2017年バックナンバー


試合日程・結果

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プレーオフ進出かけ19日ホームで運命の最終節   (2017年11月16日号より)
全42節のJ2は残り1節。41節で引き分けた山雅は、5位からJ1昇格プレーオフ(PO)進出圏(3〜6位)外の7位に後退したが、最終節の対戦の組み合わせにより、アルウィンでの京都との一戦に勝てば、自力でPO進出を決められる状況だ。最終節は19日午後4時、全11試合が一斉にキックオフされる。
J2上位はこれまでに、来季J1に自動昇格する1位が湘南、2位は長崎に決まった。最後の昇格1枠を争うプレーオフ進出チームは、3、4位は福岡か名古屋で最終節に順位が確定。激烈なのは5、6位争いで、山雅を含む4チームに可能性がある。
山雅は最終節で京都に勝って勝ち点69とすれば、最終6位以上が決まる。最終節で直接対戦する5位徳島と6位東京Vが引き分ければ、両者の勝ち点は68で山雅が最終5位。勝敗が付けばどちらかが70に達し、山雅は同6位に。
引き分けて勝ち点67にとどまった場合、得失点差で山雅に及ばない東京Vが敗れ(または徳島が11点差以上で敗れ)、かつ8位千葉に勝ち点で上回られなければ、最終6位が確保できる。
京都に敗れると、千葉と9位横浜FCの対戦で千葉が勝てば山雅は最終8位、横浜FCが勝てば山雅と勝ち点で並び得失点差の争い、両者が引き分ければ同7位で、いずれもPO進出を逃す。

最終節で対戦する京都は今季、一度も一桁順位になっておらず低迷したが、直近は41節で東京Vに敗れるまで9試合負けなし(4勝5分け)と上昇気配で現在12位。足の不調で38節以降ベンチを外れていた攻守の要・田中マルクス闘莉王も、41節で復帰し途中出場した。
今季一巡目のアウェーでの対戦(9節・4月22日)は後半、闘莉王に先制されたが、飯田のゴールで追い付き1−1で引き分けた。Jでの対戦の通算は4勝5分けと山雅は一度も負けておらず、分のいい相手だ。
徳島と東京Vは、ともに直近5試合を3勝1分け1敗と好調。今季開幕戦では徳島が1−0で勝ったが、ほぼ1シーズンを経ての再戦はどうか。
千葉は9節で横浜FCに0−4で完敗しているが、現在は6連勝中。41節は名古屋を3−0で圧倒した。すでにPO進出の可能性がない相手を勢いで上回りそうだ。
反町監督は12日の取材で、シーズンをマラソンにたとえ「競技場に入ってきて、ゴールが見えたところでリタイア(するチーム)が多くなってきた。残り(トラック1周分の)400メートルをどう走り切るか」と、最終節に向けた1週間をにらんだ。
(長岩将弘)
J2第41節 福岡と敵地でドロー   (2017年11月16日号より)
J2第41節は11、12日に各地で行い、5位の山雅は11日、4位福岡と敵地で対戦し、1−1で引き分けた。
山雅は前半、多くのセットプレーも得て攻撃の形をつくったが、相手の堅守に阻まれ続けると逆に42分、自陣右からのクロスを中央で合わせられて失点。
後半は押し込まれる時間が続いたが39分、途中出場のセルジーニョがかかとで後方にパスを出し、これを受けたパウリーニョがミドルシュートを決めて追い付いた。
(長岩将弘)
「楽しさ」を成長に U−15今季の戦い 増本監督に聞く   (2017年11月9日号より)
昨季県リーグを制し、今季初めて北信越リーグ2部で戦ったU−15(15歳以下、中学年代)チーム。8チーム中6位に終わったが各県リーグ上位との入れ替え戦(3日)に勝ち、来季の残留を決めた。今季コーチとして加入し、夏から監督としてチームを指揮する増本浩平さん(35)に、今季の収穫や課題、育成の手応えなどを聞いた。
−今季の結果について。収穫や課題は。
(北信越2部の)チーム間の力の差はそれほどなく、もう少し上位に行きたかった。ただ、おとなしく打たれ弱い印象があったシーズン前と比べ、厳しいリーグ戦を通じて選手たちは心身両面でタフになった。
技術的にはまだ全く足りない。ボールを止める、蹴る、運ぶといった基礎的な技術は、試合中のどんな場面でどう使うかということとリンクさせ、もっと質を高めなくては。
−U-15を1シーズン担当した手応えは。
意識づけを含めて特に気持ちの面で、高校年代よりきめ細かい指導が必要と感じる。心身両面が大きく変化する年頃にセレクションで入ってきて「Jの下部組織」として結果が求められ、さらにレギュラー争いやユース(U−18)昇格というふるいにかけられる。
「楽しい」だけではない部分とも向き合わさせなければならないが、サッカーが嫌いになっては元も子もない。その兼ね合いが難しい。1人1人と密にコミュニケーションを取るよう心掛けている。
−クラブは育成組織からのいち早いプロの輩出を目指している。
「楽しさ」は成長の源泉。例えば選手は「このタイミングに、この角度で、こういうパスを決められたら」というように、楽しみの質を上げてほしい。「サッカーは遊び」と言われればそれまでだが、必死に取り組むことで将来、遊びでなくなる可能性がある。
「光るものはあるが(トップチームで)最大限に生かせるか」と迷う選手は、トップに上げないこともあり得る。近年は大学で成長し、育成年代を過ごしたクラブに戻ってプロ入りする選手も増えた。将来を見据えた指導をすることが育成だと思う。
−来季の目標は。
より厳しい環境に身を置くために1部昇格を目指す。2部はチームが入れ替わり、来季は顔ぶれががらりと変わる。どういう戦いになるかまだ見通せないが、それよりも自分たちのプレーとどう向き合うかが大事だ。

【ますもと・こうへい】
1982年、神奈川県生まれ。湘南ユース、東京農大を経てJFL時代の鳥取でプレー。引退後はJFLの横河武蔵野FC(現・東京武蔵野シティFC)で2009、10年に中学年代を指導し、11〜16年はU−18監督。今年7月、JFLブリオベッカ浦安監督に就任した柴田峡ユースアドバイザーの後任としてU−15監督に。JFA公認A級ジェネラルライセンス所持。
(長岩将弘)
5位以下が確定 J2第40節讃岐と引き分け   (2017年11月9日号より)
J2は5日、40節を行った。5位の山雅は19位カマタマーレ讃岐と敵地で対戦し、PKで先制したものの10分後に追い付かれ、1−1で引き分けた。
山雅の順位は変わらないが、ともに勝った3位名古屋、4位福岡との勝ち点差が7に広がり、残り2試合では逆転できず、年間5位以下が確定した。J1自動昇格の可能性はなくなり、5、6位で昇格プレーオフに進んだ場合、初戦は敵地開催で引き分けは敗退となる。
プレーオフ圏内残り2枠を、5位山雅から10位大分までの6チームが争い、このうち山雅を含む5チームが勝ち点3差内にひしめく混戦。
次節は11、12日。山雅は11日、4位アビスパ福岡と福岡市のレベルファイブスタジアムで対戦する。午後2時開始。今季は12節(5月7日)にアルウィンで対戦し、0―1で敗れている。
J2第39節 雨の激闘 岐阜に逆転勝利   (2017年10月31日号より)
2連敗でJ1昇格プレーオフ(PO)圏外の7位に転落し、負ければ自動昇格(2位)の可能性が消えてPO進出争いからも大きく後退する正念場。山雅はFKからの2得点で31節・徳島戦(9月2日)以来今季3度目の逆転勝ちで踏ん張った。強い雨にも見舞われた厳しい試合を勝ち切り、勝ち点で並んだ東京Vを得失点差で上回り5位に浮上した。
反町監督は試合後、「パス数もボール保持率もリーグ首位の相手とどう戦うか。1週間やってきた成果がわずかだが出せた」と振り返り、「選手もユニホームを汚し、泥臭かったかもしれないが、非常に大きな勝利。これを続けていかなければいけない」と話した。
橋内は「自力でPO進出を勝ち取れる位置につけたのは大きい」とうなずき、決勝点のパウリーニョも「残り試合が少ない中で貴重な勝利。逆転できたのも自信につながるし、自動昇格もあきらめていない。修正点も多いが、残りも山雅らしい試合を続けていくだけ」と意気を上げた。
ただ、2節ぶりの5位も安泰ではない。6位東京Vと勝ち点で並び、勝ち点3差の7位徳島は得失点差で山雅を大きく上回る。両者とも次節は下位との対戦で、結果次第で再びPO圏外にはじき出される可能性がある。
「先の2試合は非常に悔しい思いをしたが、今日は努力や勝利の喜びをあらためて感じた」とも話した反町監督。原点に立ち返り、残り3試合も山雅らしさで勝ち点3を積み重ねられるか。

J2は28、29日、39節を行った。7位の山雅は29日、17位のFC岐阜とアルウィンで対戦し、2−1で勝った。
山雅は序盤、前線のプレスが機能し、高い位置でボールを奪って攻撃を仕掛けたが得点できず、次第に岐阜が持ち味を取り戻すと一進一退に。
後半5分に左CKから失点したが、18分にペナルティーエリア左手前で得たFKを高崎が直接決めて同点。さらに30分、左サイドの深い位置から那須川が蹴ったFKにパウリーニョが頭で合わせて逆転。終盤の得点が多い相手の攻撃も集中して守り切った。
この日、首位の湘南が岡山と引き分けて勝ち点81とし、今季のJ2優勝と来季2年ぶりのJ1復帰を決めた。次節は11月5日。山雅は19位カマタマーレ讃岐と敵地で対戦する。午後2時開始。今季は10節(4月29日)にアルウィンで対戦し、2人が退場した相手に高崎の2得点などで4−0で勝っている。

【選手コメント】
16番・村山
(再三の好守で逆転勝ちを呼び込む) 連敗した前2試合で計7失点し、フィールドのみんなに申し訳ない思いがあった。練習でGK4人とコーチとで切磋琢磨(せっさたくま)した結果。連敗を止めてひと安心だが、今日も失点したのでまだまだ。
7番・武井(負傷の岩間と替わり前半15分から出場) 急な出番だったが、セットプレー時のマークだけ頭に入れ、考え過ぎないようにして入った。先制されてもそれ以上のパワーを出して逆転できたのはよかった。
9番・高崎 (同点のFKについて)ナス(那須川)に「ぜひ蹴らせてくれ」と言った。FKを蹴るのは初めてだったが、練習でいいコースに飛んでいたし、“専門職”の宮阪にもこつを教わった。あの1本で流れを引き寄せられた。僕らを含め上位が苦しんでいる中、こういう試合を勝ち切れたのは大きい。
24番・那須川(今季3試合目の出場。FKで決勝点をアシスト) 自分が出てから勝てず、悔しい思いがあった。得点につながるプレーはできたが得点機を決め切れず、守備ではクロスを上げさせてしまった。ファンやサポーターの期待を感じ、中途半端なプレーはできない。
(長岩将弘、大山博)
厳しい戦いJ2最終盤 PO進出圏内目指す   (2017年10月26日号より)
来季3年ぶりのJ1復帰を目指してJ2最終盤を戦う山雅。10月21日の38節・アルウィンで行った大分戦に敗れて順位を7位に下げ、J1昇格プレーオフ(PO)進出圏内(6位)から後退するなど厳しい戦いを続けている。ここまでの戦いぶりを振り返り、3位でPOに出場した昨季と比較しながら、リーグ残り4試合を展望する。
今季序盤は2度の2連勝もあり10節まで5勝2分け3敗。順位推移を見ても、昨季より順調だったといえる。が、この辺りからチームに安定感が出てきた昨季に対し、今季は逆に低迷。5月に入って5試合(11〜15節)勝てず、18節で水戸に敗れた時点で15位まで後退。ホームでは10節(4月29日)以降、2カ月近く勝てなかった。
その後も中位での戦いが続いたが、28節・山形戦(8月16日)から今季最長の6試合無敗(5勝1分け)で一桁順位に戻し、32節(9月10日)で22試合ぶりにPO進出圏内の5位まで浮上した。
ところが34節(9月24日)で下位の山口を相手に終盤の10分足らずで3点を失い、まさかの逆転負け。その後2連勝し、上位のもたつきもあっていったんは自動昇格圏の2位も見えたが、37節(14日)から連敗。最終盤に至ってなお、今季のチームにつきまとう勝負弱さを露呈した。
反町監督は大分戦後、「戦っていない選手は1人もいない」としながら、「相手を分析する努力などでシーズン当初から苦し紛れに勝ち点をつかんできた。われわれが実力を付けているとは言い難い」と絞り出した。
今季の新加入選手で先発に定着したのは実質的にDF橋内だけ。夏の移籍期間で獲得したリオ五輪代表FW鈴木武らも出番を得ているが、決定的な仕事をしているとは言えない。
昨季と顔ぶれがほぼ変わらないことでチームの継続性が見込めた一方、若手の成長を含めた新戦力の台頭や、競争を促す刺激に欠けた感は否めず、現状では選手の半数以上を入れ替える思い切った補強をした長崎、有望な若手を積極的に起用した徳島の後塵(こうじん)を拝している。

今季のJ2は湘南が独走し、次節(28、29日)にも優勝が決まる。2位以下は混戦だが、山雅と2位との勝ち点差は現在7。残り4試合での逆転は難しく、PO進出が現実的な目標といえる。
昨季は38節を終えた時点で6、7位間の勝ち点差が8に開き、PO進出チームがほぼ絞られていたが、今季は6〜10位が勝ち点5差内にひしめき、進出争いは熾烈(しれつ)を極めている。
昨季は最終的に6位岡山と終盤に猛追した7位町田が勝ち点65で並び、得失点差で岡山がPOに進んだ。今季も勝ち点65以上がPO進出を争う目安になりそうだ。直近5試合は2勝3敗の山雅に対し、東京Vは4連勝中で徳島は6試合、大分と名古屋は5試合それぞれ負けがないなど、ライバルたちは好調だ。
山雅の残り4試合の相手は41節(11月11日)の福岡以外は下位。それだけに勝ち点の取りこぼしは致命的だ。選手たちが「ここでぶれるわけにはいかない」と口をそろえる通り、堅守や走り負けない姿勢、攻守の切り替えの早さといった“らしさ”に立ち返り、ピッチで表現し切れるか。
大分戦後、反町監督は「火事場のばか力を出せるかどうかというところにきている。持てる力を最大限まで引き出せるようにやっていくだけ」と自らを奮い立たせた。
(長岩将弘)
歓声で勝利を! 「クライマックスアルウィン」   (2017年10月26日号より)
松本山雅FCは、J2リーグ戦のホームで行う今季最後の3試合を「クライマックスアルウィン」と銘打ち、集客キャンペーンを展開している。10月21日の大分戦から実施しており、「史上最大の歓声で選手を後押しし、ともに勝利とJ1昇格をつかみ取りましょう」と呼び掛ける。
29日のFC岐阜戦はコレオグラフィー(人文字パフォーマンス)を計画。過去にもゴール裏観客席で行ったが、今回はさらに範囲を広げ、大規模なものを予定する。
最終節の京都戦(11月19日)はより多くの人に来場を呼びかける企画を予定。詳細は、山雅公式ウェブサイトで随時知らせる。
10月21日の大分戦は「フラッグ大作戦」とし、ゴール裏の観客らが試合前に約4000本の手旗を振った。手旗は事前にサポーターらが手作り。有志の呼び掛けに応じ、計5日間で延べ200人ほどが参加し、アルウィン会議室で作業に精を出した。
呼び掛け人の一人、斉藤敬四郎さん(43、松本市和田)は「選手が最後の一瞬まで全力を出し切れるよう、気持ちを込めて後押しをするだけ」。
山雅事業本部運営部の笹川佑介さん(35)は「ファンやサポーターからの動きはとてもありがたい。盛り上げることを楽しんでもらえるよう、協力していきたい」と話した。
(長岩将弘)
PVの魅力 喜び膨らみ悔しさ分け合う   (2017年10月19日号より)
ファンやサポーターが集まり、大画面で試合を観戦する「パブリックビューイング(PV)」。敵地を含め、今季はインターネット動画配信サービスでリーグ全試合を見ることができるが、わざわざPVに足を運ぶのはなぜだろう。松本市が主催し、山雅の協力で14日にアルウィンで行われた千葉戦のPVを取材し、魅力を探った。
当日は屋根があるメーンスタンドと、バックスタンド南側の一部を使用。肌寒い曇り空だったが、試合開始2時間前の開場直後からユニホームや応援グッズを身に着けたサポーターが次々と来場し、約1200人が集まった。入場は無料だ。
ピッチ上でサッカー教室などのイベントが行われるのは、アルウィンでのPVならでは。コンコースに飲食ブースが出店、試合直前には出場選手の紹介映像が流れて手拍子も起こり、ホーム試合さながらの雰囲気だ。
安曇野市三郷の太田浩一さん(36)は長男で小学2年生の空伴(そらとも)君(7)とPV初参加。今回は市街地のホールなどで行う一般的なPVより規模が大きいこともあり、「大勢で熱気を共有できるのが魅力」と浩一さん。空伴君も「アルウィンに来るのが好き」と笑顔だ。
「一度参加してみたかった」と言う山形村の山下恒平さん(37)は、長女で小学4年生の詩乃さん(10)と次女の結乃さん(4)を連れて“参戦”。
山下さんは、コールやチャントなど組織だった応援がない点などを挙げ、「(ホーム戦と)全く同じというわけにはいかない」としつつ、「松本にいながら大勢でアウェー戦を見て盛り上がれるのは楽しみ」。
松本市神林の太田清子さんは、夫の誠一さん(74)や友人ら5人で来場。動画配信サービスに加入していないのも理由の一つだが、何より「みんなで大声で騒げるのがいい。家での観戦は楽かもしれないが、この雰囲気は味わえない」と強調した。
試合が大型ビジョンに映し出され、山雅は押され気味で序盤に失点。前半は何度かあった得点機を逃し、歓声がため息に変わった。後半、工藤のループシュートで同点に追い付いた時は、目の前で試合を見ている時と同様にタオルマフラーを振り回して盛り上がったが、その後は失点を重ねて大敗。
「最悪。悔しい!」と言う空伴君の手を引き、太田浩一さんは「こういう思いも共有できるのがPV。悔しさが晴れるわけではないが、周りを見ればみんな同じ気持ちだと分かります」。
太田誠一さんは「悔しさもやるせなさもあるが、みんなであれこれ話しているうちに、次こそ勝とう、また応援しようという気になる。家で見てたら、感情の持って行き場がないよね」とほほ笑んだ。
皆で観戦すれば勝利の喜びは何倍にも膨らみ、敗れた悔しさは分け合えるのがPVの魅力。ただ、やはり勝って盛り上がりたいものだ。
松本市は今季、9月以降のアウェー戦5試合でPVを開催し、残りは2回=表。問い合わせ先は主管する松本商工会議所電話32・5345。同市大手4の「喫茶山雅」はアウェー戦すべてで、事前申し込み者を対象にした観戦イベント(有料)を開いている。喫茶山雅電話75・8050
(長岩将弘)
J2第37節 千葉に大敗、自動昇格厳しく   (2017年10月19日号より)
J2は14、15日に37節を行った。5位の山雅は14日、10位ジェフユナイテッド千葉と敵地で対戦し、1−5で敗れた。4点差以上での負けはJ参入(2012年)以降3度目で、J1だった15年の2ndステージ2節・広島戦(0−6)以来。
山雅は順位は変わらないが、2位福岡との勝ち点差が7に広がり、残り5試合でのJ1自動昇格圏入りは厳しさが増した。4位名古屋との差も4に広がり、6位徳島、7位東京Vには1差に迫られた。
次節は20〜22日。山雅は21日、アルウィンで9位の大分トリニータと対戦する。午後2時開始。山雅は勝っても順位は上がらず、引き分け以下なら昇格プレーオフ圏外に転落する可能性も。大分とは今季、11節(5月3日)に敵地で対戦し、0−0で引き分けている。
1点守りきり熊本を完封 順位は変わらず5位   (2017年10月12日号より)
J2は7、8日、第36節を行った。5位の松本山雅FCは7日、18位ロアッソ熊本とアルウィンで対戦し1−0で勝った。前後半を通じて1度だけのCKを得点に結び付け、その後は相手の猛攻に耐えて前節に続く最少得点での完封勝ち。順位は変わらなかった。
前半、山雅は前線の呼吸が合わず好機を決め切れなかったが、後半10分にパウリーニョの右CKに高崎が頭で合わせて先制。終盤は押し込まれる時間が続いたが、しのぎ切った。
橋内は「(2点差を逆転されて敗れた2戦前の)山口戦の反省をチーム全体で共有できた」と捉え、高崎も「(1点を守り勝つという)昨年できたことが今季はできていなかった。各人の自信につながり、チームにもプラス」と話した。
上位は崩れず、J1自動昇格圏の2位との勝ち点差も6のまま。山雅は今後も中〜下位との対戦が続くが、反町監督は「どちらが昇格争いをしているチームなのか、分からない試合もこれから増える」と警戒。「やるべきことを突き詰め、声援に応えるパフォーマンスと結果を示さなくては」と意気込んだ。
次節は14、15日。山雅は14日、10位ジェフユナイテッド千葉と敵地で対戦する。午後3時開始。今季はホーム開幕戦の4節(3月19日)に対戦して3−1で勝っている。
「喫茶山雅」オープン半年余   (2017年10月5日号より)
松本市の中心市街地(大手4)に「喫茶山雅」がオープンして半年余がたった。通常の営業に加えてさまざまなイベントも行い、クラブとファン・サポーターの接点や情報発信の拠点としての役割を担う。責任者でクラブ運営会社営業部チーフの小澤修一さん(38)に、これまでの取り組みや手応えを聞いた。
9月29日夜はプレミアムフライデーに合わせて「居酒屋山雅」を初開催。元選手の小澤さんら営業部の社員が接客し、酒と枝豆、冷ややっこ、「サバ水煮缶の大根おろし添え」などのつまみを提供。客同士の交流のほか、客と社員が気軽に語り合うのも目的だ。
午後6時の開店から1時間半ほどで1階(54席)は満員に。普段はイベントスペースの2階も使い、売り切れるメニューも出た。店内のあちこちでほろ酔いの客同士が会話を弾ませ、小澤さんは「幅広い年齢層に来店してもらい、山雅を縁に交流が生まれるという、思い描いていた風景」とうなずいた。

