFC(ホンダ)との勝ち点差も7になり、ホンダが一つ以上勝つか3分けすると、山雅は上回れなくなった。(倉科美春・山岡史明)
ふさわしい総合力必要  (2010年11月9日号より)
前回6失点と大敗した相手に1点先行されて始まった後半。山雅にあきらめの気配はなく、ボールを奪われても粘り強く食らいつき、突破されても周りがカバー。気持ちで同点に追い付いた。
その後も一丸となり攻め続けたが、耐える相手に狙い澄ました速攻を仕掛けられ、ゴールのほぼ真横から決勝弾を浴びた。「個の力で打ち破られた。われわれももう一度個の質を上げ、レベルアップしたい」と吉沢監督。
数的不利を感じさせない戦い方や判断力の速さ、リードしてからの時間の使い方など「町田の能力が上回っていた。経験の差」とDF鉄戸。「自力で4位以上になれないのは(低迷した)前期のつけ。1年を見通した戦い方ができなかった」と振り返った。
今季最多の観客6400人の前で、来季のJ入りはほぼついえた。山雅の加藤ゼネラルマネジャーは「総合力でJ入りの順番は町田が先。(ホーム競技場の不備などで町田が来季もJFLに残り)いつまでも消耗戦が続く」と嘆く。
運営会社の大月社長は「7000―8000人の観客を集め、町田レベルのチームに勝たなくては、Jに行っても厳しい。体力をつけるチャンスをもらったということ」と、受け止めた。
独走ですでに優勝を決め、来季J入りが確実なガイナーレ鳥取は一昨年、昨年とも5位でJを逃してきた。積み重ねがいつか力となって現れるのならば、山雅も残り3戦を無駄にできない。
次節展望(後期14節)対町田  (2010年11月4日号より)
JFLは6、7日、後期14節の9試合を各地でする。来季Jリーグ入り条件の4位以内に望みをつなぐ6位の松本山雅FCは6日、2位の町田ゼルビア(東京)と松本市のアルウィンで対戦。直接対決を制して勝ち点差を縮めておき、残り4戦で上位が取りこぼして順位が入れ替わる可能性を高めたい。
町田は今季30試合でリーグトップの64得点(山雅は42得点)し、無得点に終わったのは2戦だけ。前期7節(4月25日)に6失点の大敗を喫した山雅は、当時より守備が格段に安定したが、ここまで15点ずつ挙げている勝又、木島の両FWらスピードがある攻撃陣を抑えられるか。
山雅と同じJリーグ準加盟クラブの町田は、ホーム競技場の不備などで来季のJ入りはない。山雅の先行を阻もうと、高い戦意で臨んできそうだ。
上位は4位HondaFCと5位V・ファーレン長崎が対戦。山雅が町田に勝ち、長崎が負けるか引き分けると山雅が再び5位に上がる。町田に敗れると下位の結果次第で9位まで落ちる可能性もある。4位以内がいっそう厳しくなる。
山雅は町田戦から、ホーム試合でアルウィンへ運行しているシャトルバスの運賃を見直し、観客の利用を促す。松本駅前発(午前10時半、同11時45分、正午)は片道500円を200円(小学生半額)に値下げし、山形村のアイシティ21駐車場発(午前11時半−午後1時、10−15分間隔で運行)は片道200円を無料にする。
JFL13節 痛恨の黒星で6位後退  (2010年11月2日号より)
JFLは10月30、31日、後期13節の9試合を各地でした。5位の松本山雅FCは31日、9位の佐川印刷SC(京都)と松本市のアルウィンで対戦して0─1で敗れた。山雅は12試合ぶりの黒星で連勝も5でストップし、順位を一つ下げて6位に後退。来季Jリーグ入り条件の4位以内が遠のいた。
山雅は前半、両サイドからクロスを上げて攻撃の形をつくるが、前線の選手が厳しいマークに遭い苦戦。攻守の切り替えが速い相手にボールを支配されたが、GK石川の好守もあり無失点でしのいだ。
後半5分、山雅はゴールポストがはじいた相手のシュートがDF須藤の足に当たり、不運な失点。その後は必死に攻めて決定機をつくったが、最後まで相手ゴールを割れなかった。
上位は2位町田ゼルビア、3位SAGAWASHIGAFC(佐川)が敗れ、4位HondaFC(ホンダ)は引き分けた。7位のV・ファーレン長崎が勝ち点で山雅を上回り5位に浮上した。

「堅守から相手の裏を狙う山雅の戦い方を、自分たちがするミラー(鏡)ゲーム。計画通り」と、佐川印の中森監督。下位とは思えない相手の攻守の切り替えの速さに、山雅は防戦一方だった前半を何とかしのいだが、後半立ち上がりにカウンターを受けて失点。
攻撃の起点となるツートップは「完全に封じ込まれた」と石田。先制した相手は中央で守りを固め、山雅は再三、両サイドからクロスを入れるが得点できず、相手の精神的なスタミナを奪えなかった。
残り4試合。4位ホンダとの勝ち点差は4に広がったが、下位相手に取りこぼした2、3位との差は6と変わらない。が、山雅は残り全勝してもホンダに3勝、得失点差で大きく上回る2、3位には2勝されるとほぼ上回れず、5位の長崎も直接対決が済んでいるため、全勝されると抜くことができない。
クラブは資金や運営面でJリーグの入会審査をパスするめどが立ち、前日には後援会も発足した。しかし、連勝で膨らみ続けてきたJ入りの期待は、下位相手の黒星で大きくしぼんだ。
吉沢監督は試合後、J入りのためにピッチ外で努力している人たちのためにも戦うよう、選手に呼び掛けた。もちろん可能性がある限り、選手は全力を尽くすだろう。しかし、すでに自力での4位以上がない状況で、上位との勝ち点差を縮めるチャンスを逃したばかりか順位も落とし、細い糸は切れる寸前になった。
(山岡史明、倉科美春)
選手の近況ブログで紹介  (2010年10月28日号より)
松本市の庭球場や屋内運動場で働く阿部琢久哉、鉄戸裕史、多々良敦斗、佐藤由将、石田祐樹の5選手が、施設のホームページで「スタッフブログ」を担当し、練習の様子や自身の出来事、仕事ぶりなどを発信している。
佐藤選手の「ヨシノブログ」は、写真を載せたり絵文字も交え、かわいい雰囲気。読者の返信で、お薦めの温泉など、地元の情報を教えてもらうことも。
「サポーターとの交流や感謝の気持ちを伝える場。週1回は書くように頑張ります」と佐藤選手。
9月に右ひざを手術した阿部選手は「アベログ」で回復ぶりを伝えた。「職場のブログなので内容や表現に気を使うが、『早く元気な姿を見せて』とコメントしてもらい、励みになります」
「TOYBOX松本市庭球場サービスセンタースタッフブログ」で検索する。
次節展望(後期13節)対佐川印刷  (2010年10月28日号より)
JFLは30、31日の後期13節を含めて各チーム残り5試合。5連勝と勢いに乗る松本山雅FCは31日、9位の佐川印刷SC(京都)と松本市のアルウィンで対戦。自力での4位以上がない山雅は、J入りに向けて一つも負けられない試合が続く。
前期の対戦(14節=6月20日)は山雅が2−0で勝った。佐川印刷はけがで戦列を離れていた昨季JFL得点王のFW塩沢(上田市出身、元J2水戸)が11節から復帰した。
優勝を決めた鳥取を除き、上位は2位町田が11位武蔵野と、3位佐川が12位ソニーと、4位ホンダは16位栃木ウとの対戦で、取りこぼしの期待は薄い。次々節に町田戦(11月6日・アルウィン)を控える山雅はFW石田、MF大西らが警告の累積による出場停止に気を付けたい。
緑の友たちへ 9  (2010年10月28日号より)
Jリーグ入会要件の一つ、JFL4位以上を目指すわたしたちは24日、4位ホンダFCと対戦しました。相手は後期の成績だけなら山雅と同じ勝ち点24。すでに優勝を決めたガイナーレ鳥取に次ぎ、好調なチームです。
5位の山雅はホンダとの「勝ち点差」と「得失点差」を縮めなければ、残り試合の数や対戦相手を考えても、4位以上は相当厳しい…。
という状況なのに、先週は珍しくチームにその危機感、緊張感がない1週間でした。練習にも、大一番を迎える前の「ピーン」と張りつめた空気が感じられません。
温厚な?わたしも少し「イラッ」とし、選手を集めて言いました。「今の状態じゃ勝てないよ」
もちろん必死に取り組む選手が多い中で、心ない数名の選手の「緩み」が、チーム全体に広がるのを恐れたからです。
この時期になると試合に出るメンバーがほぼ固定され、選手のモチベーションもそれぞれ違ってきます。Jを目指すのに望ましくありませんが、所帯が大きくなるとそうした現象が起きます。チームスポーツにはつきものなのかもしれません。
迎えたホンダ戦は開始直後からエンジン全開。相手を寄せ付けず3−0で完勝しました。先週の心配はなんだったんだろう?選手のはつらつとした姿を見てほっとしました。次節31日のホームゲームも「高性能山雅エンジン」で突っ走ります。
(加藤善之GM)
アウェーを見る Honda  (2010年10月28日号より)
絶対に負けられない4位HondaFC(ホンダ)戦。滋賀県守山市での前回のアウェー戦を上回る約1000人の山雅サポーター・ファンが、県内だけでなく関東、関西からも浜松市に集結した。スタンドを占める緑の大群と大声援に「都田(サッカー場)じゃないみたい」と、ホンダ関係者。
「JFLで山雅の試合を見れてうれしい」。試合前、長野出身で静岡在住の男性が、チームに「うなぎパイ」を差し入れていた。
先制点は開始5分後。秋田戦以降、出場した3試合で4点を挙げている絶好調のFW石田が相手の出ばなをくじく。
「涼しくなって(北海道出身の)僕にはいい季節」「前線で(小林)陽介が動いてくれるおかげ」と、この日も控えめな石田は、先制以降は足踏みが続いていた後半5分、MF弦巻の絶妙なスルーパスに反応。相手GKに倒されそうになったが、「ここで倒れちゃもったいない」と、踏ん張って追加点。
同41分にFW今井と交代すると、メーンスタンドからスタンディングオベーションを受けていた。
チームは、前期は好不調の波が大きかった石田、けがで出遅れたFW小林、昨季はほとんど出番がなかったGK石川、中途加入の弦巻やDF飯田らが軸に。スタンドはアウェーに駆け付けるサポーターが増え続け、アルウィンと同じ雰囲気を醸し出す。まさに「OneSoul」となり、山雅は前へ突き進んでいる。
(加藤健一)
JFL4位目前、体制も強化 山雅Jへ加速  (2010年10月26日号より)
サッカーJリーグへの来季参入に向け4位以内を目指すJFLの松本山雅フットボールクラブ(FC、松本市)は24日、浜松市でHondaFC(ホンダ、静岡)に3−0で快勝した。これで5連勝となり、4位ホンダと勝ち点差3(1勝分)に肉薄した。既に松本市が山雅の運営会社への出資を表明。この夜、同社に市民らの出資を募る持ち株会が発足し、30日には後援会も設立。チーム、組織とも念願のJ入りに向け加速している。
松本市内で22日に行ったJリーグ入会審査のヒアリング。ホームタウンの松本市は山雅運営会社への資本参加を表明。1億円がめどの同社の資本金の1−2割を出資し、Jリーグ入りした段階で増資。同社への市職員の派遣や、スポーツ推進室の設置なども検討するとした。
Jリーグ入りの可否は、リーグチェアマンによる同社役員や菅谷昭市長に対する聞き取り(29日)、リーグ定例理事会(11月16日)などを経て、JFLの成績が確定する最終節(同28日)の翌日の臨時理事会で決まる。
「課題はまだ幾つかあるが、努力次第で解決できる」。Jリーグの佐々木一樹常務理事は、夏の予備審査で指摘した資本金の不足や運営組織の不備が改善され、Jリーグ入りが可能なことを示唆した。

個人から1口5万円(1人最大19口=95万円まで)の出資を募る持ち株会は、運営会社が当面の目標とする資本金1億円のうち約3000万円を占め、計画通り運べば同社の筆頭株主に。多くのスポンサー企業やサポーターに支えられる山雅FCの象徴だ。
設立時の役員は、運営会社が声を掛けた会社役員やサポーターなど理事11人と監事2人。規約で、会員は株式の管理や株主総会の議決権を理事長に信託すると定め、出資者個人は株主総会に出席できない。出資者には1口につき1席、ホーム試合で優待席が用意されるなどの特典がある。
出資比率が全体の3割を超えないようにし、個々の会員に議決権を与えないのは、クラブの経営やチームに対する批判、提案などが噴出し、運営に支障をきたすことがないようにするためという。
Jリーグのクラブにある同様の持ち株会は、どこもそうした規約で運営しているという。退会する場合も出資の返還は受けられず、特典を別の会員に譲渡するか放棄する。
理事長に就いた会社役員の有賀修二さん(51、諏訪市)は「永続的にクラブが存在するための資本強化が目的で、寄付に近い。山雅で地域が活性化すれば、それが無形の配当」と趣旨を説明。会員のクラブに対する意見は、懇親会を開くなどして集約する。
11月3日から月末まで、山雅のホームページで告知したり、試合会場で申込用紙を配って出資者を募る。入会審査をし、より多くの人が出資できるよう希望口数を調整。購入可能な口数を12月初めに通知する。

30日の設立に向け準備が進む山雅FCの後援会は、クラブがチーム強化や選手育成などに専念できるよう、PRや地域貢献活動を行う。地域や業種、団体、職場などで部会をつくり、山雅の応援を通じ地域活性化の担い手の役割を目指す。
会費は個人1万円、法人3万円。5割前後を強化費としてクラブに納め、残りが後援会の活動資金に。「クラブの手が回らないファンサービスや地域貢献を担う」とし、これまでクラブが行ってきたPR活動の一部や街頭清掃、老人福祉施設の慰問などを引き継ぐことを検討する。
ホーム試合の運営ボランティア「チームバモス」も、後援会の一部門として活動する計画。山雅のスポンサー企業や地元マスコミ各社が役員を務める。
(山岡史明)
希望膨らむ快進撃 ホンダに3−0  (2010年10月26日号より)
JFLは23、24日、後期12節の9試合を各地でし、松本山雅FCはFW石田の2ゴールなど計3点を挙げ、HondaFC(ホンダ)を完封した。当面の標的との直接対決を制し、勝ち点の合計で並んだ際に順位を決める得失点差は4位ホンダを上回った。J入りに向けて希望が膨らむ1勝だ。
山雅は前半5分、相手陣で得たFKの跳ね返りをつなぎ、MF木村の右クロスに石田が飛び込んで先制。
後半は開始直後に相手の決定機をしのぐと5分、MF弦巻のスルーパスに石田が抜け出し、GKをかわして2点目。終了間際にも途中出場のFW今井が加点した。
山雅は勝ち点3を加えて48とし、2、3位も6差で追走。来季J入りがほぼ確実な首位のガイナーレ鳥取は勝って勝ち点を71とし、2位のSAGAWA
SHIGAFC(佐川滋賀)が敗れたため、前身のSC鳥取時代を含めてJFL初優勝を決めた。
(山岡史明)
残り5戦全勝が前提  (2010年10月26日号より)
3トップの布陣を敷き、両サイドバックも積極的に上がる攻撃的なホンダに対し、山雅は戦前に吉沢監督が挙げた「相手守備の裏を狙う」動きを実践。先制点は木村が右サイドを深くえぐり、2点目は石田、3点目は今井が、前掛かりで守りが手薄な相手ゴール前へ鋭く抜け出した。
2、3点目は、3試合連続ゴールの石田が「これしかない」と言うカウンター。「上位相手にボールを支配できないが、守りが堅くいい位置で奪えるから(カウンターが)はまる」と石田。
2点とも鮮やかなスルーパスでおぜん立てした弦巻も「(パスの)出し手と受け手の意図がかみ合ってきた」。前半に何度か決定機を逃したが、流れを相手に渡さず踏みとどまるなど、堅守を軸にここ11試合負けていない事実が、チームに自信をもたらしている。
勝っても順位は入れ替わらず、さらに上位の取りこぼしがなければ4位以上はない。しかし、ホンダに限れば相手が残り6試合で2敗してもひっくり返らなかった差を、5試合で1敗すれば上回れるほどにしたのは大きい。
その前提は、山雅の残り5戦全勝。J入りに向けてかすかに吹いていた追い風が1戦、1勝ごとに勢いを増している。
Jへ4連勝で追走・武蔵野に1−0  (2010年10月19日号より)
JFLは16、17日、後期11節の9試合を各地でした。来季Jリーグ2部入り条件の4位以内を目指し、3、4位と勝ち点差6の5位につける松本山雅FCは17日、12位の横河武蔵野FC(東京)と松本市のアルウィンで対戦し、FW石田の得点で1−0で競り勝った。山雅は今季初の4連勝で10試合続けて負けなし。
山雅は前半、両サイドを中心に攻めて19分、MF弦巻が右に展開したボールがDF玉林、右に流れたDF鉄戸と渡り、鉄戸が上げたクロスを石田が頭で決めて先制。
その後も主導権を握った山雅だが、前後半を通じて決定機を逃し、追加点は奪えなかった。守りは前半開始直後にFKから危ない場面があったが、その後は迫力を欠く相手を難なく封じた。
1―4位もそろって勝ち、3位町田ゼルビア、4位HondaFC(ホンダ)と山雅の勝ち点差は6のまま。
(山岡史明)
「一試合も負けられない」危機感でまとまる  (2010年10月19日号より)
「試合に出ている選手も出ていない選手も、同じ意識で練習に取り組んでいる。(控え組の中に)『おれは出ないから…』という雰囲気がなくなった」
3、4位を追うのに絶対に取りこぼせない下位相手の一戦をものにした山雅。4連勝と好調なチームの変化を問われた吉沢監督は、目標に向かう選手たちの一体感を挙げた。
2位を破った前節に続き、頭で決勝点をたたき込んだ石田が「自分がやりたいことを、周りが理解してくれるようになった」と、活躍の理由を選手間の以心伝心に求めれば、アシストした鉄戸も「しっかりしたボールを上げれば、ヘディングが強い2トップがいる」と、信頼を口にする。
J入りのために、もう1試合も落とせない−。その危機感でチームがまとまり、選手それぞれが役割を果たそうとする姿は、JFL昇格に挑んだ昨季後半とダブる。
次戦(24日)は4位ホンダとの直接対決。勝てば勝ち点差は3に縮まるが、その後に相手の取りこぼしがなければ、残り6戦で順位がひっくり返ることはない。「(Jに)手が届きそうなことが、力になっている」と鉄戸。あり得ないことを起こすために負けられないのを、選手が一番よく知っている。
山雅カラー「緑の翼」空へ FDA4号機が就航  (2010年10月19日号より)
県営松本空港(松本市)と札幌、福岡を結ぶフジドリームエアラインズ(FDA、静岡県牧之原市)が、新たに購入した4機目の小型ジェット機が10月20日に就航する。機体は、サッカーのJリーグ入りを目指す松本山雅FCのチームカラー・緑だ。
4号機「エンブラエル170」(76席)は16日、デモ飛行。午前10時すぎに松本に着き、午後には札幌から到着したピンクの3号機と並ぶ場面も。山雅FCのサッカースクールに通う小島遼太郎君(9、松本市里山辺)は「かっこいい。乗るなら緑がいい」
松本市や県の関係者ら約70人ずつを乗せて2度デモ飛行し、山雅FCの役員やユニホーム姿の運営スタッフら14人も乗り込んだ。緑色の機体を要望していた大月弘士理事長(45)は「Jリーグに入れば、敵味方の大勢の観客が飛行機を使うようになる」と話した。
FDAは31日のダイヤ改正に合わせて松本―静岡線を新設し、静岡−鹿児島線にも乗り継げる(往路のみ)。また、福岡から松本へ向かう便の出発時刻を早朝から午後に変え、利用率の向上を図る。
次節展望(後期第11節) 対武蔵野  (2010年10月14日号より)
JFLは16、17日の後期11節を含めて各チーム残り7試合。勝ち点42で5位の松本山雅FCは17日、同34で12位の横河武蔵野FC(東京)と松本市のアルウィンで対戦。来季Jリーグ入り条件の4位以内確保に向け、取りこぼせない一戦だ。
山雅は前節で2位の佐川(滋賀)を破り、今季初の3連勝。ここ9試合負けなしと、堅守を軸に戦いぶりが安定してきた。JFLがなかった先週末は関東大学リーグ2部の日体大、北信越リーグ1部のAC長野パルセイロと練習試合をし、実戦感覚を保った。
昨季2位の武蔵野は、今季は得点力不足で低迷しているが、27試合で計29失点は18チーム中、少ない方から3番目(山雅は33失点で8番目)。勝負強さが出てきた山雅の攻撃陣は、ゴールをこじ開けられるか。
緑の友たちへ 8  (2010年10月7日号より)
秋は運動会の季節。単身赴任で一人暮らしのわたしの元に、小学1年生の長男から電話がありました。今週末にある学校の運動会で「リレー」の選手に選ばれたとのこと。最近は毎日、昼休みに練習しているそうです。
第1走者を任された長男は、最初に走るのをものすごく誇りに思っているようです。「練習はどう?」「うーん、僕は一番でバトンタッチしてるよ」「それはすごいね!」「でもね、いつも後ろが抜かれちゃうんだよ。自分が一番速く走っても、勝たないと意味がないんだよ」。勝たないと意味がない…。身に染みる言葉です。
3日は昨年の覇者で現在2位の佐川と対戦。今後に控える上位4チームとの直接対決の初戦で、自分たちの力を測る重要な一戦でした。結果は2−1の逆転勝利。
前半は相手に押されて先制を許し、0−1で折り返す展開。後半開始早々に弦巻のヘディングシュートで同点に追い付いてからは逆に一方的に攻め、終盤に石田が頭で決めて勝負あり。
チーム全員の思いが乗り移ったゴールでした。相手は後半、シュート0。この数字が示すように、後半の山雅は別のチームにも見える出来栄えでした。
リーグは残り7試合。一戦ごとに勝ち点3を積み上げていくことだけが、わたしたちに残された道。悲観的にならず、前を見て駆け上がる。勝負事は、勝たなければ意味がない…のです。
(加藤善之GM)
アウェーを見る 佐川  (2010年10月7日号より)
「おれが山雅のサンボンだあ!」と、昨年12月のファン感謝デーで別れのあいさつをした元山雅のDF三本菅。4年余にわたり、JFL昇格を目指すチームの屋台骨だった彼は今、関西リーグ1部の奈良クラブで戦っている。佐川戦前日の2日、リーグ最終節が京都市内であり、何人かの山雅サポーターが応援に駆け付けた。
前半終了直前にファウルでPKを献上したが、同点で迎えた後半にセットプレーから決勝点を挙げ、健在ぶりを発揮した三本菅は「見に来てくれた山雅サポのために、僕が書いたシナリオです」。
サポーターのことを忘れない彼と再会し、気分よく臨んだ佐川戦。前半は相手のペースで試合が進み、なかなか前を向かせてもらえずチャンスが少ないまま1失点。
しかし、後半になると攻守が入れ替わり、5分に弦巻のシュートで追い付くと、35分には石田が勝ち越し弾。前期、下位に低迷していたころは考えられなかった、上位相手の見事な逆転勝ちだ。
チームは先制されても落ち着きを失わず、守備陣が安定。そして前々節の秋田戦のように、攻撃陣が相手守備をかき回した。「勝利への気持ちを前面に出し、チームに伝えている」。同点弾をアシストした小林を、吉沢監督はそう評した。
順位は5位に上がったが、Jリーグ入りのハードルとなる4位との勝ち点差6は変わらず。残り7戦、負けられない戦いが続く。
(加藤健一)
JFL後期10節 佐川に逆転勝ちで5位浮上  (2010年10月5日号より)
JFLは1、3日、後期10節の9試合を各地でした。6位の松本山雅FCは3日、2位のSAGAWASHIGAFC(佐川・滋賀)と滋賀県・佐川急便守山陸上競技場で対戦し、2−1で逆転勝ちした。
山雅は今季初の3連勝で9試合続けて負けなし。順位を一つ上げて5位とし、来季Jリーグ入り条件の4位以内にあと一歩に迫った。
前半、自らのCK後にカウンターで先制された山雅だが後半5分、FW小林の右クロスをMF弦巻が頭で合わせて同点。さらに相手の運動量が落ちた35分、MF大西が上げたボールをFW石田が頭で決めて勝ち越した。
上位は、山雅ともう1チームだけ来季J入りの可能性がある首位ガイナーレ鳥取が勝ち点を65に伸ばし、独走で今季4位以内が確定。3位町田ゼルビア、4位HondaFC(ホンダ)もそろって勝ち、両チームと山雅の勝ち点差は前節と変わらず6のまま。
次節展望(後期第10節) 対佐川  (2010年9月30日号より)
JFLは10月3日の後期10節(町田ゼルビア−V・ファーレン長崎のみ1日)を含め、各チーム残り8試合。前節の勝利で今季最高の6位に上がった松本山雅FCは、2位SAGAWASHIGAFC(佐川・滋賀)と佐川急便守山陸上競技場(滋賀県守山市)で対戦。Jリーグ入り条件の4位以内に向け、上位に挑む。
前期の対戦(4節=4月4日・飯田市)は両者無得点で引き分けたが、昨季1位の佐川はその後に調子を上げ、黒星はわずか3。白星は3、4位と同数だが、引き分けが9戦と粘り強さが際立つ。
山雅も2連勝で、中下位が相手だったここ8戦は負けなしだが、4強との対戦が始まるここからが正念場だ。堅守を軸に最低でも引き分け、勝ち点1を死守したい。
JFL後期9節 金沢零封で6位に  (2010年9月28日号より)
JFLは23、25、26日、後期9節の9試合をした。9位の松本山雅FCは26日、10位ツエーゲン金沢と松本市のアルウィンで対戦し、1―0で勝った。山雅は後期2節から引き分けを挟み、8試合連続で負けなし。
山雅は中盤でボールをつなぎ決定機をつくったが、引いて守る相手を攻めあぐね、一方の金沢もカウンターを狙うが決定機を逃して前半は0―0。
金沢は後半19分にFW久保が2度目の警告で退場。一人少なくなった相手に山雅は26分、MF北村のパスを受けたFW木島がゴール前へ運んで先制し、途中出場の二人が挙げた1点を守り切った。
山雅は勝ち点を39とし、順位を三つ上げて6位に浮上。Jリーグ入り条件の4位との勝ち点差は前節と変わらず6のまま。

アルウィンでの対戦は北信越リーグだった08、09年に計3戦3敗と分が悪い金沢。山雅は引き分けでもJリーグ入り条件の4位との勝ち点差が8に開き、厳しさが増す状況を木島の一発が救った。
決定機をものにできない展開で後半15分に投入され、同時に左サイドに入ったMF北村からボールを受けて相手DFのマークを外すと「コースが開けた」。右足を振り抜き、GKの頭上を越す抑えの効いたシュートをゴールに突き刺した。
吉沢監督が「最後のチャンス」と、結果を求めた控えFWは石田が前節2得点し、この日は木島が決めた。しかし、石田は左太ももを痛めてベンチを外れ、木島も次節は警告の累積で出場停止と安定しない。
勝因はやはり無失点の堅守だ。最終ラインは前節に負傷したDF須藤を欠いたが、「自分と多々良の両センターバックとボランチ斎藤で三角形をつくり、冷静に対処した」と飯田。元日本代表FW久保を擁する金沢の2トップに仕事をさせず、5試合ぶりに相手を零封した。
これで今季11勝のうち完封は7に。中上位相手に得点力アップが見込めない山雅にとって、堅守こそがJ入りの生命線だと、この試合が教えている。
(山岡史明、倉科美春)
アウェーを見る  秋田  (2010年9月23日号より)
秋田市八橋(やばせ)運動公園陸上競技場での試合は、昨年の天皇杯3回戦(10月31日、FC岐阜戦)以来。3連休の中日とあって、泊まりがけで訪れた山雅サポーターも多かった。
対戦相手のブラウブリッツ秋田は、Jリーグ入りを目指し、TDKサッカー部を母体に今季新たに創設された。試合前、チーム関係者は「今日のような雨の日は観客動員数が伸びません」と話していたが、バックスタンドの秋田側はチームカラーの青に染まった。
山雅は、久々の先発となった石田と小林の両FWが勝利に大きく貢献した。特に小林は、昨季は攻撃陣の柱として活躍し、JFL昇格の立役者となったが、今季は開幕から控えに回り、リーグ先発出場は前期5節(4月11日)のツエーゲン金沢戦のみで、得点は0。5月に負ったけがの完治後も出場機会に恵まれなかった。
が、こうした状況をものともせず、試合開始早々から前線での厳しい守備で持ち味を発揮。前半11分には石田の低いクロスに頭から飛び込み先制点を挙げ、秋田の横山監督に「昇格へ向けて後がない山雅の勢いに最初から押された。早い時間の失点で、さらに山雅に勢いを与えてしまった」と悔やませた。
「ようやくチームの役に立てた。残り試合は少ないが、最後まであきらめずに戦う」と小林。試合終了後、多くのサポーターが小林に惜しみない拍手と賛辞を送り、期待の大きさをうかがわせた。
(加藤健一)
次節展望(後期第9節) 対金沢  (2010年9月23日号より)
JJFLは23、25、26日に後期第9節を各地でする。10勝6分け9敗、勝ち点36で9位の松本山雅FCは、10位のツエーゲン金沢と松本市のアルウィンで対戦する。
前回の対戦(前期第5節=4月11日)は先制を許したが、終了間際にPKで追い付き、引き分けた。現在、引き分けを挟んで3連敗中の金沢だが、元日本代表FW久保をはじめ、個々の能力は高く、侮れない相手だ。
山雅は現在、勝ち点で6位の秋田と並んでおり、J2昇格圏の4位の町田ゼルビアとの差は6。「上位に食い込むため、勝つことに全力を注ぐ」という吉沢監督の言葉通り、「勝ち点3」の重みがいっそう増してくる。秋田戦のような攻撃陣の躍動に期待したい。
緑の友たちへ 7  (2010年9月23日号より)
オフ明けの練習は、体力トレーニングが中心です。週末の公式戦に向けてのコンディション調整が目的です。ある日、600メートルを2分、900メートルを3分で走るトレーニングを4本ずつ、計8本走るインターバルトレーニングをしました。過酷ですが、達成不可能なメニューではありません。「ちょっと頑張ればできる」ように設定しています。
しかし、1本目、2本目と進むと、時間内にゴールする選手が少なくなってきました。つらそうな選手たちの様子を見て、「厳しすぎたかな」と反省し、6本目が終わったところでこう告げました。「全員が時間内にゴールしたら、最後の1本は免除する」。選手たちの間に、歓喜の声が上がりました。
ヨーイ、スタート。すると、先ほどまでとは打って変わって、走る、走れる。「あー、だまされた」。見事、全員が時間内にゴールできました。
14日、前日本代表監督の岡田武史さんが松本市で講演しました。「高い目標を自分で定め、それに向かって努力する」「今できることに、98%ではなく、100%の力で取り組む」。修羅場をくぐった岡田さんならではのお話でした。
わたしの母校の校門に、こんな言葉が掲げられています。「困苦や欠乏に耐え、進んで鍛錬の道を選ぶ気力のある少年以外は、この門をくぐってはならない」。さて、山雅の選手たちがくぐろうとしている「門」はどんな門なのでしょう。もうだまされません。明日の練習が楽しみです。
(加藤善之GM)
JFL後期8節 秋田に3−1 集中力切らさず快勝  (2010年9月21日号より)
JFLは18、19日、後期8節の9試合を各地でした。9位の松本山雅FCは19日、5位のブラウブリッツ秋田と秋田市八橋(やばせ)運動公園陸上競技場で対戦し、3−1で勝った。引き分けを挟んで、後期2節から4連勝となった。
山雅は前半11分、右サイドからのFW石田のクロスにFW小林が頭で合わせ、先制。31分には相手ゴール前でボールを奪ったFW石田がシュートを決め、2−0で折り返した。
後半1分にもFW石田が加点。6分に1点を失うと、ペースをつかんだ秋田に押され気味になったが、集中力を切らさず、3−1で逃げ切った。
山雅は勝ち点を36とし、勝ち点では順位を6位に落とした秋田と並んだが、得失点差で変わらず9位。次節は26日、10位のツエーゲン金沢と松本市のアルウィンで対戦する。
次節展望(後期第8節)対秋田  (2010年9月16日号より)
JFLは18、19日の後期8節を含め、各チーム残り10試合。9位の松本山雅FCは19日、5位のブラウブリッツ秋田と秋田市八橋運動公園陸上競技場で対戦する。
山雅は課題の得点力に改善が見られない。前線の選手はもっと貪欲(どんよく)にゴールを狙う姿勢がほしい。アウェーで最北地の秋田。昨秋の天皇杯3回戦時は松本からバスで10時間かけて遠征して体力的に厳しかったが、今回は往路は電車を使う。
秋田は攻守のバランスがよく、当たりが強い。リーグ首位の20点を挙げているFW松田は、今季24戦中15試合で得点し、山雅も前回の対戦(前期15節=6月13日)で2点を決められた。まずは松田を徹底マークし、失点を防ぐことが肝要だ。
JFL後期7節 対長崎 1−1痛み分け 順位は一つ落とし9位に  (2010年9月14日号より)
JFLは天皇杯などによる約1カ月間の中断期間を経て再開し、11、12日に後期7節の9試合を各地でした。8位の松本山雅FCは12日、同じJリーグ準加盟クラブで6位のV・ファーレン長崎と松本市のアルウィンで対戦し、1−1で引き分けた。
両チーム無得点で迎えた後半4分、山雅は長崎に左サイドを突破され、DF飯田が相手を倒し、PKを与えて失点。
しかし、24分にFW柿本が左サイドで倒されて得たFKを、ゴール前の遠いサイドに詰めていたDF須藤がけり込んで追い付き、その後は両チームとも決定機を逃した。
山雅は勝ち点1を加えて33としたが、順位を一つ落として9位に後退した。

「(パス回しからサイド攻撃という)相手の攻め手をよく消した。もっと積極的にシュートを打つ姿勢があれば、逆転もあった」(山雅・吉沢監督)、「あれだけ圧倒して3、4点取らなければいけない試合。われわれはJ2(Jリーグ2部)で通用する質の高いサッカーを目指している」(長崎・佐野監督)。
ともにJリーグを目指す両チームの指揮官が「内容で相手を上回った」と譲らなかった試合は、痛み分けに終わった。
前半は長崎がボールを支配したが、「自分たちを動かし、サイドからクロスという相手の狙いは抑えた。前へ切り込んでくる動きはなく、怖さはなかった」と、最終ラインでボールを奪い、攻撃の起点にもなった須藤。
しかし、セットプレーで追い付いたものの、シュートが再三、GKの正面を突くなど、流れの中から得点できないのは相変わらず。相手の攻めを封じても、ゴールが奪えないのでは勝てない。
Jリーグ入会予備審査の結果を公表していない長崎だが、ホーム競技場の状況や観客動員数などから見て、今季JFLで4位以内になっても来季のJ入りはほぼ不可能。それでも前日に空路で松本入りするなど、この一戦に懸ける意気込みを失っていなかった。
対する山雅は、クラブ職員の増員や一定額のスポンサー収入の確保などの条件付きながら、来季の入会申請は可能─との回答を得ている。しかし、この日の引き分けは中、上位との対戦が続く残り10試合で、4位以内がかなり難しいことを実感させた。
後押しするサポーターや観客に、「来季どうしてもJへ」という意欲を見せ続けることができるか。チームにとって、正念場が続く。
(山岡史明)
次節展望(後期第7節) 対長崎  (2010年9月9日号より)
天皇杯やその都道府県予選で中断していたJFLは、11、12日の後期7節でおよそ1カ月ぶりに再開する。8位の松本山雅FCは12日、同じJリーグ準加盟クラブで6位のV・ファーレン長崎を松本市のアルウィンで迎え撃つ。
中断前に今季最高の8位まで順位を上げた山雅は、天皇杯と県予選の計3戦で新加入のFW武田、MF弦巻、DF飯田に起用のめどが立った。特に武田と弦巻は、チームの課題の得点力不足を打開する働きが期待される。
長崎も前期は得点力不足で低迷したが、山雅と同様に徐々に順位を上げてきた。前期の対戦(14節=6月5日)は、再三の決定機を逃した山雅が終盤にPKを与えて競り負けた。1試合で3点取られたことがない堅守は健在で、山雅は先制点を与えると苦しいか。
緑の友たちへ 6  (2010年9月9日号より)
サッカークラブのGMの仕事って、何でしょう。「いつもグラウンドの傍らで練習を見ているあの人…。何やってるんだろうね?」。そう疑問を抱く人も少なくないと思います。日本の企業ではあまり聞き慣れない役職ですよね。
簡単に説明すると、クラブの目標を達成するためのチーム編成や強化方針を予算の範囲内で決め、監督やコーチ、選手を選んで獲得交渉をしたり、スタッフ・選手とクラブの間を取り持つ調整が主な役割です。
チームの方針を決めるのはGM。試合に勝つための戦術や選手起用に全面的な権限を持ち、勝敗という結果に責任を負うのが監督です。
また、「利害関係者」と訳される「ステークホルダー」との関係づくり、つまり株主や経営者、スタッフ、選手、サポーター、所属するリーグや都道府県協会、地元の自治体などと良好な関係を築き、発展させていくのもGMの重要な役目です。
といっても、すべてを一人でできるわけはなく、クラブ職員や現場スタッフ、ボランティアなどの協力を得ながら、地域に根差したクラブとして、誰からも愛される、強いチームに育てていくことが大事です。
以前、こんなことを言ってた人がいましたっけ。「Gは『ごたごた』、Mは『もめごと』の頭文字。要するに『ごたごた』『もめごと』を調整するのがGMなんだよ…」と。
(加藤善之GM)
天皇杯2回戦敗退 J2甲府に0−1  (2010年9月7日号より)
サッカーの第90回天皇杯全日本選手権は5日、2回戦の32試合を各地でした。1回戦(3日)で山梨県代表の玉穂FCを7−1で下し、2回戦に進んだ県代表の松本山雅FCは、Jリーグ2部(J2)ヴァンフォーレ甲府と甲府市小瀬スポーツ公園陸上競技場で対戦。後半の立ち上がりに失点し、0−1で惜敗した。
山雅は前半、序盤に相手の攻勢をしのぐと、30分すぎから右MF鉄戸を中心にチャンスをつくり、決定機もあったが無得点。
後半2分に右サイドでボールを失うと、ゴール前のこぼれ球を甲府FW小池に決められ失点。その後はGK石川の好守もあり追加点を許さなかったが、攻撃は徐々に単調になって相手の守りに阻まれ、最後まで得点できなかった。
山雅を含むJFL勢は、14チームが2回戦でJリーグ勢に挑み、ソニー仙台FCがJ1ベガルタ仙台を延長の末に1−0、町田ゼルビアがJ2東京ヴェルディを1−0でそれぞれ破り、3回戦に進んだ。

J2今季38節のうち、24節を終えた現時点で2位につける甲府。J1昇格を狙う相手は山雅にとって、高さや速さ、1対1の強さ、パス回しなど、すべてで勝る格上だ。スコアは惜敗だが、差があると吉沢監督が受け止めたのが、攻守の切り替えなどの「判断の速さ」だった。
「ボールを持ったら次はどこに送り、周りはどんなパスコースをつくるか。判断が速いほど、相手の守備が整う前に攻められる。わずかだが相手が上回っていた」と、DF多々良。
再三、好機をつくった鉄戸は、ミスの多さを敗因に挙げ、「結果として埋まらない1点差。守備は頑張ったが、攻撃時に簡単にボールを失った」と、嘆いた。
後半途中から投入した攻撃的な3選手は、相変わらず得点に絡めず、「何を期待してピッチに送りこんでいるのか自覚してほしい」と、吉沢監督。JFL再開後に与えるチャンスが最後―と、叱咤(しった)した。
一昨年は当時J2の湘南、昨年はJ1浦和を破り、その名を全国に響かせた天皇杯で、Jリーグ勢から3年連続の金星を挙げることはできなかった山雅。
しかし、昨季までのライバルに競り勝った県予選、控え主体で格下に大勝した1回戦、そしてこの日の負けで、現時点での実力が明らかに。その手応えと課題を、12日から再開するリーグ残り11戦に生かせるか。
(倉科美春・山岡史明)
県選手権V3天皇杯へ 長野に1―0  (2010年8月31日号より)
松サッカーの第90回天皇杯全日本選手権県予選を兼ねた第15回県選手権の決勝は29日、松本市のアルウィンでした。JFL所属の特別シードで決勝から出場した松本山雅FCが1―0でAC長野パルセイロを破り優勝。3年連続5度目(97年当時は山雅クラブ)の天皇杯出場を決めた。
山雅は前半42分、ドリブルを仕掛けたDF須藤が左サイドの高い位置で倒されFKを得ると、MF北村のボールに須藤が頭で合わせて先制。
後半は巻き返しを図る相手に攻め込まれたが、20分に長野MF土橋が2度目の警告を受けて退場。それでも決定機を決められず、1人少なくなった相手から追加点を奪えなかった。
天皇杯は、都道府県代表やJリーグ、大学王者など計88チームが出場し、県代表の山雅は9月3日の1回戦で山梨県代表の玉穂FC(同県リーグ)とアルウィンで対戦。勝者は5日の2回戦でJ2ヴァンフォーレ甲府との対戦(甲府市・小瀬スポーツ公園陸上競技場)が決まっている。