店は今季のJ2開幕に合わせて2月末にオープンし、通常営業に慣れた6月ごろから各種イベントを本格的に開催。現在はテレビ・ラジオの公開収録などを含め、週2回ほどのペースで何らかの催しを行う。「試合時のアルウィンではできない内容。お客に楽しんでもらえている」と小澤さん。
ヨガ教室、選手と同じ食事・練習の体験会、若手選手の1日店長、選手が開発に携わったメニューの提供−。選手を呼んで月1回開く「カフェトーク」も、選手の話を客が聞くだけでなく、質問や写真撮影などの交流に重点を置く。
自前の会場があり、規模が大きくないため「面白そうだと思うことを、少人数で素早く実行できるのが強み」という。
地域の催しにも積極的に参加し、7月の「まつもと街なか大道芸」では店前の広場がパフォーマンス会場の一つに。9月の「松本ノーマイカーデー」はテラスで特別メニューを販売し、クラブマスコットのガンズくんが周辺を歩き回った。打診のほとんどに応じており、「こちらからも提案して関わりたい」と言う。

店の取り組みを通じ、小澤さんは「街の一部として機能することで、市民に山雅をより身近に感じてもらえている」と見る。最近は「ファン・サポーターが集う店」から「山雅に詳しくない、あるいは知らない人も訪れる場所」に変わってきた実感も。入店しなくても立ち止まり、店の写真を撮る人も多く、関心の高まりを感じている。
「アルウィンの雰囲気も素晴らしいが、ここでは一人一人の顔が見える。お客とじかに接するので、支援の熱をリアルに感じる」
12月以降、初めてのオフシーズンを迎える。小澤さんは「試合も練習もなくなるので、ここだけがファン・サポーターとクラブの接点になる。いろいろな仕掛けをし、来季に向けて盛り上がる拠点にしたい」と思い描く。
(長岩将弘)
J2第35節 水戸に勝利、5位浮上   (2017年10月5日号より)
J2は9月30日と10月1日、35節を行った。6位の山雅は30日に11位の水戸ホーリーホックと敵地で対戦し、前半の石原の得点で1−0で勝った。
山雅は勝ち点58として5位に浮上。自動昇格圏の2位福岡との勝ち点差は前節から1縮まり6に。
ただ、山雅以下の勝ち点3差内に2チームがつけており、取りこぼしが許されない状況が続く。
次節は7、8日。山雅は7日、アルウィンで18位ロアッソ熊本と対戦する。午後1時開始。今季は8節(4月16日)に敵地で対戦し、0−2で敗れている。
J2第34節 終盤3失点し痛恨の逆転負け   (2017年9月26日号より)
衝撃的な敗戦だった。J3降格圏に低迷する相手に終盤の7分間ほどで3失点し、逆転負け。山雅が2点リードをひっくり返されて敗れたのはJリーグ入り後初めて。連勝も4で止まり、シーズン終盤の追い上げムードがしぼむ内容に、試合後はサポーターから大きなブーイングと「しっかりしろ」という怒声も。山雅は6位に後退し、J1自動昇格圏の2位との勝ち点差は7に広がった。
田中は「最悪の試合。典型的な悪いパターン」と唇をかみ、途中出場の石原も「ミスで相手を勢いづかせてしまい、ずるずると失点した。ブーイングも仕方ない」と表情をこわばらせた。
「ゲームの展開の中で過信が生まれたように感じた」と反町監督。前半から1対1の対応で後手に回る場面が見られるなど、ぴりっとしない内容だったとし、「それでも2−0になって『何とかなるんだ』と思ってしまい、一つ一つのプレーに対する執着心が薄れていった。そのつけが最後に回ってきた」と指摘した。
橋内は「1点返されてバタバタし、修正し切れなかった。2−0になった時から『1(失)点で流れが変わるから気を付けよう』と声を掛け合ったが…」。
岩間は「1点取られてもリードしていた。そこで自分たちがどういうサッカーをすべきだったのか、チーム全体で整理できていなかった」とし、「こういう展開の試合運びに課題がある」とした。
ただ、反町監督は「(後半ロスタイムで勝ち越しを許した)昨季のJ1昇格プレーオフを思い起こさせるような試合だったが、違うのはまだゲームが残っている点」。
橋内は「『まだ8試合もある』という考えではいけない。これから勝ち点24を積み重ねなくては」と、危機感を持って立て直す姿勢を強調した。

J2は23、24日、34節を行った。4位の山雅は24日、21位レノファ山口FCとアルウィンで対戦し、2−3で敗れた。
前半は一進一退だったが、山雅は高崎が自ら得たPKを決めて先制。後半開始直後には相手GKがバックパスを止め損ねてOGで加点。
山口が終盤に選手と並びを変えて反撃に出ると山雅の足が止まり、1点を返されると続いてカウンターから左サイドを破られ、村山が弾いたシュートのこぼれ球を蹴り込まれて同点。さらにロスタイム突入直後にも再び左サイドから切れ込まれて逆転された。
次節は30日と10月1日。山雅は30日、11位の水戸ホーリーホックと敵地で対戦する。午後3時開始。今季は18節(6月11日)にアルウィンで対戦し、後半にFKから失点して0−1で敗れている。

【選手コメント】
6番・安藤
(左サイドで今季初先発) 前半から相手が自分のサイドに人数をかけ、攻めようとしているのは分かった。前半は何とかしのげたが、後半のカウンターは勢いがあった。最後は裏を突かれて踏ん張り切れなかった。
7番・武井(パウリーニョと代わり後半35分から出場) 自分が入って3失点。試合を落ち着かせようとしたが、悪い流れを持ち込んでしまった。勝てたゲームだったのに情けない。
16番・村山 チームとしても個人としても未熟。リードを守り切れなかったのは精神面のもろさもある。ここから立て直さなくては。
5番・岩間(けがで欠場の飯田の不在について) (後藤)圭太には彼のよさがあり、飯田がいないデメリットは皆でカバーするのが当然。自分もうまくゲームをコントロールできなかった。個人がどうこうではなく、チームとして反省点が多い。
(取材班)
総合力で今季初4連勝 J2第33節群馬に3−0   (2017年9月19日号より)
取りこぼしは許されない最下位の群馬との一戦。ここまで全試合に出場してきた守備の要の2人を欠き「即席ともいえる3バック」(反町監督)となったが、8試合ぶりの無失点勝ちで今季初の4連勝。攻撃も途中出場の2選手が得点し、チームの総合力を示した山雅はプレーオフ進出圏内で4位に浮上した。
橋内のけがで後藤が15試合ぶりに先発したのに加え、相手と接触して顔面を強打した飯田が前半32分に退き、最終ラインは急きょ安川が左に入り中央に後藤、右が當間に。
「ウォーミングアップはわずか。CBをやる機会も少なく、がたがたしたが、3人で声を掛け合うことを意識した」と安川。
反町監督は「無失点で終えられる状況ではなかった」とし、急場をしのいだ3バックを「100点ではないが、安定感があった」と評価。チーム内の意思統一が図れていることが要因とし、「今日の勝ちは大きい」とうなずいた。
その安川が得点したのに加え、後半途中から出場の石原も負傷した25節(7月29日)以来のゴール。復帰3戦目で最長の20分余りピッチを駆け、回復を印象づけた。指揮官は「途中出場の選手が点を取るのは珍しい。チーム内の競争が激しくなっている」と、攻撃面でも総合力に手応えを得ていた。
ただ、田中は「今は自分たちのサッカーができているが、順位はまだ下」と自戒。好セーブを見せた村山も「それだけ決定機をつくられているということ。修正すべき部分がある」とし、「自分たちより上のチームがいることを忘れず、謙虚に、ひたむきに、泥臭くやっていかなくては」と表情を引き締めた。

J2は16、17日、33節の9試合を行った。5位の山雅はザスパクサツ群馬とアルウィンで対戦し、3−0で勝った。
前半は互いに攻め合い、山雅は41分にミドルシュートを決められたかに見えたが、オフサイドの判定。その2分後、田中の右クロスに高崎が頭で合わせて先制し、後半3分にも左CKの流れから安川がこぼれ球を蹴り込み加点。
選手の並びを変えた相手の反撃を体を張ったプレーや村山の好守でしのぎ、終了間際に石原がミドルシュートを決めてダメ押しした。
次節は23、24日。山雅はJ1ヴィッセル神戸と対戦する天皇杯4回戦(20日午後7時開始・アルウィン)を挟んで24日、21位レノファ山口FCとアルウィンで対戦する。午後2時開始。今季は21節に敵地で対戦し、2−1で勝っている。

【選手コメント】
9番・高崎
(今季15得点目の先制ゴール) よいボールが来たので逆サイドにたたきつけるだけだった。他の好機も決めたかったが、流れを引き寄せられたと思う。
やるべきことの徹底やハードワークにより、攻撃の形はできている。最後の精度を上げられれば、もっとよくなる。目指すは優勝。シーズン前半に取りこぼした分は、自分たちで取り返すしかない。残り9試合、今日のような戦い方で全勝しなくては。
20番・石原 選手層が厚くなり、アピールしなければと感じている。短い時間でも印象を残そうと思っていた。チームはとてもよい雰囲気。修正すべき点は練習中に直すよう努めている。よい形で試合に臨めていることが、最近の結果につながっている。
29番・下川(大学リーグ再開のため今節でチームを離脱) 公式戦で使ってもらい、走力や攻守の切り替えといった部分で成長できた。(山雅で)J1を目指してプレーしてきた。目標を達成してほしいし、来季はワンランク上の舞台で皆と一緒に戦いたい。
(長岩将弘、大山博)
ファン感謝デー 終盤戦へ気持ち新たに   (2017年9月14日号より)
サポーター会員を対象にした山雅の「ファン感謝デー」は3日、アルウィンで開いた。約2800人が訪れ、試合中とは違う表情を見せる選手やスタッフらと交流。選手たちも多くの笑顔や歓声に応え、リーグ終盤戦に向けて気持ちを新たにしていた。
ピッチ上の特設ステージで選手たちが出し物を披露したり、子どもや女性が参加するふれあいサッカー大会を開いたり。コンコースや室内でも来場者が参加できる催しがあり、グッズ販売や飲食のブースには選手が開発に関わった商品も並んだ。
最後は毎年恒例のPK対決。今年は出身地によって東軍と西軍に分かれ、東軍主将の反町監督、西軍主将の山本がキッカーを指名。敗れた東軍は罰ゲームで反町主将も含めてシャトルラン。
閉会セレモニーでは一転、表情を引き締めた反町監督が「ホームは残り6試合。皆さんからエネルギーをもらい、いっそう躍動感があるサッカーを目指す」とあいさつ。
選手代表の村山も「これからもっともっと皆さんの力が必要になる。目標のJ1へ、僕たちの背中を押してほしい」と力を込めた。
(長岩将弘)
第32節 東京Vに2−1 昇格プレーオフ圏内浮上   (2017年9月14日号より)
J2は9、10日、第32節を行った。7位の山雅は10日、勝ち点1差の6位・東京Vと味の素スタジアム(東京)で対戦し、2−1で勝った。
山雅は今季初の3連勝で5試合負けなし。5位に浮上し、6位だった第10節(4月29日)以来、約4カ月半ぶりに昇格プレーオフ圏内に。自動昇格圏の2位・福岡との勝ち点差は5に縮まった。
次節は16、17日。山雅は16日、アルウィンで最下位のザスパクサツ群馬と対戦する。午後2時開始。今季は19節(6月18日)に敵地で対戦し、前半に高崎、後半に宮阪がシュートを決めて2−0で勝っている。
逆転で快勝 PO圏内目前 J2第31節徳島に3−1   (2017年9月5日号より)
「われわれの武器の走力や切り替えの部分で、相手を圧倒することができた。90分間に凝縮されていた」と試合後の反町監督。後半残り5分で投入した三島をロスタイムに交代させた非情の采配は、挽回を期す終盤戦で「走れない選手は不要」という強烈な意志表示だった。山雅は今季2度目の逆転勝ちで7位に浮上。J1昇格プレーオフ出場圏の6位に勝ち点1差に迫った。
反町監督は「徳島は攻撃に出て行く力がある。こちらは前に出る走力、戻る走力の両方を出さなければ勝てないと話し、練習でも意識して取り組んだ」と成果を強調。
飯田は「前線の選手が点を取り、チームとしてうまくいっている。8月あたりから山雅らしい一体感、躍動感が出せている」と手応えを語り、田中も「よい立ち上がりだったのに先制されるなど、もったいない部分、直さなければいけない部分はある。が、そういう試合でも勝ち点3を取れたことはよかった」とうなずいた。
今節、山雅より上位で勝ったのは長崎だけ。白星を重ねつつ上位の取りこぼしも必要だが、自動昇格圏の2位福岡とは勝ち点差8。かすかな光明も見えてきた。
2得点1アシストの工藤は「上位には負けられない。競っても勝ちきる試合を積み重ねていくことが大事」と力を込めた。
次節(10日)は6位の東京Vと敵地で対戦。今季初の3連勝と、10節(4月29日)以来の昇格プレーオフ出場圏浮上が懸かる。

J2は2、3日、第31節を行った。8位の山雅は2日、4位の徳島ヴォルティスとアルウィンで対戦し、3−1で逆転勝ち。2連勝で4試合無敗とし、ホーム戦は5連勝。
山雅は前半立ち上がりから攻撃のリズムをつかんだが、自陣左のクロスから失点。しかし、浮き足立つことなく攻め続け、パウリーニョのパスをゴールほぼ正面で受けた工藤が落ち着いてシュートを決めて同点とし、ロスタイムには左から切れ込んだ山本のパスを、逆サイドで受けた工藤が蹴り込み5分余で逆転に成功した。
後半、徳島は選手と並びを変更。ヘディングシュートでクロスバーをたたかれる場面もあったが、工藤のパスに抜け出した高崎が相手DFを振り切って加点した。

【選手コメント】
9番・高崎
 (後半の追加点は)とにかく強いシュートを打とうと考えた。相手のチャンスが少ない中で失点してしまうのはチームの課題。逆転するにはとてもパワーが必要だが、今日は前半のうちにそれができたのでよかった。次は隙を見せずに無失点でいきたい。
10番・工藤 ホームでの勝ち点3に貢献したいと思っていたし、(夏の移籍期間で)同じポジションの選手が増え、競争が生まれた。今日は僕だったかもしれないが、競争の中からまた違う選手が活躍することで、チーム力も上がっていくはず。
4番・飯田 後半に押し込まれた時間帯もあったが、前線がサイドで守備をしてくれたり、ボランチがペナルティーエリア内でマークについてくれたり、人数をかけて守ることができた。僕たちは上を目指してやるだけだし、追うほうが気持ちは楽。次節も勝てばチームもサポーターも盛り上がり、プレーオフも近づく。
(長岩将弘、田中信太郎)
米国MLSのレアル・ソルトレークと業務提携   (2017年8月31日号より)
山雅は8月25日、米国メジャーリーグサッカー(MLS)のレアル・ソルトレーク(RSL)と業務提携を結んだ。海外クラブとの提携はシンガポールのゲイラン・インターナショナルFCに続き2件目。国際交流は「ひとづくり・まちづくり・未来づくり」をうたう山雅のクラブビジョン実現に向けた取り組みの一つ。育成や運営面での成果も期待される。
JリーグとMLSのクラブ提携は初めて。RSLの本拠地ユタ州ソルトレーク市は松本市の姉妹都市で、提携をトップチーム・育成組織の選手、指導者の交流にとどめず、都市・地域間交流の発展にも役立てるとした。
山雅運営会社の神田文之社長(39)は「具体的に何ができるかはこれから」としつつ、「MLSは競技レベルが高く、ゲイランとの提携とは違った形になる」とみる。RSLは新たな練習場や5000人収容のセカンドチーム用スタジアムなどを建設中。「施設を整えるとどうなるかなど、クラブ運営も学びたい」とする。
MLSは1993年に発足。現在は米国とカナダの22クラブが加盟し、11チームずつ東西2地区に分かれて争う。RSLは2005年に参戦し、09年にリーグ優勝。昨季は西地区6位。
RSLアシスタントゼネラルマネジャーのエリオット・フォールさんは、米国のサッカー人気について「皆さんが思うより劇的な成長を遂げている」と言う。MLSと共に育った30〜40代を中心に若い世代に支持され、1試合の平均観客数は2万人超。神田社長は「その集客力にも興味があった」と明かす。
RSLは選手育成にも力を入れ、5〜6月に韓国で開いたU−20(20歳以下)W杯の米国代表(21人)には4人が選ばれた。昨年を「育成元年」と位置付け、強化に取り組む山雅が学ぶべき点がありそうだ。
RSLとゲイランのU−14チームは、県サッカー協会設立70周年記念事業で26、27日に松本市などで開いた「信毎杯U−14国際ユーストーナメント」(8チーム)に出場。RSLが優勝した。

山雅とゲイランは昨年11月に提携。山雅は昨季までU−18監督を務めた臼井弘貴さんを指導者派遣し、「発展途上」(臼井さん)の競技レベルの向上に協力している。
今年2月にゲイランのトップチーム選手が山雅のキャンプに参加。6月にはゲイランの役員らがアルウィンや喫茶山雅を視察。7月は神田社長らがシンガポールを訪れ、建設中の新スタジアムを視察−などの行き来も続ける。
ゲイランU−14に帯同して一時帰国した臼井さんは現在、トップチームのアシスタントコーチとU−21監督を兼任。現地での半年余りを「多民族国家で多様な価値観に触れ、日本の常識は常識でないと実感する。指導者としても人間としても成長できている」と言う。
山雅U−14との対戦(27日)は0−3で敗れたが、臼井さんは試合中の声の大きさや試合後の相手ベンチへのあいさつなど「ゲイランの選手たちのほうが能動的なアクションが多い」と指摘。
「勝ち負けだけでなく、互いに足りない部分を自覚し、相手のよい点を学ぶ姿勢も大事。そういう橋渡しの手伝いもしたい」と強調した。
(長岩将弘)
J2第30節 町田に2−1で勝利   (2017年8月31日号より)
J2は8月26、27日、第30節を行った。8位の山雅は26日、15位FC町田ゼルビアと東京・町田市立陸上競技場で対戦し、2−1で勝った。山雅は引き分けを挟み3試合負けなしだが、順位は変わらず。昇格プレーオフ進出圏の6位との勝ち点差も3で変わらなかった。
次節は9月2、3日。山雅は2日、アルウィンで4位の徳島ヴォルティスと対戦する。午後6時開始。今季は6節(4月1日)に敵地で対戦し、後半に工藤のシュートと宮阪のFKで2−0で勝っている。
夏場の過密3戦は勝ち点4   (2017年8月24日号より)
8月12〜20日の9日間で3戦(27〜29節)した過密日程は1勝1分け1敗。鍛え上げた走力で例年、夏場に強さを発揮してきた山雅だが、勝ち点の上積みは4にとどまり順位は8位。11位岡山までの3チームと勝ち点43で並んだ。3試合を振り返り、残り3分の1を切った今季終盤を展望する。
12日の敵地・名古屋戦は、昨季もなかった5失点で2−5で大敗した。序盤から主導権を握ったが、リーグ最多得点の名古屋に少ないチャンスを確実に決められた。
前半に2点を失い、後半6分にも失点。11分、セルジーニョの左CKを飯田がそらし、當間が蹴り込んで1点を返したが、21、43分と失点を重ねた。ロスタイムにセルジーニョがPKを決めたが、そこまでだった。

中3日の16日、アルウィンでの山形戦は、3−2で今季初の逆転勝ち。8月の5試合で唯一のホーム戦は白星だった。
前半25分、主導権を握っていた時間帯に失点したのは名古屋戦と同じだったが、37分に山本のシュートの跳ね返りをセルジーニョが押し込んで追い付く。
後半8分に再びリードされたが18分、セルジーニョのFKに高崎が頭で合わせて再度追い付き、さらに4分後、下川のシュートのこぼれを詰めていた山本が蹴り込み決勝点。
名古屋戦を「非常に悔しく、悲しく、ふがいない結果」と振り返った反町監督だが、「ここで意地や底力を見せないと、チームは死んでしまうと思い(山形戦に)臨んだ。要所要所でそうしたところが見られた」。
今季初先発した武井も「(26節・5日の)湘南戦、名古屋戦と消極的なプレーが多かった。今日は失点はしたが、みんなエネルギッシュに得点を狙い、山雅らしさが出せた」。

連勝して勢いを得ようと敵地に乗り込んだ20日の岡山戦は、0−0で引き分け。相手の2倍の12本のシュートを放ったが、得点できなかった。
ただ、相手攻撃陣が主力を欠いていたとはいえ、4試合ぶりの無失点。複数失点が続いていただけに、堅守を取り戻したのは収穫と言える。
後半、山形戦で全得点に絡むなど好調だったセルジーニョが脚を痛めて途中交代。長期離脱となれば手痛い。

29節・岡山戦で引き分けた山雅は今季、残り13試合に全勝しても、3位だった昨季の勝ち点84(2位清水と同点)を下回ることが確定した。
昨季の自動昇格(1、2位)とプレーオフ(PO)進出チーム(4〜6位)が30節以降の13試合で積み上げた勝ち点の平均は24・1。現在の山雅の勝ち点43に24を足しても67で、単純には比較できないが、自動昇格を狙うのは難しい。
昨季は6位岡山と7位町田の最終勝ち点が65。今季もこのあたりを目安にすると、PO進出が現実的な目標と言える。それでも残り13試合で勝ち点22が必要とすれば、これまでのペースでは届かない。

夏の移籍期間ではFWダビ、DF宮地元貴、昨年のリオ五輪代表だったFW鈴木武蔵の3人を補強した。
実戦から遠ざかっていたダビと宮地は時間がかかりそうだが、鈴木武は今季J1新潟で17試合に出場し1得点。加入直後の岡山戦に途中出場し、即戦力を印象づけた。
鈴木武は「個人的な目標は10得点。自分の特長のスピードや運動量、そしてゴールでサポーターを沸かせたい」と意気込む。J1昇格の切り札になるか。
次節は26、27日。山雅は26日、15位FC町田ゼルビアと東京・町田市立陸上競技場で対戦する。午後7時開始。今季、町田とは13節(5月13日)にアルウィンで対戦し、1−1で引き分けている。
(長岩将弘、大山博)
「信州ダービー」長野パルセイロに1−0で勝利   (2017年8月10日号より)
県サッカー協会の創立70周年を記念し、山雅とAC長野パルセイロ(J3)の試合が6日、アルウィンで行われた。公式戦の「信州ダービー」がアルウィンで行われたのは、互いにJFLだった2011年8月の県サッカー選手権決勝以来。練習試合の色が濃く、両軍サポーターの応援も盛り上がりを欠いたが、出場機会が少ない選手にとっては貴重なアピールの場。試合は山雅が1−0で勝った。
けが人が多いトップチームを補うため、この試合に向けてU−18(高校年代チーム)所属のままJリーグ公式戦に出場できる2種登録をした竹内瑛亮(松本工1)が、後半40分からピッチに立った。
試合終盤に降った豪雨の中で5分余り、シャドーストライカーとして前線でプレスをかけ、「自分の長所の前への積極性は出せたが、足元で受けるアピールなどはもっとできた」と、短時間ながらプロの試合で印した一歩目を振り返った。
山雅U−18では昨季、当時の3年生3人が初めて2種登録され、2人が今回と同じ公式戦扱いのプレシーズンマッチに出場している。
16歳の抜てきを反町監督は「私の判断ではない」としながら、「(竹内は)4月ごろからトップの練習に参加しており、違和感は全くない」とし、「登録されたということは当然、今後も(出場の)可能性がないわけではない。難しいと思うが、チームの競争に入ってきてほしい」と期待した。

けが人が多いトップチームを補うため、この試合に向けてU−18(高校年代チーム)所属のままJリーグ公式戦に出場できる2種登録をした竹内瑛亮(松本工1)が、後半40分からピッチに立った。
試合終盤に降った豪雨の中で5分余り、シャドーストライカーとして前線でプレスをかけ、「自分の長所の前への積極性は出せたが、足元で受けるアピールなどはもっとできた」と、短時間ながらプロの試合で印した一歩目を振り返った。
山雅U−18では昨季、当時の3年生3人が初めて2種登録され、2人が今回と同じ公式戦扱いのプレシーズンマッチに出場している。
16歳の抜てきを反町監督は「私の判断ではない」としながら、「(竹内は)4月ごろからトップの練習に参加しており、違和感は全くない」とし、「登録されたということは当然、今後も(出場の)可能性がないわけではない。難しいと思うが、チームの競争に入ってきてほしい」と期待した。
(長岩将弘、松尾尚久)
J2第26節・首位湘南に敗れ9位に後退   (2017年8月10日号より)
J2は5、6日、第26節を行い、8位の山雅は首位の湘南ベルマーレとshonanBMWスタジアム平塚で対戦し、1−2で敗れた。
山雅は開始早々にCKの流れから安川が先制したが、オウンゴールで追い付かれると、相手のプレスに押し込まれて5分後に逆転された。
山雅は9位に後退。首位との勝ち点差は14に開いた。次節は11、12日。山雅は12日、5位の名古屋グランパスと豊田スタジアム(愛知県豊田市)で対戦する。今季は5節(3月26日)にアルウィンで対戦し、山雅はオウンゴールの2失点で1−2で敗れた。
選手の食事やトレーニングを体験できるプレミアムイベント開催   (2017年8月3日号より)
信濃毎日新聞中信地区販売店会は7月30日、サッカーJ2松本山雅FCの選手の食事やトレーニングを体験できる「プレミアムイベント」を松本市大手4の喫茶山雅で開いた。抽選で選ばれた信毎読者の13家族・40人が参加し、山雅の當間建文(28)、那須川将大(30)の両選手や鐡戸裕史アンバサダー(34)と交流した。
選手が試合の約3時間前に食べるミートソーススパゲティ、おにぎり、サンドイッチ、鶏胸肉のみそ焼き、マッシュポテト、温野菜などが並び、鐡戸アンバサダーが「エネルギーを蓄えるため炭水化物が中心」と説明。
好きなだけ食べた参加者から「どのくらい食べるか」と質問された當間選手は「満腹になるまで。試合にぶつける」、那須川選手は「味が濃い物は試合中に気持ち悪くなるので、あっさりした物を食べる」などと答えた。
その後、参加者は選手が試合出場の翌日に行う体幹トレーニングを体験。腹筋や尻の筋肉を鍛えたり、腕立ての姿勢を維持したり、クッションの上で片足立ちしたりし、選手がアドバイスした。
開智小学校5年の瀧澤亮太君(10)は「選手は難しいトレーニングを楽にやってしまう。体験できてよかった」と笑顔。才教学園小学校6年の河西俊太朗君(11)は「選手は細かいところまで努力していることが分かった。少し近くなった感じがし、試合の見方も変わる」と話していた。
J2第25節 金沢に4−0 上位戦へ弾む大勝   (2017年8月1日号より)
金沢を前回対戦時と同じスコアで一蹴。反町監督が「試合を重ねるごとにやるべきことが整理でき、強くなっている」と警戒していた相手に大勝し、上向くチーム状態を見せつけた。6試合ぶりの無失点と内容も伴い前節から2連勝、ホームでは3連勝で7月は4勝1敗。順位は8位で変わらないが、上位や難敵とのアウェー戦が続く8月へ弾みをつけた。
飯田が「今日は後半にギアを1段上げることができた」と運動量の手応えを口にすれば、石原も「最近はチーム全体で、練習の成果が試合に出ている」。
田中も「自分たちらしい内容で結果が出せた。こういう安定した戦いを続けていければ」とうなずいた。
反町監督は「コンディション調整のための負荷を落とした練習ではなく、『鍛える』練習を積んでいる」と説明。「前半戦を反省し、われわれらしさを取り戻さなければ。今日はそういうタフな面も見えた。少しずつ成果が出てきたかもしれない」と振り返った。
8月は5戦のうち4戦がアウェーで、いずれもシーズン前半戦に勝てなかったチームが相手。「(次節の)湘南戦は、自分たちがどこまでできているか試す戦い」と飯田。「走り合いや球際の攻防がどれだけできるかで、名古屋戦への自信も違ってくる。8月は次節に懸かっている」
反町監督は「相手が湘南だから何かする、ということはできない。われわれらしさを出し切れるよう、良い準備をして乗り込むだけ」と正念場をにらんだ。

J2は7月29、30日、第25節を行った。8位の山雅は29日、17位ツエーゲン金沢とアルウィンで対戦し、4−0で勝った。
前半からの一進一退の攻防が続いていた後半序盤、石原が右から出したグラウンダーのクロスに走り込んだ安川が合わせて先制。4分後には右から切れ込んだ石原がシュートを突き刺した。
その後も高崎、山本がそれぞれ得たPKを決め、相手にゴール前まで迫られる場面もあったが得点は許さなかった。
次節は5日、首位の湘南ベルマーレとShonanBMWスタジアム平塚で対戦する(午後7時開始)。今季は15節(5月21日)にホームで対戦し、1−2で敗れた。

【選手コメント】
20番・石原 (2試合連続ゴールを含む1アシスト1得点)得点はサイドネットしか見えなかったが、コースを狙い左足で思い切り蹴った。前節2得点し、今節もと強い気持ちで臨んだ。
上を目指すには連勝がすごく大事。湘南戦はこれまで以上に厳しい戦いになるが、意識して勝ちにこだわる。
33番・安川 (均衡を破る先制点)逆サイドから入り、イシ(石原)がよいボールをくれた。今季2得点はともにホーム。サポーターの応援を感じ、ここで試合できるのがうれしい。
攻守とも、うまくかみ合ってきていると感じる。失点しなければ負けない。湘南戦も自分たちがやれることをしっかりやって勝ちたい。
31番・橋内 上位との試合が続く前に無失点で終われたのは自信になる。シーズン前から監督が言ってきたこと、ずっとやってきたことが少しずつ形に現れてきた。
今がチームのピークではない。まだ改善の余地はたくさんある。後半に大量点を挙げ、ボールを動かせることを選手は実感したはず。これを0―0の時でも出せるか。次は大事な一戦。臆せず臨みたい。
19番・山本(PKで今季初得点) ポストに当たったが入ってよかった。昨季はずっと(金沢GKの白井)裕人さんとPKの練習をしていたので蹴りづらかったが、裕人さんから決めることができてよかった。
(取材班)
J2第24節 愛媛に2−1 粘り勝ち、PO圏内射程に   (2017年7月25日号より)
試合開始早々に先制して2−0で折り返しながら、後半は相手の猛攻にさらされ「今季一番苦しかった試合」(反町監督)。昨季から3戦続けて引き分けていた愛媛に粘り勝ちし、ホームでは2連勝で8位に浮上。昇格プレーオフ(PO)進出ラインの6位との勝ち点差を1まで縮めた。
「3点目を取るチャンスもあったが、最後は本当によくしのいだ。そこは今季前半戦で見られなかった部分」。指揮官は課題を挙げながらも、勝ち点3をもぎ取った選手をたたえた。
橋内は「われわれがシーズン後半になって大きく変わったとは思わない」とし、「危機感を持ってもう1メートル走る、もう1歩足を出すなど、細かい部分を一人一人が突き詰める意識が、少しずつ形になってきたのでは」と話す。
愛媛の間瀬監督が「中盤でうちのパスをつぶし、足の速いシャドーが(守備の)裏へ抜け出す狙いは分かっていたが、分かっていながらやられた」と悔やんだとおり、10試合ぶりに先発したセルジーニョが2アシストに加えて守備でも躍動。
9試合ぶり先発のパウリーニョもボール奪取の持ち味を発揮し、反町監督は「彼らが強みを見せてくれたのはうれしい」とうなずいた。
一方、前線で攻撃の起点となった高崎は「失点してからリズムに乗れず、追い付かれてもおかしくない試合。苦しい時こそ前に出なくては」と課題を挙げた。
橋内も「力は付いてきているが、(5戦続けて)無失点の試合がないのは気がかり」と指摘。「『1失点は仕方ない』という展開にしないことが大事。加えて3点目が取れるチームになるように練習しなくては」と力を込めた。
指揮官は「この勝ちを次につなげなくては意味がない」と、2週連続のホーム戦を見据えた。

J2は7月22、23日、24節を行った。11位の山雅は22日、14位の愛媛FCとアルウィンで対戦し、2−1で勝った。
前半2分、セルジーニョが倒れながら出したスルーパスに石原が走り込み、GKとの1対1を冷静に決めて先制。35分には高崎が頭でそらしたロングボールをセルジーニョがシュートし、GKの弾き返しを石原が蹴り込んだ。
後半7分に1点を返され、選手と並びを変えた相手に押し込まれたが、最後まで集中して守り切った。
次節は29、30日。山雅は29日に17位ツエーゲン金沢とアルウィンで対戦する(午後6時開始)。今季、金沢とは16節(5月28日)に敵地で対戦し、4−0で勝っている。

【選手コメント】
8番・セルジーニョ 先制点はよいタイミングが重なった。スライディングすれば間に合うと思い、石原が絡んでくれると信じていた。2点目はGKの上を狙ったシュートは防がれたが、こぼれ球を石原が狙っていたのでよかった。
ポジション争いがあるのはよいことだが、ベンチに座っていたくない。仲間をリスペクトしながら、先発のチャンスが来るのを待っていた。試合に出られない時も、ひたむきな姿勢は持ち続けなければ。自分のゴールより、チームの勝利のために戦う。
20番・石原 90分(2シャドーを)セルジーニョと組む機会は今季ほとんどなかったが、うまく得点に結び付けられた。勝てたのはよかったが、続けていくことが大事。修正すべき点はしなくては。
金沢との前回の対戦では自分が得点している。2節続けてホームで戦えるのは強み。また決められるようにしっかり準備する。
(取材班)
J2第23節 長崎に0−1で敗れる   (2017年7月20日号より)
J2は15、16日、第23節を行った。8位の松本山雅FCは15日、4位V・ファーレン長崎と長崎県諫早市のトランスコスモススタジアム長崎で対戦し、0−1で敗れた。
山雅は11位に後退。次節は22日に14位の愛媛FCとアルウィンで対戦(午後6時開始)。今季、愛媛とは2節(3月5日)に敵地で対戦し、0−0で引き分けている。
天皇杯3回戦「格上」サガン鳥栖を撃破   (2017年7月15日号より)
サッカーの第97回天皇杯全日本選手権大会は12日、3回戦を各地で行った。J2松本山雅FCは、松本市神林のアルウィンでJ1サガン鳥栖と対戦。2−1で勝ち、16強入りを果たした。「格上」相手の勝利で、4試合無敗中のリーグ戦にも弾みがつきそうだ。
リーグ戦とほぼ同じメンバーの鳥栖に対し山雅はリーグ戦で出場機会の少ない選手や若手主体で臨んだ。
前半から押し気味に試合を進め、0−0で迎えた後半22分、志知孝明選手が先制。4分後にはセルジーニョ選手が追加点を挙げた。
33分には相手FKから失点したが、試合終了の笛が響くと、入場者5037人の大半を占めた山雅側の観客は喜びを爆発させた。
反町監督は「最後まで足を止めず走り切ってくれた」と評価。スタンドで観戦した主力組についても、「危機感を持つはず。相乗効果が生まれればいい」と期待を込めた。
4回戦は9月20日。組み合わせは8月7日に決まる。

松本山雅FCは13日、前日に公式戦初得点を決めた志知選手がJ3福島ユナイテッドFCに2018年1月31日までの期限付きで移籍すると発表した。志知選手は東海学園大4年だった15年、特別指定選手として加入。今季はリーグ戦6試合に出場していた。
(長岩将弘)
J2第22節 2カ月ぶりホーム白星 横浜FCに3−1   (2017年7月11日号より)
今季開幕戦で敗れた相手に快勝し、シーズン後半を白星で発進。ホームでは10節・讃岐戦(4月29日)以来、約2カ月ぶりの勝利となった。押し込まれる時間が長かったが、しっかり耐えて好機をものにする「われわれらしさがふんだんに出たゲーム」と反町監督。今季最長の4試合無敗とし、ようやく浮上の気配が見え始めた。

ハードワークや球際の強さ、体を張った守備、セカンドボールへの執着心−など、今季は鳴りを潜めていた“らしさ”が随所にうかがえる試合だった。
「どの試合もそうだが、非常に難しいゲームだった」と切り出した反町監督は、最も評価できる点として、リーグトップの15点を挙げている横浜FWイバを抑え込んだ守備の頑張りを挙げた。イバを「相手の攻撃戦術の大部分を担う選手」とし、「彼をしっかり抑えられたことが、少ないチャンスで勝てた要因」。
橋内も「(イバは)高くて強いのでボールを収められてしまうこともあったが、それでもチームとして慌てず対応できた」と胸を張った。
山口との前節は追い付かれながら終盤に勝ち越した。2試合続けて勝ち切れた理由を橋内は「チームが成長した」と話す。
反町監督も「シーズン前半の課題を少なからず修正できた。押さえるべきところを整理して臨めた」とうなずく。
今節の勝利で勝ち点で横浜を抜き、順位も5月上旬以来の一桁に。次節も上位の長崎との対戦で、勝てば昇格プレーオフ進出圏の6位以内に浮上する可能性も。指揮官は「マラソンも折り返し地点を過ぎてからどれだけ走れるかが勝負」と闘志をたぎらせた。

J2は8、9日、第22節を行った。12位の山雅は8日、8位の横浜FCとアルウィンで対戦し3−1で勝った。山雅は8位に浮上した。
落雷の可能性で30分遅れて試合開始。山雅は序盤からイバを軸とした相手の攻撃に押され守勢に回ったが、決定的な場面をつくらせずにしのいで前半終盤、右の深い位置からの宮阪のFKに高崎が頭で合わせて先制し、ロスタイムには右後方から橋内が浮かせたボールを高崎が頭で決めて追加点。
後半にも宮阪の右FKからのこぼれ球を橋内が押し込み3点目。終了間際にPKを与えたが、相手の反撃をほぼ完璧に防ぎ切った。
山雅は12日、天皇杯3回戦でJ1サガン鳥栖とアルウィンで対戦(午後7時開始)。リーグ次節は15日、トランスコスモススタジアム長崎(諫早市)で4位V・ファーレン長崎と対戦する(午後7時開始)。今季、長崎には7節(4月8日)にホームで3−0で勝っている。