攻撃的だった長野のスタイルの変化もあるが、山雅は危うい場面を守り切り、ゴール前でフリーの味方にパスを出し決定機をつくる安定した試合運び。昨季は同じ北信越リーグで、紙一重の勝負をしていた宿敵を冷静に下した。
「信州ダービーに懸けるサポーターのプレッシャーの中、落ち着いて試合をさばいて勝てたのは大きい」と、決勝点を挙げたDF須藤。
初スタメンで出場した新加入のFW武田、MF弦巻、DF飯田の活躍も光った。
しかし、力の差がスコアに表れなかったのは、またしても今季の課題である決定力のなさが原因だ。
フリーで放ったシュートは再三、枠を外れ、バーにもはじかれた。「ゴールを守り切る部分だけは地域リーグとの差を見せることができたが、決めるところで決めないとJFLでの勝利はない」と、吉沢監督は厳しい表情。
積極的にボールを奪い、決定機をつくり自らもシュートを放った武田は「練習で調整し、天皇杯もリーグ戦も勝ちたい」と、前を見た。
天皇杯は初戦に勝つと、次はJ2上位の甲府との対戦。自らの実力を測ると同時に対Jリーグ勢3勝目を挙げ、9月12日から再開するリーグ戦に向け弾みをつけたい。
(倉科美春、山岡史明)
サポーター組織「山雅会」安曇野支部が発足  (2010年8月24日号より)
松本山雅FCのサポーター組織「山雅会」(高原保彦会長、110人)の機能アップを図ろうと、安曇野市に住む会員約20人がこのほど、安曇野支部(西沢昇会長)を立ち上げた。山雅FCの前身「山雅クラブ」のOBが主力メンバーだが、今後は誰でも入会できる会として門戸を開き、さらなるサポーター確保に力を入れる。
同会は、1960年代−70年代半ばまで松本市の松本駅前にあった喫茶店「山雅」の常連客と、同店を拠点にできたサッカーチーム「山雅クラブ」関係者の親睦(しんぼく)を兼ね、7月3日に発足。その後、「広範囲にわたる会員の連絡がスムースにできるよう」と、手始めに安曇野支部をつくった。
同会の事務局長で支部設立呼びかけ人の一人、中村博師さん(61、安曇野市穂高有明)は「頑張っている後輩のためにも、アルウィンをいっぱいにし、会員同士楽しく交流を」と呼びかける。
支部には、中村さんが代表を務める「穂高少年サッカースクール」(約250人)の母親ら女性4人も入会。近藤真奈美さん(43)は「子どもを通してサッカーのすばらしさを知った。組織強化に力を入れたい」と笑顔で話した。
安曇野支部事務局(赤羽さん)電話72・1840。山雅会の問い合わせは中村さん電話090・8947・2700へ。
アウェーを見る  びわこ  (2010年8月12日号より)
7日は夏の甲子園で松本工高が開幕試合を戦い、午後は山雅の試合、夜は松本ぼんぼんと、松本ざんまいの1日。勝ち点3を手土産に松本ぼんぼんに参加する意気込みで大津市へ赴いたが、土産は1点にとどまった。
前半、山雅は多くの決定機があったがネットを揺らせず、一方のびわこは後半に備えて体力を温存しているのか、あるいはチーム状態が悪いのかと疑うほど攻めてこなかった。
しかし、相手は後半開始早々から、前半とは見違える攻勢に出て先制。07年の地域リーグ決勝大会1次ラウンドで敗れた時と同じ展開が頭をよぎったが、山雅は新加入のMF弦巻が鮮やかなスルーパスでMF木村の同点ゴールを演出。
これで流れを引き戻した山雅は、FW柿本がPKを難なく決めて逆転。そのまま逃げ切るかと思ったが、34分に追い付かれた。
山雅はシーズン前半に比べて組織的に守れるようになったが、この日の2失点のように集中が途切れるケースをなくさないと、中断期間後に始まる上位との対戦では苦しい。取れる点は確実に取り、自分たちのペースで進められる試合を増やし、一つずつ着実に勝って順位を上げていきたい。
松本ぼんぼんに参加するつもりのサポーターは、試合後は早々に横断幕を撤収して帰途に就き、午後8時ころから徐々に山雅連に合流。逃がした「勝ち点2」を惜しみながら、夜のにぎわいを楽しんだ。
(加藤健一)
ユニーク企画でファン感謝デー  (2010年8月12日号より)
松本山雅FCの「ファン感謝デー」は8日、松本市のアルウィンで開いた。1000人を越えるサポーターがクイズやゲームなどで選手と交流した。
東海リーグ1部の中京大学FC(愛知)との交流試合に続き▽上松町出身の今井昌太、塩尻市出身の小松憲太両選手による地域クイズの出題▽「お笑いセンス、チーム一」の高沢尚利選手らを一発ギャグで笑わせる─などのユニークな企画や、サイン会などで盛り上がった。
「イケメン」4選手と女性サポーター約30人が参加したキックベースでは、得点時や攻守交代時に選手とハイタッチ。小林陽介選手は「ハンカチ王子」を気取ってマウンド上で上品に汗をぬぐい、須藤右介選手は元大リーガー野茂英雄投手をまねた「トルネード投法」で笑いを取るなどサービス満点。
サポーター歴1年弱という塩尻市宗賀の土佐直美さん(37)は「選手とハイタッチは夢のよう。芝生の感触にも感動した。最後まであきらめずJ2入りを後押ししたい」と、興奮気味だった。
有志の署名活動で9月にCD化が決まったサポーターズソングを歌う松本市出身のバンド「ASIAN2(エイジアン・ツー)」が会場を訪れ、サポーターの協力を得て同曲のプロモーションビデオを撮影した。
ファン感謝デーは前回まで、年末に立食パーティーの形式で開いたが、今回からより多くのサポーターが参加できるイベントにした。
緑の友たちへ 5  (2010年8月12日号より)
先週、新たに3選手が期限付き(レンタル)移籍で山雅に加入しました。その一人、J2東京ヴェルディから来た弦巻健人選手は、小学5年生からヴェルディの育成組織に所属し、将来を期待された選手でした。
常に背番号「10」を背負い、各年代のすべての全国大会で優勝、各世代のユース日本代表も経験した、いわゆるエリートです。しかし、18歳でプロ契約した後は出場機会に恵まれず、実戦経験を積むため、これまで岡山と水戸にもレンタル移籍しています。
同じく須藤右介選手も生粋のヴェルディ育ち。彼は小学4年生から育成組織にいましたが、トップチームに昇格することができず、J1名古屋─J2横浜FCを経て山雅にやって来ました。
二人とも、将来はヴェルディのトップチームで活躍することを夢見て、努力を積み重ねていました。わたしも彼らが幼いころから見続けてきただけに、いろいろな「縁」があってこの「緑」のチームで再会できたのをうれしく思っています。
サッカー界では、プロの育成組織で育った有望選手は「生え抜き」「エリート」と称賛され、一方で期待通りの活躍ができないと「温室育ち」とやゆされることもしばしば…。
二人とも、ヴェルディでプレーする「生え抜き」に負けないよう、荒野でもまれ、たくましくなってほしい。そして、山雅がJリーグに昇格した時は「松本育ち」の選手として、チームを引っ張ってほしいと願います。
(加藤善之GM)
山雅に新戦力3人  (2010年8月10日号より)
JFLの松本山雅FCに新戦力3人が加わった。Jリーグ2部(J2)東京ヴェルディのMF弦巻健人(23)とDF飯田真輝(24)、J2岡山下部組織ファジアーノ岡山ネクスト(中国リーグ)のFW武田英明(25)。いずれも今季終了時までの期限付き(レンタル)移籍だが、活躍次第で来季以降の獲得も視野に入れた補強。今季残り3分の1で来季J入り条件の4位以内に食い込むため、チームのカンフル剤として期待が懸かる。
弦巻は攻撃を担うトップ下やサイド、守備的なボランチと、中盤ならどこでもできるMF。チームに合流して5日目のびわこ戦で、早くもボランチで途中出場。得点をおぜん立てするスルーパスを決め、能力の高さを見せた。
小学生−高校年代を東京Vの下部チームで育った「ヴェルディ生え抜き」。14−18歳の年代別日本代表に選ばれ続け、05年にはユース所属のままJリーグ1部に出場した。
トップチーム昇格後は出場機会に恵まれず、当時中国リーグの岡山やJ2水戸へのレンタル移籍を経験。試合に出られる環境を求め、3度目の移籍を決めた。
精度の高いボール扱いと、非凡なパスセンスで周りを生かすプレーが持ち味だが、「積極的にシュートも打ちたい」と、山雅で新境地の開拓も目指す。
飯田は長身のセンターバック(CB)。山雅は開幕直後から目立った守備の不安を解消するため、本来はボランチのMF須藤を前期8節(4月29日)からCBで起用しているが、飯田の加入で攻撃力が高い須藤をボランチに戻せそうだ。
流通経済大3年時に東京Vの特別指定選手としてJリーグ2部に出場。流経大では関東大学リーグのほかJFLでもプレーした。
「走るのはまったく苦しくない」というスタミナと、危険を察知して駆け付けるカバーリングが武器。「1対1で勝つのが基本」と言い切る対人の強さにも磨きをかける。
東京Vではプレーについて、監督やベテランから助言を受けていたというが、「試合に出られず試しようがなかった。自分がどのくらいできるか知りたい」と、腕をさする。
武田は昨季、J2岡山で41試合に出場し、うち31試合は主に後半途中から。13戦連続で途中出場するなど、「スーパーサブ」的な存在で「スピードと運動量で試合の流れを変えてきた」との自負がある。
相手守備の裏へ抜ける速さや、ボールを離した後の動きだしのほか、献身的な守りも目を引く。今季はシーズン前のキャンプ中に左ひざを痛め、下部組織の登録に。地域リーグでプレーしていたが、打診を受けて移籍に応じた。
山雅では1試合平均1・3点にとどまる得点力アップの切り札として期待が懸かる。「点を取り、チームを勝たせるのが自分の仕事。泥くさく、味方のために動く」。岡山でJFLからJ2入りを経験しているのも、同じ道をたどる山雅にとって心強い。
(山岡史明)
JFL後期6節 対びわこ 勝ち切れずドロー  (2010年8月10日号より)
JFLは7、8日、後期6節の9試合を各地でした。前節まで9勝4分け9敗の勝ち点31で8位の松本山雅FCは7日、14位のMIO(ミーオ)びわこ草津(滋賀)と大津市皇子山総合運動公園陸上競技場で対戦し、2−2で引き分けた。
山雅は前半、相手の2倍以上のシュート10本を放ちながら決め切れず、後半6分に先制される苦しい展開。
14分に新加入のMF弦巻を投入すると、16分に弦巻のスルーパスをMF木村が決めて同点。さらに4分後にはFW柿本が自ら得たPKを決めて逆転したが、34分に相手のカウンター攻撃で失点。後半は2得点したものの守りの集中力が途切れ、逃げ切れなかった。
山雅の順位は変わらず8位。JFLはこの後、天皇杯予選などのため約1カ月間中断し、次節は9月11、12日。山雅は12日に7位V・ファーレン長崎と松本市のアルウィンで対戦する。
次節展望(後期第6節) 対MIO  (2010年8月5日号より)
JFLは7、8日が後期6節。8位の松本山雅FCは7日、14位のMIO(ミーオ)びわこ草津(滋賀)と大津市皇子山総合運動公園陸上競技場で対戦。7節(9月11、12日)まで約1カ月の中断期間を控え、勝って白星を先行させたい。
山雅は前節の勝ちで今季初めて星を五分に戻し、得失点もプラスに転じた。期限付き(レンタル)移籍で加入したDF飯田真輝、MF弦巻健人(ともにJ2東京ヴェルディ)、FW武田英明(ファジアーノ岡山ネクスト)の3選手は今節から出場可能だ。
びわこには前回(前期13節=5月30日)、6−0で大勝しているが、「暑さの中、どちらが先に相手のミスに付け入るか。見下して返り討ちに遭わないように」(吉沢監督)したい。(順位は暫定)
JFL後期第5節 大勝 ジェフに5−1  (2010年8月3日号より)
JFLは7月31日と8月1日、後期5節の8試合を各地でした。前節まで8勝4分け9敗の勝ち点28で11位の松本山雅FCは31日、17位のジェフリザーブズ(千葉)と松本市のアルウィンで対戦し、FW柿本の4得点などで5−1と大勝。山雅は引き分けを挟んで今季初の3連勝で星を五分に戻し、順位も今季最高の暫定8位に上げた。
山雅は前半16分、DF須藤のパスに抜け出したFW大西がゴール前で倒され(相手DFは一発退場)、PKを柿本が決めて先制。28分にもMF北村の左クロスに柿本が頭で合わせて2点目。
後半も得点を重ね、7分にDF玉林の左クロスに柿本が頭から飛び込んでハットトリック。その後も途中出場のFW今井と柿本が加点し、終盤の相手の反撃を1点に抑えた。
山雅の5得点は前期13節(5月30日)MIOびわこ草津戦の6得点に次ぐ大量点。得失点差も今季初めてプラス(1)に転じた。(順位は暫定)

前節の決勝点に続き、4得点で試合を決めた柿本は「素直にうれしい」と、笑顔を見せた。
一方で内容には課題も残った。立ち上がりは相手に押し込まれ、あわや失点の場面も。「相手の攻めに耐えながら、カウンターでPKを奪うことができた。逆に先制されていたら、展開が変わっていたかも」と吉沢監督。
序盤に退場者を出した相手からさらに得点を稼ごうと、後半途中から攻撃的な布陣を敷いたのが裏目に出て、3試合ぶりに失点もした。
それでも来季Jリーグ2部(J2)入り条件の4位との勝ち点差を5に縮める白星。
Jリーグ入会予備審査を申請した山雅は、4日前のJ側の聞き取り調査で、運営組織や財政基盤のいっそうの充実を求められたが、「(J2が)現実味を帯びる順位になってきた」(柿本)ことで、課題の解消に向けた動きも早まるはずだ。
次節(7、8日)を終えると、JFLは1カ月余りの中断期間に入る。次も勝ち点3を上乗せし、再開後の上位との対戦に臨みたい。
(長岩将弘・山岡史明)
緑の友たちへ 4  (2010年7月29日号より)
「コンフォータブルゾーン」。直訳すると「心地よい区域」。この場所に身を置く限り、成長はないそうです。人にはそれぞれ心地よく感じる状態や空間があり、その範囲内にいると落ち着き、また、そこに自身を置こうとするのだそうですが。
例えばゴルフ。ゴルフをする人は、自分の「アベレージ」を把握していますよね。その日は調子がよく、バーディーを連発してアベレージを大幅に下回るスコアを出したとします。すると、「今日はラッキー。でも実力ではない」と感じるらしい。
逆の場合も同じで、アベレージを大きく超えると、「自分の力はこんなものじゃない…」と。しかし、それは無意識に自分の力を決めつけ、限界を狭めているのに等しい。このゾーンを意識して広げることができれば、さらに高いレベルの力が発揮でき、好結果が残せるはずです。
プロスポーツ選手がインタビューなどで今後の展望を聞かれ、「全力を尽くします」と答えるのをよく耳にします。うがった見方をすれば、「全力を尽くせば、負けても仕方がない」と言っているようにも聞こえます。
勝負事ですから、どんなに頑張っても負けることはあります。しかし、それは相手より「全力のレベル」が低かったということ。「全力を尽くす」ことを自己評価の基準にし、そのレベルアップを追求し続けることが、サッカーでも仕事でも一流になる秘訣(ひけつ)でしょう。
(加藤善之GM)
次節展望(後期第5節) 対ジェフ  (2010年7月29日号より)
JFLは31日と8月1日に後期5節の8試合をする(FC琉球−ホンダロックのみ8月13日)。11位の松本山雅FCは31日、17位のジェフリザーブズ(千葉)と松本市のアルウィンで対戦。ホームでするナイター3連戦の最後で、試合開始は午後6時半。
前節、会場非公表の一戦でホンダロック(宮崎)に競り勝った山雅だが、無観客が戦意に響いたのかシュートはわずか4本。ほぼ唯一のチャンスを決めたが、ボールを支配できず苦戦した。次も堅守を維持しつつ、攻め手を増やせるか。
ジェフは今季まだ2勝だが、そのうち1勝を山雅から挙げた(前期12節=5月23日)。リーグ最多タイの8引き分けのうち、0−0は3戦だけと粘りもあり、先制しても最後まで気が抜けない。(順位は暫定)
JFL後期第4節 辛勝 ロックに1−0  (2010年7月27日号より)
JFLは24、25日、後期4節の9試合を各地でした。前節まで7勝4分け9敗の勝ち点25で12位の松本山雅FCは25日、15位のホンダロック(宮崎)と会場非公表・無観客で対戦し、FW柿本の得点で1−0で競り勝った。
互いに失点を警戒して攻めあぐむ展開だったが、山雅は前半終了間際、FW大西が右サイドの高い位置から入れたクロスを柿本がけり込み先制。
後半は相手のロングシュートがバーに当たって救われる場面もあったが守り切り、シュート数で山雅4、ロック5と互いに決定機が乏しい一戦をものにした。
山雅は順位を一つ上げて11位に。会場非公表・無観客は、宮崎県内で発生した口蹄(こうてい)疫の感染予防で、すでに2戦が延期されているロックのホーム試合を消化するための措置。(順位は暫定)
次節展望(後期第4節) 対ホンダロック  (2010年7月22日号より)
JFLは24、25日が後期4節。12位の松本山雅FCは25日、15位のホンダロック(宮崎)と対戦する。JFLはこの試合を、宮崎県内で発生した口蹄(こうてい)疫の感染防止対策で、会場非公表の無観客で実施する。
山雅は前節、アルテ高崎(群馬)の2倍近いシュート15本を放ちながら無得点。ゴール前での課題は相変わらずで、時に5バックにして守りを固める相手をどう攻略するか。高崎戦で左足を痛めたMF鉄戸を欠くのも痛い。
ロックは前節、6試合ぶりの白星を挙げた。得点力は高くないが、リーグ最多の8引き分けと粘り強い。前回の対戦(前期11節=5月16日)でミスとカウンターから2失点して敗れた山雅は、今回も気が抜けない。(順位は暫定)
JFL後期第3節 ゴール割れず高崎とドロー  (2010年7月20日号より)
JFLは17、18日、後期3節の9試合を各地でした。前節まで7勝3分け9敗の勝ち点24で11位の松本山雅FCは17日、勝ち点20で14位のアルテ高崎(群馬)と松本市のアルウィンで対戦。相手の2倍近いシュートを放ちながら得点できず、0─0で引き分けた。
山雅は前半からボールを支配して積極的に攻め、左MF北村を起点に何度かチャンスをつくるが決められない。
後半は運動量が落ち、中盤から高崎のペースに。フリーでゴールに迫る相手をGK石川が好守で防ぐ場面も。
両チームとも決定力を欠き、終了間際に勢いを取り戻した山雅も、最後まで相手ゴールを割れなかった。
山雅は順位を一つ落として12位に。上位は町田ゼルビア(東京)が敗れ、代わってHondaFC(静岡)が3位に浮上した。(順位は暫定)

アルウィンでのナイター3連戦の2戦目は、ファンサービスでハーフタイムと終了後に打ち上げ花火が夜空を彩った。しかし、祭り気分とは裏腹に、山雅は最後まで相手ゴールを割ることができず消化不良。「非常にもったいないゲームを引き分けた」(吉沢監督)感は否めない。
開始直後から人もボールもよく動いて主導権を握り、5試合ぶりに先発した柿本も何度か惜しいシュートを放つ。相手GKの好守にも阻まれたが、得点のにおいは十分した。
ところが後半開始直後に2度の決定機を外すと、気落ちしたかのように足が止まり、その後は相手のペース。残り5分を切ってMF竹内が入ると前線が活気づき、何度もシュートやセットプレーのチャンスが生まれただけに遅すぎる投入が悔やまれた。
北村の左MF、木村のFW起用は今季の開幕戦と同じ。その後、さまざまな布陣を試し、先発2トップの組み合わせはこの日の木村・柿本で9通りにもなった。
「今日の『勝ち点1』は『勝ち点2』を落としたのと同じ。ゴール前で数的有利がつくれず、迫力が足りなかった」と北村。今季20試合目を迎えてなお、得点力不足を解消する決定打は見つからないままだ。
(山岡史明、倉科美春)
ホテルブエナビスタの山雅オリジナルケーキが好評  (2010年7月20日号より)
松本市本庄1のホテルブエナビスタが、同市神林のアルウィンで松本山雅フットボールクラブ(FC)が試合を行う際に、ブースで販売する山雅にちなんだオリジナルケーキが好評だ。ホテルの売店でもこのほど販売を開始、同チームを応援すると共に、広くPRしていく。
同ホテルの女性パティシエが考案した「山雅アルプス」(1個300円)。北アルプスの山をイメージした焼き菓子で、山雅のメーンカラーの緑色が特徴。生地にホウレンソウ、抹茶を練り込んだ2種類あり、抹茶味にはホワイトチョコレートがかかっている。底の直径は12センチ、高さ5センチ。
アルピコホールディングスがスペシャルスポンサーになったのを機に、松本市での試合開始時にブースを出店。「山雅アルプス」は5月に登場、毎回完売している。ホテル売店では、ピスタチオのムースとラズベリージャムを組み合わせたケーキ「YAMAGA」(1個420円)もあり、どちらも11月の試合終了まで販売する。
ホテルブエナビスタ電話0263・37・0111
次節展望(後期第3節) 対アルテ高崎  (2010年7月15日号より)
JFLは17、18日が後期3節。ここまで7勝3分け9敗の勝ち点24で11位の松本山雅FCは17日、14位のアルテ高崎(群馬)と松本市のアルウィンで対戦。今季3度目の2連勝を狙う。
山雅は前節、最下位の流通経済大学FC(茨城)に逆転勝ちしたが、前半に先制される展開。6節まで下位との対戦が続くが、先手を奪わないと上位進出は厳しい。
高崎は前節の引き分けを挟み3連敗中。19試合で計16得点(山雅は計23得点)と攻撃力は高くないが、山雅は前回の対戦(前期10節=5月9日)で2失点。守りの不用意なミスは避けたい。
試合は午後6時半開始のナイター。当日は「アルウィン夏祭り」と題し、ハーフタイムと試合終了後に花火の打ち上げなどがある。
緑の友たちへ 3  (2010年7月15日号より)
東京都内を一望する武蔵野丘陵の一角に、わたしが08年まで所属したJリーグ2部、東京ヴェルディのクラブハウスとグラウンド(天然芝、人工芝各2面)があります。トップチーム、ベレーザ(女子なでしこリーグ)、そして各カテゴリーのユースチームが、同じ施設でトレーニングできる非常に恵まれた環境です。
トップチームの更衣室は二つに分かれています。一つは「実績がある選手」(24人)、もう一つは「それ以外の若手選手」のロッカールームです。
ここで特に注目すべきは「風呂」です。サウナや水風呂もある大きな浴場。どこかの高級ゴルフ場の施設を思わせるぜいたくなつくりです。しかし、この「風呂」、誰でも入れるわけではありません。
この「風呂」は前者のロッカールームに併設され、そのロッカールームを使用する選手しか使えない「おきて」になっています。「この風呂に入りたければ早く一人前になれ」という思いを込めて、わざわざロッカールームを二つに分けた経緯があります。伝統的に何事にも競争意識を持たせるヴェルディならではの発想です。
ワールドカップに出場した中沢選手や森本選手も例外ではなく、最初は「風呂」のないロッカールームからのスタートでした。ヴェルディのユースチームの中には、この「風呂」に入りたい一心で、練習に励んでいる子どもも少なくないようです。
(加藤善之GM)
アウェーを見る 流経大  (2010年7月15日号より)
前節、大雨のアルウィンでFC琉球に完敗したにもかかわらず、いつものアウェーと同様に茨城県龍ケ崎市まで多くのサポーターが駆け付けた。市陸上競技場「たつのこフィールド」のメーンスタンドは、4分の3を山雅のサポーターとファンが埋めて満席。立見の人も多かった。
選手と一緒に戦おうと、片道300キロの距離もいとわない。昨季までの北信越を離れて初めて訪れる土地、久しぶりに来る場所で、いろいろ見聞して食すのがアウェーの醍醐味(だいごみ)。今回は近くのアウトレットモールで買い物を楽しんだ人もいた。
その山雅だが、立ち上がりが悪いのはいつものくせ。前半24分に先制されてもエンジンがかからず、ボールを支配するが、なかなかゴール前に詰めることができない。
後半から柿本と木島の両FWを投入して前線の動きだしがよくなり、チャンスが一気に増え始めたところで16分、木島の豪快なミドルシュートがネットに突き刺さる。
そして35分、MF今井の投入でセンターバックからボランチに代わった須藤の見事なスルーパスにMF本田が反応。落ち着いて決めて逆転し、なんとか勝利をつかんだ。しかし、決定機を逃す場面が多く、もっと点を取るべき試合だった。
次に応援できるアウェーは滋賀県大津市(MIOびわこ草津戦、8月7日)。昼は遠征し、とって返して夜の松本ぼんぼんに参加を企てているサポーターもいる。山雅が大好きだから。
(加藤健一)
株式会社松本山雅を設立  (2010年7月15日号より)
サッカーのJFL(日本フットボールリーグ)から、プロのJリーグ入りを目指す松本山雅フットボールクラブ(FC、松本市)の運営団体、NPO法人アルウィンスポーツプロジェクト(ASP)は14日、来季から山雅FCを運営する新たな株式会社の設立を発表した。社長にはASPの大月弘士理事長(44)が就任。Jリーグ入会条件の「運営組織の株式会社化」をひとまず実現し、今後増資を重ねるなどして規模を拡大する。
社名は「株式会社松本山雅」。9日に登記申請した。資本金600万円は、大月理事長ら設立発起人のASP理事6人が出資。6人と山雅FCの加藤善之ゼネラルマネジャー(GM)が新会社の取締役で、八木誠前理事長(44)が大月社長とともに代表権を持つ副社長、加藤GMが常務に就いた。
ASPは当初、地元などの企業の出資を募って運営会社を設立する計画だったが、説明に時間がかかり、来季のJリーグ入会審査がある10月に間に合わないと判断。
「見切り発車」の形で会社を設立し、現在のスポンサー企業を中心に出資を募って9月末をめどに5000万円ほどを増資。さらに年内に持ち株会を発足させ、個人株主を募って増資し、資本金計1億円程度を確保−との青写真を描いている。
数年来の課題だった社長の人選も「県内企業に顔が利き、サッカー界にも通じた人に当たったが、引き受け手が見つからなかった」(大月理事長)と、当面は代表権を持つ現・前理事長の二人でかじ取りし、引き続き適任者を探すという。
山雅FCは今年2月、Jリーグに準加盟して来季以降の入会が可能に。さらに来季Jリーグ2部(J2)に参入するには▽ホーム1試合当たりの平均観客数3000人以上▽入会前年の年間事業収入が1億5000万円程度−などが必要だが、おおむねクリアしている。
最大の懸案はJFL18チーム中、現在11位のチーム成績。今季4位以内に入らなければ、来季のJ2入りは見送りになる。吉沢英生監督は「J入りに向け、『あとは成績次第』という雰囲気になる」と、会社設立が選手の発奮材料になることを期待する。
来季の入会可否は7月下旬の予備審査、9月末の入会申請を経て、JFL順位確定後の12月のJリーグ理事会で決まる。
(山岡史明)
JFL後期第2節 逆転勝ち11位に浮上  (2010年7月13日号より)
JFLは11日、後期2節の8試合を各地でした。前節まで6勝3分け9敗の勝ち点21で12位の松本山雅FCは、最下位の流通経済大学FC(茨城)と茨城県龍ケ崎市陸上競技場たつのこフィールドで対戦し、2−1で逆転勝ちした。
前半24分に先制された山雅は、後半から前線を木島、柿本の両FWに交代。
これで動きがよくなり、16分に木島のゴールで同点。さらに35分、MF須藤のスルーパスに抜け出したMF本田が、GKとの1対1を落ち着いて決めて勝ち越した。山雅は後半にシュート13本を放ち(前半5本)、前後半で計3本の相手を押し込んだ。
勝ち点3を加えた山雅は、順位を一つ上げて11位。(順位は暫定)
次節展望(後期2節) 対流経大  (2010年7月6日号より)
JFLは11、12日が後期2節。18試合を6勝3分け9敗の勝ち点21で12位の松本山雅FCは11日、最下位の流通経済大学FC(茨城)と茨城県龍ケ崎市陸上競技場たつのこフィールドで対戦する。
前節、6位FC琉球に2失点して敗れ、連勝が2で止まった山雅は仕切り直しの一戦。今季6勝のうち5勝が無失点と、勝因ははっきりしている。要の守備的MF斎藤を警告累積の出場停止で欠くが、堅守と相手を上回る運動量を取り戻せるか。
流経大は1、2年生主体。山雅に逆転負けした前回の対戦(前期9節=5月2日)でも先制しているように攻撃力は低くないが、ここまで計40失点はリーグ最多。山雅は前節、無得点に終わった攻撃陣の奮起が欠かせない。(順位は暫定)
JFL後期第1節 琉球に完敗、初の3連勝逃す  (2010年7月6日号より)
JFLは3、4日、今季全34節のうち後期1節の9試合を各地でした。前期17試合を6勝3分け8敗、勝ち点21の12位で折り返した松本山雅FCは3日、勝ち点24で8位のFC琉球(沖縄)と松本市のアルウィンで対戦し、0−2で敗れて今季初の3連勝を逃した。
山雅は前半29分、右からの長いクロスを琉球MF国仲に決められると、直後に左から中央へボールをつながれ、最後は琉球MF秦にけり込まれて2失点。
後半は序盤にチャンスが続いたが、途中出場のMF石田のヘディングがバーをたたくなど決め切れず、23分に石田が倒されて得たPKもGKに阻まれた。
山雅の2失点はいずれも、DFのマークの甘さやずれで相手をフリーにしたため。サイドチェンジしてピッチを広く使う相手の攻めを、守りが追い切れなかった。
攻撃もドリブル突破を仕掛けてボールを奪われる場面が目立ち、途中出場のFW柿本を生かすゴール前への長いボールなど、雨で滑りやすいピッチに対する工夫がなく、今季6度目の完封負けを喫した。
山雅の順位は変わらず暫定12位。今季ホーム初のナイター試合には4449人が来場した。
(山岡史明、倉科美春)
OBでつくる山雅会発足  (2010年7月6日号より)
山雅FCの前身「山雅クラブ」のOB約70人でつくる山雅会(高原保彦会長)がこの日発足し、集まった約50人がスタンドで観戦した。
1965年の設立メンバー8人のうち6人も駆け付け、当時FWだった関精一副会長(65、松本市波田)は「僕らは試合前にグラウンドの石拾いから始めた。山雅の名前を目にするたびに懐かしい」。
当時、選手におにぎりや飲み物を差し入れ、チームを支えた中島みえ子副会長(62、同市寿北6)と高山志げ子さん(61、安曇野市豊科)も観戦。
雨が降り続く中、新調した「山雅会」の横断幕やタオルマフラーを掲げて選手に声援を送ったが、立て続けに2点を失い、決定機を外す展開に「もっと泥くさくプレーしてくれよ」「気持ちを見せてくれ」と、叱咤(しった)激励の声が飛んだ。
高原会長(66、安曇野市明科中川手)は「残念。次回に期待だね」と、周りの仲間と顔を見合わせた。
山雅マスターズ全国切符  (2010年7月6日号より)
松本山雅FCに今季、マスターズ(40歳以上)チームが発足した。子どもから高齢者までサッカーを楽しむ環境づくりを目指す、山雅FCの年代別チームの一つ。JFLに参戦しているトップチームを鼓舞するほどの熱さで、年代別の全国大会制覇を目指す。
中高年の総合大会「日本スポーツマスターズ」(40歳以上)の県大会決勝(6月27日・松本市アルウィン芝生グラウンド、前後半25分ずつ)でFCアビエス・シニア(茅野市)と対戦。
前半11分にMF桜井勇二のクロスをFW曽根原由次が頭で決めて先制し、後半6分にFW高橋耕司のスルーパスに曽根原が走り込み2点目。さらにMF松沢孝明が加点して3−0で完勝した。
全国予選を兼ねた北信越シニア選手権(3、4日・富山市富山南総合公園)も、決勝で福井フェニックスを延長1−1の末にPK戦(4−3)で破り、優勝で全国大会(9月18−21日・三重県鈴鹿市)出場を決めた。
山雅マスターズは、昨年まで全国大会に5度出場したアルフット安曇野シニアの主力を中心に結成。山雅FCの前身、山雅クラブのOBを含め、会社員や自営業者、高校教諭など県内各地の選手が所属している。
次節展望(第18節) 対琉球  (2010年7月1日号より)
JFLは3、4日から全34節の後期に入り、各チーム2巡目の対戦が始まる。前期17戦を終えて6勝3分け8敗の勝ち点21で、18チーム中12位の松本山雅FCは3日、8位のFC琉球(沖縄)と松本市のアルウィンで対戦。ホームのナイター(午後6時半開始)3連戦の初戦で、今季初の3連勝なるか。
上位相手に2戦続けて完封勝ちの山雅は、守備ラインをまとめるDF須藤が警告累積で出場停止なのが痛いが、堅い守りで攻撃的な相手に耐え、得点のチャンスを見いだしたい。
琉球は得点力が高いが失点も多い。前回(前期8節)は2−0で山雅が勝ったが、その試合は途中出場だったFW田中靖が、ここ4試合で4得点と好調。MF国仲のミドルシュートも要注意だ。(順位は暫定)
JFL17節 今井の決勝弾でホンダ破る  (2010年6月29日号より)
JFLは26、27日、前期最終17節の9試合を各地でした。前節まで5勝3分け8敗の勝ち点18で14位の松本山雅FCは27日、勝ち点27で4位のHonda(ホンダ)FCと松本市のアルウィンで対戦。1─0で勝ち、今季2度目の2連勝でシーズン前半を終えた。
山雅は後半42分、FW北村のCKを遠いサイドのDF須藤が頭で折り返し、FW今井が頭でうまく合わせて得点した。
前半、山雅は相手にボールを支配され、カウンターやミドルシュートで得点を狙うが決められず、相手も決定機を逃して0─0。
互いに運動量が落ち、激しい当たりが増えた後半は序盤に押し込まれたが、GK石川の好守や相手の決定力不足にも助けられ、無失点でしのいだ。
山雅は順位を二つ上げ暫定12位に。上位3チームは順当に勝ち、前期終了時の3位までに与えられる天皇杯全日本選手権のシード権を獲得した。

○…DF佐藤(JFL初出場の前節に続き、2試合連続フル出場)「正直、勝ててよかった。90分間プレーする体力や攻撃参加のタイミングなどがまだ課題。前線に上がったらボールが来るよう味方の信頼を得たい」
○…MF竹内(左ひざのけがから復帰し、後半43分から途中出場。ほぼ11カ月ぶりの公式戦)「まだ90分間やる自信はないが、途中から出て、持ち味の運動量で疲れた相手を押し込みたい」

過去11シーズンで優勝4度、最低でも昨季の7位というJFLを代表する企業チーム、ホンダ。今季もここまで4位につける上位を、山雅は終盤にセットプレーのワンチャンスをものにして破った。
決めたのは、本来のサイドではなくFWとして後半32分に投入された今井。3節の横河武蔵野戦でロスタイムに決勝点を挙げ、チームにJFL初勝利をもたらして以来の今季2点目。
「結果がほしい。ゴールにより近い位置でプレーして点を取りたい」と、今季2試合にとどまる先発起用に向け、決定力をアピールする一撃だった。
相手のシュートミスもあったが、上位に連勝した最大の要因は無失点。須藤は「DF4人がラインの上げ下げを指示し合い、バランスよく守れた。位置取りも互いにカバーできている」と、連携に自信をつかんだ様子だ。
この日の観客数は、今季のアルウィン7戦で最少。「ふがいない成績で信頼を失ったが、また見に来てもらえるよう、全力でやるしかない」とMF鉄戸。シーズン残り半分での巻き返しを誓った。
(山岡史明・倉科美春)
JFL前期総括  (2010年6月29日号より)
今季JFLに昇格したものの、全34試合の半分を終えて暫定12位と振るわない山雅。要因は戦術変更で安定を欠いた守備と、チャンスに決められない攻撃だ。
昨季終盤は堅守速攻を勝ちパターンにした山雅だが、今季は相手ゴールに近い場所でボールを奪って積極的に得点を狙おうと、守備ラインを高く保つ戦術でJFLに挑んだ。
しかし、序盤からその最終ラインの裏を狙われ、警戒したDF陣がずるずると後退。前線との間が開き、中盤を支配されて下位にも失点を重ねた。
新加入を含むDFは戦術に対応するスピードが足りず、昨季退団した坂本の穴を埋められなかった。チーム全体の守備位置を下げるよう修正し、ようやく安定し始めたが、センターバックの補強は最優先の課題だ。
攻撃陣もJFLの守りの速さや当たりの強さに苦しんだ。特にFW陣はエース柿本が波に乗れず、新加入の石田、木島も周囲と合わずに各3得点と不発。MF北村を前線に上げた13節以降は全体の運動量が増え、ボールの支配率も高まった。
現時点でJリーグ入り圏内の4位とは勝ち点差7。残り17試合で挽回(ばんかい)は十分に可能な数字だ。「技術面で他チームと差はない」(FW柿本)という言葉はうなずけるだけに、追い込まれた時に見せる勝負強さを、後期は安定して発揮したい。
アウェーを見る 佐川印刷  (2010年6月24日号より)
約2カ月ぶりのアウェー勝利!いつもと変わらず多くの山雅サポーター・ファンが京都を訪れた。洛中や宇治を観光したり、京料理を楽しんだり。「修学旅行で来て以来」という人も。昨年まで訪れることがなかった地を、多くの人が山雅と共に楽しんでいる。
山城総合運動公園は野球場5面や球技場もあり、試合はその一角の太陽が丘陸上競技場。佐川印刷のサポーターは多くはないが、コールリーダーの発声と太鼓に合わせて応援し、試合後は山雅にエールを送ってくれた。
相手は4位で苦戦を予想したが、けがなどによる欠場でメンバーがそろわなかったせいか、思ったほどプレッシャーが強くなく、2−0で快勝。圧巻は後半30分の阿部のFK。見事な無回転ブレ球のシュートを決め、力強くガッツポーズ。日ごろから自主練習していたようだ。
山雅は、松本ではなかなか味わうことがない蒸し暑さの中、「90分間をペース配分せず、いけるところまでいき、疲れが見えたら交代」(吉沢監督)という作戦が当たった。
後半20分すぎに前線の石田と北村を柿本と大西に代え、その後も攻め続けたことが阿部の追加点を生んだ。幾つかの決定機で得点できない課題は残ったが、この白星を次節の前期最終戦につなげたい。
1、2位は頭一つ抜け出したが、3位以下の勝ち点が大きく離れていないのは、長丁場のJFLで上位が下位に確実に勝っていないことを示す。これからの山雅の挽回(ばんかい)に期待する。
(加藤健一)
次節展望(第17節) 対Honda  (2010年6月24日号より)
JFLは26、27日が前期最終17節で、今季の半分が終わる。14位の松本山雅FCは27日、4位HondaFC(ホンダ=本田技研工業)と松本市のアルウィンで対戦。続けて上位を破り、今季2度目の2連勝なるか。
山雅はMF本田が警告累積で出場停止。ここ4試合、トップ下に位置するMF北村とともに、攻撃の改善を担ったボランチの代役をどうするか。
ホンダは得点こそ少ないが、今季8勝のうち6勝が1点差勝ちと競り合いに強い。獲得に望みを残す天皇杯のシード権(前期終了時に3位以内)は、白星が最低条件。早い時間から仕掛けてくるはずだ。
山雅の吉沢監督は選手・指導者として16年間在籍した古巣と、山雅を率いて初めて公式戦で対戦する。
緑の友たちへ 2  (2010年6月24日号より)
山雅はプロとアマチュアの混成チームです。ではプロ意識は、プロ選手だけが持てる特別なものでしょうか?いいえ、違います。アマチュアでも企業選手でも学生でも、プロ意識は持てます。自らの活動にプライドを持つのがプロフェッショナルであり、プレーの能力とは関係ありません。
プロには、その分野への尽きない興味と熱意が必要です。「サッカー大好き」という気持ちが向上心や克己心の源です。「どうしたら上達するだろう」「自分に足りないものは何だろう」「自分のすべてを懸けて必死に取り組もう」−。
また、プロとして成功するには、技術的な才能も必要です。才能には個人差がありますが、「自己発見」と「自己発達」は誰でも追い求めることができます。
己の現状に満足せず、常に自分自身を発見、発達させる回路を活用し、信念にのっとり実践して成果を上げる。それができる人が本物のプロと言えます。才能の差は、この回路を有機的に用いて補うことができます。
選手としてだけでなく社会人として認められ、さらにサッカー文化を広める役割を担うには、「自己発見」「自己発達」できるプロフェッショナルな人間であることが求められます。
「謙虚に他者から学び、常に自らを磨き続ける。目標には期限を決めて全力投入し、完全燃焼する」。ロス五輪金メダリストの柔道家・山下泰裕さんの言葉です。
(加藤善之GM)
JFL16節 佐川印刷に快勝2−0  (2010年6月22日号より)
JJFLは19、20日、前期16節の9試合を各地でした。前節まで4勝3分け8敗の勝ち点15で15位の松本山雅FCは20日、勝ち点25で4位の佐川印刷SC(京都)と京都・太陽が丘陸上競技場(宇治市)で対戦し、2−0で快勝して連敗を2で止めた。
山雅はアウェー4戦ぶりの白星。前半14分、山雅はMF鉄戸の右クロスを4試合ぶり先発のFW石田が頭で決めて先制。
後半30分にもDF阿部がFKを直接決めて加点。守備陣も初出場のDF佐藤を含めて最後まで集中力を切らさず、リーグ3位タイの25得点を挙げている相手を完封した。山雅は順位を1つ上げて暫定14位。
次節展望(第16節) 対佐川印刷  (2010年6月17日号より)
JFLは19、20日、前期の16節をする。前節にホームで敗れて2連敗中の15位松本山雅FCは20日、4位佐川印刷SC(京都)と京都・太陽が丘陸上競技場(宇治市)で対戦。続く惜敗を結果につなげることができるか。
山雅は2戦続けて攻撃のいい形をつくりながら、決定力を欠いて1点差負け。上位相手の今回は、先制を許す展開だと苦しい。
佐川印刷のエースは昨季JFL得点王(17点)のFW塩沢(上田市出身、上田高−山形大−J2水戸)で、今季も6得点。けがで11節以降ベンチ入りしていないが、ともに5得点のFW平井、MF大槻がその穴を埋めている。前後半を通じて攻守にむらがなく、今季は1点差勝ちが5度と勝負強い。
JFL15節 今季4度目の2連敗  (2010年6月15日号より)
JFLは12、13日、前期15節の9試合を各地でした。前節まで4勝3分け7敗の勝ち点15で14位の松本山雅FCは13日、勝ち点19で9位のブラウブリッツ秋田と松本市のアルウィンで対戦し、1−2で敗れた。山雅は今季4度目の2連敗。
山雅は前半、当たりが強い秋田に競り負ける場面が目立ち、32分に自陣でボールを失ったのを機に秋田FW松田に頭で決められ先制を許した。
後半15分、山雅はMF木村の左クロスをMF本田がけり込んで同点とし、その後は攻撃的な選手を投入して勝ち越しを狙ったが終盤の40分、スルーパスを受けた松田に再び決められた。
山雅は順位を一つ落として15位に後退(順位は暫定)。上位は首位のガイナーレ鳥取が2位のSAGAWASHIGAFC(佐川・滋賀)に今季初黒星を喫し、両者の勝ち点差は再び2に縮まった。