【選手コメント】
9番・高崎 2得点ともいいボールが来たので当てるだけだった。3点目は僕に当たりこぼれた球をハシ(橋内)が決めた。自分で決めたかったが、ハシのほうがいい体勢だった。
シーズン前半になかなか勝てなかったのは、得点できなかった自分の責任も大きい。これからしっかり挽回したい。
5番・岩間 90分間を通して苦しい展開だったが、自分たちらしさを出せた。前半に2点取ってくれたので、余裕を持って戦えた。
シーズン前半に僕らの良さが発揮できなかったのは、開幕戦で出し切れず、ずるずるきてしまった部分も。「成長したところを見せよう」とミーティングで確認して試合に臨んだ。
皆(今季前半からの)切り替えはできているし、後半はよいスタートが切れた。ここからの継続が大事だ。
23番・岡本(負傷の田中に代わり後半途中から出場) サイドはリーグ戦では初めて。緊張したが楽しめたし、周りを見る余裕もあった。積極的かつ冷静な判断もできた。こういうプレーを継続したい。まだまだやれる部分がある。
(取材班)
日本クラブユース選手権 予選突破目指して U−18山ア新監督に聞く   (2017年7月6日号より)
U−18(18歳以下=高校年代)チームが全国のクラブ王者を決める第41回日本クラブユース選手権(23日〜8月2日)に出場する。2年連続3度目、北信越予選1位での出場は初めて。今季就任した山ア茂雄監督(53)に、指導してみての手応えや現状、大会での目標などを聞いた。
−半年ほど指導した感想は。
辛抱強く、まじめで素直な選手が多い。一方で破天荒なプレイヤーは少なく、個々の特徴を発揮するのに時間がかかりそう。
昨年指導した東ティモール代表とはかなりタイプが違う。彼らは失敗も多いが判断が速く、どんどんチャレンジする。
ただ、短期間で結果が求められる代表と違い、クラブは継続性が大事。時間をかけて築き上げたものは強固。この半年で彼らなりに力を積み上げてきている。
−目指すスタイルは。
攻守両面で全員が関わるのが原則。ボールを持つ人も持たない人も、プレーに関わるためにどうするべきかを、走りながら考えるよう要求している。
−プロ選手輩出は育成組織の使命。山雅はまだ実現できていない。
日々の積み重ねがプロにつながる。ピッチ内外で自分たちで考え、判断する経験を積み、人間性も含めて成長することが必要。
若くしてプロで活躍する選手も、チャレンジ精神を持ち、力の出し惜しみをせず、周囲がよく見えている−など、私たちから見れば「やるべきことができている」ということ。そういった基本をしっかり身に付けさせることが、ユースに携わる私たちの役割だ。
山雅にも素質がある選手はいるし、継続的にトップチームの練習に参加する選手も出てきている。近いうちにトップチームに昇格させたい。
−チームの長所と課題は。
走力や組織力といった元来の強みに加え、狭いエリアでボールを動かして相手を崩す攻めや、全員がボールに関わる守備などに取り組み、少しずつできてきている。
課題は個々の状況判断。一つの状況に対して二つ、三つの引き出しで対応できるようなケースはまだ少ない。
−今大会と今季の目標は。
予選突破。前年覇者で秋のJユース杯も制したFC東京を筆頭に厳しい試合ばかりになる。
かといって「これだけをやり続ける」という展開にしたくない。粘り強く戦い、短時間でも攻勢に出て、強敵相手に勝機を見いだす戦い方をしたい。われわれの良さを出し、選手に自信を持ち帰ってほしい。
今年の大きな目標の一つが、県リーグからプリンスリーグ北信越への昇格。今大会でひと回りもふた回りも成長、シーズンの最後に成果を発揮し、より高いレベルの環境をつかみ取りたい。

【第41回日本クラブユース選手権(U−18)大会】
全国9地域の予選を勝ち上がったJクラブ育成や一般クラブ計32(うち北信越2)チームが出場。8組で予選リーグを行い、上位各2チームが決勝トーナメントへ。山雅は予選で23日に京都、24日にFC東京、26日に町田と対戦する。
【やまざき・しげお】
1963年、埼玉県生まれ。順天堂大、埼玉教員SCを経て、主に高校やナショナルトレーニングセンターなどで指導。昨年は東ティモールU−21、U−19代表監督。Jクラブ育成組織での指導は2006年の大宮以来11年ぶり。日本協会公認S級コーチ。
(長岩将弘)
柴田ユースアドバイザー、JFL浦安監督に就任   (2017年7月6日号より)
ユースアドバイザー兼U−15監督で、2011〜15年にトップチームのコーチを務めた柴田峡さん(51)が1日、JFLのブリオベッカ浦安(千葉)の監督に就任し、山雅を去った。「私のわがままだが、何かを変えないといけない」と決断したという。
今季前半を終えて最下位で、前監督を解任した浦安から急きょ要請を受け、引き受けた。
ユース全国大会制覇の実績や全国の育成指導者とのパイプを買われ、育成に力を入れるクラブの要請で昨年から現職に。「やり残したことも多いが、のんびりとした風潮の中で『地域を変えるのはよそ者とばか者』という思いでやってきた」
12年のJリーグ入りは「皆で協力して実現した得難い経験」。二人三脚でJ1昇格も果たした反町監督については「勤勉で常に手を抜かない指導者。一緒に仕事ができて勉強になった。成功体験や学んだ方法論に、これから自分の持ち味を加えたい」。
J2降格でトップチームを離れ、「あの悔しさを晴らせていない。いつか松本に戻り、恩返ししたい」と言い残した。
(長岩将弘)
J2第20節 岡山と1−1 終盤失点また勝ち切れず   (2017年6月27日号より)
今季3度目の連勝を期した、勝ち点で並ぶ岡山との一戦。昨季のJ1昇格プレーオフで敗れた相手でもあり、先制してサポーターのボルテージも上がったが、終盤の失点で引き分けた。「今の実力と承知はしているが、同じような試合を繰り返しているようでは…」と反町監督。浮上の兆しは見えてこない。
「相変わらずというか、いつも通りというか、あっさりという感じで…。何ともコメントできない試合でつらい」と会見で絞り出した指揮官。ホームでは2カ月以上勝利から遠ざかった。
追い付かれた直後に得たPKを失敗した田中は、自身がマークした選手に同点弾を許したことも含め「俺1人のせいで勝ち点3を取れず、申し訳ない」とうなだれた。
1|0の終盤、工藤に代えてパウリーニョを入れ、追い付かれたのは17節(4日)東京V戦と同じ展開。1点を守り切るのか、2点目を取りにいくのかという、ベンチの判断や選手間の意思疎通は明確だったか。
飯田は「もう1点取らなくてはいけなかったし、守り切らなければいけなかった。そのどちらもできなかったのはピッチ内11人の問題」と危機意識の共有を訴える。
反町監督は「リードしても2点目が取れないし、走力も落ちてくる」とし、守備についても1点を守り切った試合が今季一度しかないことを挙げ、「フィジカルも含めて能力を出し切れているかどうか。人を代えることも必要かもしれない」と、次節以降のメンバー変更を示唆した。
今季前半のホーム戦が終了。飯田は「これ以上いろいろなものを失う前に、何かをしなくてはならない。皆が顔を洗って自分たちの立場を認識し、(シーズン)後半は違う顔で戦わなくては」と話した。

J2は25日、第20節を各地で行った。12位の山雅は13位ファジアーノ岡山とアルウィンで対戦し、1−1で引き分けた。山雅は12位のまま。
山雅はボールへの執着心を見せて試合立ち上がりから攻勢に出て、前半終盤に工藤の右クロスに飯田が頭で合わせて先制した。
しかし、後半は防戦一方になり、失点は相手ロングスローのクリアをヘディングでつながれ、守備陣がボールを見て足が止まった瞬間に相手に抜け出された。
その1分後に安川が倒されてPKを得たが、GKに止められた。
次節は7月1日、山口市の維新百年記念公園陸上競技場で21位レノファ山口と対戦する。昨季の対戦成績は2分け。

昨季まで山雅に5季在籍し、主力としてチームを支え続けたDF喜山が昨年11月のプレーオフ以来、今度は対戦相手の主将としてアルウィンのピッチに立った。
「敵になってみると、山雅サポーターがつくり出す雰囲気のすごさをいっそう感じた」と喜山。「(岡山は)チーム状態が少しずつ良くなってきており、難しいアウェーで勝てれば自信になると思っていた。好機は多くつくれたが、悔しい引き分け」と振り返った。
山雅がJ2入りした12年、岡山から期限付きで移籍していた讃岐(当時JFL)から加入。高い技術と優れた戦術眼でボランチとして定着し、15年からはDFでもプレー。
3バックの左で攻撃の組み立てにも力を発揮した昨季は、リーグ40試合に出場しながら不可解な契約満了に。試合後は再会を望む大勢の山雅サポーターがスタンドに残る中、しばらくしてピッチに姿を現し、移籍を惜しむ声に応えた。
「5年間でたくさん試合に出させてもらい、いろいろな経験を積めたからこそ今がある」と喜山。いっそうの奮闘を誓っていた。
(取材班)
【19節までを振り返り今後を展望】シーズン折り返し間近で12位・結果出せず苦闘   (2017年6月22日号より)
得失点差で自動昇格を逃した昨季(3位)の悔しさを胸に、来季3年ぶりのJ1復帰を目指してJ2で戦う山雅。今季は折り返しに近い19節まで終えて7勝5分け7敗、勝ち点26で12位ともがいている。ここまでの戦いぶりを、昨季や年間2位でJ1自動昇格を果たした2014年シーズンと比較して振り返り、今後を展望する。
今季は主力を含む昨季のメンバーが多く残ったこともあり、昨季をベースにキャンプの早い段階でチーム構築を終え、各部分の精度を上げる作業に取り組んで開幕を迎えた。
序盤は3、4節と6、7節で2回連勝するなど、まずまずの成績で乗り切ったが、5月に入ってから勝ちなしが5戦(11〜15節)続き、順位もじりじりと後退。
アルウィンで水戸に敗れた18節(11日)終了時点で、2節以降では今季最低の15位まで低下。ホームでは4月29日の10節・讃岐戦以降、2カ月近く白星から遠ざかっている。
ただ、内容的には決して悪くない試合を続けており、安藤や當間らけがで長く戦列を離れていた選手が戻ってきたのも好材料。試合内容や戦力を結果に結び付けられるかが、上位浮上の鍵を握る。

今季が過去のシーズンと比べて異なるのは、序盤を終えてもチーム状況が上向かない点だ。
大きなけが人もなく、例年になく順調にキャンプを終えて迎えた横浜FCとの開幕戦。当日は「キング・カズ」三浦の50歳の誕生日で注目を集めたが、緊張や焦りからか動きが硬く、0−1で2季連続の黒星スタート。
しかし、4節・千葉戦は3−1で快勝し、Jリーグ6季目で初めてホーム開幕戦を白星で飾った。
続く5節は名古屋に逆転負けして10位に下がったが、それ以外は一桁順位を維持して10節まで終了。この辺りまでの順位推移は最終3位だった昨季とあまり変わらない。
だが、過去のシーズンはこの辺りからチームに安定感が出てきたのに対し、今季は逆に成績を落としていく。
反町監督が「前半戦のヤマ場」と位置づけた10〜12節、13〜15節の過密日程(9日間で3試合)で思うように勝ち点を積み上げられず、特に11節からは5試合勝ちなし(2分け3敗)と低迷。
16節の金沢戦で大勝し、ようやく6試合ぶりの勝利を手にしたが、続く17節の東京V戦は先制しながら終盤に追い付かれて引き分け。18節の水戸戦も優位に試合を進めながら隙を突かれた失点で黒星と、同じパターンで勝ち切れない試合が続いた。
ただ、東京V戦の後、敵将ロティーナ監督が「これまでのアウェーで最も難しい試合だった」と振り返ったように、内容が低調なわけではない。
反町監督が水戸戦の後、「いま、われわれがかかっている病気」と苦り切ったように、安易な失点は課題だが、数字からはむしろ深刻な得点力不足が浮かび上がる。
19節終了時の総失点14はリーグ最少。3失点以上した試合はなく、2失点も3試合にとどまる。
一方で総得点24は水戸、徳島と並び上から6番目の中位。4得点が2度、3得点が1度と「固め取り」があり、僅差の試合をものにする決定力は、実際はもう少し低い。
2点以上取った6試合は全て勝っており、仮に敗れた7試合全てでもう1点ずつ取れていれば、6試合が引き分けに。勝ち点6が足されて32になれば現在の3位に並ぶ。
得点者は8点の高崎がトップで工藤と宮阪が3点ずつ、石原と岩間、飯田が2点ずつ。前線の選手を中心に奮起が求められる。

J2の直近3シーズンで、2位の最終勝ち点は昨年が84(清水)、15年は82(磐田)、14年は83(山雅)。単純な比較はしにくいが、自動昇格圏にたどり着くには80が目安になる。
山雅が勝ち点80に達するには、今後の23試合で54が必要。仮に昨季あった「16戦無敗」(9勝7分け)を再現して勝ち点34を得たとしても、残り7試合を全勝しなくては届かない数字だ。
J1昇格プレーオフ制度が導入された12年シーズン以降、19節を終えて二桁順位だったチームが自動昇格した例はなく、状況は厳しい。
同様にプレーオフ進出圏である6位の最終勝ち点を見ると、昨年は65(岡山)、15年は60(長崎)、14年は64(山形)。仮にプレーオフ進出を争う目安を65とすると、23試合で必要な勝ち点は39で、この辺りが現実的な目標と言えそうだ。それでも1試合平均で2に近い勝ち点が求められ、厳しい状況は変わらない。
19節を終えて勝ち点差は2−3位の間で5、17−18位と18−19位の間で4ずつ開いており、上・中・下位の色分けが見え始めている。
山雅を含む中位は勝ち点9差内に15チームがひしめく。特に3位の横浜FCから11位の大分までは3差内の大混戦だ。
ただ、その下につける山雅にとっては、ジャンプアップのチャンスでもある。下位を突き放すためにも、勝ち点で並ぶ岡山との次節は重要な一戦だ。
間もなく、山雅が例年強みを発揮してきた夏を迎える。諦めずに走り切ることで浮上のきっかけをつかみ、巻き返しを図りたい。
(長岩将弘)
J2第18節 水戸に0−1 今季象徴する失点   (2017年6月13日号より)
山雅は過去8度の対戦で負けなし(6勝2分け)だった水戸に敗れ、15位に後退。7敗目を喫し、黒星の数はすでに昨季(24勝12分け6敗)を上回った。攻め込みながら得点できず、隙を突かれて失点−という、繰り返してきたパターンを脱せず「今季を象徴するような試合」(反町監督)。試合後の観客席は激励と怒声が相半ばした。
試合後、ここ11戦負けなしとなった水戸を「数年前のわれわれのような粘り強さ」と反町監督。相手の攻勢に耐え、少ない好機をものにする、山雅のお株を奪うような展開を見せつけた。
シュート数は山雅14、水戸8。CKは山雅9に対し水戸1と、好機の数で上回っていたのは明らかだ。「ベストを尽くした結果なので受け入れなければならないが、最後のキレ、スピード、精度は今季の大きな課題」と反町監督は絞り出した。
「無得点か失点か、悔やまれるのはどちらか」と問われた指揮官は「両方」と答え、失点の場面を「いま、われわれがかかっている病気」と表現。「スーパーなシュートを決められたのなら諦めもつくが、多くはなかったセットプレーをあっさり…」とうなだれた。
「くじけるのは簡単。勝てずに苦しいし申し訳ないが、ここでどれだけ頑張れるか」と力を込めたのは宮阪。「いつまでも『今日の負けが…』と繰り返していられない。課題の修正に取り組み、好転のきっかけを一つつくれれば」と自らを奮い立たせた。

J2は10、11日、第18節を各地で行った。13位の山雅は11日、10位の水戸ホーリーホックとアルウィンで対戦し、0−1で敗れた。
山雅は開始直後から激しいプレスでボールを奪っては高崎、工藤らがゴールに迫ったが得点できず。次第に押し返されたが、危ない場面はつくらせず前半を終えた。
失点はペナルティーエリア左前で与えたFKに頭で合わせられた。前線の選手を入れ替えて最後まで攻めたが、ゴールが遠かった。
次節は18日、正田醤油スタジアム群馬(前橋市)で21位ザスパクサツ群馬と対戦する。昨季の対戦成績は山雅の1勝1分け。

【選手コメント】
11番・三島(後半32分から出場。昨夏まで水戸に4年半在籍) 点を取らなければいけない状況だった。内容は前半から良かったので、セットプレー一つでやられたのは悔しい。(古巣との対戦に)複雑な思いはあったが、ピッチに入ればゴールに向かうだけ。そこは割り切ってやった。
今季はあと一歩という場面が多く、自分を含めて最後を決め切れるかどうか。失点も、このチームなら防げるものばかり。厳しい状況だが、少しでも良い方向に持っていけるよう頑張るしかない。
21番・鈴木(前節負傷した村山に代わり第2節以来の先発) (失点したセットプレーの場面は)僕からもっと発信してやれば何か変わったのかなと思う。率直に言ってもったいなかった。失点ゼロで守れば負けない。前線の選手が1点取ってくれるのを信じて、やっていくしかない。
ポジティブに考えれば首位との勝ち点差はまだ11。でも、上位がもたついている間に、こちらが勝てないのはもったいない。
(取材班)
J2第17節 好内容も痛恨ドロー 東京Vと1−1   (2017年6月6日号より)
前節(5月28日)は金沢に敵地で大勝し、6試合ぶりの白星。連勝を狙った山雅は前半から躍動し、後半立ち上がりに先制したが、終盤に追い付かれて勝ち点の上積みは1にとどまった。反町監督は「前半は今季で一番良かったが、それを90分間続けられないのが現状」と指摘。浮上への模索が続く。
「内容を考えると引き分けは悔しい」と試合後の反町監督。上位の敵将ロティーナ監督に「これまでのアウェーで最も難しい試合だった」と言わしめた内容だっただけに「勝ち点2を失った」印象は否めない。
「1点を守り切れたら僕たちらしいが、今季は守り切れない」と工藤。
「先制後はボールを受けに行かなくなったり、ロングボールで逃げたり。それならあの時間帯に点を取らないほうがいい」と言い切り、「あれだけ押し込まれたらいつかは点を取られる。取り返す力もない」と唇をかんだ。
「ハイプレスを90分間は続けられない。行く、行かないのめりはりや、ボールの奪いどころをはっきりできたら、後半ずっと引く展開にならなかった」と悔やむのは岩間。
「いい時間帯に先制したのに、その後の守備の意思統一ができずずるずる引いて、自分たちで苦しい展開をつくってしまった。選手がピッチ上でどれだけ対応できるか。昇格した一昨年はうまくできていた」
ただ、前半は昨季取り組んだ「つなぐサッカー」が戻って来つつあると感じさせた。岩間も「あの流れで得点できなかったのは課題」としつつ、「後方からのビルドアップも今季で一番よかった。主体的にボールを動かし、ゴールに迫れた」と振り返った。
次節もホーム戦。明るい兆しを結果につなげることができるか。

J2は3、4日、第17節を行った。12位の山雅は6位の東京ヴェルディとアルウィンで対戦し1−1で引き分けた。
山雅は前半、前線からの激しいプレスでパスをつなぐ相手の攻撃を封じ、後半2分、宮阪の左CKに安川が頭で合わせて先制。しかし、以降は選手交代などで活性化した相手の攻撃をまともに受けて守勢に。38分に左クロスに合わせられ、追い付かれた。
次節は11日、10位の水戸ホーリーホックとアルウィンで対戦する。昨季の対戦成績は山雅の1勝1分け。