スコアだけ見れば1点差の惜敗。しかし、2失点はここまでリーグ2位の8点を挙げ、「彼へのパスを遮断する」(吉沢・山雅監督)はずだった秋田FW松田にいずれもフリーで決められた。
1点目は、直前まで松田に付いていたDF多々良が「(ボールを持った秋田MF今井の)シュートを警戒した」と前に出た瞬間、ほかの選手がマークを引き継ぐ間もなくパスを通された。2点目は攻撃に意識が傾く中でミスからボールを失い、松田に付いている選手はいなかった。
前節に続く惜敗に、吉沢監督は「(下位相手に1分け2敗だった10−12節のように)選手が下を向くことはなくなった」。
しかし、またしてもエンジンがかかったのは先制されてから。一時は同点となるゴールを決めた本田は「攻撃の形は以前よりできている。あとはクロスやロングパス、ゴール前での詰めなど、細かい部分の精度を上げていくしかない」と言う。
ここ6試合、後半途中から出場した攻撃的な選手延べ17人が放ったシュートは、わずか5本で1得点。この日も勝ち越しを狙って投入した3人はシュート0。むしろパターン化した交代で攻撃が機能しなくなり、守備のリスクも増えた印象だ。
すでに前期は残り2戦。15試合を終えても攻守や采配(さいはい)に同じ課題を抱えていては、Jリーグ入りは遠のくばかりだ。
(倉科美春・山岡史明)
緑の友たちへ 1  (2010年6月10日号より)
3月14日に開幕したJFLもすでに中盤。昨季の上位チームとの対戦が続く序盤は苦戦を覚悟していましたが、5月以降の下位チームとの対戦でも勝ち点を積み上げることができず、ここまでの順位は18チーム中14位(暫定)。
しかし、この予定外の成績にも、ホーム試合では5000人以上のサポーターがアルウィンに足を運び、大きな声援を送ってくれる。それは選手やスタッフにとって、何にも代え難い励みになっています。
先日、入場ゲート前でお客さまを案内していると、高齢の、おそらく80歳近い女性がわたしの前を通りました。お話を聞くと、サッカーはあまり詳しくないが、一人で毎試合欠かさず見に来ているとのこと。
わたしが「最近、チームが勝てなくて申し訳ないです」と謝ると、その女性は「いや、そんなのいいんだよ。勝ってもらった方がうれしいけど、ここには皆の元気をもらいに来ているから」。今のチーム状況を察してか分かりませんが、ほほ笑みながら客席に向かいました。
Jリーグに入ると、こうしたお年寄りがもっと増えるのではないでしょうか。「健康寿命延伸都市」を目指す松本市をはじめ、地域の皆さんの体や心、社会的な健康づくりに役立ちたい。同時に、サッカーを通じて生きがいや感動、活力を皆さんと共有したい。それが、山雅がJを目指す理由です。
(加藤善之GM)
次節展望(15節)対 秋田  (2010年6月10日号より)
JFLは12、13日が前期の15節。山雅は13日、9位のブラウブリッツ秋田と松本市のアルウィンで対戦する。6−0で大勝した13節に続き、ホーム2連勝なるか。
前節、長崎に惜敗した山雅だが、チームの状態は悪くない。メンバーや布陣を継続して結果を出したい。
秋田はリーグ2位の8得点を挙げているFW松田と、ここ3戦で4得点したFW横山の2トップが強力。山雅は2人を徹底マークし、相手の攻め手を封じて攻撃に転じたい。
披露宴に応援マイはし  (2010年6月10日号より)
12日に松本市内で結婚式を挙げる鈴木健児さん(29)と鈴木幸恵さん(23)=同市里山辺=は、披露宴の出席者約70人の食事に、セイコーエプソン労働組合(諏訪市)と山雅の協働で作った応援グッズ「笑顔の架け箸(はし)」を用意した。
木曽ヒノキの間伐材を用い、袋の縫製を同市の障害者授産施設が担当する「マイはし」を持ち帰ってもらい、環境保全や社会貢献の広がりを期待。二人がサポーターであることもさりげなく伝える。
中学までサッカーをしていた健児さんと、興味がなかった幸恵さん。友人の誘いで昨年から応援するようになり、「地元にチームがあり、地域が盛り上がるのがうれしい。楽しいし、お金もあまり掛からない」と笑う。
新生活は「仕事や暮らしに追われるだけでなく、二人で山雅を応援できる環境」(健児さん)が望みという。
アウェーを見る 長崎  (2010年6月10日号より)
山雅と同様にJリーグを目指す長崎は、高校サッカーの強豪、国見高元監督の小嶺忠敏さんが社長を務めるJ準加盟2年目の先輩。
しかし、長崎、諫早の両市内にチームのポスターなどは見当たらず、ゴール裏のサポーターは60人以上が駆けつけた山雅に対し、長崎は20人程度。メーンスタンドも空席が目立ち、グッズを手に応援する人はわずか。
長崎の佐野監督が「山雅のようにチームへの関心が高まれば」と話すことからも、現状は厳しいようだ。
試合は、前半は長崎の詰めの甘さにも助けられて何とかしのぎ、後半は相手の2倍のシュート14本、CKも長崎1本に対し山雅6本と圧倒。決めるべき場面で先制していれば、違った展開になったはずだ。
首位鳥取はいまだ無敗(4分け)、2位佐川も1敗(5分け)。トーナメントの様相だった北信越リーグと違い、長丁場のJFLは「勝ち点0」で終わらないことが大切。少なくとも引き分けに持ち込みたかった。
それでも、山雅は一時のどん底から脱し、気持ちが入った試合をしている。次の秋田戦は、大量点に沸いたびわこ戦のように、アルウィンが盛り上がるのを期待したい。
(加藤健一)
JFL14節 痛い 長崎に0−1  (2010年6月8日号より)
JFLは5、6日、前期14節の8試合を各地でした。前節まで4勝3分け6敗の勝ち点15で13位の松本山雅FCは5日、勝ち点で並ぶ12位V・ファーレン長崎と長崎県立総合運動公園陸上競技場で対戦。終盤にPKで失点し、0−1で敗れた。
Jリーグ準加盟クラブ同士の対戦で、山雅は今季初のナイター。前半は長崎がカウンター主体に攻め、山雅は守りに追われたが無失点でしのいだ。
長崎の運動量が落ちた後半、山雅は相手の2倍のシュート14本を放つなど終始攻め続けたが、決定的なチャンスを再三逃し、40分にPKを与えた。
山雅は順位を1つ落として14位に。ホンダロック(宮崎)−アルテ高崎(群馬)は口蹄(こうてい)疫の感染予防で延期された。(順位は暫定)
次節展望(第14節) 対長崎  (2010年6月3日号より)
JFLは5、6日が前期の14節。前節、今季最多の6得点で大勝した13位の松本山雅FCは5日、勝ち点で並び得失点差で12位のV・ファーレン長崎と長崎県立総合運動公園陸上競技場(諫早市)で対戦。山雅は今季初のナイターで連勝を狙う。
山雅は試合の前日、松本から空路で九州入りの予定。疲れが少ない移動を白星に結び付けたい。
同じJリーグ準加盟クラブの長崎は前節、連敗を3で止めた。得点力不足で低迷しているが、守りは今季2失点が2度あるだけで、3点以上は奪われたことがない。山雅は堅守をこじ開けられるか。
JFL13節  決意の6発 完封勝利  (2010年6月1日号より)
JFLは5月29、30日、前期13節の9試合を各地でした。前節まで3勝3分け6敗の勝ち点12で15位の松本山雅FCは30日、勝ち点13で13位のMIO(ミーオ)びわこ草津(滋賀)と松本市のアルウィンで対戦し、6−0で大勝した。山雅は今季最多得点で、連敗を2で止めた。
山雅は前半11分、ゴール前に詰めたMF北村が押し込み先制すると、40分にMF鉄戸がミドルシュートで2点目、2分後にはファウルで倒されたFW柿本がPKを決め、前半だけで今季初の3得点。
後半も攻め手を緩めず、MF大西が2得点、柿本が1点を挙げ、守っても守備的MFとDF陣がよく連携し、迫力を欠く相手に決定機をほとんど与えなかった。
山雅は勝ち点15で13位に順位を上げ、得失点差もマイナス4に減らした。上位は首位のガイナーレ鳥取が12位のソニー仙台FCと引き分け、3位の町田ゼルビアが11位のアルテ高崎に敗れる波乱。2位のSAGAWASHIGAFC(佐川・滋賀)が鳥取に勝ち点差2に迫った。(順位は暫定)

危機感が意識変え
前節、最下位だったジェフリザーブズ(千葉)に敗れ、休養日を挟んだ2日後。山雅は練習の前後に選手だけで話し合った。下位相手の直前3戦で1分け2敗と結果が出ず、選手間でプレーに批判が出るなど、ぎすぎすした雰囲気があった。
「仲間に文句を言われて、いいプレーはできない。おれに付いてきてくれ」と、チーム内の不協和音を封印したのは主将の柿本。PKで3点目を決めると、クラブのスローガン「ワン・ソウル(魂は一つ)」を書いたキャプテンマークを観客にかざし、一体感を強調した。
4得点に絡んだMF鉄戸が「これくらい走らないと、自分たちのサッカーはできない」と言う通り、この日の山雅は運動量で相手を上回り、付け入るすきを与えなかった。
加えて6試合ぶりに出場したDF多々良がはつらつとしたプレーを見せ、4試合ぶり先発のMF本田もスルーパスを連発。選手が本来の力を発揮すれば、決して下位に低迷する陣容ではない。
今季これまで4戦とも5000人を超えていたアルウィンの観客が、いきなり4000人を下回ったのは来季Jリーグ入りの期待がしぼんだ現状による。
「絶対にあきらめない」など三カ条に全選手とスタッフ、クラブ役員が署名した「決意表明」を観客に配ったのは、危機感の表れだろう。この日は、練習中に仲間や監督を尊重しない態度を取った選手を先発から外し、チームの規律を重んじる姿勢も見せた。
大勝にも吉沢監督に笑顔はなかったが、「ようやくスタートラインに立てた」。その言葉に「選手の意識が変わりつつある」という手応えは聞き取れた。
(山岡史明・長岩将弘)
アウェーを見る ジェフ  (2010年5月27日号より)
午後2時51分、試合終了の笛が鳴った。観客402人のうち山雅の応援が8割方を占めたスタンドから、拍手はわずか。サポーターから温かい励ましはほとんどなく、厳しい言葉が多く飛んだ。
前節、アルウィンで山雅に勝ったホンダロックの選手は「アウェーチームも燃えるよ、あれは」。この日の相手、ジェフリザーブズの越後監督も「観客が多いのは幸せです」とコメントした。
ホームの5000人以上の観客や、悪天候と分かっていても片道4時間近くかけて千葉県旭市までやって来るサポーターの存在を、チームはどのように思って試合に臨んでいるのか。
山雅の吉沢監督は「走り負けないサッカー」と言うが、越後監督は「山雅の選手は思ったより走ってこなかった」。またロック、ジェフの両監督とも「勝ちたい気持ちが相手より上回っていた」と言い切った。
相手に走り負け、気持ちで負け、「絶対に勝つ」という泥くさい気持ちが伝わってこないのでは、サポーターやファンはやり切れない。残り15分で見せたサッカーを90分間やり通してほしい。足がつるくらいの、最後には動けなくなるくらいの、必死さが伝わるプレーを望んでいる。
ピッチに立つ11人とベンチの選手、監督、スタッフ、ベンチに入れない選手が同じ方向を見て、まさに今こそ「OneSou1(ワン・ソウル)」。雷鳥がどん底からはい上がるのを信じている。
(加藤健一)
次節展望(13節)対 びわこ  (2010年5月27日号より)
JFLは29、30日が前期の13節。前節で最下位に敗れるなど15位に低迷する松本山雅FCは30日、13位のMIOびわこ草津(滋賀)と松本市のアルウィンで対戦。来季Jリーグ2部入りの期待をつなぎ止めるためにもホームで連敗を止めたい。
下位相手に2連敗した山雅は、運動量で劣った上、「ミスを恐れてリスクを負うプレーに挑戦できない。勝てないチームの自信のなさ」(吉沢監督)が出た。思い切った選手起用や布陣変更も考えられるが、まずは闘争心で相手を上回ることが大事だ。
びわこは、ここまでの4勝はすべて完封勝ち。相手に得点を許した試合は白星がなく、終了間際に決勝点を失うケースも目立つ。山雅は失点しないことを優先しながら、最後までワンチャンスを狙いたい。(順位は暫定)
JFL12節 深刻、ジェフに0−1  (2010年5月25日号より)
JFLは22、23日、前期12節の8試合を各地でした。前節まで3勝3分け5敗の勝ち点12で15位の松本山雅FCは、最下位のジェフリザーブズ(千葉)と千葉県総合スポーツセンター東総運動場(旭市)で対戦し、0−1で敗れた。
山雅は0−0で迎えた後半12分にミドルシュートを決められ先制を許し、その後に攻撃的な選手を投入して押し込んだが、得点できなかった。今季初勝利のジェフは最下位を脱出した。
今季3度目の2連敗を喫した山雅は15位(暫定)のままだが、得失点差は2けたのマイナス10に。
首位ガイナーレ鳥取と2位町田ゼルビア(東京)の対戦は鳥取が勝って首位を守り、SAGAWASHIGAFC(佐川・滋賀)が町田と入れ替わり2位に浮上した。
宮崎市で開催予定だったホンダロック(宮崎)−FC琉球(沖縄)は、宮崎県内で発生した口蹄(こうてい)疫の感染予防対策で延期になった。代替日は未定。
次節展望(12節)対ジェフリザーブズ  (2010年5月20日号より)
JFLは22、23日が前期の12節。前節ホームで敗れて15位に後退した松本山雅FCは23日、最下位のジェフリザーブズ(千葉)と千葉県総合スポーツセンター東総運動場(旭市)で対戦する。低迷している相手から、どうしても勝ち星を挙げたい一戦だ。
2連勝後も波に乗れず、下位相手に引き分けと完封負けが続いた山雅は、攻守とも本来の力を出し切れていない。Jリーグ入りの目標を再確認して早く選手の意思統一を図り、個々の高い能力をチームとして機能させたい。
ジェフはJリーグ2部千葉の育成チームだが、今季11戦で0点が7試合あり、得点した4試合も先制は一度もない。山雅は早い時間に先制、加点し、相手の戦意をくじきたい。
JFL11節はロックに0−2 15位に後退  (2010年5月18日号より)
JFLは16日、前期11節の9試合を各地でした。前節まで3勝3分け4敗の勝ち点12で13位の松本山雅FCは、勝ち点8で16位のホンダロックと松本市のアルウィンで対戦し、0―2で敗れた。
山雅は、前半15分に不用意なパスからボールを奪われて失点。FWの柿本と木島が、相手の徹底したマークに遭うなど攻撃を封じられ、後半14分に追加点を奪われた。
その後に攻撃的な選手を投入したが決定力を欠き、7試合ぶりの無得点で今季3度目の完封負けを喫した。
12位以下は4チームが勝ち点12で並び、山雅は得失点差で15位に後退。次節は3分け8敗の勝ち点3で最下位のジェフリザーブズ(千葉)と23日、千葉県総合スポーツセンター東総運動場(旭市)で対戦する。

今季まだ1勝のロックに前半の早い時間に先制され、後半も同じ時間帯に失点。何度かあった得点機もシュートが枠を外れ、9度のCKもゴールのにおいすらしない。試合後の監督と選手のミーティングは1時間余に及び、収穫がない敗戦の深刻さを物語った。
「味方がミスしたらカバーする、ボールを奪われたら誰かが奪い返す−という意識が持続しない」と吉沢監督。献身的な走りが監督に評価されたDF阿部も「失点後にチームが『取り返そう』という雰囲気にならない」と嘆く。
3戦続けて相手に先制され、シュートやパスの精度が低い攻守の課題はそのまま。加えてある選手は「練習などサッカーへの取り組み方に、個々人で温度差がある」と言う。
北信越リーグだった昨季と一昨季も、特にシーズン前半はチームのまとまりを欠いて苦戦した。毎年選手のほぼ半数が入れ替わり、今年も10人が新加入。Jリーグを目指すチームの宿命だが、今の山雅には、JFL昇格に向けて一丸となった昨季終盤のような一体感がない。
「味方がミスしてもカバーする。苦しいかもしれないが、やらないと勝てない。死ぬ気で走れ」とは、完勝したロックの広池監督が選手に出した指示。山雅に必要なのは、まさにその意識だ。
ミーティングでは全選手が、自分がやるべきことを言い合ったという。「どうしてもJへ」という強い意欲が、プレーに現れるのはいつだろうか。
(山岡史明・倉科美春)
アウェーを見る 高崎  (2010年5月13日号より)
2連勝で迎えた高崎戦は、強風が吹く中での試合。開始早々に相手のFKに誰も触れず失点した山雅は、すぐに木島のゴールで追い付くと、さらに風上を利して攻勢を続けたが、決め切れない。
後半、風下の山雅は足が止まり始め、一転して高崎が優勢になり、12分に勝ち越される。しかし、山雅はFW石田とMF木村を同時に投入して流れを変え、33分にペナルティーエリア前でボールを受けた石田が、反転してドライブ気味のミドルシュートを決めて同点。GK石川の好セーブも光り、そのまま引き分けた。
山雅の2失点はともに簡単に決められ、「負けなくてよかった試合」の感は否めない。昨年までの北信越リーグと違い、JFLは下位でも楽に勝てる相手はいないことをあらためて認識した。
一方、約1000人の観客の9割近くは山雅のサポーターとファン。メーンスタンドのアウェー側はほとんど緑に染まり、バックスタンドも所狭しと埋めた。
会場に着くと、高崎の運営スタッフに「山雅さんはどのくらい来ますか」と尋ねられ、入場口では「緑の人たちすごい」と、ささやく声。サポーターが少ない高崎では珍しい光景らしい。
通常は関係者だけに配布するメンバー表が観客にも配られたほか、試合後に高崎サポーターから山雅コールが起き、山雅サポーターも返礼。高崎サポーターが山雅側へごみの回収に来るなど、試合とは別の部分で互いに刺激を受けたようだ。(加藤健一)
次節展望(11節)対 ホンダロック  (2010年5月13日号より)
JFLは16日に前期11節の9試合をする。前節の引き分けで13位に後退した松本山雅FCは、16位のホンダロック(宮崎)と松本市のアルウィンで対戦。下位相手に浮上のきっかけをつかめるか。
山雅は前節の高崎戦で開始直後に失点し、さらに相手に押し込まれた後半はマークの甘さから失点。勝利の前提となる堅守とはほど遠い内容で3連勝を逃した。攻撃は3戦続けて2得点と上向きなだけに、まずは守りの意識を徹底したい。
ロックは今季まだ1勝。持ち前の堅守でガイナーレ鳥取など上位を含む5試合で引き分けているが、リードするか同点だった3戦で後半終了間際に失点する詰めの甘さも。山雅は最後まで攻め続けたい。
JFL第10節は高崎とドロー 13位に  (2010年5月11日号より)
JFLは8、9日、前期10節の9試合を各地でした。前節まで3勝2分け4敗の勝ち点11で11位の松本山雅FCは9日、勝ち点8で16位のアルテ高崎と群馬・高崎市浜川競技場で対戦し、2−2で引き分けて3連勝を逃した。山雅は勝ち点1を加え、3チームが12で並んだが、得失点差で13位に後退した。
前半開始早々の2分にFKを直接決められた山雅はその1分後、後方から縦パスを受けたFW木島がドリブル突破からシュートを決めて同点。
その後も山雅が攻めたが決定機を逃すと、後半は高崎が攻勢になり12分、長いクロスを頭で決められ再び先行を許す。攻撃的な選手を次々と投入した山雅は33分、途中出場のFW石田がミドルシュートを決めて再度追い付き、GK石川の好守もあって引き分けた。
次節展望(10節)対 アルテ高崎  (2010年5月8日号より)
JFLは8、9日が前期の10節。ホーム初勝利を含む今季初の2連勝で11位に順位を上げた松本山雅FCは9日、16位のアルテ高崎(群馬)と高崎市浜川競技場で対戦。連勝を切らさず、まずは星を5分に戻したいところだ。
7節(4月25日)町田ゼルビア戦の6失点を受け、選手のポジションや布陣を変えた山雅は、守りの安定が連勝につながった。課題の決定力も、前節(2日)の流通経済大戦でFW柿本が後半から途中出場して2得点。エースの復調気配は明るい材料だ。
高崎は山雅と同様に得点力不足に苦しんでいるが、1試合の失点は今季最多でも3。堅守を軸に据える「似た者同士」の対戦で、山雅は先制点が欲しい。
キックオフ&テイクオフ 応援シンポに200人  (2010年5月8日号より)
松本山雅FC(フットボールクラブ)と、6月から県営松本空港に就航するフジドリームエアラインズ(FDA、静岡県牧之原市)の応援シンポジウム「松本山雅 Kick off&FDA Take off!!」が1日、松本市の県松本文化会館で開かれた。市と市教育委員会が主催。基調講演とパネルディスカッションがあり、約200人が来場した。
Jリーグ理事で日本経済研究所専務理事の傍士(ほうじ)銑太さんが「スポーツと地域振興」を基調講演。サッカー文化が進んだヨーロッパ諸国の例を挙げ、「日本も地方が自立しなければならない時代。地域に根差したプロスポーツの意義はますます大きくなる」と述べた。
パネルディスカッションは、傍士さんと、FDA常務取締役の浅井伸祐さん、松本山雅FCゼネラルマネジャーの加藤善之さんら計6人がパネリスト。J1(Jリーグ1部)清水エスパルス(静岡市)の例を検討しながら、スポーツ観光や地域づくりなどについて意見を交わした。
来場した山雅のサポーター組織「ウルトラスマツモト」会員の住山修次さん(45、松本市和田)は「外国や他地域の話が聞けて興味深かった。スタジアムで声を出すだけでなく、地域づくりを積極的に考えることで、山雅を後押ししていければいい」と話した。
(長岩将弘)
待望のホーム初勝利  (2010年5月4日号より)
今年からJFL(日本フットボールリーグ)に参戦している松本山雅FC(フットボールクラブ、松本市)は2日、前期第9節で流通経済大学FC(茨城)と同市神林の総合球技場アルウィンで対戦し、2―1で逆転勝ちした。山雅はホーム4戦目で待望の初勝利。4月29日の対FC琉球戦に続き、初の連勝を飾った。今季最多の観客6052人が詰め掛けたスタンドは大歓声に包まれた。
山雅1点リードで迎えた後半ロスタイム。流経大の追撃に何度もゴールを脅かされるが、山雅サポーターはチームスローガン「ワンソウル(魂は一つ)」を必死に連呼。終了の笛が鳴ると両手を突き上げて喜び、JFL昇格を決めた昨年12月以来、5カ月ぶりに凱歌(がいか)「勝利の街」をアルウィンに響かせた。
大型連休中で親子連れの姿も目立ち、山雅の10歳以下ジュニアチームに所属する内山詠介君(9、同市両島)は家族6人で観戦。「先制された時はショックで座り込んだが、勝って本当にうれしい。いつか山雅のトップチームでプレーしたい」と、目を輝かせた。
山雅は塩尻市出身のDF小松憲太選手が先発出場。積極的に相手ゴールに攻めたが決め手を欠いて前半は0―0。
後半4分に先制され、客席から悲鳴が上がる。連休で帰省し、高校時代の友人3人と観戦した会社員田中貴之さん(24、京都府)は「『やばいな』と思ったが、最後まであきらめず応援した」。
その声援に応えるように、途中出場した主将のFW柿本倫明選手が19分に同点とし、さらに31分、コーナーキックに頭で合わせて逆転。
JFL初ゴールの柿本選手は「今まですみません。お待たせしました」。復活したエースに、サポーターは大きな拍手を送った。
ホーム試合の運営ボランティア「チームバモス」に今季から参加している等々力涼子さん(29、松本市笹部)は、入場券のもぎりをしているため、試合はほとんど見られないが、「お客さんが笑顔だとうれしい」。満足そうにアルウィンを後にする観客の列を、礼を言いながら見送った。
(倉科美春、山岡史明)
第9節 流経大に逆転勝ち  (2010年5月4日号より)
6節(4月18日)はホームで栃木ウから2点を先取しながら3失点で逆転負けし、7節(同25日)は町田に6失点の大敗。前節(同29日)に琉球を2−0で下した復調ぶりが本物かどうか、観客もかたずをのんで見守った試合で、山雅はここまで不振のFW柿本が途中出場で2得点。なんとか逆転勝ちした。
出場停止のMF斎藤を本田に代えただけで、先発10人は3日前の琉球戦と同じメンバー。8日間で3戦ともフル出場したのは、町田戦の大敗を受けてMFからDFに転向した須藤とDFからMFに変わった鉄戸、DF阿部、そしてゲーム主将のMF北村の4人。
「勝ちたい気持ちは同じだが、そのために何をするかがばらばらだった」と鉄戸。町田戦後に選手が自発的に開いたミーティングで攻撃陣と守備陣が意見を擦り合わせ、琉球戦からは中盤の間延びなどを修正した成果が出たという。
とはいえ、平均年齢19歳の大学生チームに先制を許し、シュート13も同数では「内容は胸を張れない」(吉沢監督)のも確かだ。
「連戦の疲れはあったが、選手とチームが強くなれるかの境目。今日勝たなければ、なんの意味もなかった」と北村。シーズンのおよそ4分の1を終え、結果を求めて試行錯誤を続けるチームには、白星が何よりの薬だろう。
流経大戦―攻守落ち着いたプレー DF小松  (2010年5月4日号より)
琉球戦でJFL初出場を果たした塩尻市出身のDF小松が、この日も左サイドバックで先発。家族や友人らが見守る中、「初戦はミスが怖くて緊張したが、今日は『やってやろう』と強い気持ちで臨めた」と、後半途中で退くまで、持ち前の運動量で攻守に落ち着いたプレーを見せた。
武蔵工大二高(現・都市大塩尻高)−東海学園大(愛知)ではボランチだったが、同じポジションに元Jリーガーが複数いる山雅で、出場機会を求めてサイドバックに転向。
2戦続けて勝利に絡み、吉沢監督も「練習をこつこつやってきた成果。チームにいい流れを呼び込んだ」と評価した。
3戦前までベンチ入りもなく、ホーム試合では観客の出迎えやサイン会要員だった。「選手として寂しかったが、試合に出てあらためて、選ばれた責任や重みを感じる」と、与えられたポジションでチームへの貢献を誓っていた。
第8節 琉球に2−0の快勝 5試合ぶりの白星  (2010年5月1日号より)
JFLは4月29日、前期8節の9試合のうち8試合を各地でした。前節まで1勝2分け4敗の勝ち点5で18チーム中16位の松本山雅FCは、勝ち点10で8位のFC琉球と沖縄・北谷公園陸上競技場で対戦し、2−0で快勝。5試合ぶりの白星で今季2勝目を挙げ、勝ち点3を加えて暫定13位に順位を上げた。
2連敗中の山雅は、MF須藤がセンターバックに転向し、JFL初出場のDF小松(塩尻市出身)を左サイドバックで起用するなど、大幅に布陣を変えて臨んだ。
互いに無得点のまま迎えた後半16分、山雅は右MFに入った鉄戸の右クロスをFW大西が頭で合わせて先制し、33分にもFW木島が加点。その後、MF斎藤が2度目の警告で退場になったが最後まで守り切り、直前2戦で計8得点の琉球を零封した。
アウェーを見る  (2010年5月1日号より)
◇町田
前節ホームでの逆転負けから1週間。首位町田との対戦は、その後の修正の効果を量る絶好の機会と思ったが、町田は速く強く、山雅は完敗だった。町田のMF、FW陣は大柄な選手はいないが、球離れのいいスピードあふれるサッカーを展開し、山雅の守備は町田攻撃陣をつかまえ切れず、前半に立て続けに失点した。
攻撃もシュート4本が示すように、決定機はほぼ皆無。ボールがつながらず、前に運べず、苦し紛れのパスは町田に拾われ、手の打ちようがない状態。
さらに、ボールを最後まで追わず、集中力を欠いたのか弱気なのか自陣でパスミスを繰り返すなど、見たくないシーンばかりが山雅サポーターの目に映った。
8日間で3試合の初戦で大敗した山雅は、前節から負のスパイラルに陥っている感じが否めない。短期間でどのように修正するか注目すると同時に、昨季昇格を果たした時のように、まずは戦う気持ちを前面に出して試合に臨む姿を見たい。
サポーターのゴール裏対決は山雅の勝利。スタジアムグルメはタイやキーマなど何種類ものカレーをそろえ、ご当地ラーメン、スイーツなどなど独自色の強いメニューを提供している町田の勝利か。
客席でない場所からピッチ全面が見渡せる町田市陸上競技場はJリーグ規格を満たしておらず、予定する改修でどう変わるか。また、キックオフ直前になっても、最寄り駅からのシャトルバスに乗れない観客の行列が。首位を走る町田だが、試合運営を含め、すべてを満たすことの難しさをあらためて感じた。