【選手コメント】
33番・安川(加入2季目で初得点) (頭でボールに)触った感じはあったが、まさか入るとは思わなかった。得点のうれしさより、チームが勝てなかったので悔しい。
6番・安藤(故障から10カ月ぶりに復帰し、後半24分から途中出場) 復帰はうれしいが、追い付かれてしまい残念。押し込まれた時間帯で難しい状況だったが、そこでもう一つパワーを出せるようにやっていかなければ。自分はここがスタート。試合と練習では感覚も違う。しっかり反省し、もっとコンディションを上げ、チームに貢献するのが目標。
15番・宮阪 (先制につながったCKは)追い風でもあり、速いボールで少し触れば入る、あるいは直接入れば−くらいのつもりで蹴った。CKでのアシストはしばらくなかったので、今後も相手の対策を超えて増やしたい。前半は守備がしっかりはまり、攻撃もつないで崩せていた。ただ、前半のうちに点が取れていれば違った。
(取材班)
バス車中の過ごし方は?   (2017年6月1日号より)
敵地で試合するアウェー戦の移動に、山雅は大型バスをよく使う。相手によってはかなりの長時間を揺られて行くことになるが、選手たちは車内でどのように過ごしているのだろう。おおまかな座席の位置とともに聞いてみた。
毎回メンバーが異なるため座席は固定されてはいないが、だいたいの位置は決まっている。前方に監督やコーチ、スタッフが固まって座り、ベテラン選手たちは後方。若手は前寄りに座ることが多いようだ。
前日移動の車中は何人かで談笑したり、一人で音楽を聞いたりタブレット端末で動画配信サービスの映画、ドラマを見たりするなど、多くの選手がリラックスして過ごす。
「サッカーからちょっと離れる感じ」と話す工藤や飯田、武井、山本、鈴木らはゲーム機を持参し、通信プレーに興じることが多い。飯田は「バスの中ではあまり眠れない」と、たいてい起きて過ごすそうだ。
一方で「ひたすら寝ている」のは村山。乗り物酔いしやすい体質で、画面を見たり本を読んだりするのは避ける。窓を開けて景色を眺めたりもするが「ほぼ寝てるか食ってるかですね」。
三島も乗り物酔いしやすいというが「活字を追うのは厳しいが、映像は大丈夫」と映画を見ていることが多い。
同じく映画好きの石原も「思わずじわっときてしまうことがある。意外と作品に入り込める環境かも」。ただ、石原の席はブラジル人選手に囲まれることが多く、「楽しそうに何かしゃべってますが、輪に入っていけなくて…」と苦笑い。
岡も映画を見たり音楽を聞いたりすることが多い。「バス移動が好きなので苦にならない」と言う。
映画より「とりためたテレビ番組を見る」というのは宮阪。車内は空気がこもって暑く感じるため、少し薄着で過ごすなど「くつろいで過ごせる環境づくりを意識している」と話す。
映像派が多い中、「最近はミステリー小説を読んでいる」というのが橋内。徳島に在籍した昨夏、けがで精神的にも苦しかった時に「これまでしていなかったことをやってみよう」と、妻の助言もあって本を手に取った。
面白さにはまり、「山雅に来て読書量が増えた」とうれしそう。遠隔地だと片道で1冊読んでしまい、敵地で本を調達することもあるそうだ。
宿舎からスタジアムに向かう車中は、三島や宮阪、石原、村山ら好きな音楽を聞いて気持ちを盛り上げる選手が多い。宮阪は缶コーヒーを飲むのがルーティン。プロ入り間もない山形時代、チームメートの外国人選手をまねたところ、その試合がうまくいったため続けているそうだ。
(長岩将弘)
J2第16節 6試合ぶりの白星 金沢に4−0で大勝   (2017年6月1日号より)
J2は5月27、28日に第16節を行った。14位の松本山雅FCは28日、19位ツエーゲン金沢と石川県西部緑地公園陸上競技場(金沢市)で対戦し、4−0で大勝した。山雅は6試合ぶりの白星。
前半は得点機の数など両者ほぼ互角の展開。試合が動いたのは後半なかば。山雅は工藤のパスを決めた石原の2試合連続ゴールで先制すると、続く4分間でさらに2得点。前節に続いて守備が崩壊した相手に終盤にもダメを押し、4得点は今季最多タイ。
山雅は順位を2つ上げて12位に。次節は4日に6位の東京ヴェルディとアルウィンで対戦する。午後1時開始。昨季の対戦は山雅の2勝。
(長岩将弘)
J2第15節 湘南に1−2 今季初の連敗   (2017年5月23日号より)
前節(17日)、敵地で山形に0―1で敗れ、中3日で強敵の湘南をホームに迎えた山雅は、今季初の連敗を喫し5戦勝ちなしで14位に後退した。1、2位がJ1に自動昇格する現行制度になった2012年以降、15節以降に2桁順位を記録したチームが自動昇格した例はない。「これが今の実力」と力なく繰り返す反町監督の表情に、浮上への光明は見えない。
「チーム力の上積みが、いろいろな意味で足りていないという言い方になるかもしれない」。躍動感や前への推進力が薄れていること、主力を脅かす若手の不在などを挙げながら、指揮官は現状をそう分析した。
「完全に崩されているわけではなく、『あれ、どうしちゃったんだろう』でやられている。そこをどう修正していくか」とし、「私やスタッフの考え方を集約して何かを変えなくては、このままシーズンが終わってしまう」と焦りも口にした。
「山形に負け、がむしゃらさやハードワークが足りないのを選手間で再確認した」と言う岩間は、「今日は久々に自分たちらしさを出せたが、結果がついてこない」。
飯田も「勝つためには今日の後半のようなハードワークや球際での争いを練習から追求し、チームとしてそういう姿勢を取り戻すことが大事」と訴えた。
首位との勝ち点差は11に広がり、逆に降格争いの20位とは9差に。「しっかり前を向き、選手たちとともに死にものぐるいで頑張る」。反町監督は自らを奮い立たせるように話した。

J2は21日、第15節を行い、10位の山雅は3位の湘南ベルマーレに1−2で敗れた。
山雅は前半から相手のスピードや球際の強さに押され、後半開始早々に先制を許した。6分後に安川の左スローインを受けた石原がペナルティーエリア手前からシュートを決めて追い付いたが、9分後、自陣右CKの流れから左クロスを頭で合わせられ、勝ち越された。
次節は28日、19位ツエーゲン金沢と石川県西部緑地公園陸上競技場(金沢市)で対戦する。午後7時開始。昨季の対戦成績は山雅の2勝。

【選手コメント】
20番・石原(今季初得点)  今日は前のほうで使ってもらったのでシュートと得点は意識していた。いい形でゴールでき、自分自身はプラスに捉えているが、チームは勝っていない。前線の選手が得点に絡むのは当然。ミスをつぶし、しっかり準備して次節を戦う。
33番・安川(先発で8試合ぶり出場) チームの役に立てればと思ったが負けて悔しい。前半、カウンターや早い切り替えで、もっと前に出ていければよかった。得点の場面は、とにかく早いリスタートを心掛けて投げた。狙ったというよりイシ(石原)がうまかった。
13番・後藤(J2通算200試合出場)   昨年の結果に慢心しているとは思わない。まだシーズン3分の1が終わったところ。チャレンジを恐れず、しつこく頑張っていけば道は開けるはず。
31番・橋内 2、3試合勝てなかった時点でみんな危機感を持ったはず。昇格を目指すなら、ここまでの状況になってはいけない。
今日はしっかり走れていたし、相手の長所の球際でも僕らが上回った部分がある。少しでも良いところを拾い、継続していかなくては。
(長岩将弘、大山博)
J2第13節 町田と1−1 10位に後退   (2017年5月16日号より)
リーグ戦ホームゲームの観客数が1万人を下回ったのは、3年前のJ2第32節以来49試合ぶり。これまで天候にかかわらずアルウィンに足を運んできたサポーターの目にも、今季のもたつきは物足りなく映るのだろう。この日も先制しながら追い付かれ、以降は攻めあぐねて引き分け。肩を落とす選手たちにスタンドから「前を向け!」と叱咤(しった)も飛んだ。
反町監督が「正直なところ、現在持ちうる力を出し切った。これが今の力と認識している」と言葉少なに振り返れば、田中も「同点にされたり、2点目が取れなかったりするのが現状」と認めた。
3試合未勝利で二けたの10位に後退。山雅を中心に勝ち点上下3差内に6〜16位がひしめき、一つの勝敗で大きく変わる状況とはいえ、上位との差はじわじわと開いている。単純に比較できないが、昨季は13節を終えた時点で6位。以後、一度もプレーオフ進出圏外(7位以下)に下がらなかった。
指揮官は「われわれは強いと見られているかもしれないが、決してそうではない」とし、「(昨季よりも)周囲が力を付け、われわれがそのままであれば、相対的にこういう状況になる」。
一朝一夕で劇的にチーム力が向上するわけではないが、初先発でまずまずの存在感を示した岡など、チームに刺激を与える存在は好材料だ。
今節から再び、9日間で3試合を行う過密日程。1勝1分け1敗だった2週前を確実に上回りたい。「厳しいゲームが続くが、強気でやっていく」と指揮官は前を向いた。

J2は5月13日、第13節を行い、9位の山雅は12位の町田ゼルビアとアルウィンで対戦し、1−1で引き分けた。
山雅は大卒ルーキーの岡が初先発。ほぼ互角に攻め合い前半40分、石原の左クロスに中央の工藤が滑り込みながらダイレクトで合わせて先制。しかし後半7分、自陣左スローインの流れからペナルティーエリア手前でシュートされて同点に。
以降はセットプレーも交えて押し込んだが、勝ち越せなかった。
次節は17日。山雅はモンテディオ山形と山形県天童市のNDソフトスタジアム山形で対戦する。午後7時開始。昨季の対戦成績は山雅の2勝。

【選手コメント】
26番・岡(出場3戦目で初先発)  思い切ってプレーできたし、チームが大事にする守備の意識も出せたと思う。ただ、自分が出て勝てなかったのは悔しい。
もう少しボールタッチやスピードなどの点でうまくやれていれば、得点につながったはず。前への勢いや裏への抜けだしは自分の持ち味。今日の苦い経験を次に生かす。
10番・工藤(チーム3試合ぶりの得点) イシ(石原)のボールがよく、落ち着いてミートするだけだった。フリーで打てたのは岡やヒロ(高崎)が(相手選手を)引きつけてくれていたから。
勝ち切れない試合が続くが、出場機会に恵まれていない選手にはチャンスだろう。僕もいつも出られるとは思っていないし、出ている選手がもっと頑張るのは当然。競争から勝ち点3が生まれれば。
16番・村山(再三の好守や飛び出しでピンチを防ぐ)  2試合続けてぴりっとせず、サポーターにフラストレーションを与えてしまっている。失点は集中を欠いていたのでも隙があったのでもなく、シュートを止める技術が自分になかった。
(長岩将弘、田中信太郎)
J2第12節 警戒クロスで失点 福岡に0−1   (2017年5月9日号より)
元日本代表や若い年代別代表ら実力と実績がある選手がそろう福岡に、早い時間帯で失った1点を巧みに守りきられ山雅は4試合ぶりの黒星。9日間で3試合を行った今季最初の過密日程は、前節(3日)は敵地で大分と0−0で引き分け、1勝1分け1敗の勝ち点4。終盤の昇格争いが昨季のような接戦になり、悔やまれる大型連休にならないとよいのだが…。

反町監督は守勢だった前半から一転、後半は好機をつくり足を止めず攻め続けた選手たちをねぎらいつつ、「やられてから目覚めるようでは駄目。ボールコントロールのミスもあり、自分たちでリズムを壊してしまった。後悔ばかりが残る」と歯がみした。
「相手が特別強かったとは思わない。こちらにミスや後ろ向きなプレーが続き、反省点が多い」と振り返ったのは村山。自身の好セーブも「それはこちらの状況が良くなかったということ。それに、ああいう決定機(失点の場面)を防がないと上位には行けない」と戒めた。
失点は警戒していたクロスボールから。後藤も「あの1点が試合を決めた。ぎりぎりでやられたのではなく、余裕を持って打たれた。問題は大きい」と危機感をあらわに。「気持ちを切り替えることは大切だが、今日はなぜ負けたのかを、しっかり受け止めなくては」
2試合連続の無得点も課題。工藤は「そもそもシュートがあまり打てていない」とし、「決まるかどうかより、それ以前のゴールに向かう段階の精度を上げなくては」。
次節から再び、水曜夜(17日)の山形でのアウェー戦を含む過密日程。「今季は10節ちょっとを終えて抜きんでたチームがなく、その中で勝ち点を積み重ねていくのは大変なこと。われわれも、ここぞというところで勝ち点3を取れていない」と指揮官。「幸い、けが人も出場停止もいない。またここから奮起し、ファイティングポーズをとっていく」と前を向いた。

J2は7日、第12節を行い、7位の山雅は9位のアビスパ福岡とアルウィンで対戦し0−1で敗れた。
山雅は前半、ほぼ一方的にボールを保持され、失点は自陣右深くで福岡の亀川にこぼれ球を拾われ、クロスを中央に走り込んだウェリントンに合わせられた。
相手の出足が緩んだ後半は押し返し、カウンターやセットプレーで何度も好機をつくったが、ゴール前を固められて得点できなかった。山雅は5勝3分け4敗の勝ち点18。順位を9位に落とした。
次節は13日。アルウィンで町田ゼルビアと対戦する。町田は4勝4分け4敗で山雅と勝ち点2差の12位。昨季の対戦成績は1勝1敗。

【選手コメント】
17番・ジエゴ(後半途中から初出場) 大きな経験になった。いつもスタンドから見ていて、アルウィンでプレーできる仲間がうらやましかった。ピッチ上で(応援の)熱を感じることができ、うれしい。
リードされている状況だったので、相手を上回る走力、激しいマークなどを心掛け、流れを変えるプレーをしようと思った。ロングスローは自分の武器。今日は相手の守備を打ち破れなかったが、どんどん投げたい。
5番・岩間 後半にスペースが空くことは分かっていて、狙い通りに攻めることができたが、流れの中から決められないのが現状。改善しないと厳しいシーズンになる。
昨季は流れの中から得点できた。後方からのビルドアップは昨季よりしっかりできている。誰でもいいので流れの中から得点したいし、前の選手が取れればチームに勢いが出るはず。
(取材班)
J2第10節 今季最多得点で大勝 讃岐に4―0内容には課題も   (2017年5月2日号より)
「前半戦のヤマ場」と反町監督が語った8、9節のアウェー連戦は1分け1敗で、3試合ぶりのホーム戦の相手も前2戦と同じ下位チーム。山雅はこれ以上の取りこぼしが許されない状況で、今季最多の4得点で大勝。2人が退場した相手の自滅でもあったが、9日間で3戦する過密日程の初戦を制し弾みをつけた。
「11人対11人だったら、どちらに転んでもおかしくなかった」。大勝にも反町監督は表情を緩めず試合を振り返った。
2点目を挙げたPKが試合を決める「ターニングポイント」だったとし、「得点機を決め切り、それ(ターニングポイント)を前半のうちに自分たちでつくらなければ」と注文。「相手の精度不足に助けられた。決してわれわれが強かったわけではない」
3点リード後に投入した選手たちも、志知に消極的なプレーが目立つなどレギュラーを脅かす動きに乏しく、指揮官は「交代には理由がある。それを証明してほしかった」とおかんむりだった。
それでも、思うように勝ち点を積み上げられなかった前2節を仕切り直せたのは大きい。
「一度の好機で決められればいいが、そうはいかない。チャンスを多くつくったのは良かったし、もっと増やすことが大切」と橋内。田中は「昇格を狙うチームが3試合続けて勝ち点3を取れないことはあり得ない。プレッシャーはあったが、それに打ち勝つのが俺たち」とうなずいた。
10節までを終え、6位の山雅を含む1〜7位が勝ち点3差にひしめく。5月は13〜21日にも過密日程があり、シーズンを左右する重要な時期になりそうだ。
田中は「得意な夏場にトップに立つ。そのために、この3連戦で勝ち点9を」と力を込めた。

J2は4月29日に第10節を行い、8位の山雅は20位カマタマーレ讃岐とアルウィンで対戦。4−0で快勝した。
山雅は前半、宮阪の右FKを高崎が右足ボレーで決めて先制。後半はセルジーニョのシュートが讃岐DF李栄直のハンドを誘い、李は2度目の警告で退場。PKを高崎が決めた。さらに讃岐DFエブソンも石原を倒して警告2度で退場。宮阪のFKのこぼれ球を後藤が右足先で押し込み、終了直前には岩間がダメ押しした。
次節は3日。山雅は昨季J3優勝で昇格した大分トリニータと大分市の大分銀行ドームで対戦する。大分は現在、山雅と勝ち点1差の9位。

【選手コメント】
9番・高崎 前2節も内容は悪くなかったが、決定機を外し続けた。今日は決めるべきところを決められた。もっと点を取れたとは思うが、無失点で抑えたのは大きい。
相手が9人になってから点が欲しくて前掛かりになり、中盤でボールを受けにくくなったのが課題。
4番・飯田 (前2節の反省から)コンパクトにプレーしようという狙いを研究され、裏に走り込まれた。それでもラインを高く保ったので、結果として高い位置でボールを奪ってカウンターに転じ、相手のファウルを誘えた。
昨季のようなもったいない失点が今季は少ない。相手のスーパーシュートが入ったり、オウンゴールがあったりはするが、守備は昨季よりできている。
13番・後藤(今季初得点) イイさん(飯田)とヒロさん(高崎)がつぶれてくれたところを自分が押し込み、役割を果たせた。すぐに大分戦がある。アウェーで良い結果が出ていないので全力で勝ちにいく。
5番・岩間(今季初得点) 3点リードの終盤も無失点で終えるよう心掛けた。ミシ(三島)からいいパスが来て、ファーストタッチでイメージ通り打てた。その前にシュートを外していたので決められてよかった。
(長岩将弘、田中信太郎)
激闘を彩る曲たち〜スタジアムBGMやチャント〜   (2017年4月27日号より)
大観衆の声援に加え、アルウィンでの選手たちの激闘を彩るのが、さまざまな音楽だ。試合の前後に流れるBGMや、サポーターが歌うチャント(応援歌)はどのように選ばれているのか。関係者に聞いた。
アルウィンで流れるBGMを選ぶのは、クラブ運営会社の上條友也副社長(60)、演出担当で広告会社アドソニック松本支社の三村敦さん(37)、ディレクターで映像制作などのワーナックス(松本市大手4)代表・大野善裕さん(41)。毎試合かかる“定番”を時系列で紹介してもらおう。
先行・一般入場開始時はJ'S THEME。Jリーグ開始時(1993年)からある曲だが、近年はスタジアムで耳にする機会は少ないという。山雅では「やっとたどり着いた舞台への思いを込めて」(大野さん)、J2入りした2012年から使っている。
同じくJリーグを象徴する曲THE GLORY/Jリーグ・アンセムは、審判団やボールパーソン、担架隊などの紹介時に。「試合を支える人たちに敬意を」(三村さん)との思いという。
対戦相手の選手紹介はアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」からDECISIVE BATTLE。作中で人類の敵とされる「使徒」の襲来時に使われ、同作の舞台の「第2新東京市」が松本市という設定にもちなんだ。“人類の敵”になぞらえられた相手サポーターの反響が大きいそうだ。
山雅の選手紹介の前に観客の手拍子に合わせて流れるのは、ジョー・サトリアーニのCrowd Chant。テレビ東京系「カンブリア宮殿」オープニングテーマ曲としても使われている。
今季、選手紹介の映像に使われているのはBLUESTAHLIのSecret Agent Business。映像の雰囲気も曲から決めたといい、「ハードボイルド、スリリングといったキーワードが思い浮かび、『ルパン三世』のようなテイストをイメージした」(大野さん)。
選手紹介の映像はサポーターが注目するため、使えそうな曲を1年かけてストックし、じっくり選ぶという。
ハーフタイム終了時はThe Pretty RecklessのHeaven Knows。冒頭に「ジリリリリ…」と非常ベルのような効果音が入り「後半開始の合図としても定着したのでは」(大野さん)。
勝利時はMVP表彰の後にザ・ハイロウズの日曜日よりの使者。地域リーグ時代からサポーターがチームチャントとして歌い継ぐ曲でもあり、最も長く使われている。最後は観客を見送るように、チャントの原曲をいくつか流す。
三村さんは「メインはお客さんによる応援で、全ての音楽演出はその気持ちや雰囲気を盛り上げるのが目的」とし、チャントやコールの邪魔にならないよう、オン・オフや音量は臨機応変に変える。
上條副社長は「音楽による演出は、アルウィンの“らしさ”の一つで、観戦のリズムも生む。さらに魅力的な演出を目指して努力する」と話す。

チャントを選ぶのはサポーター組織「ウルトラスマツモト」。選手1人ずつのチャントは以前は中心メンバーが考えていたが、5、6年前からウェブサイトで公募するように。一選手に50点ほどが寄せられることもあるという。
各部署のリーダーら選考委員がある程度絞り込み、最終的には中心メンバーの会議で実際に歌って決める。責任部署「リズム隊」のリーダー古池智さん(45)は「いいものがいくつあっても採用するのは一つ。プレッシャーを感じる」と言う。
基準は歌いやすさや覚えやすさ、応援が盛り上がるかに加え、独自性も重視。「応援を始めた時から曲も『山雅らしさ』にこだわってきた」と疋田幸也代表(41)。
応募は原曲がある「替え歌」の割合が高いが、近年は完成度が高いオリジナル曲も増え、採用もされている。今季の所属選手ではパウリーニョや橋内、呂成海、鈴木らがオリジナル曲だ。
古池さんは「多彩な曲を一緒に歌ってもらっている。責任感を持って選びたい」。疋田代表は「チームチャントも新しいものを加え、チャレンジしていきたい」と話す。
(長岩将弘)
小学生年代の強化とクラブ普及の現状は   (2017年4月20日号より)
育成チームのU−12が、小学生の全国大会「JA全農杯チビリンピック」(5月3〜5日・横浜市日産スタジアムほか)に北信越代表として出場する。2年連続2度目。昨年を上回る成績を目標に、全国の強豪との対戦を成長の糧にする。強化と並び小学生年代のもう一つの使命である普及の現状も担当者に聞いた。

「チビリンピック」は全国9地区予選を勝ち抜いた10チーム(関東だけ2)が出場。5チームずつ2組で総当たりの1次ラウンドを行い、各組2位までの4チームが決勝トーナメント(T)に進む。
U−12は、昨年度にU−11(5年生以下)チームで県予選(昨年7月)、北信越予選(3月18、19日・富山県)とも制し、出場を決めた。
選手たちは今年の目標を「先輩を超えること」とし、1次ラウンド2分け2敗で敗退した昨年の雪辱を期す。
目指すのは相手の戦い方にかかわらず、攻守とも意図を持ったプレーを徹底するスタイル。漫然とした動きが目立った以前に比べ、「ボールを意識的に動かす手応えはある」と恒本大輔監督(34)。
課題はゴール前での崩し。「ドリブル突破かパスか、どちらかに偏る。『自分が敵だったらどちらが嫌か』を常に意識させ、攻め方の引き出しを増やさせたり、判断力を身に付けさせたりしている」(恒本監督)と言う。
1次ラウンドは鳥栖U−12(佐賀)、ディアブロッサ高田(奈良)、青森FC、江南南少年団(埼玉)と同組。江南南以外は昨年12月の全日本少年大会(全少)に出場し、鳥栖と高田は決勝T(16チーム)に進んだ。全少と学年は代わったが、どこが決勝Tに進んでもおかしくない顔ぶれだ。
初戦(3日)の高田とは昨年も対戦し0−0。大会初白星への思いは強いが、「やってきたことを出し切れるかが、何より大事。その中で結果を出せたら」と恒本監督。
U−12は全少も2年連続で出場中だが、いずれも予選リーグで敗退。全国大会で結果を出し、育成の成果を示したい段階にある。
恒本監督は「将来のプロ入りを見据え、全国の強豪チームや優れた選手たちを肌で感じ、学び取ってほしい」とし、主将の高橋圭太(穂高南6)は「みんなの気持ちも高まっている。1次ラウンドを突破して優勝を」と上を見る。

クラブの普及事業を担うNPO法人「松本山雅スポーツクラブ」が中信地区3カ所を含む県内6カ所で開くサッカースクールには現在、小学生を中心に未就学児から中学生の約600人が通う。
クラブが「育成元年」を掲げた昨年、普及の充実も図り、スクールの時間帯を変更。子どもたちの生活リズムを考え、おおむね午後6〜9時に開いていたのを早いクラスは午後4時半に始まり、多くが7時までに終わるようにした。
スタッフも増やし、専任2人を加えたほか、トップチームのコーチ経験がある育成指導者がスクールに携わるようにし、「プロ選手に求められるものを逆算し、普及の現場に落とし込むことができるようになった」と高橋耕司理事長(53)。
塩尻市広丘堅石の民間フットサル場「綿半フットボールパークフットサルポイント塩尻」を会場に、昨春から開くスクール塩尻校は6カ所で最多の約200人が練習。
照明があり夜も使える人工芝グラウンドの存在は大きいが、「地域全体を見れば、環境面はまだまだ」と高橋理事長。グラウンドや指導者が足りず、ホームタウンの中でもスクールを開設できていない地域があるのを課題に挙げる。
スクール以外の普及事業では単発のサッカー教室「クリニック」に加え、未就学児の親子向け運動遊び教室を昨年11月にスタート。3月には、松本市と提携して2014年から開く高齢者向け健康講座を発展させた、初の親子3世代向けの運動教室も開いた。
高橋理事長は「子どもたちが体を動かす機会が減っている」と指摘し、「サッカー以外の競技でも必要な、運動神経の発達や体の使い方の習得を促したい。地域の健康づくり、人育てなどにも貢献できれば」と目的を話す。
(長岩将弘)
J2第8節 熊本の気迫に押され0−2敗戦   (2017年4月18日号より)
J2は15、16日に第8節を行い、5位の松本山雅FCは16日、20位ロアッソ熊本と熊本市のえがお健康スタジアムで対戦し、0−2で敗れた。
山雅は前半7分、相手ミドルシュートを飯田が防いだこぼれ球を拾われ失点。後半36分には自陣中央左からのFKを直接決められた。4連敗中で熊本地震復興支援試合に燃える相手の気迫に押され、CK10本、FK20本のセットプレーを生かせず、何度かあった得点機もシュートを外した。
山雅の連勝は2でストップし、7位に後退。次節は22、23日で山雅は22日、20位京都サンガFCと京都市西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場で対戦する。午後3時開始。昨季の対戦は山雅の2勝。
J2第7節 長崎に3−0で快勝   (2017年4月11日号より)
春の強風が吹くアルウィンで山雅は風下の前半に2得点、後半にも1点を加え、3連勝中と好調だった長崎を一蹴した。前線の厳しい守備で相手ボールを奪ったりCKに追い込んだりし、ファウルを連発する相手から再三得たFKでも得点。守備も2戦続けて無失点と「らしさ」を全開にし、2連勝で5位に浮上した。
「(強風で)互いに雑になりサッカーの質は高くなかったが、効率よく点が取れた」。反町監督はほっとした表情で試合を振り返った。
先週の練習中に負傷したセルジーニョに代えて宮阪を2列目で起用。高崎、工藤と前線3人で激しくボールを追い、ファウル数がリーグ最多の相手に付け入った。前節に続きFKを直接ゴールにたたき込んだ宮阪は「チームとしてやりたいことが体現できている」と誇った。
前半終了間際に飯田が相手GKと交錯し、腰を強打して退くアクシデントに加え、長崎は後半から選手を代え布陣も変更して挑んできたが、守備陣は3バックの中央に入った橋内を中心に冷静に対応。「後手を踏む場面もあり、もう少し中盤でボールを奪いたい」と注文を付けた反町監督だが、上位相手に2戦連続の無失点で「手応えはある」。
3点目で試合を決めたパウリーニョは4試合ぶりの先発。「いつも通り自分の100%を出し切ろうと臨んだ」と本人は涼しい顔だが、指揮官は「悔しい思いを秘めてやっていると、好機をものにできるのだろう」。選手層の厚さや競争が好結果を生んでいる。
次節から敵地で2連戦。次節に首位に立つ可能性もある。反町監督は「上位に食い込めるか、ここが前半戦のヤマ場」とにらんだ。

J2は4月8、9日、第7節を行い、10位の山雅は8日、3位V・ファーレン長崎とホームで対戦し、3−0で快勝した。
山雅は宮阪のロングボールを追ってPKを得た高崎が自ら決めて先制し、工藤が倒されて得たFKを宮阪が直接決めて加点。後半は自陣でプレーする時間が長かったが、ゴール前で相手ボールをさらったパウリーニョがシュートを決めて突き放した。
次節は15、16日。山雅は16日に20位ロアッソ熊本と熊本市のえがお健康スタジアムで対戦する。午後6時開始のナイトゲーム。両者の昨季の対戦成績は1勝1敗。

【選手コメント】
31番・橋内 (飯田が安川と途中交代し)練習でも並んだ覚えがない急造3バック。ラインが多少重くなっても失点しないことを心掛けた。
風下の前半はロングボールで押し込まれたら苦しかったかもしれないが、相手は足元でつないできた。僕らは前線の運動量があるので、はがされなかった。
上位に2連勝したのは大きいが、J1昇格のためには毎試合がヤマ場だと思っている。

【長崎に移籍の飯尾】
昨季まで山雅に4シーズン在籍し、今季長崎に移籍した飯尾が右サイドでフル出場。古巣との一戦を「自然と力が入った。自分のサッカー人生の中でもアルウィンは特別な場所だと改めて感じた」と振り返った。
阪南大から13年に山雅に入団。学卒の生え抜きとして期待され、リーグ戦はJ1を含む46試合に出場。
自身最多の18試合に出場した昨季は、右目網膜剥離の手術で離脱した田中の穴を埋め、第19節の山形戦(6月19日)ではアルウィンでプロ初ゴールとなる決勝点を挙げるなど成長。移籍を惜しむ声が多かった。
長崎で開幕から定位置を獲得し、山雅で培った力を見せていたが、今季初の無得点での完敗に「(山雅が)セットプレーが得意なのは分かっており、簡単にファウルをしないイメージを確認して試合に入ったが、安易にFKを与えてしまい、相手の思うつぼだった」と悔し涙を見せた。
試合後にピッチを1周して観客にあいさつ。山雅サポーターから「竜太朗」コールを受けて感極まり、再び涙した飯尾は「この悔しさを次へのばねにし、成長した姿を(アルウィンで)見せたい」と誓っていた。
(長岩将弘)
育成年代もキックオフ 山アダイレクターに聞く   (2017年4月6日号より)
U−18(高校年代)、U−15(中学生)それぞれのリーグが開幕し、今季の育成各年代の戦いが始まった。今季はどのような立ち位置で、どういう戦いに挑むのか。山ア武・ユースアカデミーダイレクターに聞いてまとめた。
U−18は昨季、北信越予選を突破して夏の全日本クラブユース選手権に5年ぶりに出場。Jクラブの育成チームが競う秋のJユースカップでは神戸、横浜Mといった強豪を破り3位になるなど躍進を遂げた。
今季は、主力の1stチームは昨季と同じ県リーグ(L)1部(8チーム)、昨季県3部を制した2ndチームは昇格して県2部(同)で戦う。今季は先月18日に開幕し、どちらも2節まで終えて1stは市立長野高に3−1、松本県ケ丘高と1−1の1勝1分け、2ndは創造学園高2ndに0−2、市長野高2ndに4−0の1勝1敗。
1stは昨季県1部を制し、8チームがトーナメントで競う北信越プリンスL参入戦で決勝まで進んだものの、日本文理高(新潟)に0−1で敗れて昇格を逃した。
9月の県L終了後、11月の参入戦までの間に激闘のJユース杯を挟んだため、山アダイレクターは「体力面でも精神面でも、参入戦は相当ハードだったはず」と推し量りつつ、「苦しい戦いをものにするのが本当に強いチーム。そこは今季の課題」。
躍進した昨季が前提となる今季は、内容も結果も求められる重圧の下で戦う。山アダイレクターは「プレッシャーの中で力を発揮できる人間力が、技術以上に求められる」とにらむ。

U−15の1stは昨季県L1部で優勝。今季から2部制になった北信越Lの2部(8チーム)に昇格した。今季は2日に開幕し、FCひがし(富山)との初戦を1−0で制した。
2ndは昨季県2部を制し、昇格した1部に挑む。中学生は学年による体格・体力差が大きいため、別に1年生の県U−13Lも設けられている。
大枠で学年別の3チームに分かれるU−15だが、「力のある選手はどんどん上のカテゴリーに挑戦してほしい」と山アダイレクター。ただ、「そういった貪欲さはまだ物足りず、意識づけが課題」と話す。

U−12(小学生)は年末の全国少年大会に2年連続で出場。5月のJA全農杯チビリンピック全国大会にも2年続けて出場する。
参加する松本、塩尻市チームのU−12リーグは15日に開幕。リーグ戦がない週末は県外遠征に出掛け、よりレベルが高い競技環境を整える。
山アダイレクターは「この年代で大事なのは、才能ある選手に最適な環境を与え続けること」と強調。「その延長上に(全国出場などの)結果がついてくるよう、取り組みを続ける」と話す。
(長岩将弘)
松本市かりがねサッカー場に防球フェンス贈る   (2017年4月6日号より)
クラブはトップチームや育成年代が練習する松本市かりがねサッカー場に防球フェンス8基を寄贈した。一般利用者も管理事務所に申し出れば無料で使える。
フェンスは幅約5メートル、高さ約4メートル。グラウンドを仕切ったり、ボールが思わぬ方向に飛んで見学者に当たるのを防いだりする。ボールを拾いに行く時間が減り、練習の効率が上がる効果も。1基約15万円。
「(市施設の)サッカー場を優先的に使わせてもらっており、クラブとして目に見える形で地域のスポーツ振興に貢献したい」と神田社長。
寺沢和男・市文化スポーツ部長は「市民は山雅の戦いから勇気と感動をもらっている。今回のような形でも市に協力してもらい、ありがたい」と話す。
浅間温泉旅館協同組合から入浴券の寄贈受ける   (2017年4月6日号より)
松本市の浅間温泉旅館協同組合は選手の疲労回復に役立ててほしいと、市の委託で運営する日帰り入浴施設「ホットプラザ浅間」(浅間温泉3)の無料入浴券をクラブに贈った。
毎年贈り5年目。12月まで使える約3200枚を提供し、クラブは選手のほかスタッフや運営会社の社員らに配る。
施設はトップチームが練習する市かりがねサッカー場に近く、神田文之社長(39)は「毎年、選手たちに好評」と感謝。「初めて松本で暮らす新加入選手も、疲れを癒やしながらこの地の魅力に触れてほしい」。
組合の石川二郎理事長(62)は「来季こそJ1に復帰し、その先はJ1優勝を。近年の戦いぶりを見ていると夢物語ではない」と期待していた。
J2第6節 徳島に2−0の快勝   (2017年4月4日号より)
J2は1、2日に第6節を行い、10位の松本山雅FCは1日、3位の徳島ヴォルティスと徳島県鳴門市の鳴門・大塚スポーツパークポカリスエットスタジアムで対戦し、2−0で快勝した。
山雅は前半、カウンターや前線での厳しい守備、セットプレーから何度もつくった得点機を逃したが、後半7分に石原の左クロスを逆サイドの工藤が角度のないところから決めて先制。19分にはゴール正面のFKを宮阪が直接決めた。
山雅は3勝1分け2敗の勝ち点10とし、首位東京Vと勝ち点5差の8位に。次節は8、9日。山雅は8日に勝ち点3差の3位V・ファーレン長崎と松本市のアルウィンで対戦する。昨季の対戦成績は山雅の1勝1分け。
オウンゴール2発で名古屋に逆転負け   (2017年3月28日号より)
「『リズムがいいときに追加点を取れなかったのが響いた』とはよくある表現だが、今日についてもそれが言える」。試合後、反町監督はそう絞り出した。山雅は序盤に先制しながら、後半開始直後と終了間際にオウンゴールを献上し、J1昇格を争うであろう名古屋に逆転負け。注意すべき時間帯に失点するなど、課題が多く残った。
前半はボールを保持しようとする相手を厳しいプレスで自由にさせず、工藤やセルジーニョが高い位置でボールを奪ったり、セカンドボールをほぼ拾ったりして攻撃に転じた。
しかしPKの1得点にとどまると、後半開始直後の「相手が選手と並びを変え、捕らえきれない」(反町監督)隙に追い付かれ、次第に流れを失った。指揮官は「オウンゴール自体については選手を責められないが、時間帯の問題はある」と指摘した。
「いい形で先制したのに、僕たちらしくない」と悔やんだのは田中。「(名古屋は)簡単に追加点を取れるチームではなく、たらればを言っても仕方ない。1−0でも勝ち切らなくては」と険しい表情。
工藤は「前半の戦い方を90分間やり抜くのが自分たち」とし、「悔しいが戦い方がぶれるチームではない。次につなげるしかない」と力を込めた。
次の相手はここまで4勝1敗で3位と好調な徳島。指揮官は「(土曜の試合で)準備期間は短くなるが、上位から勝ち点3を取って帰ってくる」と前を向いた。

J2は25、26日、第5節を行い、2連勝中で7位の山雅は26日、勝ち点で並ぶ8位の名古屋グランパスとアルウィンで対戦し、1−2で敗れた。
山雅は前半15分、右サイドから切れ込んだ田中が倒されてPKを獲得し、高崎が決めて先制。
しかし後半2分、自陣右からの永井のシュートが、クリアしようとした橋内の足でコースが変わって失点。その後は相手ペースに耐えて勝ち越しを狙ったが43分、自陣左からのワシントンのクロスが後藤の足に当たりゴールを割った。
次節は4月1、2日。山雅は1日に徳島ヴォルティスと鳴門・大塚スポーツパークポカリスエットスタジアム(徳島県)で対戦する。昨季の対戦成績は山雅の1勝1分け。

【選手コメント】
8番・セルジーニョ 最後の最後でオウンゴールは本当に不運。個人的にはいいプレーができた。自分のベストなパフォーマンスでチームを助ける努力をし、実際にそれができ、何本かいいシュートやパスも出せた。
ただ、今日は自分たちが勝つ日ではなかったのかな。まだシーズンは始まったばかり。次の試合に向け、やることはたくさんある。顔を上げなくては。
9番・高崎 PKのキックは手応えがあった。ただ、その後もチャンスがあり、そこを自分がしっかり決めていれば勝てた。1点でも決めていたら違う展開になった。今日の負けは自分のせい。
前半はプレスがはまり、シュートまでもっていくことができた。周りとの連携も良く、ボールは自分に集まっている。あとは自分が決めるだけ。チームに迷惑をかけた分、次で取り返したい。
4番・飯田 (オウンゴールについて)1点目はともかく、2点目はサイドのかなり深いところまでえぐられ、対処が難しかったと思う。その前に止められなかったのが全て。修正しないと。
ドリブルで仕掛けてくる相手に引かず、前線で強気にボールを取りにいくことや、自陣深くまで相手にボールを運ばせないようにするのが課題。
(長岩将弘、松尾尚久)
ホーム開幕戦勝利 Jリーグ参入6年目で初   (2017年3月21日号より)
サッカーJ2の松本山雅FCは3月19日、松本市のアルウィンで首位のジェフユナイテッド千葉と対戦し、3−1で快勝した。ホーム開幕戦勝利はJリーグ参入6年目で初めて。北信越リーグ1部だった2009年以来8年ぶりだ。
山雅は序盤こそ千葉に押し込まれたが、前半24分、田中隼磨選手が左足で先制点を挙げると、後半1分と10分に高崎寛之選手が立て続けにゴール。その後1失点したものの、終始安定した守備と積極的な攻撃で勝ちきった。
試合後は、1万4000人を超えるサポーターが選手と喜びを分かち合い、凱歌(がいか)「勝利の街」を高らかに歌いあげた。
8年前のホーム開幕戦勝利はグランセナ新潟戦で、柿本倫明選手のハットトリックなどで4−0で快勝した時だ。
北信越リーグ時代の06年から山雅を応援する山添智宏さん(42、安曇野市明科)は「気持ちよかった。本当に久々のホーム開幕戦勝利。幸先がいい」と満面の笑み。長男の主税君(12)も「安定した戦いだった。見ていて楽しかった」と声を弾ませた。
「ホームゲームを心待ちにしていた。スタジアムの雰囲気も最高で、わくわくした」というのは前川薫さん(39、岡谷市)。夫の祐樹さん(37)は「3年前からほぼ欠かさずホームゲームに来ている。今年も家族3人で『山雅のある暮らし』を楽しみたい」と話した。
山雅は2連勝で、順位を13位から7位に上げた。次節(26日)はホームで、勝ち点7で並ぶ強豪名古屋グランパスと対戦する。

開幕からのアウェー3連戦は昨季と同じ1勝1分け1敗で、相手も昨季と同じ千葉を迎えたホーム初戦。山雅は攻守の素早い切り替えや労を惜しまない走り、セットプレーでの得点など「われわれらしさが出たゲーム」(反町監督)で勝ち点3を挙げた。難敵・名古屋をアルウィンに迎える次節に向け、弾みがつく白星だ。