◇琉球
そして町田戦から中3日の琉球戦。いい形で2連勝している相手に対し、どん底状態の山雅は布陣を大幅に変更して臨んだ。
前半は初出場の小松がタイミングを見計らったオーバーラップを見せ、CBに入った須藤も無難に守備をこなしたものの、ワントップ気味の木島が前戦で孤立し、得点機はなし。
後半になって琉球の運動量が落ち始めると、大西、鉄戸、木村のMF陣が攻撃に絡む機会が増え、大西が頭で決めて均衡を破った。
その直前、阿部のシュートがバーに阻まれたり、山崎のヘディングシュートなど惜しい場面が続いただけに、タイミングがよい先制点。さらに木島が追加点を奪い、恐れていたカウンターを食うこともなく、山雅が逃げ切った。
「勝ちにこだわった試合。90分間を通して気持ちで負けなかった」と吉沢監督。次戦は多くの山雅サポーターとファンが、アルウィンでの初勝利と凱歌(がいか)「勝利の街」を歌うことを望んでいる。
(加藤健一)
次節展望 (9節)対 流経大FC  (2010年5月1日号より)
JFLは2−4日が前期の9節。山雅は17位の流通経済大学FC(茨城)と松本市のアルウィンで対戦。ホーム4戦目での初勝利と、今季初の連勝に期待が懸かる。
流経大FCは、関東大学リーグ1部で2連覇中の強豪、流通経済大の2軍。JFLには育成目的で1、2年生を中心に参戦している。開幕5試合は上位陣と接戦を重ね、6、7戦目は計9失点と守りが崩れたが、前節は立て直して栃木ウから今季初勝利を挙げた。
7節町田戦(25日)で6失点の大敗を喫した山雅は、攻守とも選手や布陣を変えた琉球戦で復調。中2日の強行日程のため、琉球戦とメンバーが代わることが予想されるが、堅守を継続できるかが勝負の鍵を握る。
まるで歯が立たず町田に1−6  (2010年4月27日号より)
JFLは24、25日、前期7節の9試合を各地でした。前節まで1勝2分け3敗の勝ち点5で18チーム中16位の松本山雅FCは25日、勝ち点16で首位の町田ゼルビアと東京・町田市陸上競技場で対戦し、1−6で大敗した。
今季4位以上の成績を収めて運営面の条件を満たせば、来季のJリーグ2部入りが可能なJリーグ準加盟クラブ同士の対戦。
山雅は前半10分、FKを頭で合わされ先制を許すと、21分までに立て続けに3失点。40分に4点目を奪われ、直後にFW木島が倒されて得たPKは、FW柿本がポストに当てて失敗。
後半は攻撃的な布陣に変えてゴールを狙ったがさらに2点を失い、後半開始から途中出場のMF木村が33分、DF鉄戸のFKに頭で合わせて1点を返すのがやっと。シュート数も相手の17に対し4にとどまる完敗だった。
2連敗の山雅は順位は変わらないものの、得失点差はマイナス10に拡大した。次節、山雅は2連勝で勢いに乗る8位のFC琉球と29日、沖縄・北谷公園陸上競技場で対戦する。
痛恨、ホームで逆転負け  (2010年4月20日号より)
JFLは17、18日、第6節の9試合を各地でした。前節まで1勝2分け2敗の勝ち点5で18チーム中12位の松本山雅FCは18日、勝ち点4で15位の栃木ウーヴァFCと松本市のアルウィンで対戦し、前半に2得点しながら後半3失点し、2−3で逆転負けした。
山雅は前半5分、右CKのこぼれ球をFW石田がけり込み先制。29分にも右CKにDF山崎が頭で合わせ、前半は2−0。
ところが後半14分に速攻で1点を返されると、21分に同点とされ、さらに37分に3点目を失った。前半と比べて運動量が落ちた山雅は守りが甘くなり、勢いづいた相手を止められなかった。
3敗目を喫した山雅は16位に後退。次節、山雅は5勝1分けの勝ち点16で首位を走る町田ゼルビア(東京)と25日、町田市陸上競技場で対戦する。
○…DF大島翼(今季初出場のセンターバック)「敗因は90分間やり抜けないメンタルの甘さ。後半、チームの悪い雰囲気を変えるほどハッスルしたプレーができなかった」

前半に挙げた2点をひっくり返された試合後、山雅の選手たちは「あれで気持ちが沈んだ」「慌ててずるずる下がった」と、異口同音に後半の1失点目を敗因に挙げた。「3点目を」という吉沢監督の指示だったが、それまで押し上げていた最終ラインの裏を取られると足が止まり、失点を重ねた。
開幕5試合で1勝、計2得点にとどまった沈滞ムードを打ち破ろうと、前節から先発7人を替える荒療治に出た。すると開始直後に今季ホーム初得点を挙げ、2点目もすんなり奪った。
共にJFL昇格組の栃木ウは、これまでの対戦相手より寄せが甘く、ボールはつながったが、「2点取って勝ちを意識し、引き気味になった」とDF玉林。ゲーム主将のDF山崎は「結果を出したい思いが重圧になり、緊張したのかも」と、悔しがった。
2点のリードを守り切れなかったのは、吉沢監督の過去2季になかったこと。指揮官は「今後も最終ラインを高く保ち、相手にプレッシャーをかけ続ける」と、ゴールを狙う姿勢を強調したが、それにはまず、ボランチが相手のボールの出所を抑えると同時に、FWや両サイドのMFも前線でボールを追う守備の徹底が不可欠だ。

前半は今季ホーム初ゴールを含む2得点に沸いたサポーター。待望のホーム初勝利の予感に胸を躍らせた。
町会の仲間6人で来た安曇野市穂高の小林せつ子さん(74)は「予想以上に点が入ってびっくり。このままいってほしい」。
しかし後半、同点に追い付かれると、ムードは一転。
つかみかけた勝利をもう一度引き寄せようと、「まだまだこれからだぞ」「もう1点決めてくれ」と、ゴール裏のサポーターだけでなく、スタンドの観客も声援や手拍子で後押ししたが、逆転されて試合終了。あいさつに来た選手に、サポーターから珍しくブーイングが飛んだ。
息子の亮太ちゃん(4)と観戦した松本市梓川の会社員小林弘和さん(35)は「言葉が出ない。前半はあんなに調子がよかったのに」と、ため息。ホーム初勝利は9節(5月2日)までお預けになった。
(山岡史明・倉科美春)
アウェーを見る 金沢  (2010年4月15日号より)
北信越リーグで共にJFL昇格を目指して争ったツエーゲン金沢(石川)との11日の一戦。山雅はシュート9本と相手の7本を上回ったが、決定的な場面は相手より少なく、得点のにおいはしなかった。
個々の力やモチベーションが高い金沢の選手に対し、山雅の選手は自信がないのか消極的。開幕から5試合を見たが、ガイナーレ鳥取や金沢はボールへの寄せが早く、球際が強い。山雅の選手はなかなか前を向けず、横か後ろへパスするだけで、ボールが前に動いていかない。
終了間際にFW木島の突破で辛うじてPKを獲得し、なんとか追い付いたが、試合の内容を考えれば「よく拾った『勝ち点1』」。長いシーズン、いつでも順風満帆とはいかないが、現状をどう打開するか。気持ちの面を含め、大きな課題だ。
一方の金沢。山雅と同じJリーグを目指している。その地元の盛り上がりがもう一つだ。ホーム初戦の観客が680人で、今回が1596人。山雅戦の観客が4000人を超えた一昨年のナイターや、昨年の対戦時より熱が下がっている印象を受ける。
競技場の飲食の出店やグッズ販売コーナーなどもアルウィンと比べて寂しく、「JFL昇格を果たし、元日本代表のFW久保をはじめ名前が知れた選手も多いのに」と、疑問を抱いた。地域が盛り上がることと、Jの舞台で戦うこと。両方を成り立たせるために、山雅は現状に満足せず、集客など多くの活動に力を入れたい。
◇◇
JFLで全国を駆け回る松本山雅FCから目が離せない。アウェーでの戦いぶりや対戦相手の様子を、加藤健一が随時報告する。
次節展望 (6節)対 栃木ウーヴァ  (2010年4月15日号より)
JFLは今週末が第6節。勝ち点5で12位の松本山雅FCは18日、栃木ウーヴァFCと松本市のアルウィンで対戦し、ホーム初得点と初勝利を目指す。午後2時キックオフ。
山雅は昨季の上位4チームとの対戦を含む開幕5試合で、1勝2分け2敗と波に乗り損ねた。特に、計2得点にとどまった攻撃の活性化が課題だ。
「守りがうまくいかず、前を向いてボールを受けられないのが原因」と吉沢監督。守備ラインを高く保ち、相手ゴールに近い位置でボールを奪うことに活路を見いだす。
対する栃木ウも山雅と同じ昇格組。開幕2戦こそ昨季上位に1勝1分けと踏ん張ったが、3戦目から守りが崩れて3連敗中。山雅は「刺激を与える選手がほしい」(同監督)と、先発メンバーの入れ替えもありそうだ。
第5節 金沢と1−1 終盤PKで追い付く  (2010年4月13日号より)
サッカーJFLは10、11日、第5節の9試合を各地でした。前節まで1勝1分け2敗の勝ち点4で18チーム中13位の松本山雅FCは11日、同じ勝ち点4、得失点差で10位のツエーゲン金沢と石川県西部緑地公園陸上競技場(金沢市)で対戦し、1−1で引き分けた。
同じ北信越リーグから今季JFLに昇格した両チームの対戦。後半11分に先制された山雅は終了間際の同43分、相手ボールを奪ったFW木島がGKに倒され、PKを決めて追い付いた。
山雅は前節に続く引き分けで、勝ち点1を加えて12位に。前節まで3チームが勝ち点10で並んでいた上位は、町田ゼルビアが4勝目を挙げて単独首位に。次節、山雅は同じく今季JFLに昇格した栃木ウーヴァFCと18日、ホーム松本市のアルウィンで対戦する。
第4節 佐川とドロー 攻めるがゴール遠く  (2010年4月6日号より)
サッカーJFL(日本フットボールリーグ)は3、4日、第4節の9試合を各地でした。前節まで1勝2敗の勝ち点3で18チーム中14位の松本山雅FCは4日、7位のSAGAWASHIGAFC(佐川急便・滋賀)と飯田市松尾総合運動場で対戦し、0−0で引き分けた。
強い南風が吹く中、前半風上に立った山雅は、FW柿本への高いボールや、FW木島と両サイドのMF木村、大西らの突破でゴールに迫ったが、風の影響でボールが収まらないこともあり無得点。
風下の後半も、右DF阿部のクロスなどで開始直後からチャンスをつくったが得点できず、その後も両サイドを起点に攻める相手を封じながら、木島や大西に何度か決定的な場面があったが、決め切れなかった。
山雅は勝ち点1を加えて13位に。次節、山雅は共に今季JFLに昇格した10位ツエーゲン金沢と、11日に石川県西部緑地公園陸上競技場(金沢市)で対戦する。

今季ホームゲーム17試合のうち唯一、アルウィン(松本市)以外での開催となった飯田市での一戦。来場した約3300人には、山雅の試合を初めて見る親子連れや、サッカーをしている地元の小中学生の姿も目立った。それだけに吉沢監督は「観客は『勝ち点3』を見に来ている。ゴールも見せられなかった」と、残念がった。
昨季の優勝チームを相手に、シュートの数も、決定的な場面の数でも上回った。佐川の中口監督が「(山雅は)一人で打開できる選手が多く、うらやましい」と言う通り、個々の突破力や高さで相手をしのいだが、ゴールが遠い。
後半の序盤に2度、必死に足を出した相手に得点を阻まれた木島は「0点で終わっては相手の思惑通り。が、どう動けばいいか、まだ分からない」と、攻めても結果が出ない戸惑いを口にした。
開幕から昨季の上位4チームと対戦した山雅は、1勝1分け2敗とJFLの厳しさにもまれた格好だ。ただ、最初の2戦で計5失点した守備は、ここ2戦は無失点と立ち直っただけに、4試合で1ゴールの得点力不足が際立つ。
「シュートを打ってほしいのに、パスを選択する場面も」と吉沢監督。そのパスが得点につながらないことが選手を悩ませる。柿本は「相手を崩せているのに、最後のちょっとした精度が足りない。そろそろ点を取りたい」と、切り上げた。

山雅はGK石川が在籍2季目でリーグ戦初先発。正GK原が左ひじを痛めたため回ってきた出番で、枠に飛んで来たシュートを再三はじくなど相手に得点を許さず、「常に(出場の)準備はしている。自分の仕事はした」と胸を張った。
登録は178センチだが、そこまでない上背はGKには不利。しかし、スピードと反射神経を武器に、08年は当時JFLのFC刈谷(愛知)で31試合、ゴールを守った。昨季は県大会など4試合に出場しただけだが、明るく気さくな性格でファンも多い。
今季は3人目のGK山本が加入。一つしかないポジション争いは厳しさを増した。飲食店でアルバイトしながらJリーグを目指す2人目のGKは「控えで終わるつもりはない。仲間の信頼を勝ち取るには、毎日の(練習の)積み重ねが大切」と繰り返した。
(山岡史明)
松本市の体育施設で4選手雇用  (2010年4月6日号より)
浅間温泉庭球公園をはじめ松本市営の体育施設6カ所が4月から、市の指定管理者に選定された市内4企業の共同事業体「トイボックス」の運営になった。サッカーの松本山雅FC(フットボールクラブ、同市)の4選手を契約職員で雇用して地域貢献をうたうほか、現在はできないインターネットによる各施設の利用申し込みにも順次対応する。
トイボックスが新たに管理・運営するのはほかに沢村軟式、開智、新村の各庭球場と美須々、南部の両屋内運動場。指定管理の期間は14年度までの5年間。
山雅FCの選手は週3−6日間の午後と夜、利用者の受け付けなどをするほか、幼児や小学生を対象に計画中のスポーツ教室にも参加する。鉄戸裕史選手(27)は「サッカーだけでなく仕事も経験し、利用者との出会いを通じて山雅の応援の輪を広げたい」。
トイボックスは総合建設業の松本土建、電気通信工事のアイネット、ビル管理のコンフォールと、1日から加わった設備工事のルピナ中部工業の各社が社員を派遣する、法人格を持たない事業体。
これまで県松本平広域公園(信州スカイパーク)や松本市のアルプス公園など、県と同市の計5施設の指定管理者になり、山雅FCの選手2人を雇用している。
山雅初勝利 JFL第3節  (2010年3月30日号より)
サッカーのJFL(日本フットボールリーグ)は27、28日、第3節の9試合を各地でした。今年からJFLに参戦している松本山雅FC(フットボールクラブ、松本市)は27日、横河武蔵野FC(東京)と東京・西が丘サッカー場で対戦し、終了間際に途中出場のMF今井昌太選手(上松町出身)が得点し、1−0で待望のJFL初勝利をもぎ取った。
敵地の試合には、松本平を含む県内外から山雅を応援するサポーターや観客約300人が来場。劇的なJFL初得点と初勝利を挙げた選手らと、喜びを分かち合った。
開幕から昨季の上位との対戦が続く山雅は、初戦(14日)で昨季5位のガイナーレ鳥取に0−3、続く2戦目(21日)も同3位のソニー仙台FCに0−2で負け、2連敗の苦しい状況で同2位の武蔵野と対戦した。今回の1勝は、Jリーグ入りの成績面の条件となる4位以内の目標に向け、大きな自信となる。
勝ち点3を得た山雅は、3試合を終えて18チーム中14位。次節は今季1度だけホーム試合を開催する飯田市松尾総合運動場で4月4日、昨季1位のSAGAWASHIGAFC(佐川急便)と対戦する。