「ロングボールが多くなりそうだと想定し、実際にそうなった。われわれの方が有効なボールが多かったというだけのことかもしれない」と反町監督が振り返ったように、最終ラインを高く保って前線から圧力を掛けてくる相手に対し、昨季から取り組むパスをつなぐサッカーは鳴りを潜めた。
しかし、指揮官は「やろうとしていることをもっとやりたいが、それだけでは勝てないのがサッカー。相手を見据え、いかに戦略を練るか。選手たちは頭の中でよく整理できていた」と頭脳戦の勝利を強調した。
今季初得点を含む2ゴールの高崎は「監督にも言われたが、点を取ることが全てではない。汗をかいてハードワークもしないと、周囲に負担がかかる。今日はそこを意識した」と胸を張った。
その2点をCKとFKでアシストした宮阪についても、反町監督は「前半は物足りない部分もあったが、後半は素晴らしかった」と貢献を評価。「出られない試合もあった中、自分に足りないところと向き合った結果。うれしく思う」と褒めた。
3連勝が懸かる次節の相手は、J2で戦力が飛び抜ける名古屋。ここまでの成績は同じ2勝1分け1敗。指揮官は「ビッグクラブとの対戦は気持ちが高ぶるし、しかもホーム。勝ち点で並んでおり、われわれがジャンプアップするのに大事な試合」とにらむ。

山雅は試合開始直後に押し込まれたが、ロングボールやカウンターで反撃し、石原の左クロスを中央に走り込んだ田中が受けて先制。
後半は序盤、宮阪の右CKと右奥のFKから、ともに高崎が頭で合わせて追加点。27分にシュートのこぼれを押し込まれて失点したが、それ以外は集中を切らさなかった。
名古屋とは、ともにJ1だった一昨季に対戦し1分け1敗だった。

【選手コメント】
3番・田中 ホーム開幕戦という大事な試合で勝つことができ、うれしい。皆がつないでくれたゴール。(流れの中からの得点は加入4季目で初だが)何よりチームが勝つことが重要。今年はホームで全部勝ちたいと思っている。
(得点後の)雄たけびはあまり覚えていないが、相当気持ちが入っていたのかなと思う。開幕からアウェー3連戦は、僕たちにとって非常に厳しい日程だった。ほかの選手たちもいろいろ思うところがあっただろうし、僕自身もアルウィンのピッチで、そのうっぷんを晴らすことができた。
3−0から1点返されたが、最後まで4点目を取りに行く姿勢を見せられたと思うし、ファンやサポーターもそれを求めて来てくれているはず。
(次節は古巣の名古屋戦だが)相手がどうこうよりも、今日のように自分たちの戦いをすれば勝つ自信はある。昨季の悔しさも糧に、勝ち点1の重みを改めてかみしめ、次に向かいたい。
15番・宮阪 (得点につながった)CKとFKは2本とも狙い通り。練習ではあまり決まっていなかったが、今日はしっかり合った。(正確な)キックという持ち味をアピールできてよかった。
(今季ここまで)練習では控え組でプレーすることが多いが、絶対に点を取ろうと思っているし、スタメン組を脅かそうと思って蹴っている。自分が出れば、セットプレーで得点できることを証明できた。
チーム力向上のためには、控え組も含めてヒーローが現れることが不可欠。もっと競争できたらいい。
(取材班)
ホーム開幕戦目前 来場者増狙い「ファンダフルアルウィン」   (2017年3月16日号より)
今季ホーム開幕戦が19日に迫った。クラブは今季、いっそうの来場者増を狙い「ファンダフルアルウィン」と題した一連のキャンペーンに取り組む。また、苦情が多かった先行入場時の不正や、過剰な席取りへの対策を打ち出した。昨季は1試合平均1万3631人が来場。「誰もが楽しく快適に過ごせるアルウィン」を目指す。

「ファンダフルアルウィン」は、新規来場者を主なターゲットにした昨季の「キテミテアルウィン」の強化版。好評だったイベントを継続し、新たな取り組みも。その一つが企画チケットの増加だ。
バックスタンド側ピッチ上に選手目線で観戦できる「エキサイティングピッチシート」(大人4500円、高校生以下2000円)を導入。昨季終盤に試験的に100席を設けたところ好評で、今季は540席を常設する。
昨季設けた、割安に観戦できるグループシートも種類を増やした。「ファミリーシート」(小学生以下を1人以上含む5人で1万1000円)は、昨夏の「信州・まつもと大歌舞伎」とコラボレーションした「スペシャル桟敷席」を定番化。通常の座席ではなく、幅約4・5メートルのスペースに敷物を敷き、幼児がいてもゆったり観戦できる。
当日の飲食ブースで使える割引券をセットした、グルメ券付きグループシート(4人で1万2000円)も。
昨季に続き、シャトルバス乗り場に近い信州スカイパーク12号広場を「ファンパーク」と銘打ち、10試合ほどで家族連れ向けのイベントを催す。
クラブの推計で昨季のファンパーク来場者は1試合当たり約3000人。訪れた人には好評だった一方、認知度アップや誘導が今季の課題だ。
昨季は遅めに来場した人にもワクワク感を持ってもらおうと、1万人目の入場者に景品を贈った。今季は「『1』にこだわる」という反町監督の目標への後押しを込め、1万1111人目にプレゼントを用意する。

クラブは今季から、シーズンパス保持者が対象の先行入場のルールを変更する。
これまで試合当日に行っていた入場順の抽選会を、インターネットでの事前(試合3日前まで)申し込み制に。クラブ公式サイト内の専用フォームから申し込み、受け付け完了メールを受け取る。当日は専用端末にパスをかざすと、抽選で割り振られた入場順の番号が発行される。
1〜200番には、一つの番号につき4人まで同時に入場できる整理券を配り、入場時に人数を確認。それ以上の人数による割り込みを防ぐ。
ネット環境がないなど事前申し込みが難しい人は、クラブに電話(88・5490)をすればスタッフが申し込みを代行。「喫茶山雅」でも代行を受け付ける。事前申し込みをしなかった場合、試合当日に予備待機列に並び、事前申込者に続いて入場する。
また、南側ゴール裏全域などホーム自由席の多くで、先行入場開始から15分間は荷物などを置いての離席を禁止に。荷物だけ置いてある席は係員が撤去するなどして、人数分以上の席取りを防ぐ。

クラブと松本市の並柳町会、並柳商工会は10日、クラブ事務所がある同地区で、ポスターなどを配り応援ムードを盛り上げる「緑化計画&クリーン作戦」を行った。
鐡戸裕史アンバサダー(34)らスタッフ4人を含む約15人が参加。2班に分かれて計50カ所ほどを訪ね、ポスターとポケットサイズの試合日程表を配ったほか、通り沿いに立てたのぼりの点検・補修やごみ拾いをした。
受け取った人たちは「今年も(試合を)見にいくよ」「今年こそ昇格を決めて」と激励。タイヤガーデンピットイン並柳店の宮田哲郎さん(22)は、自身もアルウィンで声援を送るファン。「山雅は接客時の話題に。足元から気運を盛り上げ、J1昇格を後押ししたい」
鐡戸アンバサダーは「改めて地域の人たちの思いが感じられ、ありがたい」と話した。
(長岩将弘)
J中継戸惑いの声 配信サービス「DAZN」移行で   (2017年3月9日号より)
Jリーグの試合中継が今季、これまで10年間続けてきたスカパーJSATの衛星放送から、英パフォームグループが提供するインターネット動画配信サービス「DAZN(ダ・ゾーン)」に代わった。利用料金が下がる一方、視聴方法や契約内容にはテレビ観戦者も多い山雅のファン・サポーターから戸惑いの声が聞かれる。ダ・ゾーンへの取材を含めて対応を探った。
◆料金は安く
Jリーグはパフォームと10年間の放映契約を結び、ダ・ゾーンはJ1、J2、J3のリーグ全試合を中継する。
料金は月1750円(税別)で、提携する携帯電話のNTTドコモ利用者は980円(同)に。スカパーでJリーグ全試合が見られるプランは月3000円ほどだったため、ぐっと安くなった。
ただ、スカパーが昨季まで放送した詳細なハイライト番組などはダ・ゾーンになく、放映権を持たないカップ戦(天皇杯やルヴァン杯)も視聴できない。
◆品質は要改善
ダ・ゾーンの視聴はパソコンやスマートフォン、タブレット端末などが基本。テレビで見るには▽インターネットに接続できるスマートテレビを用意する▽「ファイヤーTVスティック」などの機器を使ってWi−Fi(ワイファイ)でネットに接続する▽パソコンの画面をテレビに出力する―必要がある。
2月25、26日のJ1、J2開幕節では、一部の試合が視聴できないトラブルが発生。中継で観戦した人たちからは「(映像が)時々乱れたり、止まったりする」「衛星放送に比べ画質が悪い」という声が聞かれた。
ダ・ゾーンのPR事務局は松本平タウン情報の取材に「配信画質は非常に大切。今後も改善に向けてテストを行うなど、質の向上に全力を尽くす」と回答している。
◆PV開催は可能
スカパーにあった法人契約がない点も、関係者の間に戸惑いを広げた。大型スクリーンに映して応援するパブリックビューイング(PV)が、店舗などでできるかが曖昧だったためだ。
PR事務局は取材に、法人契約について「現在準備中」とし、「法人契約が整うまでは、個人の契約で上映して問題ない」と回答した。
クラブは2月末に松本市に開店した「喫茶山雅」でアウェー全試合を流し、食事付きのイベントを開催。ほかにも個人契約で映像を流す飲食店がある一方、塩尻市の商業施設駐車場で観戦イベントを開いてきた第三セクター「しおじり街元気カンパニー」は開催を見合わせている。
移行初年とはいえ、ダ・ゾーンとJリーグ側の準備や周知の不足が、ファン・サポーターの盛り上がりに水を差した。両者は独占放映という、見る側にほかに選択肢がない形で有料サービスを提供しており、きちんとした対応が求められる。
(長岩将弘)
遠征用バス購入 NPO松本山雅スポーツクラブ   (2017年3月9日号より)
山雅の育成組織「ユースアカデミー」のうちU−12やスクールの運営を担うNPO法人松本山雅スポーツクラブが、マイクロバス1台を購入した。U−12やU−15の遠征、県内6カ所で開くスクールの送迎などに使う。
29人乗り。購入費約700万円のうち400万円をスポーツ振興くじ助成金で賄った。
昨年3月、それまで7年ほど使ったバスを老朽化で廃車に。以降は遠征のたびにレンタカーを利用するなどしていた。
一昨年秋から新車の購入を検討し、昨年1月、くじを運営する独立行政法人日本スポーツ振興センター(東京)の助成事業に申請。7月に交付が決まった。
高橋耕司理事長(53)は「保護者の負担を減らすと同時に、親の送迎に頼らない自立心を子どもたちに養えれば」。
愛媛とドロー開幕から無得点 J2第2節   (2017年3月9日号より)
J2第2節の5日、山雅は愛媛FCと松山市のニンジニアスタジアムで対戦し、0−0で引き分けた。山雅は開幕から2戦続けて無得点。
前後半を通じて何度も決定機をつくり、シュートも相手の3本に対し10本を放った山雅だが、GKの好守にも阻まれ得点できなかった。順位は19位。
開幕2連勝は湘南だけ。山雅を含む8チームが未勝利。山雅は次節の12日午後2時から、ここまで2分けの15位FC岐阜と岐阜市の長良川競技場で対戦する。昨季の対戦成績は山雅の1勝1分け。
J2開幕 攻守に精彩欠き横浜FCに0-1   (2017年2月28日号より)
今季のサッカーJ2は26日に開幕し、J1再昇格を目指す松本山雅FCは横浜FCと横浜市のニッパツ三ツ沢球技場で対戦して0−1で敗れた。現地に駆け付けた約6000人のサポーターをはじめ、地元でも多くのファンや市民が声援を送った。
サポーターの交流の場やクラブの情報発信の拠点として、前日に松本市大手4に開店した「喫茶山雅」は、開幕戦をライブ配信で観戦する催しを行い、参加希望者のうち抽選で当たった約50人が来場。プロジェクターが映し出す大画面を見てチャンスに歓声、失点に悲鳴を上げ、好プレーに拍手を送った。
山雅を応援して3年目という松川村の田中晶さん(19)、葵さん(17)姉妹は「新しい選手が加わりレベルアップしたと感じた。昨季は悔しさしか残らなかったので、今季は優勝してJ1に昇格してほしい」。
喫茶山雅の食事(有料)付きの観戦は、3月は山雅が敵地で戦う5、12日に行う。アルウィンでのホーム開幕戦は19日。

「われわれらしさが3分の1くらいしか出せなかった」(反町監督)という言葉通り、山雅は攻守に精彩を欠き、2シーズン続けての黒星スタートとなった。昨季序盤のもたつきを反省し、今季は早めにチームをつくり完成度を高めたはずだったが、キャンプ中の練習試合でも目立った得点力不足は解消できていない。
反町監督が攻撃の工夫不足や緩慢な守備を嘆き、「省エネで勝てるチームではないし、そういう(労を惜しまない)チームづくりをしてきたが…」と話した90分間。
「攻守でめりはりが付けられず、ずっと同じようなペースで終わってしまった」と振り返ったのは岩間。
新加入の橋内は「もっとボールを動かせるようにならないと。自分たちでチャンスがつくれなかった点に目を向け、やっていかなくては」と力を込めた。
「ここからはい上がっていくのが山雅。底力を出し惜しみせず、次の試合に向かっていく」と指揮官は前を向いた。

山雅は試合序盤に両サイドやCKから好機をつくったが、前半16分にパスをつながれ、ミドルシュートを決められ失点。その後は狙いがあいまいなクロスなど単調な攻撃を繰り返した。
後半も相手ペースを覆せず、パスのミスや連携のほころびでピンチを招く場面も。宮阪、志知、三島を投入して得点を狙ったが、試合を通じて決定機は少なかった。
次節(3月5日)は愛媛FCと松山市のニンジニアスタジアムで対戦する。昨季の対戦成績は2引き分けの難敵。ホーム開幕戦を制し、勢い付く相手にどう挑むか。

【選手コメント】
21番・鈴木(リーグ初出場)「失点は誰かが悪いのではなく、ああいう場面を作らせてしまったチーム全体の責任」
3番・田中「敗因を一つに絞るのは難しく、経験がある僕が、何が悪いかを皆に伝えることができなかったのも一因。足りなかった『何か』を改善したい」
4番・飯田「引いたつもりはなかったが、互いに蹴り合う展開で(横浜FW)イバにボールが収まってしまい、そこでファウルをしてFKで押し込まれた。失点は、組織が崩されたわけではない」
10番・工藤「攻撃のスイッチの入れ方など課題が残った。まだ発展途上。悪かった点を探すより、これからどうしていくかが大事」
8番・セルジーニョ(新加入)「たくさんのサポーターがいて良い雰囲気の中で、本当に幸せな気分でプレーできた。こういう環境だとモチベーションが上がる」
20番・石原「横や後ろへのパスが多く、勝負に行けなかった。もっとゴール近くでボールをもらい、自分で仕掛ける場面を増やさなくては」
9番・高崎「自分たちの力を出せていない。出せていたら負ける試合ではなかった」
15番・宮阪「もっとボールに触れればよかったし、シュートチャンスも決めきれず悔しい」
11番・三島「久々の雰囲気で硬さがあったかもしれない。もっとゴールに向かうプレーをしなければ」
25番・志知(リーグ初出場)「中に切り込んでのシュートや、縦に仕掛けてクロスというのが求められていたと思うが、得点につなげられず悔しい」
(長岩将弘、大山博)
26日開幕 守備堅くキャンプに手応え   (2017年2月23日号より)
今季のJリーグはJ1が25、26日、J2が26日に、J3が3月11、12日に開幕する。J2松本山雅FCは横浜FCとの初戦を敵地で迎える。山雅は1年でのJ1返り咲きを狙った昨季、自動昇格圏の年間2位と勝ち点で並びながら得失点で及ばず、昇格プレーオフも惜敗。J入り以降最多の勝ち点84を積み上げながら、わずかな差に泣いた悔しさをばねに、再びJ1復帰に挑む(写真は東京Vとの練習試合=18日、東京・多摩市陸上競技場)。

指揮を執るのは6季目の反町康治監督。新加入11人を加えた計31選手と、4人中3人が入れ替わったコーチ陣で臨む。
昨季は豊富な運動量や縦に速い攻撃、セットプレーからの得点といった従来の強みを残しつつ、新たに最終ラインからパスをつないで組み立てる攻め手も追求した。シーズン後半は安定した戦いを見せたが、新スタイルになじみきれなかった序盤の取りこぼしが響いたともいえる。
主力の多くが残った今季は、3次にわたる県外キャンプで昨季のスタイルをベースにチームづくりを進めてきた。
18日に東京Vと行った開幕前最後の練習試合は、主力をそろえた2回目は0−0。両チームとも若手や控え主体の1回目は、山本の2得点と岡のゴールで3−0。2戦とも前線からの連動した守備が効いて相手に決定機すらつくらせず、鉄壁ぶりが際立った。
一方、詰めの段階で主力組の無得点は不安材料だ。再三シュートを阻まれ、自ら得たPKも止められた高崎は「もっとゴール前の迫力を出さなくては」と悔しがった。
それでも反町監督は「攻撃に厚みがあり、多くの好機をつくれていた。合宿の成果が出た」と内容を評価。「この一週間しっかり準備し、いい開幕を迎える」と力を込めた。
大きなけが人を出さずにキャンプを終えたのも、例年にない収穫だ。足を痛めて東京V戦の出場を見合わせた星原も「大事を取った。(開幕には)間に合うだろう」と指揮官。
チームは22日から静岡市で直前キャンプを行い、開幕戦に向けたコンディション調整と相手対策に取り組む。

開幕戦で当たる横浜FCは昨季8位。シーズン前半は監督が交代するなど振るわなかったが、後半は立て直し一時は昇格プレーオフ圏内の6位に迫った。昨季の対戦成績は山雅の2勝だが、最終節はアルウィンで薄氷を踏む逆転勝ちだった。
昨季リーグ3位タイの18点を挙げた190センチのイバをはじめ、大久保、津田ら攻撃陣の高さは脅威。町田の主力だったヨンアピンら即戦力を補強した守備陣も隙がない。
開幕戦当日は「キング・カズ」三浦の50歳の誕生日。その活躍で相手を勢いづかせないよう、きっちり抑えたい。

今季J2は、Jリーグ発足時メンバーで資金力でも抜きんでる名古屋が優勝争いの軸になりそうだ。
クラブ史上初の降格で選手は大きく入れ替わったが、J1・J2通算最多得点記録を持つ佐藤、昨季岡山でチーム最多得点の押谷らが加入し、戦力低下の印象はない。J1川崎を5季率いた風間監督の下、1年でのJ1復帰が大命題だ。
降格しながらも戦力補強に成功した福岡、監督続投で運動量で圧倒する戦術の継続が見込まれる湘南なども、昇格争いで山雅の前に立ちはだかりそうだ。
(長岩将弘)
今季J2も22クラブ全42節で争う   (2017年2月23日号より)
今季J2に参戦するのはJ1から降格した名古屋、湘南、福岡、J3を制し1年で復帰した大分など22クラブ。本拠地と敵地で1戦ずつ行うホーム・アンド・アウェー方式の総当たり2回戦、全42節で争う。
前後半45分ずつ、計90分の試合を行い、同点の場合は引き分け。順位は勝ち点(勝ち=3、引き分け=1、負け=0)の合計で決め、勝ち点が並んだ場合は得失点差、総得点数、当該クラブ間の対戦成績−の順で上下を決める。
J1には3クラブ(財務や施設など各分野でJ1基準を満たすライセンス保有が条件)が昇格できる。年間1、2位は自動昇格し、3〜6位で残り1枠を争うトーナメント形式のプレーオフを行う。
プレーオフの準決勝(3位−6位、4位−5位)は11月26日、決勝は12月3日。いずれもリーグ戦上位クラブのホームで行う。90分間で決着がつかない場合、リーグ戦上位クラブが勝者となる。
また、今季からJ2・J3の入れ替え戦を廃止。J2の21、22位と、J3の1、2位(J2ライセンス保有が条件)が自動的に入れ替わる。