後半残り10分を切ったところでピッチに送り出された今井選手が、チームにJFL初勝利をもたらす値千金のゴール。「とっさだった。よく覚えていない」と言いながらも、フリーでさらった球をしっかりとコースを狙ってシュート。駆け寄る仲間に押しつぶされ、グラウンドに倒れ込んだ。
昨季は主に、途中出場で試合の流れを味方に呼び込む「スーパーサブ」として活躍。今季はシーズン前の練習試合で左脚を痛め、通常の練習ができるようになったのは前週からと出遅れた。
しかし、「ベンチで見ていても、いい試合をしていた。あとは点を取るだけ」。与えられた短い時間の中で、自らの役割をきっちり果たした。
Jリーグを目指す山雅に加わり4年目。地元出身者は2人だけで、サポーターの声援はひときわ大きい。「JFLは一人一人のレベルが高く、試合運びもうまい。でも、うちも個々のレベルでは負けない」。その一員として、地元選手の誇りと寄せられる期待を胸に戦う。
(山岡史明、倉科美春)
執念の決勝ゴール  (2010年3月30日号より)
無得点で開幕2連敗し、JFLでの先行きに暗雲が垂れ込めた松本山雅FC。昨季2位の横河武蔵野FCとの対戦は互いに決定力を欠き、どちらに転んでもおかしくない展開だったが、最後までゴールを狙う姿勢が初勝利を呼び込んだ。
後半ロスタイムの決勝点は、DF鉄戸が素早く前線に送ったボールをMF石田が頭でつなぎ、FW小林が相手と競ってこぼれたところにMF今井が走り込んだ。
前半は序盤の武蔵野の攻勢をしのぐと、20分すぎから山雅のペース。FW木島が再三倒されてFKを得るが、23分にDF山崎が頭で合わせたシュートはバーを直撃。
後半も4分にMF木村が決定機を外すと、16分には両サイドの攻めから立て続けにシュートを放つが相手にはね返され、最後はGKがキャッチ。FW柿本は「(JFLは)相手の寄せが早いため、判断のスピードが問われる。フィニッシュの精度も上げないと」と、得点力不足に悩む攻撃陣の課題を代弁する。
しかし、2試合続けてPKを与えていた守備陣は立ち直った。連携で上回る相手にボールを回されたが、粘り強く守ってゴールを割らせず、GK原にも好セーブが戻った。
「負けると勝つでは次週への臨み方が違う。一つ勝ち、一つゴールを奪い、選手も自信が持てる」と吉沢監督。この1勝で弾みがつくかは、取り戻した堅守をどう得点に結び付けるかに懸かっている。

○…FW小林(古巣相手に後半途中から出場)「常に準備はできている。武蔵野は自分がいたころ(04−06年)とは選手もサッカーのスタイルも変わったが、負けたくない気持ちで臨んだ」
○…FW木島(再三の鋭い突破でチャンスをつくる)「相手の守備もよかったが、惜しいところを決めないと。あと一歩」
○…MF斎藤(守備力を買われて今季初先発)「危ない場所をつぶすことに専念した。やることははっきりしていた」

「沸き立つ歓声 サポーター300人喜び合い」
両チーム無得点のまま後半のロスタイムも3分以上が過ぎたその時、MF今井がペナルティーエリアから右足で放った鋭いシュートが左サイドネットを揺らした。その瞬間、松本平などから駆け付けた約300人のサポーターと観客は、両手を突き上げ「やった」と歓声を上げた。
松本に比べて日差しが暖かな敵地のスタジアム。サポーターは試合前から「今日こそ初勝利を」と、熱のこもった山雅コールを響かせた。
相手は昨季2位の格上。決定機を外すたびにスタンドからため息が漏れる。それでも「気持ちだ、1点放り込め」「あきらめるな、頑張れよ」と、最後まで選手を鼓舞し続けた。
3年前まで松本に住み、そのころから山雅を応援し続ける千葉県市川市の会社員山口尚久さん(47)は「引き分けで終わると思ったが、決めてくれた」と、友人や周りのサポーターとハイタッチ。待ちわびたJFL初ゴールの喜びを分かち合った。「次はこの喜びをホームで体験したい」と、連勝に期待を寄せた。
観客数で金利上乗せ 松本信金が応援定期  (2010年3月30日号より)
今松本信用金庫(松本市)は、サッカーJFL(日本フットボールリーグ)の松本山雅FC(フットボールクラブ、同市)を応援する「がんばれ!松本山雅FC定期預金」の取り扱いを始めた。8月末まで受け付ける。
総合球技場アルウィン(同市神林)などで催す山雅FCの今季ホームゲーム17戦の1試合当たり平均観客数に応じ、通常金利に0.01−0.1%上乗せする。山雅FCが来年、Jリーグ入りを果たした場合は、上乗せ分を2倍に。
預入期間1年のスーパー定期で、預入金額は10万円以上1000万円未満。集まった預金総額の0.01%相当額(上限100万円)を同金庫が負担し、チーム強化資金として山雅FCに寄付する。
預け入れ10万円ごとに、山雅FC選手全員のサイン入りユニホームかサッカーボールが20人ずつに当たる抽選権が1口付くほか、先着5000人にオリジナルポスターをプレゼントする。
同金庫の応援定期預金は昨年に続き2回目。前回は5億3900万円(556件)を集め、昨季のホーム試合平均観客数(3481人)により金利を0.04%上乗せした。
ホーム初戦飾れず  (2010年3月23日号より)
今年からサッカーの全国リーグ・JFL(日本フットボールリーグ)に参戦した松本山雅FC(フットボールクラブ、松本市)は21日、前期第2節でソニー仙台FCと同市神林の総合球技場アルウィンで対戦した。山雅にとって地元で試合するホームゲームの初戦。観客5496人が熱い声援を送ったが0−2で敗れ、開幕2連敗となった。
時折、雪が舞う天候にもかかわらず、アルウィンでは正午の開場前から、大勢のサポーターが入場を待つ列をつくった。
塩尻市洗馬の西沢幸子さん(67)は昨年夏、息子の勧めで初めて観戦。90歳の母親と一緒に来たこともあり、親子3代の山雅ファンだ。木曽町三岳出身の西沢さんは「(隣の上松町出身の)MF今井昌太選手の活躍とチームの初得点、初勝利を期待しています」。
サポーターの声援が響く中、試合は午後2時に始まった。山雅は、けがで開幕戦を欠場した主将のFW柿本倫明選手も先発したが、開始7分でPKを与えて先制を許すと、決め手を欠いたままリードされて前半を終えた。
長野市から駆けつけた宮沢英明さん(43)、拓馬君(12)親子は初めてアルウィンで観戦。4年前にサッカーを始めた拓馬君は柿本選手のファンといい、「PKは残念だったけど、攻めているので後半も頑張ってほしい」。
山雅は後半、今井ら攻撃的な選手を次々と入れて相手を攻め立て、何度もチャンスをつくったが得点できず、逆に37分に1点を追加された。
試合終了後、選手もメッセージを寄せた会場の掲示板に、「めざせ!Jしょうかく!(昇格)」と書き込んだ松本市里山辺の小島遼太郎君(8)は「悔しいけど、次は頑張ってほしい」。
山雅は第3節(27日)で、昨季2位の横河武蔵野FC(東京)と東京・西が丘サッカー場で対戦し、今季初勝利を目指す。
(山雅取材班)
守備のミス大きく  (2010年3月23日号より)
開幕戦でガイナーレ鳥取に完敗し、JFL上位のレベルの高さを知った松本山雅FC。昨季3位のソニー仙台FCをホームに迎えた2戦目も、早い時間にPKで失点。後半はほぼ一方的に攻めたが得点できず、終盤にダメ押し点を奪われ、2試合続けて無得点で敗れた。
ソニーの田端監督が「大きかった」と振り返った前半7分のPKは、クロスに合わせようとした相手を、DF玉林がつかんで倒した。Jリーグを含め、今季はゴール前の競り合いで、特に手を使った反則に厳しい判定が下されるようになった。
鳥取戦でも2つのPKを与えた守備について、吉沢監督は「判定うんぬんでなく、攻守の切り替えが遅いため、いい位置から(守りに)行けていない」。ミドルシュートを決められた2点目も、パスをカットされたのが原因。昨季後半の「堅守速攻」ができず、またも後手に回った。
鳥取戦から2トップを入れ替えた攻撃は、けがが癒えて先発したFW柿本が前線で的になり、FW木島やMF大西、MFで途中出場した石田らが再三ゴールに迫った。放ったシュートは相手の2倍以上の22。しかし、相手の体を張った守りや、シュートが味方に当たる不運もあり、ゴールを割れなかった。
「一人一人は必死に戦っているが、『自分が解決する』という意識が強過ぎる。思いがちぐはぐ」と、加藤ゼネラルマネジャー。選手個々の力は企業チームを上回るが、互いの持ち味を引き出す連携など、成熟度で劣った山雅。チームとして機能するには、もう少し時間がかかりそうだ。

○…FW柿本(今季初出場の主将)「してはいけない場所で、してはいけないミスが失点につながった。サイドからもっと簡単に中へ放り込む攻撃がほしい」
○…DF山崎(精力的に動き攻守に尽力)「鳥取戦のようにDFの背後を突かれるミスは修正できたが、前へのプレッシャーが足りなかった。前にもアプローチできるようにしていかなくては」
○…DF阿部(再三サイドを駆け上がりクロスを入れる)「攻めているのに点が取れない。自分たちが動けていない印象だった。今回も早い時間に先制され、無意識の焦りがあったかもしれない」

「ホーム初戦熱く楽しく」
今季のホーム初戦を迎えたアルウィン。試合を心待ちにしたサポーターや、JFL昇格を機に山雅に興味を持った人が訪れ、思い思いに観戦を楽しんだ。
山雅グッズの売り場は、試合開始2時間前から長蛇の列。タオルマフラーは用意した800枚が完売した。
「昨年の天皇杯で浦和レッズを破った山雅に興味を持った。一度試合を見たかった」と、松本市里山辺の柳沢一馬さん(20)と安曇野市明科の長橋佑弥さん(20)。タオルマフラーを買い、「首に巻いて応援する」と、気分を盛り上げた。
山雅のリーグ戦で初めてのシャトルバスは、松本駅前と山形村のアイシティ21から運行した。これまで同市新村の実家から自転車で来ていたという東京都の男性(21)は「電車で松本に着き、駅から直行できたので便利。次も利用したい」と、足早に入場口へ。
試合前は、選手のサイン会や入場口での出迎えもあり、来場者を喜ばせたほか、山雅のチームカラーにちなみ、緑色のパンで作ったホットドッグを売る店なども行列ができた。
友人の勧めで、初めて観戦した辰野町の女性(31)は「負けたのは残念だが、サポーターの熱気がすごくて楽しかった。選手の名前を覚えてまた来たい」と、興奮気味に話した。
(山雅取材班)
地域も熱く さあホーム開幕戦  (2010年3月20日号より)
さあ、ホーム開幕戦−。JFL(日本フットボールリーグ)の松本山雅FC(フットボールクラブ、松本市)は21日、総合球技場アルウィン(同市神林)に昨季3位のソニー仙台FCを迎え、地元での初戦に臨む。Jリーグへの道を一緒に歩もうと、地域も盛り上がってきた。
ガイナーレ鳥取と対戦したリーグ開幕戦(14日)は、敵地で0−3の完敗。いきなりJFLの洗礼を受けた山雅FCだが、「地元の後押しで勝たせよう」と、市民らも応援に力が入る。
サポーターはアルウィンに掲げる横断幕を新調。山雅FCのファンクラブ会員に料金割引などのサービスをする「サポートショップ」は、店頭にのぼり旗を立てた。試合当日にアルウィンに出店する飲食業者は、新メニューを考案している。
塩尻市出身の小松憲太選手(22)は「1敗したが、チームは一つになって戦おうとしている。応援してくれる人が多いほど、力になる」と、来場を呼び掛ける。
当日は午後0時開場、午後2時キックオフ。先着3000人にグッズのプレゼントがある。
JFL初勝利ならず  (2010年3月16日号より)
全国の社会人サッカー18チームが競う今季のJFL(日本フットボールリーグ)は14日、開幕した。各地で前期第1節の9試合をし、今季からJFLに昇格した松本山雅FC(フットボールクラブ、松本市)は、昨季5位のガイナーレ鳥取と鳥取市とりぎんバードスタジアムで対戦。0─3で敗れてJFL初戦を飾れなかった。
山雅はFW石田、MF須藤、MF本田、DF多々良の新加入4選手が先発したが、元日本代表のMF服部ら先発11人のうち9人を元プロ選手で占めた鳥取に、スピードとレベルの高い個人技で試合の主導権を握られて苦戦。
前半16分に、ゴール正面右で与えたFKのこぼれ球を決められ先制を許すと、37分にもマイボールを奪われ、止めようとしたDFが相手を倒し、PKを与えて2失点目。
後半に入っても鳥取の攻勢はやまず、6分に再びPKを与えて3失点。相手の運動量が落ちた終盤に反撃したが、ゴールが奪えなかった。
山雅の吉沢英生監督は「チャンスは少なかったが(攻撃面で)通用した部分もあった。現実を受け止め、次の試合に向けて修正したい」と話した。
鳥取は山雅と同様、市民や企業の後押しでプロサッカーのJリーグ入りを目指すクラブで、試合には4523人が来場。山雅サポーターは約400人が自家用車やバスなどで8時間余りかかる会場に駆け付け、JFL初戦に臨む選手に声援を送った。
山雅と同時にJFLに昇格した栃木ウーヴァFC(日立栃木ウーヴァから改称)は昨季3位のソニー仙台FCと0─0の引き分け。ツエーゲン金沢は昨季2位の横河武蔵野FC(東京)に2─3で敗れた。
松本市神林の総合球技場アルウィン(松本市神林)で山雅が試合するホームゲームの初戦は21日。相手はソニー仙台FCで、キックオフは午後2時。
(山岡史明・長岩将弘)
鳥取に完敗 レベルの違い知る  (2010年3月16日号より)
JFL初戦に臨んだ松本山雅FCは、同じJリーグ準加盟クラブで一昨季、昨季と、あと一歩でJリーグ入りを逃しているガイナーレ鳥取に完敗。試金石となる試合で、昨季まで戦った地域リーグとのレベルの違いを思い知らされた。
鳥取の松田監督が「(山雅の)ボールが出る所に圧力をかけ、よいプレーをさせなかった」と話す通り、山雅は鳥取の素早い寄せにボールを失う場面が目立ち、瞬時にゴール前まで迫る相手のスピードに、守りが後手に回った。
1点目はゴールを直接狙った相手のFKを、GK原が弾いたところに相手がいて、逆サイドに折り返されたやや不運な失点。しかし、吉沢監督が「与えてはいけない点。痛かった」と嘆いた2点目のPKは、MF本田がボールを奪われ、ペナルティーエリアまで独走した相手をDF多々良が倒した。
続く3点目も、多々良が焦ってボールを奪いに行ってのPK。敵味方のサポーターが送る大音量の声援に、戸惑った大卒の新人は「声が通らず、連携が十分でなかった」と唇をかんだ。
もくろんだ堅守が崩れたため、攻め手も失った。相手の運動量が落ちた後半途中からは、両サイドを使った攻撃が機能したが、相手GKの好守もあり、再三のミドルシュートも枠を外れた。シュート10本は鳥取より2本少ないだけだが、ゴールを脅かした回数は少なかった。
北信越リーグとの違いを問われた吉沢監督は「一つの判断の遅れが致命傷になる。遅れることで、自分たちの良さも消える」と、苦いデビュー戦を振り返った。しかし、個々の力と経験値でJFL屈指の鳥取にたたきのめされたことで「何が足りないか」を知ったなら、完敗も無駄ではない。
けがで欠場のFW柿本に代わり、ゲーム主将を務めたMF北村は「大事なのは負けた後。今季が終わった時に『価値ある初戦だった』と言えるようにしたい」と前を向いた。リーグは残り33試合で11月までの長丁場。まだ、挽回(ばんかい)の余地はある。
JFL14日開幕 Jへの挑戦「最終章」  (2010年3月11日号より)
社会人サッカーの第12回JFL(日本フットボールリーグ)は14日、開幕する。北信越リーグから今季、全国リーグのJFLに昇格した松本山雅FC(フットボールクラブ)は、さらに一段階上のJリーグ(日本プロサッカーリーグ)入りを目指し、成績面での条件となる4位以内を目標にシーズンに臨む。8カ月に及ぶ長丁場、全国各地への遠征など、これまで以上に体力が求められる戦場で、山雅のJへの挑戦「最終章」が始まる。
今季は元Jリーグ選手や大卒新人など10人が新加入。ベストの状態で開幕を迎えられるよう、初の合宿を組んで選手個々の調子を上げ、連携などチームづくりも急いだ。
大黒柱のFW柿本が故障で開幕に間に合わないのは痛いが、シーズン前の練習試合は大学勢やJリーグの2軍などと9戦して7勝1分け1敗。全試合で得点しており、新戦力がかみ合っている。
一方、昨季の後半から目立ってよくなった守備は、「先に点をやらない。失点しても2点目をやらない」(吉沢監督)意識を徹底。全員で守って攻撃につなげる戦い方は、上位リーグでも変わらない。
山雅と同様にJリーグ入りを目指す鳥取、町田、長崎などが戦力的にもライバルだが、選手の結束が固い企業チームも、Jへの「壁」となって立ちはだかりそう。1年目で突き破れるかは、選手とクラブが同じ目標に向かい、それぞれのベストを尽くせるかに懸かっている。
(山岡史明)
名古屋グランパス2軍破る 開幕前最後の練習試合  (2010年3月9日号より)
サッカーJFLの松本山雅FCは7日、リーグ開幕(14日)に向けて最後の練習試合をした。Jリーグ1部名古屋グランパスの2軍と愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで対戦し、3−2で勝って2月から9戦した練習試合を締めくくった。
前後半45分ずつ。前半13分、元日本代表MF三都主がFKを直接決めて名古屋が先制したが、山雅は21分、MF本田のクロスをFW石田が頭で決めて前半は1−1。
山雅は後半から入ったFW木島が8分、CKから続いた攻勢の中で得点。35分にCKを頭で決められ追い付かれたが、2分後にMF北村を起点にカウンターを仕掛け、石田の右クロスをゴール前に詰めたMF大西が決めて再び勝ち越した。
この日は25人いる選手のうち14人だけで遠征し、開幕戦を想定した布陣。石田、大西、北村ら攻撃陣の動きのよさが目立ったほか、攻守の切り替え役はボランチ須藤が担った。
得点はいずれも流れの中から奪ったが、FKとCKで失点。練習試合を通じてセットプレーでの失点が目立った。吉沢監督は「集中すれば守り切れるはず」と注文を付け、開幕戦の目標を「無失点で終えること」とした。
(山岡史明)
練習試合で琉球と引き分け 初のキャンプ終了  (2010年3月2日号より)
サッカーJFLの松本山雅FCは2月22−26日、静岡県御殿場市でチーム初のキャンプをした。最終日は同じJFLのFC琉球(沖縄)と練習試合をし、初のJFLチームとの対戦は2−2で引き分けた。
激しい風雨のため、主力同士の前後半45分ずつの後に予定した30分を取りやめ、両チームとも後半途中でほぼ全員を入れ替えた。
山雅は前半25分、FW柿本がゴール前で相手DFと競ってこぼれたボールに、走り込んだFW石田がシュートして先制したが、36分に同点とされた。
後半は再三のCKで得点できず、逆に22分、CKを直接ゴールに決められリードされたが、30分にゴール前でボールを受けたFW小林がDFをかわし、シュートを決めて追い付いた。
JFLは14日に開幕。山雅は1週前にJリーグ1部の名古屋グランパスなどとの練習試合を予定し、ガイナーレ鳥取との開幕戦(鳥取市とりぎんバードスタジアム)に備える。

初の県外合宿を打ち上げた山雅。同じ会場で合宿していた琉球との練習試合は最悪の天候で「成果は確認できなかった」(吉沢監督)が、この日を除けば好天続きで、練習は順調にこなした。開幕に向け、選手の布陣もほぼ固まりつつある。
2失点はともにGKの判断ミス。DF山崎は「前でボールを奪うため、昨季よりラインを押し上げている。後ろをカバーするGKとの連携がいまひとつ」とし、吉沢監督も「ミスによる失点は味方のやる気をそぐ」と、渋い表情だ。
だが、合宿の狙いは連携の向上や戦術の習熟だけではない。「一つ屋根の下で同じ釜の飯を食い、サッカーに関する意識を共有できた」と主将の柿本。
個々のレベルで他チームを上回りながら、過去2季のリーグで結果を出せなかったのは、選手間の意思疎通を欠いたから。昨季はリーグ4位に終わったのを機に、チームが一つにまとまった。
JFLに上がっても、元プロもいれば大卒の新人もいるチームの構成は変わらず、新たに10選手が加入してポジション争いも激しい。それだけに、戦いを前に互いを理解し合い、同じ方向を向けたのは大きな収穫だったはずだ。
(山岡史明)
新戦力紹介5 DF大島翼・MF小松憲太  (2010年3月2日号より)
DF大島翼(26)は、J2(Jリーグ2部)ファジアーノ岡山から移籍。「もう一度Jでプレーしたい」と、上を目指す山雅を選んだ。
筑波大2年まではFWだったが、体の強さを見込まれDFに転向。3季在籍した岡山ではDF玉林睦実と共にプレーし、中国リーグからJFL昇格(08年)とJ2入り(09年)に貢献。昨季は22試合に出場して2点を挙げた。
「当たり負けはしない」と自信を見せる強靱(きょうじん)な体に加え、闘志を押し出す堅い守りが持ち味。攻撃の意識も高い。岡山の退団が決まり、一時は引退も考えたというが、「チャンスをくれた山雅に感謝している。その気持ちをピッチで表現し、J2入りを果たす」と、決意をにじませる。
MF小松憲太(22)は塩尻市出身。MF今井昌太(上松町出身)に続く二人目の地元選手だ。
広陵中から武蔵工大二高(現・都市大塩尻高)に進み、主将を務めた3年時(05年)はインターハイに出場した。
東海学園大(愛知)では、大学がサッカー部の強化に乗り出した時期と重なり、1年時から主将に。東海大学リーグ3部だったチームを2部(07年)、1部(08年)へ押し上げ、4年時(09年)には総理大臣杯全日本大学トーナメント出場も果たした。
最大の武器は豊富な運動量。労を惜しまず攻守にピッチを駆け回る。「世話になった人たちに見てもらうのが恩返し。地元出身者が『これだけやれる』というところを見せ、子どもたちに夢を与えたい」と、力を込める。