ホーム試合は松本市神林の総合球技場アルウィンで21試合。前売り券は大人がS席4500円(高校生以下2000円)、A席4000円(同1500円)、ホーム・アウェー側とも自由席2200円(同700円)など。インターネットやコンビニの端末などで購入できる。
当日券はいずれも500円(高校生以下のホーム・アウェー自由席は300円)増し。未就学児は大人1人につき1人、車いす席は1人につき付き添い1人がそれぞれ無料。試合により、中南信地区の小中学生には学校を通じ、ホーム自由席の招待券を配る。
ホーム全試合を割安に観戦でき、さまざまな特典も付く「シーズンパス」や、多様な企画チケットもある。問い合わせは株式会社松本山雅電話88・5490
「喫茶山雅」竣工 クラブのルーツにちなむ   (2017年2月23日号より)
サッカーJ2松本山雅FCの運営会社は21日、松本市大手4に25日オープンさせる「喫茶山雅」の竣工(しゅんこう)式を開いた。クラブのルーツである松本駅前にあった喫茶店「純喫茶山雅」にちなんだ店。イベントスペースも備え、日常に根ざした交流・情報発信の拠点としても活用する考え。関係者18人が出席して神事などを行い、店の「復活」に感慨深げな様子を見せていた。
建坪は約330平方メートル。1階は喫茶コーナー(54席)と公式グッズを扱う売店で、2階が50人余を収容できるイベントスペース。26日の開幕戦をはじめ、アウェー全試合をライブ観戦するイベントを予定している。
「純喫茶山雅」は1965年に故・山下忠一さんが開店。常連客らがつくった同好会「山雅クラブ」が現在のクラブの前身となった。店は駅前開発に伴い、78年に閉じた。
ファンからの要望もあり一昨年、クラブ発足50周年記念事業として話が持ち上がり、昨年初めに具体的な計画が動き始めたという。
山下さんの長女の慶子さん(67、塩尻市宗賀)は「(純喫茶の)閉店後も何度も奇跡が起きて今のクラブがある。多くの人が集い、今後もさまざまな奇跡が生まれてくれれば」。
山雅クラブ発足時のメンバーで、OBでつくる「山雅会」会長の●{はしご高}原保彦さん(72、安曇野市明科)は「かつてのわれわれのように若い人が夢を語り、今のわれわれのように年配者も気軽に入れる、そんな店になればいい」と願った。
山雅の神田文之社長(39)は「竣工にたどり着くまでにも、多くの人の支えがあった。その思いに応えられるよう、ファンや地域に長く愛される場所にしたい」と意気込んだ。
開幕へ、地元で気勢 キックオフイベント   (2017年2月21日号より)
サッカーJ2松本山雅FCは19日、山形村のアイシティ21で、恒例のキックオフイベントを開いた。県外で3次にわたるキャンプを行っていた反町康治監督や選手が地元のファンらの前に姿を見せるのは、約1カ月ぶり。26日に迫った開幕戦に向けて意気込みなどを語り、約1000人の来場者とともに気勢を上げた。
17日に加入が発表された下川陽太選手ら3選手を除く28選手と反町監督が参加。昨季まで選手として山雅に在籍し引退、クラブアンバサダーを務める鐡戸裕史さんをゲスト司会者に迎え、全員が1人ずつ壇上に立った。
チーム最古参となった飯田真輝選手は「新加入の選手もすぐに溶け込め、チームの雰囲気はすごくいい」。
昨季チーム最多の16点を挙げた高崎寛之選手は「いいときも悪いときもあると思うが、最後には笑って終われるよう頑張る」と力を込めた。
開幕準備について聞かれた反町監督は「できている」ときっぱり。経験豊富な監督が増えたことなどから、今季のJ2は「ますますシビアなリーグになっている」とし、「(昨季を上回る)勝ち点85以上、順位は2位以上を目指し、まい進していく」と見据えた。
勝利時に選手が肩を組んで踊る「アルプス一万尺」について「僕も最後に踊れればいいと思っている」と話し、会場を沸かせた。
家族で訪れた松本市大手の中村佐保さん(41)は、1月の新体制発表会にも参加。「みんな言葉も顔つきも頼もしくなり、期待とともに開幕間近の雰囲気を感じた」。
次女の真夕さん(開智小2年)は工藤浩平選手のファンといい、「去年よりもたくさんゴールを決めてほしい」と、活躍を願った。
(長岩将弘)
1次キャンプ終了 チーム構築は順調   (2017年1月31日号より)
J2松本山雅FCのキャンプが順調に進んでいる。1月24日から静岡県御殿場市で6日間行った1次キャンプは、体力強化のほか守備戦術にも着手した。反町監督は、当初2割程度まで持っていきたいとしていた完成度について「3割ほどはできた」と話し、手応えをうかがわせた。
1次キャンプ最終日の29日は、2戦目となる練習試合を産業能率大(神奈川)と行った。35分を3本行い、1本目は0−1、2本目は飯田のゴールで1−0、3本目は谷奥、後藤に加え、2本目途中から出場した新人の岡が2得点し4−1だった。
昨季までのメンバーが多く残ることもあり、今季はできるだけ早くチームをつくり上げ、足りない部分をプラスしていく方針だ。
反町監督は「天候にも恵まれ、やるべきことはできた。大きなけがをする選手もおらず、全体的にいい合宿だった」と振り返り、この日の練習試合についても「ここまでやってきたことについては、きちんと狙いを出せた」と評価した。
2次キャンプ(2月1〜5日・静岡市)は引き続き守備を中心に取り組み、3次キャンプ(同6〜17日・鹿児島市)は攻撃面に重点を置く。26日の開幕戦前の1週間で足りない点を整理するというプランを描き、状況によっては4次キャンプを行うという。
「雷鳥奮迅」挑戦の年 新体制発表会   (2017年1月24日号より)
J2松本山雅FCは22日、新体制発表会を松本市のまつもと市民芸術館で開いた。新加入10選手を含む30選手と反町康治監督、指導陣らが勢ぞろいし、ファンやサポーター約1800人と対面。意気込みなどを語り、あと1カ月余に迫った開幕へ気持ちを新たにした。
クラブ運営会社の神田文之社長が、今季のスローガン「One Soul雷鳥奮迅!」を発表。「今年は酉(とり)年で、公式マスコットのガンズくんは雷鳥がモチーフ。『獅子奮迅』になぞらえ、果敢に挑戦していきたい」と説明した。
反町監督は「(J1昇格プレーオフで敗れた昨年)11月27日の悔しさを原動力に、昨季を上回る2位以上、勝ち点も昨季を上回らなければと考えている」ときっぱり。
選手らが一人ずつ思いを語り、事前に来場者から寄せられた質問にも答えた。
家族や友人ら6人で訪れた塩尻市宗賀の根本明日香さん(40)は「村山選手の『ただいま、松本!』の言葉に胸が熱くなった」。
友人の柴田恵美さん(44、宗賀)は「昨季の主力が多く残ってくれたので期待が持てる。勝ち点1を大切に、序盤から着実に積み重ねてほしい」と願っていた。

来場者から寄せられた質問と回答の一部は次の通り。
−高崎選手。リーグ得点王になる自信は。
自信はないが、FWである以上、目指すべきはそこだと思っている。3−0で勝ったときの3点目ではなく、1−0で勝ったときの1点など、シビアな状況でゴールを取れるようにしたい。
−山雅に完全移籍を決めた理由は。
鹿島で挑戦したい気持ちもあったが、自分がより必要とされているのは山雅だと思った。昨季のプレーオフで負け、みんなで流した涙を忘れることができず、このチームでもう一度J1に行きたい。
−反町監督。今季のJ2は実績や経験が豊富な監督が多く、例年以上に戦術や分析が重要になると思う。どう対抗するか。
高校の2年先輩である大木武さん(岐阜)、同じく2学年上の風間八宏さん(名古屋)らがおり、(徳島と東京Vに)スペイン人監督もやってくる。相手の分析作業が勉強になることも多く、非常に楽しみ。ただ、試合になったら絶対に勝つ。
−今季J1昇格のライバルになりそうなのは。
やってみなければ全く分からないが、お金持ちの名古屋でしょうか。(昨季途中まで山雅に所属した)酒井隆介もいるし。どのチームも手ごわく、どこが相手でも全力を尽くす。
−村山選手。(昨季限りで引退し、この日アンバサダー就任が発表された鐡戸裕史さんの)背番号16を付ける。特別な理由があるのか。
16は山雅にとって(故・松田直樹さんが付けていた)3の次くらいに大事な番号。それをクラブから打診してもらった。GKの番号としては違和感があるかもしれないが、一度出て行った自分に対しての獲得オファーもうれしかったし、いろいろな思いをかみしめてプレーしなければならない。そんな決意を込めて、この番号を付けさせてもらった。
(長岩将弘)
再びJ1の舞台目指し 松本で初練習   (2017年1月17日号より)
サッカーJ2松本山雅FCは15日、松本市かりがねサッカー場で今年初めての練習を行い、始動した。1年でのJ1返り咲きを狙った昨季は得失点差で自動昇格を逃し、進んだ昇格プレーオフも初戦で惜敗。就任6季目の反町康治監督の下、新戦力10人を加えた選手計30人に、新たなコーチ・スタッフ計6人を迎え、再びJ1の舞台を目指す。
けがなどの影響で一部別メニューの選手がいたものの、初練習には30選手全員が参加。前日からの雪が降り続く中にもかかわらず、待ちわびたファンら約350人が詰め掛けた。
選手は室内で40分ほど体幹トレーニングなどをした後、ファンらの拍手や歓声に迎えられて人工芝グラウンドに登場。ランニングやボール回しなどで1時間余、汗を流した。
同市笹賀の鎮西なつみさん(8、菅野小2年)は高崎寛之選手のファン。「久しぶりに見たけれど、やっぱりかっこいい」と笑顔を見せ、「けがのないように、たくさんゴールを決めてほしい」。
父の直人さん(39)は「主力が多く残っている。昨季後半のような安定感で、今季は最初からいってほしい」と期待を込めた。
練習後、田中隼磨選手は「昨季の悔しさは一生忘れられないと思う。昇格に向け、一日一日を大切にしていく」と意気込み、反町監督は「選手たちの顔つきからも、懸ける思いが伝わってきた。笑って今季を終えられるよう努力していく」と、決意を話した。
チームは21日まで同市で練習し、22日にはまつもと市民芸術館で新体制発表会を開いて、全選手やスタッフがファンらと対面する。
24日からは静岡県御殿場市などでのキャンプを経て2月26日、横浜FCと敵地での開幕戦に臨む。
(長岩将弘)
山雅新加入記者会見 J1へ意気込み   (2017年1月17日号より)
山雅は14日、新加入の10選手とコーチ3人が出席して記者会見を松本市内で開き、意気込みなどを話した。加藤善之GMは今季の編成について「J1仕様、競争原理、新陳代謝」をキーワードに挙げ、昇格後を見据えてJ1で戦えるチームづくりを目指し、若手の底上げも図るとした。
昨季J2北九州で主力を担い、33試合に出場したDF星原健太や、10〜14年シーズン途中まで鳥栖でプレーしたDF呂成海などが新たに加入。主力のシュミットを含む3人が去ったGKは、一昨季まで山雅でレギュラーだった村山智彦が湘南から復帰した。
指導陣は、15年途中からJ2京都の監督を務め、昨季は5位の成績を残した石丸清隆さんがコーチに就任。対戦相手の分析は、筑波大大学院を修了して2季ぶりに復帰した貝ア佳祐コーチが担当する。
フィジカルコーチ以外の2人は1年で入れ替わったが、強化を担う南省吾テクニカルダイレクターは「監督やチームに新たな刺激をもたらしてくれるはず」と期待を込めた。
また、昨季はけが人が相次いだ反省から、フィジオセラピスト(理学療法士)をスタッフに加えた。
加藤GMは、昨季にJ1昇格プレーオフに回ったことなどで「今季の立ち位置がなかなか定まらなかった点も影響し、今までになく編成に苦労した」としながらも、「みんな山雅と共に成長したいという気概を持って来てくれた。切磋琢磨(せっさたくま)できるメンバーがバランスよく集まった」と話した。
その他の新加入選手・スタッフは次の通り(選手のかっこ内は前所属チーム)。
【選手】▽GK藤嶋栄介(千葉)、高東民(大倫高=韓国)▽DFジエゴ(ジョインビレEC=ブラジル)、橋内優也(徳島)▽MFセルジーニョ(セアラーSC=ブラジル)、岡本知剛(湘南)▽FW岡佳樹(桃山学院大)
【スタッフ】▽フィジカルコーチ古邊考功▽チーフトレーナー小嶋久義▽フィジオセラピスト中條智志▽副務富沢大輔

【DF星原の話】
個人としてステップアップしたいと思っていたし、練習も厳しいと聞いていた。山雅なら成長できると思い、移籍を決めた。
自分の強みは攻守両面のスピード。練習から全力で取り組み、試合で力を出し切れるようにしたい。
今季、北九州はJ3に降格した。「もっと自分のアシストがあれば、残留できていたのでは」という思いがある。そういった悔しさを残さないように頑張りたい。
【石丸コーチの話】
山雅の一番の魅力はサポーターの熱。対戦者として訪れたアルウィンは、ほかと違う戦いにくい雰囲気だったが、味方として後押しを受けられると思うと心強い。
山雅はボールを持ちながらのゲームコントロールが課題。攻守のバランスも考えながら、そこを上乗せしていければ、さらに良いものができる。
監督に決定権があり、その判断材料を増やすのがコーチの役目。目標のJ1昇格に向け、反町監督や選手を全面的にサポートし、チームを前進させたい。
(長岩将弘)
山雅 今季どう挑む   (2017年1月1日号より)
昨季は年間3位ながら昇格プレーオフで敗れ、1年でのJ1復帰を果たせなかった松本山雅FC。再び日本のトップリーグを目指し、過去最高の勝ち点を積み上げた昨季を超えるには、これまで以上にクラブ全体の力が問われる。クラブ運営会社の神田文之社長(39)に今季の取り組み方などを聞いた。

−昨季を振り返って。
一昨年のJ1昇格まで右肩上がりだったクラブの流れに、われわれ運営会社も「乗ってきた」部分があった。昨年は初めてカテゴリーが下がる経験をし、何か主体的な動きがほしいと思い、「新・起動」というスローガンを打ち出した。
トップチームは過去最高の勝ち点を積み上げたが、何かが足りなかったのも事実。安定して戦える力は身に付いたが、クラブ全体がさらにもう一歩、力強さを持つ必要があると思う。
−「もう一歩」を埋めるためにどうするか。
昇格を逃したのは、どの試合のどの選手のどのプレーが悪かったということではなく、クラブ全体で足りない点が結果に表れた。
例えば練習環境にしても、松本市などの協力を得て整ってきたが、J1レベルかというと、そうとは言えない。J2を3年で駆け抜けハード、ソフト両面で整備が追い付かなかったこともある。
ただ、最後の最後、どちらに転ぶか分からないような場面をものにする力は、そういう部分を突き詰めていくことで埋めることができるはず。クラブ全体で「J1レベル」に向き合うべき時に来ていると思う。
−集客やスタジアムの魅力発信は。
昨季は「まつもと大歌舞伎」とのコラボレーションなど新しいことに取り組んだが、一昨季よりホーム試合の入場者数が減ったのは事実。課題として受け止めている。
われわれがすべきことは、カテゴリーに関係なく、1人でも多くのお客さんにアルウィンに足を運んでもらう努力や工夫。それがトップチームの後押しにもなる。
非日常のアルウィンに対し、日常に根差したファンとの接点をつくろうと「喫茶山雅」を2月に同市の緑町に開く。思い切った挑戦だが、今後の大きな柱の一つになるはず。
「セイジ・オザワ松本フェスティバル(OMF)」とのコラボも考えている。街の魅力も発信し、街と一緒に盛り上がるクラブになりたい。
−地域の期待は引き続き高い。
「当たり前だと勘違いしてはいけない」と社員やスタッフに常々言い、自分にも言い聞かせている。この熱はもっと高めていけると思うし、僕らが現状に甘えていたら話にならない。そのためのチャレンジをしていかなければ。
昨季を「あの終わり方でよかった。あの悔しさがあったから、今年成長できた」と、振り返ることができる1年にしたい。
(聞き手・長岩将弘)

神田文之社長プロフィール
【かんだ・ふみゆき】1977年、山梨県田富町(現・中央市)生まれ。東京学芸大を卒業し2000年、当時J2の甲府に入団。05年8月、北信越リーグ2部だった山雅に加入し、2試合に出場して1部昇格に貢献。同年引退し、東京の不動産会社の営業職に。12年に山雅の運営会社に入社。管理本部長などを経て15年から現職。
2017年J2概要   (2017年1月1日号より)
2017年シーズンのJ2は、J1から降格した名古屋、湘南、福岡とJ3から昇格した大分を含む計22クラブが参戦。3季ぶりのJ1昇格を目指す山雅にとって、Jリーグ発足以来初めて降格したビッグクラブの名古屋や、2季続けてJ1にとどまった湘南、復活を期す大分などが強敵になりそうだ。
開幕は2月26日。ホーム・アンド・アウェー方式の総当たり2回戦で、11月19日まで全42節で争う。ホーム開幕戦の開催日と対戦カードは今月12日に、そのほかの試合は25日に発表される。
順位は勝ち点(勝ち=3、引き分け=1、負け=0)の合計で決め、勝ち点が並んだ場合は得失点差、総得点、当該チーム間の対戦成績の順で決める。
年間1、2位が来季J1に自動昇格し、3〜6位で残り1枠を争うトーナメント形式のプレーオフを行う。準決勝(3位対6位、4位対5位)は11月26日、決勝は12月3日。
今季からJ2とJ3の入れ替え戦が廃止され、J2の21、22位が自動降格し、J3の1、2位が自動昇格する。
ユースアカデミー 「育成元年」の成果と今後   (2017年1月1日号より)
昨年、大きな改革に乗り出した松本山雅FCの育成・普及組織「ユースアカデミー」。一昨年のJ1経験から、クラブは育成の強化の必要性を痛感。「育成元年」を掲げ、活動の柱の1つに据えた。初年にどのような手応えを得て、今年は何を目指すのか。アカデミーを統括する山ア武ダイレクター(51)と、U−18(高校年代=ユース)の臼井弘貴監督(36)の話を基にまとめた。
クラブがアカデミーの大幅な体制強化を打ち出したのは昨年1月。山雅以外のJクラブでトップチームや育成の指導に携わった経験を持つ指導者7人を加え、人員配置を見直し、組織を改編した。
その成果もあり、昨季はU−18がJクラブの育成チームが競うJユースカップで、横浜Mや神戸を破って4強入り。U−15(中学生=ジュニアユース)は県クラブユース選手権を初制覇し、U−12(小学生=ジュニア)は全日本少年大会県大会を2連覇。各年代で好成績を残した。
山アダイレクターは「成果が表れたのはうれしい」としつつ、「アカデミーの使命は、地域貢献とプロ選手の輩出。タイトル獲得や大会での好成績は手段であり、目的ではない」とする。
昨季J3公式戦に出場したFC東京U−23の久保建英は中学3年生。「同じ素質を持つ子どもが県内にいたとしても、久保になれる環境は整っていない」とも。
「大切なのは『強くなったね』と言われることではなく、『どうやって強くなったか』という部分が注目されること」。全国大会などで結果を出すと、素質がある子どもが集まり、才能が刺激し合い、開花する好循環が生まれるからだ。
山アダイレクターは「山雅をいち早くそういう場にしたい。地域全体の育成環境の向上にもつながる」と力を込める。

昨年目に見えてレベルが向上したのがU−18(ユース)だ。初めて3人が、J公式戦出場が可能な2種登録されたほか、1軍は昇格初年で県リーグ1部優勝、2軍も参入戦を制して来季同2部に昇格。夏の日本クラブユース選手権は北信越予選を突破し、2011年以来2度目の全国大会に進んだ。
臼井監督は「遠くから眺めているだけでは分からなかった山の高さが、ある程度登ったことで頂上への道のりや険しさも含め、はっきりした」と手応えを表現。
Jユースカップ4強も「厳しい試合を勝ち進んだことは評価できるが、絶対的な技術や試合の流れを読む力などは全く足りない」とする一方、「『強くなるにはこうすればいい』というものが明確になった。新たな基準ができたのが一番の収穫」。
ユースはプロ選手の継続的な輩出が使命だが、2種登録された3人もトップに昇格できず、大学に進む。山アダイレクターも「5年後、10年後ではなく、すぐにトップ選手を出すという気概を持ち、熱い集団に」と望む。
昨季の好成績で、今年はこれまで以上に注目を集めて大会などに臨むことになる。臼井監督は「プレッシャーの中でやれるのは幸せなこと。短期、長期で方向性を整理し、明らかになった道筋に沿って進んでいく」と先をにらむ。
(長岩将弘)


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