【おおしま・つばさ】埼玉県出身。伊奈総合学園高−筑波大−ヴァンフォーレ甲府−ファジアーノ岡山。Jリーグ出場22試合2得点。JFL出場4試合。178センチ、80キロ。

【こまつ・けんた】塩尻市大門出身。桔梗小─広陵中─武蔵工大二高(現・都市大塩尻高)─東海学園大。173センチ、68キロ。
テレビ松本が山雅専門チャンネル  (2010年2月27日号より)
テレビ松本ケーブルビジョン(松本市里山辺、佐藤浩市社長)は3月から「松本山雅チャンネル」の放送を始める。サッカーJFL(日本フットボールリーグ)の松本山雅FC(フットボールクラブ)に関する番組だけを集めたチャンネル。単独チームの専門チャンネルはJFLやプロのJリーグを含めても全国初。応援する市民の要望に応えて今季のリーグ全34試合など「朝から晩まで山雅の話題」を流し、Jリーグ入りを後押しする。
今季のJFLが開幕する3月14日に放送スタート。主に土、日曜にある山雅FCの試合を、総合球技場アルウィン(同市神林)でするホーム試合は生中継か、録画の場合は当日夜に、県外のアウェー(敵地)試合は録画で次の水曜夜にそれぞれ放映。再放送も数回する。
ほかに▽選手紹介や応援イベントなどの情報▽市民の山雅FCへの応援メッセージ▽サポーター「ウルトラスマツモト」の応援歌特集▽北信越リーグ時代の山雅FCの試合−などの番組を放映。希望する県内他地域のCATVにも順次、番組を提供していく。
3月は開設記念の特別番組で、山雅FCの吉沢英生監督や柿本倫明主将らが今季の展望などを話し合う座談会や、山雅FCがJリーグを目指す底流になった、02年の日韓ワールドカップ・パラグアイ代表の松本キャンプと、市民との交流の模様なども放映する。
テレビ松本と契約し、デジタルチューナーを利用している約1万2000世帯で見ることができる。テレビ放送の完全デジタル化(11年7月)に向け、同社が4月から始めるチューナーの月額料金無料レンタルにより、視聴できる世帯は順次、増えるという。
24日に総務省からチャンネル開設の認可を受け、25日に山雅FCの運営団体、NPO法人アルウィンスポーツプロジェクト(ASP)の大月弘士理事長が同席して発表した。
テレビ松本はこれまでも、県外での試合を含め、山雅FCの番組を熱心に放映してきた。佐藤社長は「市民が今、最も関心を持っているのが山雅FC。応援する市民の感情に応えるのが、地域のCATVの使命」と話した。
(山岡史明)
監督・選手らが旭町中で講演  (2010年2月25日号より)
松本市旭3の旭町中学校はこのほど、Jリーグ入りを目指す松本山雅FC(フットボールクラブ、同市)の吉沢英生監督(37)と柿本倫明主将(32)ら3選手の講演会を開いた。4人は「夢の実現に向けて今、中学生に求められること」をテーマに、全校生徒約360人に経験などを話した。
エースストライカーの柿本主将は大学卒業後にJリーガーになった。周りがうまい選手ばかりで壁にぶつかり、「誰にも負けない武器をつくろうと、ずっとヘディングの練習をしたのが今、役立っている」と明かした。
「プロになれる選手とそうでない選手の違いは」と質問された吉沢監督は「当たり前のことをきちんとできるのがプロへの第一歩」と話した。上松町出身の今井昌太選手(25)と、今年入団した塩尻市出身の小松憲太選手(22)も、中学時代の思い出などを話した。
長野銀行が松本山雅FC応援定期預金  (2010年2月25日号より)
長野銀行(松本市)は3月1日から、サッカーJFL(日本フットボールリーグ)の松本山雅FC(フットボールクラブ、同市)を応援する定期預金の取り扱いを始める。集まった預金総額の0・02%相当額(上限200万円)を同行が負担し、運営資金として山雅FCに寄付する。
「松本山雅FC応援定期預金」は、預入期間1年のスーパー定期。預入金額は10万円以上1000万円未満。通常金利に年0・08%を上乗せする。受け付け5月末まで。
預け入れ300万円ごとに山雅FCのユニホームなどが当たる抽選権が1口付くほか、預金者全員に預入金額に応じてタオルマフラーなど山雅FCのグッズをプレゼントする。
同行は今年、創立60周年に合わせて山雅FCの大口スポンサーの1社になり、ユニホームの背中に社名が入る。
新戦力紹介C FW石田祐樹 FW木島徹也  (2010年2月23日号より)
J2(Jリーグ2部)徳島ヴォルティスから移籍のFW石田祐樹(29)は大学卒業の後、一貫してJ2でプレーし、200試合近い豊富な経験を持つ。湘南ベルマーレ時代(03−05年)は、FW柿本倫明とチームメートだった。
道都大(北海道)4年時(02年)に全日本大学選抜に選ばれ、デンソーカップの日韓大学対抗戦に出場。ゴールを挙げている。
当たり負けしない強靱(きょうじん)な体が売りで、長身から繰り出すヘディングも武器。練習試合でも存在感を見せている。
徳島では主力として活躍し、昨季はリーグ戦49試合に出場、7得点した。徳島の退団が決まったときは引退も考えたというが、「自分を必要としてくれた山雅に感謝している。全力を尽くし、気持ちに応える」と、力を込める。
FW木島徹也(26)は、在籍していた九州リーグの沖縄かりゆしFCが昨季いっぱいで解散。「上のカテゴリーで自分を磨きたい」と、山雅を選んだ。
FC岐阜(現J2)とMIOびわこ草津でJFLのプレー経験も。山雅と同じJ準加盟クラブのFC町田ゼルビア(東京)には、兄のFW木島良輔が所属。兄弟でも昇格を競う。
ドリブルが得意で、持ち前のスピードを生かした突破力が強み。キック力があり、ミドルシュートにも自信を見せる。「1年でJ昇格が目標。チームに貢献できるなら何でもやる」と、闘志を燃やす。

【いしだ・ゆうき】北海道出身。札幌白石高校−道都大学−湘南ベルマーレ−徳島ヴォルティス。Jリーグ出場193試合22得点。178センチ、73キロ。

【きじま・てつや】千葉県出身。帝京高校−佐川急便東京SC−沖縄かりゆしFC−TDKSC−かりゆし−FC岐阜−MIOびわこ草津−かりゆし。JFL出場25試合3得点。177センチ、72キロ。
Jリーグ理事会 準加盟を承認  (2010年2月18日号より)
サッカーJFL(日本フットボールリーグ)に昇格した松本山雅FC(フットボールクラブ、松本市)のJリーグ準加盟が16日、都内で開いたJリーグ理事会で承認された。今季、運営組織の株式会社化やJFL4位以内の成績などの入会要件を満たすと、最短で来季のJリーグ2部入りが可能になる。
準加盟はJリーグ入会条件の一つ。拠点を置く自治体がJリーグ入りを応援する姿勢を文書で示している−など、一定の要件を満たしたクラブを同リーグが認定し、入会に向けて指導や助言をする。
JFLの準加盟クラブはガイナーレ鳥取、町田ゼルビア(東京)、V・ファーレン長崎に続き四つ目。理事会では、神奈川県リーグ1部のSC相模原の準加盟も承認された。
今年からJリーグの一段階下のJFLに参戦する山雅は、1月上旬に準加盟を申請。Jリーグ側は、ホーム競技場アルウィン(同市神林)の視察やクラブ運営状況の聞き取りなどをしていた。
山雅のJリーグ入りには▽ホーム1試合当たりの平均観客数3000人以上▽入会前年の年間事業収入が1億5000万円程度−なども必要。来季の入会可否は6月末申請の予備審査、9月末の入会申請を経て、JFL順位確定後の12月のJリーグ理事会で決まる。
(山岡史明)
新戦力紹介B DF多々良敦斗  DF佐藤由将  (2010年2月16日号より)
DF多々良敦斗(22)は清水東高で2年時からレギュラー。同学年に日本代表DF内田篤人(鹿島アントラーズ)がおり、3年時(05年)は共に国体の静岡県選抜に選ばれた。
昨年は静岡産業大の主将としてチームをけん引。東海大学リーグのベストイレブンにも選ばれた。
当初はボランチだったが、大学2年時にセンターバックに転向。高いヘディングと堅実な守りで、「点を取らせないのが自分の役目」と言い切る。前方への正確なパスや展開力を備え、攻撃の起点となる役割も見込まれる。
DF佐藤由将(22)は横浜Mユース時代、1歳下のFW木村勝太と共にプレーした。高校3年時(05年)には主将としてチームを率い、日本クラブユース(U−18)選手権で2位、Jリーグユース選手権で4強入りした。
国士舘大では度々けがに泣いたが、3年時(08年)には天皇杯4回戦のJ1鹿島戦に出場。PK戦に持ち込み、Jリーグ王者を苦しめた。昨年は副主将を務め、チームをまとめた。
広い視野とリーダーシップで守備陣を統率し、相手のパスコースを読んでピンチを未然に防ぐ。
「山雅でプレーできることを誇りに思う。少しでもチームに貢献できるよう、全力を尽くす」と決意をにじませる。

【たたら・あつと】静岡県出身。清水東高−静岡産業大。180センチ、72キロ。

【さとう・よしのぶ】神奈川県出身。横浜Mユース−国士舘大。177センチ、70キロ。
「最短でJ」目指し 今秋にも株式会社設立  (2010年2月9日号より)
プロサッカーのJリーグ入りを目標に、今年から全国リーグ、JFL(日本フットボールリーグ)で戦う松本山雅FC(フットボールクラブ、松本市)は7日、今季の体制を発表した。来年、Jリーグに参入するためには、JFL4位以内の成績と、クラブを運営する株式会社の設立が必要。最短でのJリーグ参入を目指し、チームと組織の両面で強化に取り組む。
今季のチームは3年目の吉沢英生監督(37)の下、これまでに元Jリーグ選手5人を含む10選手が新たに加入。今後も成長が見込める若手主体の補強で、昨季から残る15選手と合わせて現在25人。チーム初のキャンプ(今月22−26日・静岡県御殿場市)もする。
7日に発表した、ユニホームに社名が入る大口スポンサーは、エプソン販売、長野銀行、キッセイ薬品工業、信濃毎日新聞社の4社。
山雅を運営するNPO法人アルウィンスポーツプロジェクト(ASP)は、今季の運営費を1億8000万円(昨季1億2000万円)と見込み、このうち1億4000万円を企業スポンサーによる協賛金収入で、残りを入場料やグッズ販売などの事業収入で賄う計画だ。
JFLに昇格した今年は、100万−200万円の協賛金を寄せる企業が増え、1億2000万円分のめどが立ったという。
また、来季からJリーグに参入するには、運営組織の株式会社化も必須。Jリーグの入会申請は9月末だが、その予備審査を申し込む6月末までに、社長や株主構成が決まっていなければならない。
ASPの大月弘士理事長(44)は「社長は4月中に選任したい。運営会社は資本金1億円で、10月1日発足」と計画を説明。地元企業や行政に出資を呼び掛けるほか、「サポーターなどが個人で出資できる『持ち株会』的な組織をつくることも検討している」と話した。
県松本文化会館で開いた発表会には、サポーターなど約500人が来場。会場ではファンクラブ「ガンズサポート会員」の入会受け付けや、ホーム17試合を観戦できるシーズン入場券も販売し、ユニホーム販売の予約には、この日だけで約300着の申し込みがあった。
今季のJFLは3月14日に開幕し、山雅は昨季5位のガイナーレ鳥取と、鳥取市とりぎんバードスタジアムで対戦する。総合球技場アルウィン(松本市神林)での初戦は3月21日で、相手は昨季3位のソニー仙台FC。3戦目以降の全日程は25日に発表される。
(山岡史明)
新戦力紹介A GK山本剛・MF本田真吾  (2010年2月9日号より)
FC刈谷(愛知、JFLから今季東海リーグに降格)から移籍のGK山本剛(25)は、中京大4年時に総理大臣杯全日本大学トーナメントで4強入り。2季在籍したMi−OびわこKusatsu(08年よりMIOびわこ草津)では、関西リーグからJFLへの昇格も経験した。
刈谷で昨季、正GKとしてJFL全34試合に出場。後期はゲームキャプテンを務め、昨年9月の天皇杯1回戦では山雅とも対戦している。
長身を生かした高いボールの処理に加え、DF後方のカバーリングなど、守備範囲の広さが強み。GKはチーム3人目で、ポジション争いは激しいが「開幕スタメンと全試合出場を目指す」。
MF本田真吾(22)は昨季、北信越リーグ1部優勝のJAPANサッカーカレッジ(JSC)でプレー。「少しでも上のカテゴリーで」と、山雅に移った。
熊本の強豪、大津高2、3年時に全国高校選手権に出場。3年時は県国体選抜に選ばれ、J2アビスパ福岡で公式戦にも出た07年は、U−20(20歳以下)日本代表候補にもなった。
福岡時代はけがもあり、思うような結果を残せなかったが、JSCでは主力として活躍。山雅を下した試合で決勝点をアシストした。
DFとFWをつなぐコミュニケーション能力や視野の広さなど、展開力が持ち味。鋭い飛び出しからのミドルシュートも武器だ。「攻守でチームに貢献し、結果を出す」と、決意をにじませる。

【やまもと・ごう】富山県出身。富山第一高−中京大−MIOびわこ草津−FC刈谷。JFL出場43試合。188センチ、85キロ。

【ほんだ・しんご】熊本県出身。大津高校−アビスパ福岡−JAPANサッカーカレッジ。Jリーグ出場4試合、JFL出場13試合1得点。174センチ、72キロ。
(長岩将弘)
新戦力紹介@ MF須藤右介・DF玉林睦実  (2010年2月2日号より)
今季からサッカーの全国リーグJFL(日本フットボールリーグ)で戦う松本山雅FCに、新たに9選手が加わった。FW、MF、DF、GKと、すべてのポジションを満遍なく補強。厳しさを増すであろうシーズンに向け、昨季から残る15選手をベースに、戦力に厚みを持たせた。3季目の吉沢英生監督(37)の下、目標のJリーグ2部(J2)昇格に向け、3月14日の開幕戦に臨む。

J2横浜FCから移籍のMF須藤右介(23)は、05−07年はJリーグ1部(J1)の名古屋グランパスに在籍し、計22試合に出場。これまで山雅に在籍した選手で、J1経験が最も豊富だ。
高校3年時に、Jリーグユース選手権で4強入り。昨季は横浜でレギュラーとして定着し、29試合に出場したが、「上を目指す環境で自分も成長したい」と、山雅へ。
本職はボランチだが、名古屋ではセンターバック、横浜ではサイドハーフでプレーしたことも。強靱(きょうじん)な身体と高さで相手への当たりが強く、正確なトラップやクロスで、得点につながるボールを供給する。
「山雅の選手のレベルは高い。強い気持ちを持って一つにまとまれば、1年で昇格も難しくない」と、力を込める。
DF玉林睦実(25)は、昨季までJ2ファジアーノ岡山に在籍。07年中国リーグ、08年JFL、09年J2と、チームの順調な昇格を支えた。中国リーグでは、シーズン途中にけがを負いながら5得点。JFLでは27試合、J2では21試合に出場した。
山雅で起用が見込まれる右サイドバックのほか、岡山で主にプレーしたボランチ、サイドハーフもこなす。ドリブルも得意で、1対1の球際の強さも持ち味だ。「泥くさくボールを追い、攻撃にも積極的に絡む」と、意欲を見せる。

【すどう・ゆうすけ】東京都出身。東京ヴェルディユース−名古屋グランパス−横浜FC。Jリーグ出場60試合。183センチ、78キロ。

【たまばやし・むつみ】愛媛県出身。南宇和高−吉備国際大−ファジアーノ岡山。Jリーグ出場21試合。JFL出場27試合1得点。178センチ、75キロ。
(長岩将弘)
Jへ向けスタート 今季の初練習  (2010年1月21日号より)
今年からサッカーの全国リーグJFL(日本フットボールリーグ)で戦う松本山雅FC(フットボールクラブ)は20日、今季の練習を始めた。昨季から残る15選手と今季新入団の7選手のうち計19人が集まり、Jリーグ昇格に向けて始動した。
チーム練習はおよそ1カ月半ぶり。信州スカイパーク(松本市)の外周約9キロをランニングし、軽めの調整で汗を流した。
東海学園大(愛知県みよし市)のMF小松憲太選手(22、塩尻市広陵中−武蔵工大二高=現・都市大塩尻高=出)ら、新入団4選手も初日から練習に参加。吉沢英生監督(37)は「選手全員と話したが、皆いい顔をしている。上位といわず、優勝を目指す」と力を込めた。
JFLは3月14日に開幕し、山雅は初戦で昨季5位のガイナーレ鳥取と敵地で対戦する。21日から市内のグラウンドで練習し、2月6日の拓殖大を皮切りに練習試合を重ね、2月下旬に静岡県内で1週間ほどのキャンプも計画している。
もっと上へ JFL初シーズン  (2010年1月3日号より)
さあ、新たなキックオフ−。プロサッカーのJリーグ入りを目指す松本山雅FC(フットボールクラブ、松本市)は今年、北信越リーグからJリーグの1段階下の全国リーグ、JFL(日本フットボールリーグ)に昇格する。クラブの運営体制が整うのが条件だが、今季の成績次第で来年にも目標のJリーグに手が届く。
山雅を運営するNPO法人アルウィンスポーツプロジェクト(ASP、大月弘士理事長)は10日までに、Jリーグに準加盟を申請する。準加盟クラブとして認められ、かつJFLで上位(07年以降は4位以内)の成績を収めると、来季Jリーグ2部(J2)に参入できる。
申請に必要な「本拠地を置く自治体の応援(文書)」も、JFL昇格を受けて松本市が支援の姿勢を表明。
当面の課題は運営組織ASPの株式会社化だ。Jリーグは「クラブの保有組織は公益法人または株式会社」と規定。NPO法人のままでも準加盟は可能だが、正式加盟に向けて予備審査を受ける秋までに株式会社になっていないと、次のシーズンのJ2入りは不可能だ。
懸案の社長は「地元有力企業の役員経験者がふさわしい」(大月理事長)とし、打診もしているが、候補者は見つかっていない。

チームを指揮する3年目の吉沢英生監督(37)は、ホンダFC(本田技研工業)の選手、監督としてJFL優勝を経験しており、慣れ親しんだリーグで、その手腕にいっそう期待が懸かる。
選手は昨季終了時の23人のうち、これまでに10人近くが戦力外などで退団。昨季の主力をベースに補強し、20人強でスタートする見込み。1月中旬からトレーニングを始め、3月半ばの開幕に備える。

【JFLとは】
JFLは日本フットボールリーグ(=JAPANFOOTBALLLEAGUE)の略称。国内サッカー界でJリーグ(=日本プロサッカーリーグ)の下、北信越など9地域リーグの上に位置する、アマチュア最上位の全国リーグ。チーム数は18。
企業やクラブ、大学チームが混在し、すべてがJリーグを目指しているわけではない。Jリーグ入りの意志があるのはガイナーレ鳥取、町田ゼルビア、V・ファーレン長崎の準加盟3クラブと、FC琉球、ブラウブリッツ秋田(旧TDKSC)、山雅、ツエーゲン金沢など数クラブだ。
◆大会方式
例年3月中旬に開幕し、11月末ころまでの長丁場。ホーム&アウェー方式の総当たり2回戦(本拠地と敵地で1試合ずつ)。各チーム34試合の勝ち点(勝ち3、引き分け1、負け0)の合計で順位を決める(勝ち点が並んだ場合は得失点差)。
昨年優勝のSAGAWASHIGAFC(佐川急便滋賀)は勝ち点66(19勝9分け6敗)。最下位の三菱水島FC(三菱自動車水島、昨季で退会)は勝ち点18(4勝6分け24敗)だった。
◆地域リーグとの入れ替え
例年の規定だと17、18位は翌年、地域リーグに降格。全国地域リーグ決勝大会1、2位と入れ替わる。16位は同大会3位と入れ替え戦。
ただし、JFLからJ2に加盟するチームがある場合は、18チームを維持するため降格チームを減らしたり、決勝大会3位が入れ替え戦なしで昇格したりする。
◆入場料
ホーム試合の入場料は各クラブが設定。当日大人800−2000円、小中学生は多くが500円ほど。半数近くのクラブが割安なシーズン券(ホーム17試合分)を設定している。山雅も高校生以上600円だった入場料を値上げし、無料だった小中学生も有料にする見通し。
(山岡史明)


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